小野寺賢人

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小野寺 賢人
台鋼ホークス #4
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 宮城県
生年月日 (1998-07-13) 1998年7月13日(25歳)
身長
体重
175 cm
84 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
初出場 CPBL / 2024年4月4日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

小野寺 賢人(おのでら けんと、1998年7月13日 - )は、宮城県出身の日本プロ野球選手投手[1]

経歴[編集]

アマチュア時代まで[編集]

小学2年生の時に野球を始める[2]

聖和学園高等学校から星槎道都大学に進む[1]。大学時代には札幌学生野球連盟1部リーグで複数回の優勝を経験した[3]。大学当時について小野寺自身は「星槎道都大2年の時は、リリーフで出て、四球・四球・ホームランみたいな状態でした。3年で先発して1回5失点KOという試合があって、そこからはもう何をやってもだめ。地獄みたいな時間でした」と振り返っている[4]

本人によると、在学中に参加した社会人野球チームの練習会がすべて不合格だったため、2021年の大学卒業後は北海道の一般企業に就職してクラブチームTRANSYSに加入した[2]。しかし、社業のために十分に野球ができない環境に悩み、就職から2か月後に勤務先を退社して、TRANSYSの助監督から話を通す形で、6月8日にベースボール・チャレンジ・リーグ(ルートインBCリーグ)の埼玉武蔵ヒートベアーズに入団した[2][5]

BCL・埼玉時代[編集]

途中加入となった初年度は、中継ぎを中心に14試合に登板して1勝0敗、防御率0.90の成績だった[6]。埼玉が出場したリーグプレーオフでは、準決勝第2戦(対オセアン滋賀ブラックス)に先発、7回を投げて勝利投手となった[6]

2022年はすべて先発で起用され、13試合に登板して5勝1敗、防御率1.65の成績で[6]、南地区の最優秀防御率を獲得した(リーグ全体でもトップの成績)[7]。このシーズンは与四死球が7つだけで無四球完投も2度記録するなど、制球力が評価された[8]。このため、NPBドラフト会議での指名候補にも挙げられ[8]、NPB球団のテストも受けたが[4]、指名はなかった[9]。シーズン終了後、ベストナインに選出されている[10]

翌シーズンを前に、背番号を従来の21番から11番に変更した[11]。また個人トレーニングを受けて球速を2km/h 引き上げた[4]

2023年も先発中心(シーズン後半にはそれ以外の登板もあり)で、10勝2敗1セーブ、防御率3.19の成績を挙げ[6]、地区最多勝利と地区最多奪三振のタイトルを獲得した(奪三振はリーグ全体でもトップ)[12]。先発登板した6月7日の対福島レッドホープス戦では、試合途中に9番の打席に入り、2打数1安打の記録を残している[13]。このシーズンは埼玉が進出したリーグチャンピオンシップでは、4試合に登板(うち先発3試合)して1勝1セーブを記録した[6]。公式戦・リーグチャンピオンシップのいずれにおいても、それぞれの優勝決定戦で抑えで登板し[14][15]、「胴上げ投手」となった(いずれも、それぞれ唯一のセーブを記録[6])。グランドチャンピオンシップでは決勝の対火の国サラマンダーズ戦に先発したが、7回を投げて4失点で敗戦投手となった[16]。シーズン終了後にリーグの投手部門MVPに選出された[17]。しかし、前年に続いてNPBドラフト会議での指名はなく[18]、この年はNPB球団からの調査書自体届いていなかったという[19]

11月15日、「海外リーグ挑戦の為」という理由で埼玉を自由契約により退団した[20]

台鋼時代[編集]

2023年11月から12月にかけて開催されたアジア・ウィンター・リーグに出場する中華職業棒球大聯盟 (CPBL)の台鋼ホークスに「テスト外国人」として入団、4試合に登板して、特にNPB REDとの決勝戦では完投目前の8回2/3を投げて1失点の好投を見せてチームを優勝に導いた[21]。この入団は、台鋼のコーチだった横田久則やNPB球団スカウトから、当時日本の独立リーグで選手を探していた台鋼側に話がつながってのものだった[19]。「テスト外国人」として参加した選手は小野寺以外にも3人おり、正式に契約できるのは多くても1人という状況の中、4試合通算で2勝0敗、防御率0.92という安定した成績により[19]、決勝戦終了後に2024年シーズンの契約が決定した[21][19]。背番号は、ウインターリーグ時と同じ4[22]

