シグマ ハーモニクス

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シグマ ハーモニクス
SIGMA HARMONICS
ジャンル ミステリーRPG
対応機種 ニンテンドーDS(DS)
開発元 THINK GARAGE
発売元 スクウェア・エニックス
人数 1人
メディア ニンテンドーDS専用カード
発売日 2008年8月21日
対象年齢 CEROB(12才以上対象)
売上本数 約4.2万本(エンターブレイン
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シグマ ハーモニクス』 (SIGMA HARMONICS) は、2008年8月21日スクウェア・エニックスから発売されたニンテンドーDSゲームソフト。ジャンルはミステリーRPG

概要[編集]

本作はそのジャンル名が示す通り、推理を核に据えたミステリーアドベンチャーにRPGの要素を加えたゲームである。タイトル中の「ハーモニクス」に象徴されるように、ゲームを進行する上で音楽が非常に重要な役割を担う。

世界観は現代の日本と似た雰囲気でありながらどこか異なる雰囲気持っており、主に洋館を舞台にして物語は進行していく。過去の時間変革と、それに伴い分岐する時間軸から成る平行世界を舞台としたストーリーが展開していく。表6楽章と裏2楽章で構成された全8章の構成となっている。

人の心を乱して歴史の流れを変革する「逢魔」と呼ばれる存在が、人心を操り本来の歴史には起こりえなかった殺人事件を発生させていく。主人公・黒上シグマと月弓ネオンは時を渡りながらその事件の真相を突き止め、その原因を取り除く事で事件に未然に防ぐのが本作の目的となる。

2010年EZwebimodeYahoo!ケータイにてフィーチャー・フォン向けに改良した『シグマ ハーモニクス コーダ』を配信[1]。イベントでのみプレイできたシナリオ「水泳部 生徒殺害事件」を追加収録している[1]

ストーリー[編集]

この世界には、人の心を乱す「逢魔(おうま)」と呼ばれる魔物が存在していた。しかし「使い人(つかいびと)」と呼ばれる人々によって時の狭間に封印され、世界は平和を保っていた。

その使い人の一族・黒上家の次期頭首である黒上シグマは、幼馴染の月弓ネオンと共に使い人としての鍛錬に勤しみながらも、学生として平穏な日常を送っていた。

しかしその平穏は突如として終わりを告げる。

世界は廃墟と化し、逢魔が空を覆い、シグマとネオンを除く人々の存在が消えていたのだ。 何者かが過去を改変したと気付いたシグマ達は、真実を解き明かし、未来を取り戻す為に時の狭間へと赴く。

システム[編集]

本作には、過去にさかのぼり殺人事件の手がかりを探していく「アドベンチャーパート」(以下、AVGパート)と、そこで調音査(AVGゲームの「調べる」に該当)コマンドを使用して集めた手がかり(=刻音)をもとに推理を行う「推理」パートが存在する。刻音を使って超推理を完成させると各章のボス戦へ突入する。

探索[編集]

殺人事件の舞台となる洋館を捜索を行う。AVGパートの操作は同社の『ファイナルファンタジーVII』などのように、見下ろし型RPGと同スタイル。事件が起きた前後の時間帯を行き来する事で(=刻の移動)、証拠やどのような出来事や起きていたのかを調べていく。各時間帯の行き来には式札が必要となる。

主人公達が居るのはあくまで時空の狭間であって実際の現場に居る訳ではなく、過去の光景を見ているに過ぎない。その為、現場に直接干渉したり関係者の聞き込みを行う事は無く、現場に残された魂の影と呼ばれるオブジェクトを調べて時の再演(その時間帯にその場所で起きた出来事を見る)を行う事で情報を集める。一部の証拠品などは、現場に残されているものを直接発見する場合もある。

超推理[編集]

AVGパートで集めた刻音をもとに推理を行うことを超推理という。超推理は事実とは異なっていても完成させることができるが、真相からかけ離れている程クリアランクは下がっていく。この超推理の結果は続くボス戦の難易度に影響を与え、推理結果が真相に近い程ボスは弱体化する。

バトル[編集]

AVGパートでは、捜索中に敵と遭遇する。戦闘は同社のファイナルファンタジーシリーズで馴染み深いATB方式を踏襲したシステムが採用されているが、式札や神降ろしは本作の特徴的なシステムである。

戦闘はヒロインであるネオンが1人で担当、主人公であるシグマはプレイヤーと同視点で彼女に指示を出す事で様々なサポートを行う。ネオン自身はバトルフィールドの中央に位置し、周囲に展開した逢魔を戦闘コマンドに該当した式札を選んで戦闘を行うシステム。

