トレマーズ

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トレマーズ』(Tremors) は、アメリカで制作されたパニック映画のシリーズである。1990年1月にロン・アンダーウッド監督の第1作が劇場公開され、この成功を受けて2015年までにビデオ公開の続編が第5作まで製作された他、『トレマーズ・ザ・シリーズ』というテレビシリーズが製作されている。

シリーズの概要と構成[編集]

地中から獲物を襲う巨大な地底生物グラボイズに立ち向かう人々の姿が描かれる。マイケル・グロスがシリーズ全作に出演している。

2005年には映画4作品を収録した「グラボイズBOX」(DVDに噛み付くグラボイドの特製ケース付き)が2000セット限定で販売された。テレビシリーズは2010年3月に『Tremors: Complete Series』としてDVDが発売された。

登場する地底生物[編集]

グラボイズ/グラボイド
『トレマーズ』シリーズに共通して登場する、体長10メートルにも達する巨大地底生物。姿形はモンゴリアン・デス・ワームに似ている。名づけ親はウォルター。
視覚が完全に退化しており、地中へ伝わる振動で地上の獲物を探知する。円錐形の頭部は硬い殻で覆われている。4つに開く口の中には、それ自体にも口のような器官のある3本の細長い舌(触手)があり、獲物に巻き付いたり噛み付いたりする。体液は赤褐色で悪臭を放つ。
表面に無数に生えた棘を用い、走る人間に追いつくほどの速度で地中を掘り進む。獲物に接近すると大きな力で地中に引きずり込んで丸呑みにする。その習性を逆手にとり、おとりに積んだ爆薬を呑ませる方法で多くの個体が駆除された。ただし高い学習能力を備え、特定の獲物のみを執拗に付け狙う個体もいる。
グラボイズがシュリーカーを産み落とし、シュリーカーがアスブラスターへと変態し、アスブラスターがグラボイズの卵を産むというサイクルで繁殖する。
『トレマーズ2』において先カンブリア時代の地層から発見された棘の化石がグラボイズの棘と一致したため、少なくともその時代には現在の姿で生息していたと考えられる[1]
『トレマーズ4』では幼体を含めて「土のドラゴン(ダートドラゴン)」と呼ばれる。
『トレマーズ ブラッドライン』ではバートによる駆除で北米以外では全滅したと思われていたが、独自の進化あるいは突然変異した大型種が南アフリカに生き残っていた。これらは北米のものより凶暴で、硬い岩石を酸で溶かしながら進む能力を備えるほか、触手を本体から分離して行動させることができる。未公開シーンでは水中を泳ぐ描写もある。同作中でシュリーカーに当たる段階は確認されていない。
幼体
『トレマーズ4』に登場。完全に成長していない、孵ったばかりと思われる個体。外観は成体に近いが体が小さい。
地中を高速に掘り進む・振動を感知する能力はすでに完成されているが、単体で獲物を引きずり込む力はないらしく、集団で狩りをする。
開拓時代のパーフェクション(=リジェクション)に出現した。
シュリーカー
『トレマーズ2』『トレマーズ3』に登場する、グラボイズの繁殖期の姿。
成熟したグラボイズの体が破れ数匹のシュリーカーが現れる。頭部だけのグラボイズにの足が生えたような姿をしていて、最初は大きさも鶏程度。視覚・聴覚の代わりに収納型の熱センサーを頭部に備え、周囲との温度差で獲物を探知する。鳴き声(正確には鳴く時に発する熱)で仲間を呼ぶことができ、群れで獲物を襲う。熱のない物体に対しては舌を使って食物か確認する。
必要な量の食物を採ると直ちに繁殖(無性生殖)を始め、口から子供のシュリーカーを産み落とす。
アスブラスター
『トレマーズ3』に登場する、シュリーカーの変態後の姿。名称は後述の飛行方法に由来し、名付け親はジョディ。
シュリーカーが成熟すると脱皮してこれに変態する。グラボイズに似た頭部を持つ翼竜のような姿の飛行生物。シュリーカー同様に熱で獲物を探す。臀部から分泌した発火物質の爆発力で飛び上がり(ass=尻、blaster=火器)、カサゴ目などのヒレに似た羽で滑空する。グラボイズの卵を体内に保有している。満腹になると眠る習性がある。
『トレマーズ ブラッドライン』ではアフリカで独自の進化あるいは突然変異した、北米のものとは異なる外観の種が登場する。基本的に夜行性で、グラボイズの卵を守る行動を取る。現地では稲妻鳥という意味の「インプンドゥール」と呼ばれている。
エル・ブランコ
『トレマーズ3』に登場する、グラボイズの突然変異個体で、振動や熱ではなく電波を感知する。体色が白いことから「白い悪魔」とも呼ばれる。シュリーカーやアスブラスターに変態しないため比較的コントロールしやすい。土地開発者を追い出すためにバートによって生かされ、その後保護動物として特別に飼われる事になった。
TVシリーズにも登場し、パーフェクション観光の目玉となっている。
ミックスマスター
TVシリーズに登場。米軍の開発した遺伝子兵器を様々な生物が摂取、怪物化したもの。