2024年のオープン戦2試合に先発登板し、防御率1.80の内容で開幕一軍入りを果たした[19]。4月4日、開幕2戦目の中信兄弟戦に公式戦初先発登板したが、5回途中5失点で降板となり、敗戦投手になった[23]。10日の楽天モンキーズ戦は、ともに前年までBCリーグ球団でプレーした鈴木駿輔との投げ合いになり、6回を投げ2失点(自責1)の好投を見せた[24]が足が攣ったことで降板し[25]、勝ち負けは付かなかった[24]。翌日に二軍降格となった[26]。4月27日に再び一軍登録された[26]。同日、対楽天モンキーズ戦に先発、7回1失点の好投を見せたが[27]、味方の援護がなく敗戦投手となった[28]

選手としての特徴[編集]

上背がなく、最高球速は148km/hで[29]平均球速はさほど速くないが、制球力に絶対の自信を持っており、それを武器にゲームメイク力が高い[30]変化球カットボールに自信を持つ[29]

詳細情報[編集]

独立リーグでの投手成績[編集]

出典は「一球速報.com」[6]





















































W
H
I
P
2021 埼玉 14 1 0 0 0 1 0 0 0 1.000 80 20.0 20 0 1 - 0 18 0 0 5 2 0.90 1.05
2022 13 13 4 1 2 5 1 0 0 .833 370 93.0 89 3 5 - 2 73 3 0 23 17 1.65 1.01
2023 21 18 3 3 0 10 2 1 0 .833 542 129.2 123 3 22 - 2 114 10 1 55 42 2.92 1.12
通算3年 48 32 7 4 2 16 3 1 0 .842 992 242.2 232 6 28 - 4 205 13 1 83 61 2.26 1.07
  • 各年度の太字はリーグ最高
  • 2023年シーズン終了時点

背番号[編集]

  • 21(2021年 - 2022年)
  • 11(2023年)
  • 4(2024年 - )

脚注[編集]