式札は次の神・曲・技の3つの特性を持つ。

ネオンに神降ろしを行うことで、彼女の特性を術・剣・銃にそれぞれ変更することができる(ジョブチェンジ)。それぞれ使用できる戦闘コマンドや得意な戦闘方法が変化するほか、ネオンも別人格となるためAVGパートでの会話も変化する。また、特定のジョブでなければ発見できない手がかりなども存在する。
  • 術者:強力な回復と防御を豊富に扱える。方向攻撃、全方位攻撃の種類は他2つのジョブに劣る。クラスは順番に時空の札使い、偉大なりし術者、麗しの魔法娘々の段階で強くなっていく。この姿の時はネオンの人格に変化は無い。
  • 剣士:超強力な方向攻撃を誇るジョブ。クラスが上がれば全方位攻撃も強力なものを修得するが、回復や防御は少ない。クラスは順番に闇を斬る騎士、歴史を導く剣豪、天然少女剣士の段階で強くなっていく。
  • 狙撃手:強力な全方位攻撃を多く扱えるほか、あらゆる方向に対応できるジョブ。回復の種類は剣士より上だが、防御の種類は心許ない。クラスは順番に冒険する狙撃手、真実に挑む銃手、神聖機関銃少女の段階で強くなっていく。
戦闘中に流れる楽曲を変更することができる。楽曲は3つのイコライザー(式力ゲージ)の上昇速度に影響しており、その速度によって技が出せる(コマンド選択)までの時間が変わってくる。
戦闘コマンドに相当し方向攻撃や全方位攻撃、回復、防御などがある。またマップ中で使用すると様々な効果を得ることができる。

登場人物[編集]

主人公とヒロイン[編集]

黒上 シグマ(くろがみ しぐま)
声 - 小野大輔
本作の主人公。古くから続く使い人の一族、黒上家の次期頭首。17歳で、黒上家が経営する学園の学生でもある。黒上家の持つ力は「音使い」とされ、「逢魔」が歪めた時間軸を本来の流れに戻す「調律」の能力を持つ。戦闘では自らは戦わず、演奏と式札によってネオンに指示を出す。優等生である一方、普段は宿題を忘れたり休み時間に居眠りをしたりと勝手気ままな態度で過ごしている。冷静沈着で大人びた性格だが、使い人として人々を助ける事に躊躇は無く、日々修行に励んでいる。趣味は読書。学園では「ネオンをドーナツで餌付けしている」と有名。
その正体は歴史の改変を修正すべく時が生み出す存在「調律者」の一人。「シグマ」とは調律者を指す言葉であり、本来は人名ではない。彼の場合は麟による「黒上家滅亡」の歴史を修正する為に、黒上ゆうをベースに生み出された。しかしオリジナルであるゆうが未来への時渡りを行った不安定な存在であった事と、そのゆうの覚醒によって起きた時の爆発によって調律者としての記憶を破壊される。その後、自身の存在を保つ為にゆうの記憶を元に世界を再構築し、その中で黒上家次期頭首の学生「黒上シグマ」となった。
全ての事件を解決して逢魔人を倒したもののネオンを失い、現れた法水麟によって真実を突きつけられる。しかしネオンのいない世界を認めず、無意識のうちに世界の再構成を行う。その結果、本来の歴史に戻りつつある世界に辿り着き、自分の正体を知るも、シグマ自身の望む平和な世界を取り戻す為に同じ調律者である法水シグマを倒す事を決意する。一度はその圧倒的な力の差に全く太刀打ち出来ず敗北を喫するが、ゆうと美巫女によって召喚された対逢魔決戦兵器オルトゴールに搭乗し、激闘の末に勝利。消える間際の法水が言い放った「歴史が改変される限り何度でも調律者は生まれる」と言う言葉に対しても「その度に使い人達が未来を勝ち取る」と返し、調律の完了=自身の消滅という事実も受け入れ、平和な世界への調律を果たす。その意識は記憶の一部と言う形で新たな世界のシグマへと受け継がれた。
月弓 ネオン(つきゆみ ねおん)
声 - 平野綾
本作のヒロイン。シグマの幼なじみで同級生。「札使い」の力を持つ月弓家の人間。神霊を憑依させる「神降ろし」の術と、神霊の力を封じた式札をシグマが制御する事により、逢魔を滅する事すら可能な戦闘能力を誇る。但し、憑依させた神霊は自身では制御が出来ない為、音使いであるシグマの奏でる曲と式札の力があって初めてその力を活かせる。シグマとネオン、どちらも一人では逢魔と戦う事が出来ず、パートナーの存在が不可欠となる。彼女自身は明るく素直な性格だが、神降ろしによっては人格が大きく変化する事もある。また、神降ろしの影響で体の燃費は非常に悪く、異常とも思える程に食欲が旺盛である。ドーナツが好き。
彼女もまた調律者であり、ねね(月弓音音)をベースとして生まれたシグマ(月弓シグマ)である。ねねがゆうを守る為に行った未来への時紡ぎに対して生み出された調律者だが、本来は未来への時紡ぎは調律者にすら不可能であり、その調律の為に生まれた月弓シグマもまたイレギュラーな「シグマ」であった。調律すべき時はゆうが飛ばされた50年後であった為、それまで世界に留まる事になった月弓シグマはいつしか人間界へと溶け込んで行き、やがてゆうがベースとなった「シグマ」(黒上シグマ)が生まれる事を知った後は、彼に会う事だけを心待ちにするようになった。そして生まれた黒上シグマの世界構築に身を委ね、彼の幼馴染の少女へと再構築された。同時にオリジナルであるねねの本名をそのまま名乗るようになり、「月弓ネオン」となった。
物語終盤、シグマの調律によって自身が生まれた原因となる事件が消失した為、存在意義を失い消滅する。しかしシグマがネオンを取り戻すと言う意志で時の再構成を行った事と、シグマの存在によってネオンが調律すべきだった世界が揺らぎとして再び現れつつあったことで、霊体のような形で復活する(実体としては存在しないが、逢魔との戦闘は可能)。法水シグマに敗れて再び消滅するも、その心はオルトゴールの機体に宿り、最後までシグマと共に戦った。最後の調律の後は平和な世界にて、その世界におけるシグマの本当の幼馴染として生まれ変わる。
闇を斬る騎士、歴史を導く剣豪、天然少女剣士
神降ろしによって剣士に変化した状態。剣での攻撃を主体し、多数の剣をスカート状に携えている。性格もクールになり、淡々とした冷静な物言いが特徴。しかしクールが行き過ぎて支離滅裂な発言や人を食ったような言い回しも多用する。
冒険する狙撃手、真実に挑む銃手、神聖機関銃少女
神降ろしによって銃使いに変化した状態。短い髪に動きやすい服装と言う見た目通り、性格も明るくはつらつとしている。一方、オリジナルよりも勝気で、少々がさつな一面も。

