伊予鉄道モハ2100形電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
伊予鉄道モハ2100形電車
モハ2100形電車(道後温泉駅)
モハ2100形電車(道後温泉駅)
基本情報
製造所 アルナ工機[1](2101・2102)[2]
アルナ車両(2103-2110)[2]
主要諸元
軌間 1067[1][3] mm
電気方式 直流600V[1]
最高運転速度 40[1] km/h
設計最高速度 65[1] km/h
起動加速度 2.5[3] km/h/s
減速度(常用) 4.6[3] km/h/s
減速度(非常) 5.0[3] km/h/s
車両定員 47(20)人[3]
自重 20t[1][3]
車体長 12,000[1][3] mm
車体幅 2,230[1][3] mm
車体高 3,800(パンタ折りたたみ)[1][3] mm
台車 住友金属工業製FS-95[1]
主電動機 東洋電機製造製[1] TDK-6250-A[4](2101-2106)[5]
東洋電機製造製 TDK-6251-A[5]
(2107-2110)[5]
駆動方式 平行カルダン[1]
歯車比 6.55 (11:72)[4]
出力 60kW×2基=120kW[1]
制御装置 東洋電機製造VVVFインバータ制御IGBT素子)[1]
制動装置 回生発電ブレンディングブレーキ[1]
電気指令式空気ブレーキ[1]
備考 床面高さ:350mm(低床部)[1]
テンプレートを表示
2105号車内

伊予鉄道モハ2100形電車(いよてつどうモハ2100がたでんしゃ)は、伊予鉄道に在籍する軌道線用電車である。

概要[編集]

アルナ工機及びアルナ工機の事業を継承したアルナ車両が開発した超低床路面電車のリトルダンサータイプSで、ボギー構造の単車型車両である[6]。全長は12,000mm、幅は2,230mm、自重は20t、定員は47人(うち座席20人)である[1][3]。 単車の路面電車車両としては世界初の超低床車である[7]

松山市内線の、交通バリアフリー法に基づくバリアフリー化と、旧型車両の置き換えを目的に登場し、2002年(平成14年)3月19日に営業運転を開始した[8]

台車間を広く取ることによりカーブ走行時に内側に偏るため、対向車やそのほかの構造物との空間確保や終点での折り返し線の有効長などを勘案し、12mという長さになった[6]。このため低床で乗り降りしやすいという利点を持つ反面、従来の50形・2000形の定員80人に比べ当車両は47人と少ないために多客時間帯には積み残しが起こるという難点がある。

2002年から2005年までは毎年2両ずつ、2006年・2007年に1両が導入され、2011年現在[7]、10両が軌道線全線で使用されている[9]

無線での交信を行う際、2100形電車は「21」を省略し下2桁で車番を表すようになっている(例えば2106号の場合は「06」と呼ぶ)[要出典]

車体[編集]

伊予鉄道で初めてのVVVFインバータ制御車両となった[10]。また、パンダグラフもシングルアーム式を初採用している[10]。主電動機も伊予鉄道で初めて三相誘導電動機を採用した[11]。低床化により、制御装置等は床下には配置されず屋根上に配置されている[6]。騒音防止のため、台車カバーを採用している[12]

なお、2005年3月導入の4次車以降はSIVの形状、コンプレッサーがそれまでの6両とは異なっている。(コンプレッサーは静音化改善のため)2108号車のコンプレッサーは初期故障で、同じものに交換された[要出典]

側窓はUVカットガラスを使用しており、カーテンが省略されている[13]。車体外観は伊予鉄道のイメージカラーであるオレンジとホワイトを配したデザインであり、インテリアは瀬戸内をイメージしたものとなっている[13]。客室のドア間は床高350mmの超低床構造として乗降の利便性を図っている[12][13]。これにより、車両床と電停との段差は50 - 200mm程度になった[12]。客室スペースの確保や前面展望を楽しむ乗客への配慮から両運転台の右後ろに床高800mmの高床部がある[13]

座席の一部を折り畳み式として車いすスペースとして使用できるようにしており、乗降口には車いす用スロープを備えている[11]

