モンドセレクション
モンドセレクション(Monde Selection[注釈 1])は、食品、飲料、化粧品、ダイエット、健康食品、水道水まで幅広い商品の技術的水準を審査するベルギーにある民間企業である。また、与えられるラベルの事。参加費用を支払い、評論家の審査を受け、モンドセレクションよりラベルが与えられる。1961年にベルギー経済省やECの支援を受け[1]、ブリュッセル郊外に設立された。
審査対象商品[編集]
品質ワールドセレクション:(コンクールスタイルではない)[編集]
- 食品分野
- 蒸留酒、リキュール(Spirits & Liqueurs)
- ビール、その他の飲料(Beers & Other Beverages)
- 食品(Food Products)
- 菓子(Sweets Products)
- 穀類製品(Cereal based Products)
- 非食品分野
ワインコンテスト(コンクールスタイル)[編集]
- ワイン(Wine Contest)
認証[編集]

出品者からモンドセレクションに送付された商品に対し、評論家などが審査を行う。審査基準は「味覚」「衛生」「パッケージに記載されている成分などが正しいか」「原材料」「消費者への情報提供」等の各項目の点数を加算し総合得点によって各カテゴリごとに優秀品質最高金賞、優秀品質金賞、優秀品質銀賞、優秀品質銅賞が授与される。
- 100点満点の90点以上で優秀品質最高金賞(グランドゴールドメダル)
- 80点以上で優秀品質金賞(ゴールドメダル)
- 70点以上で優秀品質銀賞(シルバーメダル)
- 60点以上で優秀品質銅賞(ブロンズメダル)
モンドセレクションによる以下のトロフィーの授与:
- 25周年記念トロフィー:優秀品質賞を25年間連続達成した企業に与えられる。
- クリスタル・プレステージ・トロフィー:優秀品質賞を10年間連続達成した企業に与えられる。
- インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィー:高水準の優秀品質賞(金賞または最高金賞)を3年連続達成した商品に与えられる。
本認証はコンクールスタイルを用いているものではない。相対評価ではなく絶対評価を用いているため、定められた技術水準を満たした商品には全て認証が与えられる。モンドセレクションは国際的な知名度はないが、日本国内での知名度は高い。2008年の日経MJによると、審査対象品の5割が日本からの出品であり、うち8割が入賞している[2]。
2017年は、2965製品中420製品が最高金賞、1368製品が金賞と過半数が金賞以上に認証されており、90%以上の2691製品が銅賞以上に認証されているため[3]、90%以上が何らかの賞を受け取れるのは多すぎるのではないかと2017年にテレビ東京のワールドビジネスサテライトが報道した[4]。翌年2018年の授賞式の場で、ワールドビジネスサテライトがモンドセレクションの審査委員長に直接質問したところ、審査委員長は「例えば酒なら日本から質の高い上位2 - 3%の大吟醸が応募されてくる。」として問題ないとの見解を示した[5]。
審査の透明性[編集]
2017年まで製品の評価のスコアが非公開で、受賞の理由が不明確だったことも、審査の正しさに疑問を持たれた一因だが、ワールドビジネスサテライトの報道もきっかけに、2018年から審査の透明性を高めるため、初めて“評価シート”が導入され、味や香りなど項目ごとに獲得したスコアが明示され、企業に配布されるようになった[6]。
マーケティング[編集]
認証を得た商品のパッケージには認証メダルを受賞マークとして表示することができる。これにより一定の技術水準に達していることを消費者にアピールし、売り上げを大幅に伸ばした例もある[7]。また日本では審査用書類作成やサンプル商品の輸送など、出品をサポートする提供業者も存在する。
2008年現在、認証を受けた日本の商品のうち地方の中小企業によるものが増えてきており、自社商品のPRとして活用している面もある。受賞マークの使用期限は3年間であるが、インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィーは授賞年度が記載されている事が条件のうえ、使用期限はない[8]。主な審査基準内容はパンフレットに発表されておりその内容は毎年多少の見直しが行われている。認証発行数(受賞者数)は公式発表されており、認証された企業は正確な評価ポイントを書面で知らされ、授賞式に参加すると審査員に直接アドバイスももらえる。
2008年現在、日本で開催されている食品の展示会「フーデックス」[注釈 2]にモンドセレクションも参加をしている[9]。
2018年現在、中国や台湾など日本以外のアジア圏からの応募が増えている。
主な受賞製品[編集]
