マルタの鷹 (1941年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索
マルタの鷹
The Maltese Falcon
MainTitle2MaltFalc1941Trailer.jpg
監督 ジョン・ヒューストン
脚本 ジョン・ヒューストン
原作 ダシール・ハメット
製作総指揮 ハル・B・ウォリス
出演者 ハンフリー・ボガート
メアリー・アスター
音楽 アドルフ・ドイチュ
撮影 アーサー・エディソン
編集 トーマス・リチャーズ
製作会社 ワーナー・ブラザース
配給 アメリカ合衆国の旗 ワーナー・ブラザース
日本の旗 セントラル
公開 アメリカ合衆国の旗 1941年10月3日
日本の旗 1951年1月10日
上映時間 101分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $300,000(見積値)[1]
テンプレートを表示

マルタの鷹』(マルタのたか、The Maltese Falcon)は、ダシール・ハメット同名探偵小説ジョン・ヒューストンの脚本・監督で映画化した1941年アメリカ映画

同じ原作の3度目の映画化であり、その中で最も有名な作品である。また、ヒューストンの監督デビュー作でもある。ハードボイルドの古典である原作を忠実に映像化し、いわゆるフィルム・ノワールの古典と目されている。

あらすじ[編集]

キャスト[編集]

CreditBogartMaltFalc1941Trailer.jpg CreditAstorMaltFalc1941Trailer.jpg
CreditGeorgeMaltFalc1941Trailer.jpg CreditLorreMaltFalc1941Trailer.jpg
CreditGreenstreetMaltFalc1941Trailer.jpg

主な受賞歴[編集]

第14回アカデミー賞(ノミネート)

原作との違い[編集]

本作の大筋は、原作小説に忠実な作りであるが、それでも当時の映画倫理コードや上映時間の制約などから、以下のような差異が生じている。

  • 原作では、「God!」を「Gad!」と綴るなどの手法を駆使して、登場人物たちが数多くの卑語、俗語を口にするが、映画においてはそれらの単語は避けられている。
  • 原作第7章においてスペードがオショーネシーに、自分がかつて関わった失踪人調査について語る、後年ファンや評論家たちから「フリットクラフト・パラブル(the Flitcraft parable)」と通称されるくだりがカットされている。何の不自由もない生活を送っていたはずのフリットクラフトという名の男が、ふとしたきっかけからそれらを投げ出して行方をくらませてしまうというもので、原作でも物語の大筋に関わるエピソードではなく、スペード自身なぜそんな話を今するのか分からないと言っている。原作者ハメットによれば彼が私立探偵として実際に関わった案件であったという。
  • ラストシーン近くのシークエンスで、「マルタの鷹」像を手に取ってその重さをいぶかしんだポルハウス刑事から「何だねこれは」と尋ねられたスペードは、"The stuff that dreams are made of."(夢のもくず、もしくは夢をつくるための原料、の意になるダブルミーニング)と答える。このやりとりとスペードのセリフは本作オリジナルのものである。なお、日本語吹き替え版では「はかない夢を産む鳥だ」と訳されている。
    • 原作ではこの翌日、スペードとエフィ・ペリンがオフィスで会話を交わすシークエンスで終幕となるが、映画ではエレベーターのドアが閉じるのを黙って見送ったスペードが、残された「鷹」を手に階段を下り始めるところでエンドタイトルとなる。

エピソード[編集]

  • 『マルタの鷹』は、原作が単行本として刊行された1930年に、早くもワーナー・ブラザースが映画化権を取得していたが、その後1931年1936年の2度にわたり映画化されたにもかかわらず、1作目は特に記録に残る作品とならず、2作目は内容が当時の倫理コードに抵触したため公開自体が頓挫していた。シナリオライターであったジョン・ヒューストンはそれまでの脚本家としての実績を認められて初監督のチャンスを与えられたが、原作の選択も任された彼は敢えて、2度にわたり失敗の生じていた『マルタの鷹』の映画化を要望した。
  • 原作が元々完全な客観描写のみで構成されていたため、ヒューストンは脚本化に際して秘書に命じ、登場人物のセリフと行動のみを抜き出したタイプライター原稿を作成させてから、これを叩き台に脚本を執筆したという。
  • プロデューサーハル・B・ウォリスは、当初主演俳優としてジョージ・ラフトにオファーしたが、当時の契約に「再映画化作品には出演しない」という条項があったことや、新人監督と仕事をしたくないとの理由で断られたため、ハンフリー・ボガートが起用された。これには、直前のボガート主演映画『ハイ・シエラ』で脚本を手がけていたヒューストンの意向も手伝っている。本作は結果的にボガートの出世作となった。
  • ボガート以外の主たる俳優陣もヒューストンが選定に関わり、主人公を翻弄する女ブリジッド・オショーネシーに当時のハリウッドきってのスキャンダル女優メアリー・アスター、神経質な小男カイロに小柄な怪優ピーター・ローレ、得体の知れない鷹揚な巨漢ガトマンにはイギリス出身で脇役専門の老舞台俳優シドニー・グリーンストリートをそれぞれ起用した。彼らはいずれも役柄に違うことのない強烈な個性を発揮し、ボガートに劣らぬ存在感を示した。
  • ジャコビ船長役で一瞬だけ姿を見せた名優ウォルター・ヒューストンは、監督ジョン・ヒューストンの父である。息子の監督デビューに際してのカメオ出演というべきサービスであった。

脚注[編集]

  1. ^ The Maltese Falcon (1941) - Box office / business” (英語). IMDb. 2011年4月2日閲覧。
  2. ^ The Maltese Falcon (1941) - Full cast and crew” (英語). IMDb. 2012年4月25日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]