伊予鉄道700系電車

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京王5000系電車 (初代) > 伊予鉄道700系電車
伊予鉄道700系電車
伊予鉄道700系(2008年3月24日、古町駅)
伊予鉄道700系(2008年3月24日、古町駅)
基本情報
製造所 東急車輛製造日本車輌製造
主要諸元
編成 3両 (2M1T)
2両 (1M1T)
軌間 1,067 mm
電気方式 直流 600/750 V
架空電車線方式
最高運転速度 65 km/h
設計最高速度 80 km/h
車両定員 130 人
全長 18,000 mm
全幅 2,844(広幅車)/2,800(狭幅車) mm
全高 4,100 mm
台車 住友金属工業製FS-316 FS-340
主電動機 直流直巻電動機
三菱電機製MB-3032-A(FS-316装備車)
東洋電機製造製TDK-824(FS-340装備車)
主電動機出力 75 kW
駆動方式 平行カルダン
歯車比 5.31(FS-316装備車)
6.06(FS-340装備車)
編成出力 4両 (600kW)
3両 (600kW)
2両 (300kW)
制御装置 抵抗制御
東洋電機製造製ES-556B(改)
日立製作所製MMC-HTB-20B
制動装置 電磁直通ブレーキ HSC
保安装置 ATS
備考 京王重機整備にて譲渡改造の実施。
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特臨列車に使用される700系(3連)
(2006年、松山市駅)
4連運用時(718-768-719-769)
(2008年)
モハ715の車内

伊予鉄道700系電車(いよてつどう700けいでんしゃ)は、伊予鉄道の鉄道線用電車

1987年昭和62年)から1994年平成6年)にかけて京王帝都電鉄5000系電車京王重機整備にて改造の上、購入したものである。

概要[編集]

110系120系などの置き換え目的で投入された。松山市寄りから、クハ760形 (Tc) - モハ710形 (Mc) - モハ720形 (Mc) の3両編成またはクハ760形 (Tc) - モハ710形 (Mc) の2両編成を組む。2015年度末現在、3両編成5本(15両)と2両編成2本(4両)の計19両が在籍し、営業運転では2両編成を2本併結した4連での運用もある。かつては伊予鉄道の鉄道線用電車の過半数を占める同社の主力であったが、3000系の導入により数を減らしている。

京王帝都電鉄の軌間が1,372mmであるのに対して、伊予鉄道の軌間は1,067mmであるため、電動車廃車発生品の台車に交換し、制御車は車軸を交換して軌間変更に対応した。電動車の大半(種車がデハ5101 - 5112)は吊り掛け駆動車であったが、台車交換とともにカルダン駆動に変更している。種車の関係から狭幅車(旧番号の下2桁01 - 06・51 - 56)と広幅車(同07 - 14・57 - 62)がある。

種車はモハ727以外は非冷房車であったが、運用開始後に自社で改造を実施して全車同一の三菱電機CU-127R形集約分散式冷房装置を搭載している[注 1]。冷房化された当時は800系と同じように「今年も涼しい冷房電車増車」のマークが取り付けられたが、後に側面の窓にステッカーで表示されるようになった。

後期の譲受車の一部は種車となる制御電動車が払底したため、京王時代の中間電動車の電装品を移設して制御車を電装した。そのため、制御装置東洋電機製造製ES-556B(モハ711 - 719・721 - 723の12両)と日立製作所製MMC-HTB-20B(モハ710・720・724 - 727の6両)というように異なっている。このうち、ES制御器の方は元来京王2700系が使用していたものを流用しているため、製造から半世紀以上経過している。なお、ES制御器は発電ブレーキ(電制)を使用できないため、MMC制御器装備車も合わせて電制を使用していない。

610系に合わせた新塗装化(旧色は市内線車両と同色)は1994年から開始され1997年に完了している。過渡期には新旧混色での運転も見られた。2015年度より2度目の新塗装化(橙色一色化)が実施されており、2018年の時点でモハ719編成以外の全ての編成が新塗装になっている。モハ725編成の新塗装化時に、モハ725とクハ765の貫通扉にみきゃんのPRのシールが貼られていた。

なお、610系との併結運転も可能だが、放送設備などのサービス機器の相違から、実際に連結して運用された例はない。

編成及び旧番号(譲受年)[編集]

斜字は狭胴車、*はES-556B制御装置搭載車

クハ761 - モハ711* - モハ721* ← クハ5851 - デハ5105 - デハ5106(1988年)廃車済み
クハ762 - モハ712* - モハ722* ← クハ5852 - デハ5102 - デハ5104(1987年)廃車済み
クハ763 - モハ713* - モハ723* ← クハ5854 - デハ5103 - デハ5101(1988年)廃車済み
クハ764 - モハ714* - モハ724  ← クハ5858 - デハ5108 - クハ5703(1989年〈モハ724は1991年〉)
クハ765 - モハ715* - モハ725  ← クハ5857 - デハ5107 - クハ5704(1989年〈モハ725は1991年〉)
クハ766 - モハ716* - モハ726  ← クハ5859 - デハ5109 - クハ5710(1989年〈モハ726は1994年〉)
クハ767 - モハ717* - モハ727  ← クハ5860 - デハ5110 - デハ5114(1989年〈モハ727は1994年〉)
クハ768 - モハ718*        ← クハ5862 - デハ5112(1989年)
クハ769 - モハ719*        ← クハ5861 - デハ5111(1989年)
クハ760 - モハ710 - モハ720  ← クハ5754 - クハ5701 - クハ5702(1991年)
上記は『鉄道ファン』408号および『鉄道ピクトリアル』678号より[注 2]

台車[編集]

  • モハ710形は、東武2000系廃車発生品のFS340に交換されている。
  • モハ720形は、721・723・726・727・720の5両は東武2000系廃車発生品のFS340、722・724・725の3両は小田急2220形廃車発生品のFS316に交換されている。
  • また、モハ710形の中には小田急デハ2217・2218号車の廃車発生品の空気バネ台車であるFS321を装着していた車両があったが、のちに全車がFS340に統一されている。

現状[編集]

伊予鉄道では2009年度から2011年度にかけて郊外線向けの新型車両である伊予鉄道3000系電車(3両固定編成×10本。元京王3000系)を導入した[1]。本系列はこれにより3両編成3本が廃車された[2]。このうちクハ763 - モハ713は銚子電気鉄道へ譲渡されて同社の3000形となり、2016年3月26日から営業運転を開始した[3]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ モハ727の種車となったデハ5114は京王時代に集中式冷房装置で冷房改造されていたが、CU-127R形冷房装置に換装されている。
  2. ^ 『鉄道ピクトリアル』誌578号および734号では モハ724 ← 5701、モハ725 ← 5702、モハ710 ← 5704、モハ720 ← 5703 とある。

出典[編集]

  1. ^ 愛媛経済レポート 2009年1月5/15日合併号pp.6 - 8 『新春インタビュー 伊予鉄道社長「佐伯要」さん』 より。
  2. ^ 鉄道ダイヤ情報』 2010年2月号
  3. ^ 銚子電鉄3000形が営業運転を開始”. railf.jp(鉄道ファン・交友社) (2016年3月27日). 2016年3月28日閲覧。

関連項目[編集]

他社の京王5000系譲渡車