シャドウブレイン

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シャドウブレイン
ジャンル ロールプレイングゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発元 サイトロン・アンド・アート
ブレーンバスターズ
発売元 ポニーキャニオン
プロデューサー 小尾一介
シナリオ 千葉智宏
黒田洋介
音楽 中村一気
大野木宣幸
高見沢俊彦
美術 長沢英夫
今井修司
野田弘一
スクリーミング・マッド・ジョージ
人数 1人
メディア 3メガビット+64キロRAMロムカセット[1]
発売日 日本 199103211991年3月21日
その他 型式:R98V5934 (PNF-9S)
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シャドウブレイン』(SHADOW BRAIN)は、1991年3月21日ポニーキャニオンより発売された日本ゲームソフト、および同時期にサイトロン・アンド・アートから発売された日本初のマッキントッシュCD-ROMソフトの名称。

本項では、前者であるファミリーコンピュータ版の解説を行うものとする。

概要[編集]

ウィザードリィ』(1981年)シリーズを代表とする主観視点からの擬似3D空間探索型ロールプレイングゲームであり、高度なデジタルネットワークを社会の中枢に据えた架空の近未来世界が題材となっている。なお、発売当時のデジタルネットワーク環境は利用者が限定的なパソコン通信であり、電子掲示板チャットなど実際に運用されていたデジタルネットワーク技術の存在をパソコン通信利用者以外に広く知らしめた他、オンライントーク(現在のビデオチャットに相当)やオンラインショッピングなどの現在のインターネット社会で当然となった機能を既に登場させており、未だに製作に携わったスタッフのデジタルネットワークにおける卓越した知識と先見性を高く評価する声が多い。

ゲームソフトを収めた化粧箱の底面部には、当時はまだ珍しかったコンピュータグラフィックスを用いた本作の導入部と一部の登場キャラクターの紹介映像が収録されたオリジナルビデオカセットが同梱されており、広大なバックグラウンドストーリーの紹介とゲームで描かれた世界観への移入を促す役割を果たしている。

また、サイトロン・アンド・アートがポニーキャニオンと共同で設立したゲームミュージック専門レーベルサイトロン・レーベル」(後のサイトロン・ディスクおよびサイトロン・デジタルコンテンツ、現在の株式会社ハピネット 音楽企画部)が製作した専用サウンドトラックCDの販売促進チラシも同梱されており、これを別途購入してゲームのプレイ時に代替音声として利用する事で、当時としては画期的な立体音響が施された音楽との相乗効果によって「ゲームの世界が疑似体験できる」としている。ただし、サウンドトラックの販売名義はポニーキャニオンで統一されており、サイトロン・レーベルはサウンドトラック解説書の表紙に社名を表すロゴマーク一点の表示のみに留まっている。

本作のテーマ曲「SHADOW OF KINGDOM」はTHE ALFEEが作詞、作曲を手がけ、ゲーム内における重要キャラクター「ガイダ」のデザインはスクリーミング・マッド・ジョージが担当しており、前述のビデオやサウンドトラックなども含めて、従来の『銀河伝承』(1986年)や『アテナ』(1987年)などに見られるイメージメディア同梱型ゲームとは一線を画す、ファミリーコンピュータを中心としたインタラクティブな一大デジタルコンテンツとして構成されているため、この意味も込めて「ファミコン初のヴァーチャルリアリティRPG」をキャッチコピーとして正式に公称していた。

設定[編集]

ストーリー[編集]

西暦1990年、天才的な電子工学博士でありながら進みすぎた研究によって異端視され、孤立した中で研究に打ち込むルドガーを父に持ち、自身もコンピュータープログラミングに非凡な才能を発揮する少年ジュンは、独学で自分のパソコンの中に人工知能プログラムを作り上げ、ルドガーの助言によってさらなる改良を重ねていた。日に日にジュンをも驚かせる成長を見せていた人工知能だったが、ある日を境に独自に通信回路を使ってパソコンの中から忽然と姿を消してしまった。

それから数日後、ジュンのパソコンの通信回路を使って突如として見知らぬ少女が映し出され、何かを訴えかけていたがジュンには理解できなかった。しかし、同日の夜にその少女はルドガーの研究室のコンピューターにも現れ、ルドガーに対して重要なメッセージを残して消えていった。このメッセージをきっかけに、ルドガーが生涯を捧げた「物質を電気信号に変換して時空を移動する」研究はついに完成を迎え、その実験体として自らの体を使って時空の移動を敢行した。異変に気付いたジュンはルドガーの研究室に走り、コンピューターに記録されていたルドガーのメッセージに残された謎の少女の姿を再び目にして、自身も父の後を追う決意を固めて装置に乗り込み時空の移動を実行した。

ジュンとルドガーが時空を越えた先は、自分たちが存在していた100年後の未来である西暦2090年。この50年前、西暦2040年に地球規模で発生した大災害「大地殻変動」によって壊滅的な打撃を受けた人類は、大地の隆起によって孤立した電脳都市「レムリア」を中心として幾つかの都市文明を復興させ、再びその栄華を極めんとしていた。しかし、16の街と区域で構成された複合都市の側面を持つ「レムリア」は人間とロボット、サイボーグが互いに縄張りを作って日々抗争を繰り広げており、さらにバイオテクノロジーによって生み出されたミュータントが脱走して市中を徘徊しているという混沌とした現実が渦巻く世界でもあった。

この頃、「レムリア」ではデジタルネットワークを利用した「電子トリップゲーム」が流行していたが、これはデジタルネットワークを介して送信される電気信号をプレイヤーの大脳に直接送り込み、より高度な疑似体験を通じてゲームを楽しむというものであったため、爆発的な人気に比例して深刻な中毒患者を生み出すという非常に危険な代物でもあった。

一方、意識を取り戻したジュンはスリープカプセルに入れられており、そこで再びルドガーからのメッセージを受け取った。

JUNヘ

ワタシハ テキニ オワレテイルノデ ココカラ ハナレ ミヲ カクスコトニ シタ.