  1. ^ a b 自由契約選手のお知らせ」『埼玉武蔵ヒートベアーズ』2023年11月15日。2023年12月3日閲覧
  2. ^ a b c 新卒で入った会社を2ヵ月で辞めて独立リーグに挑戦した理由 - 小野寺賢人note(2021年8月2日)2024年1月10日閲覧。
  3. ^ 小野寺賢人 [@tra18dera] (2021年3月19日). "2021年3月19日のツイート". X(旧Twitter)より2024年1月10日閲覧
  4. ^ a b c 台湾ドリームに挑む独立リーグのヒーローたち 小野寺賢人と鈴木駿輔が切り開く道」『スポチュニティ』2024年3月21日。2024年3月21日閲覧
  5. ^ 新入団選手のお知らせ - 埼玉武蔵ヒートベアーズ(2021年6月8日)2024年1月10日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g 小野寺賢人 - 一球速報.com
  7. ^ 2022シーズン 個人タイトル確定のお知らせ - ベースボール・チャレンジ・リーグ(2022年9月9日)2024年1月10日閲覧。
  8. ^ a b BCリーグで注目のドラフト候補5人。球速を約50キロ上げた19歳右腕、「野球を諦めて就活を」宣告から這い上がったスラッガーも」『web Sportiva』2022年10月19日。2024年1月10日閲覧
  9. ^ ~2022年の総括・2023年の決意~ - 小野寺賢人note(2022年12月28日)2024年1月10日閲覧。
  10. ^ 2022年ベストナイン・最優秀審判員お知らせ - ベースボール・チャレンジ・リーグ(2022年10月11日)2024年1月10日閲覧。
  11. ^ 背番号変更のお知らせ - 埼玉武蔵ヒートベアーズ(2022年12月20日)2024年1月10日閲覧。
  12. ^ 2023シーズン個人タイトル確定 - ベースボール・チャレンジ・リーグ(2023年9月5日)2024年1月10日閲覧。
  13. ^ ルートインBCリーグ2023公式戦 2023/6/7(水) 牡丹台野球場 - 一球速報.com
  14. ^ 埼玉武蔵ヒートベアーズ、2度目の優勝 野球BCリーグ南地区 9日からチャンピオンシップ、リーグ王者目指す」『埼玉新聞』2023年9月1日。2024年1月10日閲覧
  15. ^ ルートインBCリーグ2023チャンピオンシップ 2023/9/26(火) 熊谷さくら運動公園野球場 - 一球速報.com
  16. ^ 2023年10月1日 火の国サラマンダーズ vs 埼玉武蔵ヒートベアーズ - スポーツナビ
  17. ^ 2023年シーズンMVP決定のお知らせ - ベースボール・チャレンジ・リーグ(2023年10月11日)2024年1月10日閲覧。
  18. ^ 小野寺賢人 [@tra18dera] (2023年10月26日). "2023年10月26日のポスト". X(旧Twitter)より2024年1月10日閲覧
  19. ^ a b c d e 工藤慶大「NPB球団を圧倒…突如現れた“謎の日本人投手” 「契約するって」漏れ聞いたテスト合格」『Full-Count』2024年4月4日。2024年4月4日閲覧
  20. ^ 自由契約選手のお知らせ - 埼玉武蔵ヒートベアーズ(2023年11月15日)2024年1月10日閲覧。
  21. ^ a b 駒田英「【台湾プロ野球だより】王柏融が入団、アジアウインターリーグの優勝。この冬も“第6の球団”台鋼ホークスに注目!」『パ・リーグ.com』2024年1月4日。2024年1月10日閲覧
  22. ^ 笠原祥太郎、小野寺賢人加盟 台鋼雄鷹2日籍投手抵台」『台鋼ホークス 公式ウェブサイト』2024年1月16日。2024年1月16日閲覧
  23. ^ “中職》許基宏致勝三壘安打 台鋼雄鷹苦吞隊史首敗” (中国語). 自由體育. (2024年4月4日). https://sports.ltn.com.tw/news/breakingnews/4630961 2024年4月5日閲覧。 
  24. ^ a b 楊啓芳「台湾プロ野球・台鋼の小野寺と楽天の鈴木、日本人2投手が先発対決」『フォーカス台湾』2024年4月11日。2024年4月15日閲覧
  25. ^ 小野寺賢人 [@TRA18dera] (2024年4月11日). "小野寺試合を作りましたが降り方が最悪でした。". X(旧Twitter)より2024年4月15日閲覧
  26. ^ a b 球員異動”. 中華職棒大聯盟全球資訊網 The Official Site of CPBL. 2024年4月15日閲覧。
  27. ^ 04/27 台鋼 VS 樂天 賽後,小野寺賢人重回一軍,先發主投繳出7局3K的優質先發,僅被打5支安打失1分 - Yahoo!運動(中国語、2024年4月27日)2024年4月28日閲覧。
  28. ^ “樂天桃猿》回家後1分差奪首勝 古久保健二看見整修後不同之處” (中国語). LINE TODAY. (2024年4月27日). https://today.line.me/tw/v2/article/nX5nW8J 2024年4月28日閲覧。 
  29. ^ a b HISATO「BCリーグで注目のドラフト候補5人。球速を約50キロ上げた19歳右腕、「野球を諦めて就活を」宣告から這い上がったスラッガーも」『web Sportiva』2022年10月19日、5頁。2024年4月16日閲覧
  30. ^ 高木遊「実績は「独立リーグNo.1」でも「調査書は1球団も来なかった」“独立リーグ→台湾プロ野球”へ直行…異色のキャリアの26歳が海外から狙う下剋上」『Number Web』2024年4月16日、3頁。2024年4月16日閲覧

関連項目[編集]

外部リンク[編集]