宇津徳治

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宇津 徳治(うつ とくじ、1928年4月13日 - 2004年8月18日)は、日本地震学者東京大学名誉教授。紫綬褒章勲二等瑞宝章受章。東京市芝区(現東京都港区)生まれ。

経歴[編集]

日本地震学会委員長(現在の会長)を2度、日本学術会議地球物理学研究連絡委員会委員、同地震学研究連絡委員会委員、測地学審議会委員(文部省)、学術審議会専門委員(文部省)、国立防災科学技術センター運営委員(科学技術庁)、地震予知連絡会委員(建設省国土地理院)、同特定部会部会長、地震防災対策強化地域判定会委員(気象庁)、気象庁震度観測検討委員会委員等を務める。

著書[編集]

業績[編集]

統計地震学における権威として知られる。地震の規模と頻度の関係を示すb値などの研究に長け、b値最尤推定法などが有名である。また余震の研究でも知られ、改良大森公式を提唱した。

歴史地震の研究も有名で、後述の「世界の被害地震の表」は今なお多くの専門家に用いられている。

このほかに、プレートテクトニクス理論確立以前のマントル構造の研究や地震空白域の研究などでも知られる。

地震学一般の知識を整理することにも熱心で、「地震学用語集」は後の多くの研究者にも活用された。また、『地震学』は21世紀初頭の今日にも多くの学生に愛読されているほか、膨大な書籍や論文から地震の知識を整理した『地震活動総説』が辞典がわりに多くの専門家に読まれている。

世界の被害地震の表[編集]

現在なお、http://iisee.kenken.go.jp/utsu/ にて宇津徳治作成の「世界の被害地震の表」をウェブ上で検索できるようにしたプログラムが利用されている。これは、紀元前3000年から最近までの10,000個以上の世界の被害地震を様々な条件で検索できるもの。世界で最も網羅性を持った地震のリストのひとつであり、日本の気象庁をはじめとする公的機関からの利用も多い。

主要論文[編集]

関連項目[編集]


外部リンク[編集]