映画作品[編集]

トレマーズ[編集]

トレマーズ
Tremors
監督 ロン・アンダーウッド
脚本 S・S・ウィルソン
ブレント・マドック
原作 S・S・ウィルソン
ブレント・マドック
ロン・アンダーウッド
製作 S・S・ウィルソン
ブレント・マドック
製作総指揮 ゲイル・アン・ハード
出演者 ケヴィン・ベーコン
フレッド・ウォード
フィン・カーター
音楽 アーネスト・トゥルースト
撮影 アレグザンダー・グルジンスキー
編集 O・ニコラス・ブラウン
配給 ユニヴァーサル映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1990年1月19日
日本の旗 1990年6月15日
上映時間 96分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
興行収入 $16,667,084 アメリカ合衆国の旗
次作 トレマーズ2
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トレマーズ』(原題:Tremors)は、1990年1月19日公開。日本では同年6月15日に、「バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3」の同時上映作品として公開された。当時のサブタイトルは「地殻変動の謎」。トレマー(tremor)とは微振動のことで、人間たちがグラボイズを発見する・グラボイズが獲物を感知する手がかりを意味する。

スタッフ[編集]

登場人物・キャスト[編集]

愛称はバル。アールと共に便利屋を営む。少額な稼ぎしかなく豊かにならない生活が嫌になり、街から出て行こうとする。
バルの相棒。バルより一回り半ほど年上で、バルに対して父親のような視点から人生訓を説くこともある。口癖は「プランを練ろう」「下品で失礼」。
大学で地震学を専攻する学生。パーフェクション・シティのあちこちに地震計を設置してデータを取っていた所、異常な振動に気付く。
サバイバリスト(サバイバリズム=生き残り主義を信奉・実践する者)で、重度のガンマニア。パーフェクションに地下核シェルターを備えた住居を構え、武器・食料・水等を備蓄して終末に備えている。彼の銃コレクションは拳銃からサブマシンガンライフル、果ては象撃ち銃までと幅広い。
バートの妻。夫と同じくガンマニアでサバイバリスト。性格はバートより冷静で、興奮した彼を鎮めたりもする。
パーフェクションで雑貨屋を営む初老の男。グラボイズの名付け親。
牧場主。牛が行方不明になっている事をチャンに話していた。
悪戯好きで臆病な少年。
パーフェクションに工房を構える陶芸家。バルとアールには普段から薪の調達等を注文している。
ナンシーの娘。
街でただ一人の医者。パーフェクションの外れで自宅を建築している。エドガーの死体を診た。
ジムの妻。
60歳。鉄塔にしがみついているところをバルとアールに発見されるがすでに死亡していた。
70歳。羊飼いの老人。脚本上ではエドガーの家に彼がグラボイズに襲撃される少し前に家を訪れ、畑で取れたニンジンを分けていた。
道路工事をしていた男。アール達から「殺人がおきた」と聞かされるが信じなかった。
ハワードと共に道路工事をしていた男で、同様にアール達の話を信じず、仕事を再開しようとする。

トレマーズ2[編集]

トレマーズ2 グラボイズの逆襲』(原題:Tremors 2: Aftershocks)は、1995年。日本では1997年5月23日にビデオがリリースされた。

ストーリー(2)[編集]

前作から7年後、メキシコチアパス州の油田に絶滅したと思われていたグラボイズが現れる。油田の運営会社は過去にグラボイズを退治した経験のあるアールに退治を依頼。アールは新しい相棒のグラディと共に現地に赴く。

スタッフ(2)[編集]

登場人物・キャスト(2)[編集]

