フダンソウ

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フダンソウ
スイスチャード
フダンソウ
分類APG III
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナデシコ目 Caryophyllales
: ヒユ科 Amaranthatheae
: フダンソウ属 Beta
: フダンソウ B. vulgaris
変種 : B. v. var. cicla
学名
Beta vulgaris var. cicla (L.) K.Koch
和名
フダンソウ
英名
Chard
Swiss chard

フダンソウ不断草恭菜[1]フダンナ唐萵苣[2]スイスチャード Beta vulgaris var. cicla (L.) K.Koch)は、アカザ科フダンソウ属一年草-二年草。葉菜として改良されたビートの一系統(リーフビート)。甜菜テーブルビートとは同種。

概要[編集]

レッドチャード

野菜として利用されるフダンソウは、地中海沿岸からカスピ海周辺やペルシアを原産とするハマフダンソウの改良種である[3]。株の全体が無毛で、長さは葉を含めて30センチメートル程度。葉幅は10センチメートル前後で、卵型、もしくは長卵型の肉厚な葉を持つ。葉の色は深緑色、白色、紅色などがある。初夏には花茎を伸ばし、花弁がなく、5枚の花皮、5本の雄しべ、1つの雌しべからなる花を纏まってつける[3]

フダンソウは紀元前1000年くらいにはシチリア島で栽培されていたといわれ、中国には6世紀頃に栽培されていた記録がある。江戸時代に書かれた『本朝食鑑』(1697年)の記述には「近年華国より来る」とあり、日本には17世紀ごろに伝えられたと考えられる[3]

伝統的な自家消費野菜として各地で栽培され、ホウレンソウに似ているが比較的季節に関係なく利用できるので不断草、イツモヂシャ、トコナともよばれる[3]。「恭菜」という表記もある。 沖縄県ではンスナバーと呼ばれ、スーネーまたはウサチという和え物ンブシーという味噌煮に仕立てる。沖縄では冬野菜として利用される。他にも様々な地域名があり、岡山県ではアマナ、長野県ではトキシラズやキシャナ、兵庫県ではシロナ、京都府ではトウヂシャ、大阪府ではウマイナ、島根県ではオホバコヂサと呼ばれる。

耐暑性・耐乾性が強いため、都市近郊では夏場に品薄になるホウレンソウの代用品として栽培されてきたが、近年ではホウレンソウの品種改良が進んだことから商品作物としての需要は低下している[3]。 葉はホウレンソウとおなじように、おひたしや和物に利用される。太い葉柄は煮たり炒めたりして食べられる[4]。 茎は色彩鮮やかで、赤、オレンジ、白などの種類があり、これらはポリフェノールの一種であるベタレイン色素によるもの。 生食用のレッドチャードの若葉はベイビーリーフやミニビエトラなどの商品名で流通しており[5]ラムズレタスなどといっしょにサラダとしてよく使われる。

セイヨウフダンソウはスイスチャードやビエトラの名前で種苗店で販売され、食用以外にも園芸用として栽培されている[3]

栽培[編集]

種子は発芽しにくく、3つがひと塊になっている。そのため、間引きを考え間隔に注意して種をまく。酸性土壌に弱いが、プランターで栽培可能。暑さに強く、年中通して比較的日光をあまり気にせずとも栽培しやすい。 収穫が遅いと葉にえぐみが出る。 カルシウムやミネラル、β-カロテンなど栄養価が高く、食卓を彩る野菜として人気がある。

脚注[編集]

[脚注の使い方]
  1. ^ 木村修次・黒澤弘光『大修館現代漢和辞典』大修館出版、1996年12月10日発行(441ページ)
  2. ^ 広辞苑第5版
  3. ^ a b c d e f 農文協(編)『地域食材大百科:第2巻 』 農山漁村文化協会 2010年 ISBN 978-4-540-09262-6 pp.330-332.
  4. ^ 『旬の食材 春・夏の野菜』講談社 ISBN 4-06-270135-9
  5. ^ 池上文雄、加藤光敏、河野博、三浦理代、山本謙治『からだのための食材大全』 NHK出版 2018 ISBN 978-4-14-011360-8 p.66.

関連項目[編集]