ニチアス

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ニチアス株式会社
NICHIAS Corporation
種類 株式会社
市場情報
東証1部 5393
1961年10月20日上場
本社所在地 日本の旗 日本
104-8555
東京都中央区八丁堀一丁目6番1号
設立 1896年(明治29年)4月9日
(日本アスベスト株式会社)
業種 ガラス・土石製品
法人番号 9010401021486
事業内容 工業製品、建材製品等の製造・販売
保温保冷工事事業
建材工事事業
代表者 武井俊之(代表取締役社長)
資本金 121億2,835万2,879円
2017年3月31日現在)
発行済株式総数 1億3562万3834株
(2018年3月期)
売上高 連結:1974億円
(2018年3月期)
営業利益 連結:213億円
(2018年3月期)
純利益 連結:149億円
(2018年3月期)
純資産 連結:1097億円
(2018年3月期)
総資産 連結:1978億円
(2018年3月期)
従業員数 連結:5523名 単独:1574名
(2017年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 三井住友銀行 4.02%
(2011年3月31日現在)
主要子会社 ニチアスセラテック(株) 99.8%
メタコート工業(株) 100%
(株)ニチアスセムクリート 100%
ニチアスエンジニアリングサービス(株) 100%
(2011年3月31日現在)
外部リンク http://www.nichias.co.jp/
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ニチアス株式会社 (NICHIAS Corporation) は、プラントや住宅向けの各種様々な断熱材やシール材、ふっ素樹脂製品、フィルター製品などを製造・販売し、一部製品については合わせて施工やメンテナンスも行う日本の株式会社。本社を東京都中央区に置く。

創業は1896年明治29年)4月9日で、1981年昭和56年)に日本アスベストから現社名に変更した。かつてアスベストを含有する製品を製造・販売していたが、1971年に石綿が特定化学物質等障害予防規則の対象に指定されたことを契機に、ロックウールなどを原料とする、アスベストを含まない代替製品の開発、切替を進め、建材などの多くの製品は1970年代に製造・販売を終了した[1]。一方で、化学工業などの施設で用いられていた特殊用途のシール材などの一部製品については、代替品の性能を実証試験等で確認し、安全を確保するために時間がかかることから、政令によって例外的に限定使用が許可されていたが、こちらも無石綿化を推進し、ニチアスが開発した代替品の性能が認められたことから、国内は2006年12月、海外は2007年3月までに全て販売を終了している[2]

概要[編集]

主な事業内容[編集]

企業理念として『「断つ・保つ」で明るい未来へ』を掲げており、事業内容は、「シール」「断熱」「防音」「耐火」「耐食」「クリーン」の6つの要素に分類される、流体の漏れや熱、音などを断ち、クリーンな状態を保つ技術を活かした製品の製造、販売、施工を行っている。 事業部は5つに分かれており、各種プラント設備向けに製品やエンジニアリングを提供する「プラント向け工事・販売事業」、基幹産業を主な市場とする「工業製品事業」、半導体産業に特化した「高機能製品事業」、自動車製造業や自動車部品メーカーを主な客先とする「自動車部品事業」、住宅やビルの建設材料を供給・施工する「建材事業」である。以下、5事業部それぞれについて紹介する。

●プラント向け工事・販売事業

 幅広い温度や環境に対応するラインナップを揃えたシール材・耐食材などの製品の販売に加え、極低温から超高温に至る領域で独自技術を駆使した保冷・保温工事のエンジニアリングサービスを提供。電力LNG石油精製・石油化学などのプラント施設に常駐体制を構築することで、各種工事やメンテナンス工事への対応を強化。

●工業製品事業

 装置機器、環境、食品、医療、石油精製・石油化学、電力、鉄鋼などの主要産業分野を中心にガスケットパッキンふっ素樹脂製品、各種断熱材フィルター製品などの幅広い製品群を提供。近年は医療機器分野、航空・宇宙分野などの先端産業にも進出している。  顧客となる業界は多岐にわたり、社のマザー事業本部として新規事業創出の役割を担っている。後述する高機能製品事業部や自動車部品事業部は、もともと工業製品事業部から出発し、規模を拡大して独立に至っている。

●高機能製品事業

 技術革新の速いエレクトロニクス関連産業分野のなかで、半導体FPD製造装置における、熱・薬液・ガスなどプロセスに関わる先進の部品や部材を提供。ふっ素樹脂製のチューブ、高機能ゴム製のシール材などを扱う。