日本では1966年に日清製菓の「バターココナツ」が第5回モンドセレクションでゴールドメダルを獲得し、パッケージにメダルのデザインを表示、またCMで「最高金賞受賞、おいしさが世界に認められた」と宣伝したことから一躍有名になった。日本のメーカーが世界のコンテストで金賞を受賞したことはとてつもない大殊勲とみなされ[10]、これ以後、日本のメーカーがこぞってモンドセレクションに挑み、競合メーカーに先んじて金賞を受賞し、自社の技術が国際的に優れているという宣伝に利用した。大手メーカーの技術向上が進んだ1980年代になるとローカルメーカーからの出展・受賞も目立つようになる。
- 1962年、江崎グリコ「アーモンドチョコレート」(1958年発売)が第1回モンドセレクションで銀賞受賞。しかし、当時のグリコは「モンドセレクション」の名称すら知らず、何か海外のコンクールで優勝したと思い込んだため、これを「チョコレートオリンピックナッツ部門1位」「世界で優勝」として宣伝した。「アーモンドチョコレート」はグリコ初のチョコレート製品であったが、この宣伝によって売り上げが大きく伸び、この成功を足掛かりとしてグリコはチョコレートに本格参入する。ただし、宣伝に誇大広告とみられる点があったため、『実業之世界』誌がグリコに取材したところ、出品勧誘に応じて応募したら、当地の在外公館、外務省を通じてグリコにその受賞が知らされたとのことで、グリコも詳細をよく知らないことが判明。そのため、さらに外務省に取材したところ、外務省から「第1回チョコレート製品国際コンクール」だと知らされ、やはり詳細がよく解らなかった[11]。(これが「第1回モンドセレクション」だったことが判明するのは、日清製菓「バターココナツ」の受賞後である。)
- 1966年に日清製菓の「バターココナツ」が金賞受賞。
- 1967年、サントリーの「サントリーブランデー」が金賞を受賞。
- 1976年、ロッテの「マザービスケット」が金賞を受賞。
- 1981年、UCC上島珈琲の「UCC缶コーヒー」「UCCインスタントコーヒー」がコーヒー部門で日本のコーヒーとして初めて金賞を受賞し、缶にメダルが付いた(3代目パッケージ)。以後、UCCは5年連続で金賞を受賞し、缶コーヒーのパッケージにも「5年連続受賞」と書かれた(4代目パッケージ)。この缶は、UCCが設立した「UCCコーヒー博物館」にも展示されている。
- 1981年、ロッテのアイス「イタリアーノ」が19回モンドセレクションでアイスクリームとしては初めて金賞を受賞。
- 1982年、日東紅茶の「フレバリーティー」が紅茶では世界初の金賞を受賞。
- 1985年、泡盛「紺碧7」が金賞を受賞。宮崎の焼酎が過去に銀賞どまりだった中、沖縄の泡盛が初出展で金賞を受賞したことで地元では盛大な祝賀会が催された[12]。
- 1988年、ロッテの「チョコパイ」(1983年発売)が金賞を受賞。
- 2007年にはサントリーがザ・プレミアム・モルツのテレビCMにて特別金賞を3年連続受賞を宣伝。
参加費用[編集]
審査料は食品部門であれば1製品につき1,150ユーロ、3製品以上ならば3製品目からは1製品につき1,050ユーロの割引価格が適用される[14]。
開催地[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
授賞式は例年6月ヨーロッパ各地を巡回して行われている[15]。
- 1961: 会社設立
ベルギー
| 開催回数 | 開催年 | 開催国 | 開催都市 |
|---|---|---|---|
| 1 | 1962年 | ― | |
| 2 | 1963年 | ― | |
| 3 | 1964年 | ― | |
| 4 | 1965年 | ― | |
| 5 | 1966年 | ― | |
| 6 | 1967年 | ― | |
| 7 | 1968年 | ― | |
| 8 | 1969年 | ― | |
| 9 | 1970年 | ― | |
| 10 | 1971年 | ― | |
| 11 | 1972年 | ― | |
| 12 | 1973年 | ― | |
| 13 | 1974年 | ― | |
| 14 | 1975年 | ― | |
| 15 | 1976年 | ― | |
| 16 | 1977年 | ― | |
| 17 | 1978年 | ― | |
| 18 | 1979年 | ― | |
| 19 | 1980年 | ― | |
| 20 | 1981年 | ― | |
| 21 | 1982年 | ― | |
| 22 | 1983年 | ― | |
| 23 | 1984年 | ― | |
| 24 | 1985年 | ― | |
| 25 | 1986年 | ― | |
| 26 | 1987年 | ― | |
