プロフェッショナル (サッカー)

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この項では、サッカー競技におけるプロフェッショナル(Professional)選手について扱う。

概要[編集]

サッカー競技における「プロフェッショナル」の定義は、国際サッカー連盟(FIFA)が定める「Regulations on the Status and Transfer of Players」の中で「クラブと契約を結び、日常の出費を上回る給料をサッカー活動により支払われている者」と定義されている[1]。このため、クラブと契約を結んでいない者はもちろんのこと、契約を結んでいても給料がごく少額に留まる者や、名目上サッカー活動以外の対価として給料を得ている者(いわゆる社員選手など)はプロ選手としては扱われない。また一度プロに転向した選手も、プロとして最後に出場した試合から30日が経過すれば再びアマチュアに戻ることが可能[2]

プロ選手が所属クラブを移籍することができるのは、原則としてシーズン終了から翌シーズンの開幕までの間(ただし最大12週間)と、シーズン中盤に設けられる特定の時期(最大4週間)のみ[3]とされており、この期間がいわゆる「移籍市場」と呼ばれる。また移籍の際にはいわゆる移籍金が発生する場合がある。なお18歳未満の選手が別の国のクラブに移籍することは、サッカーとは関係ない親の事情、あるいは選手の家から半径100km以内などの特殊事情がある場合を除き原則禁止されている(ただし欧州連合(EU)内での移籍の場合は16歳から条件付で可能)[4]

プロ契約を結ぶ場合、契約期間は原則として最短で「当該シーズン終了まで」、最長で5年(ただし18歳未満の選手については3年)。当該地域のサッカー協会の規則で許されている場合にはそれ以外の期間の契約も認められるが、最長期間以上の期間の契約を結んでも超過部分は無効とされる[5]。クラブとの契約が切れる6ヶ月前からは、別のクラブとの契約交渉も可能になる[6]

日本の場合[編集]

日本国内のプロ選手については、日本サッカー協会(JFA)が管轄している。契約形態は、選手の過去の実績に応じて以下の3段階の契約に分かれる。

プロA契約[編集]

いわゆる一般的なプロ契約。契約書の色は

契約には日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の公式戦(リーグ戦、カップ戦、スーパーカップ)、日本フットボールリーグ(JFL)の公式戦(リーグ戦、スーパーカップ)、天皇杯全日本サッカー選手権大会で一定以上の時間試合に出場していること(J1で450分(5試合フル出場相当)、J2で900分(10試合フル出場相当)、JFLで1350分(15試合フル出場相当))、またはプロC契約締結後3年が経過したことが必要。なお試合の出場実績には、サッカー日本代表としての国際Aマッチ、FIFA U-20ワールドカップ本選、AFCチャンピオンズリーグなども含まれる。

最低年俸は480万円、契約初年度のみ上限700万円、2年目以降は無制限。枠は1クラブにつき25名まで(下級からの昇格資格者が出来た場合、以前からの締結者のうち誰かを外す必要が生じる)。

プロB契約[編集]

契約書の色は。契約にはプロA契約と同等条件を満たしていることが必要。

年俸は基本年俸が最高480万円、出場給を設定する場合も1試合5万円以下の上限がつくが、それ以外の変動報酬については制約はない。1クラブ当たりの契約人数の上限はない。

プロC契約[編集]

契約書の色は。アマチュア選手・社員選手がプロ契約を結ぶ場合は、基本的にまずこの契約からスタートすることになる。

契約期間は最長で3年。基本年俸は最高480万円で、出場給・勝利給以外の変動報酬は認められていないほか、出場給も1試合5万円以下とされるなど、かなり給料が低く抑えられている。1クラブ当たりの契約人数の上限はない。

なおプロC契約の選手がシーズン途中でプロA・B契約の出場実績基準を満たした場合は、クラブは3日以内にプロAもしくはプロB契約への変更通知を行う必要がある。この時にクラブからプロA契約への変更が提示されなかった場合、選手は移籍リストへの掲載を要求することができる。なおシーズン途中へのプロC→プロA契約への変更は、当該年度に限り前述の25名枠の対象外となる。

その他[編集]

外国籍の選手については上記のプロA~C契約に該当しない契約を個別に結ぶことも可能。ただし扱いとしてはプロA契約と同じとされ、25名枠の対象となる。

歴史[編集]

プロフェッショナルプレーヤーの誕生と拡大[編集]