各車状況[編集]

IYOTETSUチャレンジプロジェクトの一環として標準塗装の変更が行われることになり、塗り替えが進行中である[14]特記がある場合を除き、2016年12月現在の状態を示す[要出典]

車号 竣工 塗装 備考
2101 2002年3月[2] スターバックスコーヒーラッピング[15][16] アルナ工機による製造[2]
デビュー当初は中央窓下に「日本初の単車超低床式軌道電車」のステッカーを貼ってPRしていた。
2102 新塗装+SOLATOラッピング[17]
2103 2003年3月[2] ハタダラッピング(抹茶豆腐) この車両以降アルナ車両による製造[2]
2104 ANAラッピング
2105 2004年3月[2] DyDo俳句甲子園ラッピング
2106 新塗装+えひめ国体ラッピング(みきゃん[18][19]
2107 2005年3月[2] 新塗装 2013年以降、冬期は光のトラムに使用されている[20][21]
2108 新塗装
2109 2006年3月[2] ハタダラッピング(抹茶豆腐)
2110 2007年3月[2] 新ゴールデンルートPRラッピング[22] 運賃箱の形状が違う。

ギャラリー[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r R&M(2002)、p.11。
  2. ^ a b c d e f g h i j 山本 2011, p. 253.
  3. ^ a b c d e f g h i j 車両年鑑(2002)“超低床LRVの開発をめぐって”、p.34。
  4. ^ a b 車両年鑑(2002)“民鉄車両諸元表”、p.34。
  5. ^ a b c 山本 2011, p. 252.
  6. ^ a b c 車両年鑑(2002)“超低床LRVの開発をめぐって”、pp.35-36。
  7. ^ a b 山本 2011, p. 255.
  8. ^ 『RAIL FAN』第49巻第5号、鉄道友の会、2002年5月1日、 23頁。
  9. ^ 超低床式軌道電車の導入(市内電車) - 伊予鉄道
  10. ^ a b R&M(2002)、p.10。
  11. ^ a b R&M(2002)、p.12。
  12. ^ a b c 車両年鑑(2002)、p.154。
  13. ^ a b c d R&M(2002)、p.9。
  14. ^ IYOTETSUチャレンジプロジェクト (PDF) - 伊予鉄道、2015年5月
  15. ^ 「スターバックスコーヒー」ラッピング電車運行開始 - 伊予鉄道、2016年12月15日閲覧
  16. ^ STAR BUCKS × IYOTETSU  道後温泉駅でのコラボ写真 - 伊予鉄グループFacebook、2016年12月15日閲覧
  17. ^ 伊予鉄道市内電車「ラッピング広告」リニューアルのお知らせ - 太陽石油(SOLATO)公式ホームページ、2016年12月15日閲覧
  18. ^ 市内電車にみきゃんがラッピングされたんよ☆ - えひめ国体公式ホームページ、2016年12月15日閲覧
  19. ^ 国体PRのラッピング路面電車、出発・進行! - 愛媛新聞オンライン、2016年12月15日閲覧
  20. ^ 伊予鉄道市内線で「光のトラム」今年も運行2014年12月8日配信、2016年12月4日参照。
  21. ^ 伊予鉄道市内線で「光のトラム」運転鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース 2015年12月2日配信、2016年12月4日参照。
  22. ^ 「おもてなし日本一のまち松山・新ゴールデンルート」ラッピング電車出発セレモニーを開催します - 松山市、2015年

参考文献[編集]

  • 「伊予鉄道 2100形単車式超低床路面電車」、『R&M』第10巻第9号、日本鉄道車両機械技術協会、2002年9月1日、 9-12頁。
  • 「鉄道車両年鑑 2002年版」、『鉄道ピクトリアル』第52巻第10号、電気車研究会、2002年10月臨時増刊号。
  • 山本清治「伊予鉄道市内線」、『鉄道ピクトリアル2011年8月臨時増刊号』第61巻第8号、鉄道図書刊行会、2011年、 248-256頁。

関連項目[編集]