前作の事件で一躍有名となり、ビジネスに手を出すが失敗し、今はパーフェクションに1人で暮らしている。
妻ヘザーとは離婚しており、現在は独身。離婚の理由は、冷戦終結後の危機管理体制に対する意見の相違からという相変わらずのマニアぶり。前作の実績を買われ、退治を頼まれる。
油田で働いている女性科学者。若かりし時にはピンナップガールとしてグラビアを飾った過去がある。
タクシー運転手の青年。アールの元に押し掛け、強引に相棒となる。
油田の運営会社幹部。業務を再開するため、アールにグラボイズ退治を依頼する。
油田のチーフエンジニア。
ケイトのアシスタント。
油田の作業員。

その他にバートが視聴しているテレビ番組のナレーターとして監督のS. S.・ウィルソンが声の出演をしている。

トレマーズ3[編集]

トレマーズ3』(原題:Tremors 3: Back to Perfection)は、 2001年10月2日にビデオ・DVDリリース。日本では2002年9月27日にリリースされた。

ストーリー(3)[編集]

『トレマーズ』から11年後。パーフェクションではグラボイズの存在を観光利用し、やらせのツアーまで行っていたが、本物のグラボイズが現れて客やスタッフを襲撃する。アルゼンチンでシュリーカー退治を終えてきたばかりのバートは、住民と協力して再びパーフェクションでグラボイズ狩りへと乗り出す。

スタッフ(3)[編集]

登場人物・キャスト(3)[編集]

トレマーズ4[編集]

トレマーズ4』(原題:Tremors 4: The Legend Begins)は、 2004年1月2日にビデオ・DVDリリース。日本では同年5月28日にリリースされた。

ストーリー(4)[編集]

『トレマーズ』の100年前。後にパーフェクションとなるネバダ州の町リジェクションは銀山の発展で賑わっていた。しかし、坑内で多数の坑夫が殺される謎の事故が発生し、銀山は閉鎖、人々は去りリジェクションの町も荒廃してしまう。そこへ銀山の所有者であるハイラム・ガンマーが現れ、町に残ったわずかな坑夫を連れて鉱山の調査へと向かう。

スタッフ(4)[編集]

キャスト(4)[編集]

バート・ガンマーの曽祖父。

トレマーズ5 ブラッドライン[編集]

トレマーズ ブラッドライン』(原題:Tremors 5: Bloodlines)は、 2015年10月6日にBlu-ray・DVDリリース、デジタル配信された[2]。日本では2015年11月26日にBlu-ray・DVDがリリースされた[3]

ストーリー(5)[編集]

バートはネバダ州の砂漠で自らのサバイバル術を紹介するビデオの撮影に明け暮れていた。そこへ南アフリカの野生動物省の役人が現れ、ハウテン州のクレイドルストーン自然保護区で人的被害を出しているアスブラスターの対策を依頼する。

スタッフ(5)[編集]

キャスト(5)[編集]

日本語吹き替え[編集]

トレマーズ[編集]

ソフト版 テレビ版
バレンタイン・ミッキー 安原義人 井上和彦
アール・バセット 内海賢二 田中信夫
ロンダ・ルベック 勝生真沙子 佐々木優子
バート・ガンマー(ガマー) 小林清志 小林勝彦
ヘザー・ガンマー(ガマー) 谷育子 吉田理保子
ウォルター・チャン 辻村真人 久米明
ミゲル 加藤正之 峰恵研
ネスター・カニンガム 池田勝 小島敏彦
メルビン・プラグ 松本保典 石田彰
ナンシー・スタングッド 川島千代子
ミンディ・スタングッド 青木夏海
ジム 岸野一彦 藤本譲
ミーガン 藤夏子
ハワード 辻親八
カーマイン 辻親八 河合義雄
演出 福永莞爾
翻訳 徐賀世子
調整 高橋久義
効果 VOX
制作 グロービジョン
  • ソフト版吹替 - VHS・BD収録。
    • 2005年5月26日テレビ東京木曜洋画劇場』においてはVHS/BD版が放送され、番宣では同バージョンのアール役である内海賢二がナレーションを担当した。
  • テレビ版吹替 - 初回放送:1993年4月25日テレビ朝日日曜洋画劇場
    • dビデオでオンデマンド配信されている。

トレマーズ2[編集]

