テミスト (衛星)

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テミスト
Themisto
2000年11月21日にハワイ大学81インチ望遠鏡(UH88)(英語版)が撮影したテミスト。右から左に移動している
2000年11月21日にハワイ大学81インチ望遠鏡(UH88)英語版が撮影したテミスト。右から左に移動している
発見
発見日 1975年9月30日
2000年11月21日 再発見
発見者 チャールズ・コーワル (1975年)

エリザベス・レーマー (1975年)
スコット・S・シェパード (2000年)
デービッド・C・ジューイット (2000年)
ヤンガ・R・フェルナンデス (2000年)
ユージーン・A・マグニアー (2000年)

軌道要素と性質
平均公転半径 7,391,650 km (0.04941 AU)
軌道外周 45,972,400 km (0.307 AU)
近点距離 (q) 5,909,000 km (0.039 AU)
遠点距離 (Q) 8,874,300 km (0.059 AU)
離心率 (e) 0.2006
軌道周期 129.82761 日 (0.3554 年)
平均軌道速度 4.098 km/s
最大軌道速度 5.074 km/s
最小軌道速度 3.379 km/s
軌道傾斜角 (i) 45.81°(黄道に対して)
13.865°(木星赤道面に対して)
木星の衛星
物理的性質
平均直径 8 km[1]
外周 ~25 km
表面積 ~200 km2
体積 ~270 km3
質量 6.89×1014 kg
平均密度 2.6 g/cm3[2]
表面重力 ~0.0029 m/s2 (0.0003 g)
脱出速度 ~0.0048 km/s
アルベド(反射能) 0.04[1]
表面温度 ~124 K
大気圧 0 kPa
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テミスト[3][4]英語:Themisto、確定番号:Jupiter XVIII)は、木星衛星の1つ。順行軌道にある不規則衛星の1つである。1975年に発見されたがその後見失われ、2000年になって再発見された。

発見[編集]

テミストは1975年7月30日チャールズ・コーワルエリザベス・レーマーによって発見され、同年10月3日には発見が報告されて、S/1975 J1という仮符号が与えられた[5]。この観測には、パロマー天文台の122 cm シュミット式望遠鏡が用いられた。しかし軌道を確定するだけの十分な観測が無く、すぐに見失われた。

テミストは、1980年代には天文学の教科書に脚注の形で書かれるようになった。その後、2000年になって、見たところ新衛星と思われる衛星がスコット・S・シェパードデービッド・C・ジューイットヤンガ・R・フェルナンデスユージーン・A・マグニアーによって発見され、S/2000 J1という仮符号が与えられた。これはすぐに1975年の天体と同一だと確認された[6]。シェパードらの発表はすぐに、ブレット・J・グラッドマンジョン・J・カヴェラースジャン=マール・プティハンス・ショルマシュー・J・ホルマンブライアン・マースデンフィリップ・D・ニコルソン、そしてジョセフ・A・バーンズらのチームによる2000年8月6日の観測(IAUC 7525、 2000年11月25日)(小惑星センターに報告されたもののIAU回報(IAUC)としては出版されなかった)との関係が証明された[7]

2002年10月に、この衛星はギリシャ神話ゼウスの愛人であるテミストの名前が公式に付けられた[8]

軌道[編集]

テミストの軌道は、順行で不規則な軌道を回る最初のグループであるヒマリア群ガリレオ衛星の中間付近を公転する軌道であるという点で変わっている。2006年現在、テミストと同じような軌道を公転し同じグループに分類される衛星はない。平均軌道半径は約740万kmであり、約130日かけて木星の周囲を一周する。軌道の離心率は0.2006である。

物理的特徴[編集]

テミストの直径は、アルベド(反射能)が0.04と仮定した場合わずか8 kmである[1]。密度は2.6 g/cm3と推定されており、そのためテミストは主にケイ酸塩岩から構成されていると考えられている。

見かけの等級は21等級で極めて暗い。

2003年にジェミニ北望遠鏡を用いて赤外線観測が行われた。その結果、テミストのスペクトルはP型小惑星に分類されるものであることが判明した[9]

出典[編集]

  1. ^ a b c Sheppard, S. S.; Jewitt, D. C.; An abundant population of small irregular satellites around Jupiter, Nature, 423 (May 15, 2003), pp. 261–263
  2. ^ Planetary Satellite Physical Parameters”. JPL. 2018年11月12日閲覧。
  3. ^ 太陽系内の衛星表”. 国立科学博物館. 2019年3月8日閲覧。
  4. ^ 衛星日本語表記索引”. 日本惑星協会. 2019年3月8日閲覧。
  5. ^ Brian G. Marsden (1975年10月3日). “IAUC 2845: Probable New Satellite of Jupiter”. International Astronomical Union Central Bureau for Astronomical Telegrams. 2018年11月12日閲覧。
  6. ^ Brian G. Marsden (2000年11月25日). “IAUC 7525: S/1975 J 1 = S/2000 J 1”. International Astronomical Union Central Bureau for Astronomical Telegrams. 2018年11月12日閲覧。
  7. ^ MPEC 2000-Y16: S/1975 J 1 = S/2000 J 1, S/1999 J 1”. International Astronomical Union Minor Planet Center (2000年12月19日). 2018年11月12日閲覧。
  8. ^ Daniel W. E. Green (2002年10月22日). “IAUC 7998: Satellites of Jupiter”. International Astronomical Union. 2018年11月12日閲覧。
  9. ^ Grav, Tommy; Holman, Matthew J. (2004). “Near-Infrared Photometry of the Irregular Satellites of Jupiter and Saturn”. The Astrophysical Journal 605 (2): L141–L144. arXiv:astro-ph/0312571. Bibcode2004ApJ...605L.141G. doi:10.1086/420881. 

関連項目[編集]