コノ オテツダイ ロボット 「HAL」 ヨリ V.D.S.ヲ ウケトレ.

ソシテ イッコクモ ハヤク ワタシニ アイニキテクレ......

あの少女は何者だったのか、何を伝えたかったのか、そしてルドガーの身に何が起ころうとしているのか。ルドガーのメッセージに従ってV.D.S.をHALから受け取り、ハーモニータウンの一角に位置するルドガーの仮の研究所を後にしたジュン。

電脳都市「レムリア」を舞台としたジュンの旅が始まる…。

V.D.S.[編集]

頭部に装着するバイザー型の統合コンピューターシステムの略称で、正式名称は「Virtual Data Sensor(ヴァーチャル・データ・センサー)」。小型軽量化を進めていったコンピューターの最終形態とも言われており、優れた拡張性によって様々な機能を一元的に搭載できる特徴を持つ。ジュンの持つV.D.S.は「オンライントークシステム」しか使えない状態のため、冒険を進める中で5種類の系列システムと3つの独立システムの起動、操作に必要なプログラムなどを取得、拡張してゆく必要がある。

BATTERY
  • システムカートリッジ
    V.D.S.を活用するシステムプログラムが記録されたカートリッジ。
  • ソーラーシステム
    V.D.S.を使用する際に消費するEP(エナジーパワー)を補充する太陽光発電システム。
NETWORK
  • ネットワークシステム
    各地に存在する端末機にV.D.S.を接続し、ネットワーク通信をするために必要な通信システム。
  • オンライントークシステム
    V.D.S.に最初から搭載されており、ネットワークシステムと組み合わせる事でオンライントークが可能となる通話システム。
  • サテライトシステム
    端末機に接続しなくても通信が可能となる通信衛星アクセスシステム。
SCANNER
  • データスキャナー
    戦闘中に敵の基本的なデータが表示される分析システム。
  • レーダーシステム
    移動中に敵の位置を確認できる索敵システム。
  • オートロックシステム
    「サイバーガン」と呼ばれる銃器の照準を合わせるために必要な自動照準システム。
BARRIER
  • パワーブースター
    バリヤーシステムの起動に必要なシステム。
  • バリヤー
    レッド、イエロー、ブルーの3種類のバリヤーを張るシステム。
SOFTPAC
  • ソフトパック
    3種類の戦闘用プログラムが収められた戦闘補助システム。
独立システム
  • 翻訳システム
    他言語を話す人と会話するための自動翻訳システム。
  • ノイズワイパー
    ネットワーク障害によるノイズを除去し、通信で送られてくる画像を鮮明に映し出すノイズクリアシステム。
  • ICコアシステム
    通常のV.D.S.では使用できないプログラムを起動させるために必要な特殊拡張システム。

音楽[編集]

サウンドトラック
  • 『シャドウブレイン』
    1991年2月21日発売、PCCB-00054、ポニーキャニオン。

スタッフ[編集]

  • 原作:木宮雅徳
  • ゲーム・ストーリー:千葉智宏、黒田洋介
  • ゲーム・バランス:わたべこういち
  • キャラクター・デザイン:長沢英夫、今井修司、野田弘一
  • 「ガイダ」デザイン:スクリーミング・マッド・ジョージ
  • グラフィック・デザイン:MARU CHAN、BONZ PIN、MAEDARA
  • サウンド:中村一気、大野木宣幸
  • メイン・テーマ:高見沢俊彦THE ALFEE
  • プログラム:MR.K
  • プロデューサー:小尾一介
  • ゼネラル・プロデューサー:かわはらりょう、中島誠一
  • プロモーター:松本慶明、とみながやすなり
  • 音楽ディレクター:大野善寛
  • プロジェクト・コネクション:ブレーンバスターズ

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体 結果
ファミ通 25/40点[2]
ファミリーコンピュータMagazine 18.3/30点[3]
悪趣味ゲーム紀行 肯定的[4]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.1 3.2 3.0 3.1 3.0 3.0 18.3
  • ゲーム本『悪趣味ゲーム紀行』(1999年マイクロデザイン出版局)では、「(同梱のビデオに関して)当時相当プロモーションに力を入れていたらしく、特殊造形家マッドジョージ先生等にデザインをお願いするなど豪華スタッフを売りにしていた様ですが、あまりパッチワークな個性が災いしたのかアルフィーのテーマ曲が浮きまくって'91年発売である事を差っ引いてもスタッフのセンスを疑う程素晴らしい」、「ネットワークによる会話を本格的に導入した所はシナリオライターがチャット野郎だったのか中々イマドキです」と評している[4]

脚注[編集]

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  1. ^ 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」、『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店1991年5月10日、 163頁。
  2. ^ a b シャドウブレイン まとめ [ファミコン] / ファミ通.com” (日本語). KADOKAWA CORPORATION. 2017年7月15日閲覧。
  3. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」、『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、 59頁、 ISBN 雑誌26556-4/15
  4. ^ a b がっぷ獅子丸 「第20便★シャドウブレイン」『悪趣味ゲーム紀行マイクロデザイン出版局1999年1月5日、112 - 115頁。ISBN 9784944000814