ソフト版
アール・バセット 内海賢二
バート・ガンマー 小林清志
ケイト・ライリー 増子倭文江
グラディー・フーパー 落合弘治
オルテガ 仲野裕
ジョージ・フリオ 大川透
ジョン・ペドロ 辻親八
作業員
テレビの声
演出 加藤敏
翻訳 九鮎子
製作 東北新社

トレマーズ3[編集]

VHS・BD
バート・ガンマー 小林清志
デザート・ジャック・ソーヤー 小杉十郎太
ジョディ・チャン 田村真紀
ミゲル 宮澤正
ナンシー・スタングッド 定岡小百合
ミンディ・スタングッド 永田亮子
アンドリュー・メルリス博士 坂東尚樹
フランク・スタトラー捜査官 咲野俊介
チャーリー・ラスク捜査官 堀尾雅彦
メルビン・プラグ 丸山純路
ビュフォード 岡田貴之
観光客(男) 田口昂
観光客(母親) 倉持良子
少年 若泉絵子
女客
TVレポーター
TVプロデューサー 青木誠
コンピューターの声 堀尾雅彦
演出 加藤敏
翻訳 九鮎子
製作 東北新社

トレマーズ4[編集]

ソフト版
ハイラム・ガンマー 伊藤和晃
クリスティーヌ・ロード 寺内よりえ
ファン 鳥海勝美
黒手のケリー 斉藤志郎
ミスター・デコパ 五王四郎
フレッド爺さん 城山堅
ビヨン・チャン 鳥畑洋人
ルー・チャン 滝沢ロコ
フゥ・チャン 阪口大助
ソギー 星野充昭
ストーニー・ウォルターズ 笠原幸之助
若泉絵子
その他 小笠原光義
南雲武烈
演出 二瓶紀六
翻訳 田尾友美
製作 東北新社

TVシリーズ作品[編集]

トレマーズ・ザ・シリーズ[編集]

トレマーズ・ザ・シリーズ』(原題:Tremors The Series)は、2003年にSci Fi Channelで放送。トレマーズ3の数年後が舞台。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

放送リスト[編集]

話数 サブタイトル 脚本 監督 放送日
1 Feeding Frenzy S. S.・ウィルソン
ブレント・マドック
ナンシー・ロバーツ
ブラッドフォード・メイ 2003年
3月28日
2 Ghost Dance S. S.・ウィルソン
ブレント・マドック
ホイットニー・ランシック
3 Night of the Shriekers ジョン・シュウリアン
ブレント・マドック
S. S.・ウィルソン
P・J・ピース 4月4日
4 Blast from the Past バブス・グレイホスキー マイケル・シャピロ 4月11日
5 Flora or Fauna S. S.・ウィルソン
ブレント・マドック
チャック・ボウマン 4月18日
6 Hit and Run クリストファー・シルバー P・J・ピース 4月25日
7 A Little Paranoia Among Friends バブス・グレイホスキー マイケル・シャピロ 6月20日
8 Project 4-12 ジョン・シュウリアン チャック・ボウマン 6月27日
9 Graboid Rights クリストファー・シルバー P・J・ピース 7月11日
10 The Sounds of Silence バブス・グレイホスキー マイケル・シャピロ 7月18日
11 The Key ジョン・シュウリアン
クリストファー・シルバー
ブレント・マドック
P・J・ピース 7月25日
12 Water Hazard ナンシー・ロバーツ チャック・ボウマン 8月1日
13 Shriek and Destroy S. S.・ウィルソン
ブレント・マドック
ジャック・ショルダー 8月7日

ゲーム[編集]

2002年8月にPlayStation 2Xbox、PC用ソフトとしてトレマーズのゲーム化が発表されたが、2003年の夏に発売中止が発表された[4]。発売元はコンスピラシー・エンターテイメント、開発はロック・ソリッド・スタジオズAB[5]

脚注[編集]

  1. ^ 『トレマーズ』のメイキング映像の時点では、古代生物・宇宙生物・実験で誕生した生物などといったありきたりの正体にするよりは敢えて正体を設定しないというスタンスだった。
  2. ^ Watch the Opening Scene From 'Tremors 5: Bloodlines'!”. Bloody Disgusting. 2015年9月25日閲覧。
  3. ^ トレマーズ ブラッドライン ブルーレイ+DVDセット”. NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン. 2015年9月25日閲覧。
  4. ^ Tremors”. GameSpy. 2014年6月3日閲覧。
  5. ^ Tremors [Canceled, All Game]”. 2014年6月3日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]