ノリウツギ
ノリウツギ | |||||||||||||||||||||
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福島県会津地方 2008年7月
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Hydrangea paniculata Siebold[1] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
ノリウツギ[1] |
ノリウツギ(糊空木、糊樹[3]、学名: Hydrangea paniculata )は、アジサイ科アジサイ属の落葉低木。別名サビタ[4]、ノリノキ(糊の木)[5]。
特徴[編集]
落葉広葉樹の低木[4]。樹高は2 - 3メートル (m) くらいで、高いものは5 mくらいになる[4]。木であるが、先端がやや倒れて他の木により掛かり、つる植物のように見えることもある。
葉に葉柄があり、枝に対生し、ときに3輪生する[4]。葉身は長さ5 - 10センチメートル (cm) の卵形から楕円形、縁は鋸歯状。
花期は7 - 8月[4]。枝の先に白色の小さな両性花が円錐状に多数つき、白または淡紅色の花弁4枚の装飾花が混ざる[4]。
樹液を和紙を漉く際の糊に利用したため、この名がついた。
新エングラー体系では、ユキノシタ科アジサイ属になっているが、クロンキスト体系ではユキノシタ科の木本類をアジサイ科として分離独立させている[1]。また、APG体系においてもアジサイ科に分類される[1]。
分布と生育環境[編集]
日本、南千島、樺太、中国、台湾に分布し、日本では北海道、本州、四国、九州に分布する[4]。山野や山地の林縁などに自生する[4]。奈良県の大台ケ原はノリウツギの自生地として知られている[6]。よく目立つ花で、またハナカミキリやハナムグリなどの訪花性の昆虫が多く集まる。
花は枯れてからも茶色くなって翌年まで残る。そのため、和歌山県南部の山間部では娘を嫁に出すときに「ノリウツギの花が無くなるまで帰るな」と言って送り出す地域があるという。
利用[編集]
花を楽しむために庭に植えられる[4]。樹皮からは和紙の糊料が採れる[4]。また、根からは喫煙具のパイプが作られることが知られている[4]。
ギャラリー[編集]
注釈[編集]
- ^ a b c d 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Hydrangea paniculata Siebold”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年9月9日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Heteromalla paniculata (Siebold) H.Ohba et S.Akiyama”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2021年8月15日閲覧。
- ^ 落合直文「のりうつぎ」 『言泉:日本大辞典』 第四、芳賀矢一改修、大倉書店、1927年、3526頁。
- ^ a b c d e f g h i j k 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 67.
- ^ 松村明 編「のりのき」 『大辞林 4.0』三省堂、2019年。
- ^ “紀伊半島の自然と文化”. 国立大学法人奈良女子大学. 2020年5月22日閲覧。
参考文献[編集]
- 平野隆久監修 永岡書店編 『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年5月10日、67頁。ISBN 4-522-21557-6。