使い人の一族[編集]

黒上 静馬(くろがみ しずま)
シグマ達が住む時より50年遡った時代での黒上家頭首であり、かつて2度起こった世界大戦において、裏で暗躍していた逢魔との戦いを繰り広げた使い人。使い人達を統率する立場として、物静かながらも威厳ある佇まいの男性。大逢魔によって引き起こされた事件に時には被害者として、時には犯人として幾度となく巻き込まれる。
黒上 佳子(くろがみ よしこ)
声 - 小林ゆう
静馬の妻であり、黒上家頭首夫人。年齢を感じさせない若々しさと、落ち着いた雰囲気を持つ。逢魔人の歴史改変に巻き込まれ、幾度となく事件の関係者となる。
旧姓は「九条」で、家系の持つ力は「風使い」である。その力によって新陳代謝のコントロールが可能であり、老化を抑える事が出来る。物語終盤、現代にてシグマと対面した時にも、齢80を超える高齢でありながら50年前と殆ど変わらない若々しさを保っていた。外見だけではなく実力も健在で、最後の戦いでは館を襲撃する逢魔の群れをたった一人で食い止めていた。
仮面の執事 / 守人(もりと)
声 - 藤原啓治
黒上家に代々仕える守人家の人間。守人家は使い人ではないが鍛え上げた肉体と鍛錬を積んだ武術により逢魔とも互角に渡り合う一族で、その力を持って仕える御家を守護する。
作中では現代や過去、平行世界などで何人もの仮面の執事が登場するが、いずれも別人。現代の守人はシグマの家の執事。過去の守人は静馬に仕える執事で、時に被害者、時に犯人として事件に巻き込まれる。
クリア後の第死楽章でも大逢魔に憑依された事で正気を失い、事件の犯人となる。しかし犯行の瞬間となる魂の影を堂々と残してシグマ達を挑発したり、何度もシグマ達の前に現れては己が思想を説くなど、彼自身が悪人であるかのような扱いを受けていた。
守人 乱歩(もりと らんぽ)
声 - 藤原啓治
最後の世界における守人。ゆうに仕える執事であり、シグマの乗る列車を運転する。守人の血筋通り肉弾戦が得意で、調律者相手には今一歩及ばないものの、使い人が殆ど滅び去った世界でもゆうと共に戦い続けている。最後は立ち塞がった大逢魔に列車ごと突っ込み、シグマを決戦の地へと送り届けた。
黒上 梅(くろがみ うめ)
黒上家の大婆で、静馬の母。戒律に厳しい。姫籠の家の出であり、本来は遣える立場にある黒上家に嫁いだ事は周囲を騒然とさせたと言う。
姫籠 ユリ子(ひめかご ゆりこ)
黒上家に仕えるメイド。身の回りの世話から家事全般までこなす。姫籠家は代々逢魔封印の力を持ち、大時計の結界の管理を行う他、有事には使い人として逢魔と戦う。特に守人とのコンビネーションは抜群で、大逢魔すらも倒すほど。
彼女の眼鏡は絡繰り使いの父の形見であり、視るだけで効力を発揮する結界を生み出すべく力を蓄える為に掛けている。大時計の封印が解けた時の為の万が一の保険であり、視力が悪い訳ではない。その為、事件によって掛けていたりいなかったりする。
「大時計の封印が解ける」と言う事実を確定させる為には、姫籠の人間であるユリ子の存在は最大の障害であり、どの事件でも必ず死の運命に巻き込まれる(例え彼女が犯人であっても)。
ねね / 月弓 音音(つきゆみ ねおん)
黒上家に住まう少女。札による占いを得意とする。口数が少なく、不思議な雰囲気を纏うが、義弟のゆうに対しては良き姉として接する。トマトが嫌い。
