仲裁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

仲裁(ちゅうさい)とは、当事者の合意(仲裁合意)に基づき、第三者(仲裁人)の判断(仲裁判断)による紛争解決を行う手続をいう。裁判外紛争解決手続ADR)の一種。

仲裁判断は確定判決と同じ効力があり、当事者は拒否することができない。また、控訴や上告等の不服申し立ての制度はなく、仲裁がなされたケースについて裁判を起こすことはできない。

日本[編集]

仲裁法に基づく仲裁[編集]

仲裁法に基づく一般の仲裁は、民事上の紛争の全部又は一部の解決を1人又は複数の仲裁人にゆだね、その仲裁判断に服する合意に基づいて行われる。すでに生じている紛争の他、例えば何らかの契約の両当事者が、その契約関係において将来生じうる紛争について仲裁に関する条項を盛り込むなどしてあらかじめ合意しておくこともできる。仲裁合意は書面によってしなければならない。

仲裁人は特に資格を必要とせず、当事者双方の合意で誰でもなることができる。が、準裁判官的な役割を担うので、一定の法的素養や公正中立性がおのずから求められるといえる。仲裁合意に基づき、紛争について審理し、仲裁判断を行う機関を仲裁廷という。仲裁人が複数のときは、その合議体が仲裁廷である。

仲裁廷が仲裁判断において準拠すべき法が当事者の合意によって定められていないときは、仲裁廷は、その紛争に最も密接な関係がある国の法令であって事案に直接適用されるべきものを適用しなければならない。

仲裁判断をするには、仲裁判断書を作成し、仲裁人が署名しなければならない。仲裁判断書には判断の理由を記載しなければならないが、当事者間に別段の合意があればその限りでない。

以前は公示催告手続及ビ仲裁手続ニ関スル法律(現行民事訴訟法制定前は旧民事訴訟法)に規定があったが、UNCITRALモデル法を元に、平成16年に仲裁法が立法された。

労働関係[編集]

労働関係調整法に一般的規定があり、労働委員会が仲裁委員を作り,これを行なう。争議調整手段の一つで、最も強力なものである。調停委員会は当事者から事情聴取して仲裁裁定を出す。

  • 任意仲裁
当事者双方の申請で開始される。
  • 強制仲裁
労働委員会の職権に基づき開始される。

建設・建築契約に関して[編集]

建設業法に、中央建設工事紛争審査会及び各都道府県建設工事紛争審査会について定めがある。

アドホック仲裁と機関仲裁[編集]

仲裁には機関仲裁とアドホック仲裁とが存在する。機関仲裁とは常設の専門仲裁機関に仲裁を依頼して行われるものである。一方アドホック仲裁とは案件ごとに当事者間での合意に基づいて手続きすることにより仲裁するというものである。ただし、アドホック仲裁であっても専門仲裁機関に仲裁会場を借りることにより仲裁が行われることもありうる。この場合もあくまで仲裁そのものは仲裁機関を利用していないので機関仲裁とは扱われない。

アドホック仲裁の場合、当事者同士の合意により自由に仲裁手続きは決定されるべきものであるが、UNCITRAL(国際連合国際商取引法委員会)の定めた仲裁規則が使われるケースは多い。それは国際連合の加盟国同士の仲裁事案などに参考にしうるものだからである。

国際仲裁[編集]

国際商取引における紛争解決には、仲裁が利用される場合が多い[1]。その理由としては、外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約(ニューヨーク条約)が多くの国によって批准され、仲裁判断に基づく執行が裁判所の判決に基づく執行より容易な点や、裁判によると必ずしも専門ではない裁判官によって判断されるのに対し、仲裁の場合はその分野に精通した法律家による判断を得ることができ妥当な解決が図られる可能性が高い点などが挙げられる[要出典]。 アジアでは、シンガポール香港が仲裁地として広く利用され、イギリス法系の法律家にとって巨大なリーガルマーケットにつながると同時に、金融、保険、海運なの関連産業とのシナジーを発揮しているが、一方で、日本が仲裁地として利用されることはまれである[1]

脚注[編集]

関連[編集]

外部リンク[編集]

仲裁法
国際仲裁