●自動車部品事業

 自動車の進化に対応した防熱、防音、制振関連の製品や技術を提供。取り扱う製品は、エンジンまわりからの気体液体の漏れを断つシール材、エンジンからの熱を断つ防熱部品、ブレーキの音や車体振動を断つ防音・制振材など。国内外の自動車メーカー・自動車部品メーカーの海外展開に合わせて海外進出し、グローバルな生産体制を強化している。

●建材事業

 オフィスビル、工場、研究施設から一般住宅まで幅広く、不燃・断熱・耐火などの性能を備えた建材の製造・販売に加え、自社製品の施工事業も展開。取り扱う製品は不燃・断熱性能を備えた、けい酸カルシウム板やロックウール製品、耐火性能の高いロックウール製耐火被覆材、高強度で快適な歩行感のフリーアクセスフロアなど。省エネルギーや環境配慮といった時代の要請に対応した建材を揃える。施工事業では主にフリーアクセスフロアや、巻き付けタイプのロックウール製耐火被覆材などを施工。

コーポレートマーク[編集]

コーポレートマークとしてトンボのデザインを使用し、「TOMBO」の商標を使用する。トンボは古来「あきず」と呼ばれ、漢字では「秋津」と表記した。秋津島には、大和国という意味もあり、日本を指すこともあった。ニチアスの旧社名に「日本」がついていたことから、わが国を意味するトンボを商標として使用するようになった。

製品[編集]

ガスケットなどのプラント向けシール材をはじめ、ふっ素樹脂加工製品、ロックウールなどの無機繊維を使用した耐火断熱製品、けい酸カルシウム板やフリーアクセスフロアなどの建材製品、自動車用のシール材などを製造する。

事業所[編集]

  • 本社 - 東京都中央区八丁堀1丁目6番1号
  • 支社 – 4ヶ所 (東京、名古屋、大阪、九州)
  • 支店 – 16ヶ所 (札幌、仙台、鹿島、千葉、横浜、若狭、静岡、豊田、四日市、京滋、岡山、姫路、広島、徳山、長崎、熊本)
  • 営業所 – 15ヶ所 (苫小牧、福島、日立、宇都宮、前橋、山梨、新潟、富山、浜松、堺、宇部、四国、北九州、大分、鹿児島)
  • 工場 – 5ヶ所 (鶴見、王寺、羽島、袋井、結城)
  • 研究所 – 2ヶ所 (浜松、鶴見)

沿革[編集]

製品開発[編集]

耐火断熱材、高機能樹脂製品、シール材、自動車部品等の工業製品事業を手がけているが、その領域はエレクトロニクス関連から医療、食品、建築等まで多岐にわたる。詳しくは外部リンクの会社公式サイトを参照のこと。

不祥事[編集]

耐火性能の偽装[編集]

2007年10月30日、建材の一部(繊維混入ケイ酸カルシウム板を使った準耐火構造の軒裏天井と耐火構造の防火壁)について、耐火性能を偽って国の認定を取得していたと発表。

不正は2001年から行われていた。ニチアスの調査(2007年10月30日発表分)によると該当建材は日本国内で約10万棟以上に使用され、そのうち耐火基準が認定基準より劣るものは約4万棟とされる。

耐火性能基準を満たしていない約4万棟の大半は、旭化成ホームズの「ヘーベルハウス」「ヘーベルメゾン」シリーズとされる。

2007年11月19日、新たに軒裏の天井板2品目の耐火時間基準不足で認定の取り消しと国土交通省が発表。

アスベスト問題[編集]

2005年のクボタショックを発端として日本全国でアスベスト健康被害の問題が顕在化したが、ニチアスでも1970年代までアスベスト(青石綿)含有製品を製造・販売していたため[1]、かつてニチアス王寺工場において働いていた元従業員の中で、業務中にアスベストを吸引したことで中皮腫になる患者が相次いで発生。元従業員や遺族ら6人が同社に対し、2010年10月に、総額約1億1,600万円の損害賠償の支払いを求める訴訟を、奈良岐阜札幌の3地裁に一斉に起こしている[3]。また、この訴訟に関連して、奈良地裁へ訴訟を起こした3人の元従業員について、奈良地裁は2013年1月31日付でニチアスに対し、王寺工場で石綿による健康被害を受けた可能性のある時期や、これらの元従業員の作業内容などを記した文書を提出するよう命じる決定をした[4]

このうち、札幌地裁に起こされた訴訟では、原告とニチアスとの間で和解が成立した。

奈良地裁の訴訟では、2014年10月23日に「1958年以前では予見不可能だった」として原告の訴えを退ける判決が言い渡され、原告が大阪高等裁判所に控訴している[5]

岐阜地裁では2015年9月14日に、原告に対し計約4,180万円の支払いを命じる判決が言い渡された[6]

脚注[編集]

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参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]