サッカーにおいてプロフェッショナルの選手が誕生したのは、19世紀から20世紀に掛けてのイングランドである。当初のクラブは、街や地区、教会、企業、工場、パブなどのコミュニティーを単位として運営されていた。選手はサッカーとは別個の仕事を持っており、収入はここから得ていたが、クラブ間の競合が激しくなり、選手にもレベルアップが求められるようになると特に労働階級出身の選手に対して練習の時間を確保し、収入の道を絶たれる怪我を恐れずにサッカーができるような体制をとるため、サッカーをする事そのものに対して報酬(保証金)が支払われるようになった。これがプロフェッショナルプレーヤーの誕生である。

イングランド以外の地域では、1920年代までアマチュア主義が幅を利かせて、こうした動きをルールによって規制する事が一般的であった。又プロ化する事で報酬が限りなく上昇する事も問題視されていた。(この問題は現在に至るまで解決されていない。)それでも1920年代中ごろには、オーストリアチェコスロバキアハンガリーアルゼンチンなどがプロ化に踏み切った。

日本におけるプロ化[編集]

日本では1960年代までは、全ての選手がアマチュアであった。こうした形態を大きく変えたのが初の全国リーグとなる日本サッカーリーグの創設である。

日本サッカーリーグでは1970年代ごろになると、選手に対して、練習時間を就業中、若しくは残業として認め給与を支払ったり、その他様々な名目(例えば勝利する事で会社の知名度を上げたとして賞与を与える=実質的な勝利給)でお金を渡す事が一般的となった。こうした形態は完全にIOCやFIFAが定める「アマチュア」では無かった。更に1969年創設の読売クラブでは、サッカーをする事そのものに対して報酬を支払っている事が公然の秘密となっていた。こうした形態を日本サッカーリーグ事務局、又日本サッカー協会が追認する形で認めたのが1985年から初められたスペシャル・ライセンス・プレーヤー制度(実質的なプロ契約)である。当初スペシャル・ライセンス・プレーヤーとして西ドイツ(当時)ブンデスリーガ1.FCケルンなどでプレーし、日本に帰国したばかりで古河電気工業サッカー部奥寺康彦日産自動車サッカー部木村和司の2人が登録した。しかしながら日立サッカー部、古河電工サッカー部などは殆どの選手をアマチュアとして登録していた。(実態は何らかの手当てを受け取っており、アマチュアとは言えない。)

しかしながら1980年代末から1990年代初めに架けて、プロリーグ化の流れが顕在化してくるに従って、殆どの選手がプロフェッショナルプレーヤーとして登録されるようになり、1993年に開幕した日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)では殆どの選手がプロとしてプレーする事が一般的となった。ただし現在に至るまで若干の社員契約での選手が残っている。

サッカーにおけるプロとアマチュアの位置づけ[編集]

世界中ほとんどのプロクラブは、年齢によって「ユース」「ジュニアユース」またはそれ以下のカテゴリーのチームを所有している。これらは当然アマチュアチームである。又ドイツや日本のジェフユナイテッド市原・千葉リザーブズ徳島ヴォルティス・セカンドなどの年齢制限の無いアマチュアチームを所有している例も列挙に暇が無い。こうした形態はサッカーにおけるプロとアマチュアの関係(ヒエラルキー)を如実にあらわしていると言える。

サッカーではプロチームを頂点として、その下にカテゴリー別のアマチュアチームを抱えるピラミッド型のクラブ形態が一般的である。(ただし韓国Kリーグには下部チームが存在しない。)又これらのカテゴリーに所属しているアマチュア選手が同じクラブのプロチームの試合に出場する事に対しては何の制限も設けられていない。

クラブだけでなく各国協会もプロチームだけでなく、アマチュアチームを含めた全てのクラブ、チームを統括している。これによってプロ・アマ問わず、それぞれの国の協会に加盟している全てのクラブ、チームが参加するトーナメントの開催が可能になる。こうしたトーナメントとしてイングランドのFAカップ、日本の天皇杯全日本サッカー選手権大会がある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ Regulations on the Status and Transfer of Players, Article 2-2
  2. ^ Regulations on the Status and Transfer of Players, Article 3-1
  3. ^ Regulations on the Status and Transfer of Players, Article 6
  4. ^ Regulations on the Status and Transfer of Players, Article 19
  5. ^ Regulations on the Status and Transfer of Players, Article 18-2
  6. ^ Regulations on the Status and Transfer of Players, Article 18-3