| 27 | 1988年 | ― | |
| 28 | 1989年 | ― | |
| 29 | 1990年 | ルクセンブルク | |
| 30 | 1991年 | バルセロナ | |
| 31 | 1992年 | アムステルダム | |
| 32 | 1993年 | ブリュッセル | |
| 33 | 1994年 | パリ | |
| 34 | 1995年 | ローマ | |
| 35 | 1996年 | リスボン | |
| 36 | 1997年 | ブリュッセル | |
| 37 | 1998年 | ブダペスト | |
| 38 | 1999年 | ブリュッセル | |
| 39 | 2000年 | ルクセンブルク | |
| 40 | 2001年 | リスボン | |
| 41 | 2002年 | パリ | |
| 42 | 2003年 | ブリュッセル | |
| 43 | 2004年 | アムステルダム | |
| 44 | 2005年 | ブリュッセル | |
| 45 | 2006年 | プラハ | |
| 46 | 2007年 | バルセロナ | |
| 47 | 2008年 | ウィーン | |
| 48 | 2009年 | ヴェネツィア | |
| 49 | 2010年 | ヴィースバーデン | |
| 50 | 2011年 | ブリュッセル | |
| 51 | 2012年 | アテネ | |
| 52 | 2013年 | ストックホルム | |
| 53 | 2014年 | ボルドー | |
| 54 | 2015年 | リスボン | |
| 55 | 2016年 | ブダペスト | |
| 56 | 2017年 | バレッタ | |
| 57 | 2018年 | バレンシア | |
| 58 | 2019年 | ローマ | |
| 59(中止) | 2020年 | ミュンヘン[16] | |
| 60(中止) | 2021年 | ブリュッセル[17] | |
| 61(中止) | 2022年 | ブリュッセル | |
| 62 | 2023年 | ブリュッセル |
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ "モンドセレクション". 日本大百科全書(ニッポニカ) / デジタル大辞泉. コトバンクより2021年8月30日閲覧。
- ^ 日経MJ2008年11月14日号
- ^ Monde Selection : 統計
- ^ モンドセレクション獲得の裏側【ワールドビジネスサテライト】|テレビ東京ビジネスオンデマンド
- ^ ~▽あのモンドセレクションが今年は大変貌!?▽世界一安いミシュランレストラン~」2018年5月25日(金)放送内容 | テレビ紹介情報 価格.com
- ^ “WBSの報道きっかけに… モンドセレクションが変貌!?”. WBS. テレビ東京 (2018年5月25日). 2018年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月14日閲覧。
- ^ “「モンドセレクション」って何だ?”. 日経トレンディネット. 日経BP社. p. 2 (2008年2月4日). 2008年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月14日閲覧。
- ^ “Monde Selection:企業イメージガイドライン”. モンドセレクション (2013年6月). 2013年6月15日閲覧。
- ^ “「モンドセレクション」って何だ?”. 日経トレンディネット. 日経BP社. p. 3 (2008年2月4日). 2008年2月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月14日閲覧。
- ^ 『東京銘菓百店選 : 菓子・明治百年の歩み』日本菓糖新聞社、p.128、1968年
- ^ 『実業の世界』1962年12月号、p.90
- ^ 『明日の食品産業』1985年12月、食品産業センター、p.35
- ^ 『製菓製パン』1996年3月号、p.153
- ^ “モンドセレクション2017 食品部門登録フォーム”. 2016年11月29日閲覧。
- ^ :授賞式 Monde Selection :授賞式
- ^ 2020年度モンドセレクション授賞式典中止のご案内 - 株式会社ライセンス・ジャパン
- ^ 2021年度モンドセレクション授賞式典中止のご案内 - 株式会社ライセンス・ジャパン
モンドセレクション 審査費用改定のご案内:株式会社ByThink
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- モンドセレクション - 公式サイト