静馬と佳子の娘として黒上家で暮らしているが、実際は月弓家からの養子であり、黒上の血は引いていない。その為、逢魔人の「黒上家滅亡」と言う目的ではターゲットから外れている(但し、事件によっては何らかの理由で殺害される事はある)。
ねねとは幼名で、本名は月弓音音。ネオンのベースとなった人間である。最後の事件にて、凶行に走った犯人からゆうを守るべく、本来は不可能とされる未来への時紡ぎを成功させてしまう(その際にゆうは50年の時を超え、残ったねねは犯人に殺害された)。それにより、彼女をベースとした「シグマ」であるネオンが生まれ、未来に飛ばされたゆうは時空間においても不安定な存在となった。最後の世界では時期は不明だが、既に交通事故でゆうを庇って他界している。
黒上 ゆう(くろがみ ゆう)
声 - 壮年期:小山力也
静馬と佳子の息子であり、次期黒上家頭首となる少年。黒上家の血筋として強大な力を秘めている。幼いながらも頭脳明晰だが、性格は年相応。義理の姉であるねねとは仲が良い。平行世界において不安定な存在であり、時には存在そのものが消える事もある。
最後の事件の際、ねねによって未来へと送られ、不確かな存在となった。それにより、平行世界においても本来死ぬはずだった運命が変わり、本来死ぬ運命に無いねねの犠牲によって生き残る事となる。最後の世界では成長して黒上家の頭首となり、父・静馬に瓜二つの男性となっていた。その力は全盛期の父すら遥かに凌ぎ、大時計を介する事無く時の狭間を作り出す事も可能。滅びつつある世界にて、最強の調律者である法水シグマと互角の戦いを続けている。また、青年時代は自身がベースとなって生み出された黒上シグマに瓜二つであった。
終盤、法水に襲われたシグマと守人の危機を救う。シグマに真実を話した後、彼が自分をベースに生まれた調律者である事と、姉をベースに生まれたネオンが共に在る事を悟る。その後、「自分がするべき事をする」為に館に戻り、美巫女に未来へ時を紡がせ、自身の命と引き換えに異なる可能性の未来から対逢魔決戦兵器オルトゴールを召喚。シグマとネオンを勝利へと導いた。
譲葉 芙蓉(ゆずりは ふよう)
言の葉の揺らぎから真偽を見分ける能力を持つ譲葉の頭首。麟の母親。
譲葉 麟(ゆずりは りん)
芙蓉の息子であり、芙蓉をもしのぐ譲葉の能力を持つ少年。途中から芙蓉と共に館に現れ、事件に巻き込まれていく。
実際の彼は譲葉ではなく、使い人の「源流」にあたる法水の人間であり、譲葉には養子として迎え入れられている。
美巫女(みみこ)
声 - 平野綾
ねねの孫で、ネオンに瓜二つの少女。しかし性格は引っ込み思案で、ねねやネオンとは似ても似つかない。内に秘めた力はねねをも凌ぐ。
幼少期より自分には重大な使命が与えられている事を察しており、最終決戦時にはゆうと共に最後の時紡ぎを行い、オルトゴールをシグマへと託した。

時の変革者[編集]

ディクソン
声 - 稲田徹
「逢魔人」と呼ばれる強力な逢魔で、同じく逢魔人であるクリスティと恋人同士のように振る舞っている男。今回の事件の首謀者の一人。大時計に封印されていたが、何者かに解き放たれ、黒上家滅亡の歴史を生み出すべく事件を起こす。最後は自ら犯人に憑依して黒上家を全滅させる事件を起こすも、事件の謎を解き明かしたシグマ達に追い詰められ、逢魔「ラウドバンコラン」へと変身してネオンと戦いを繰り広げた末、倒される。その後、同じく敗北したクリスティと共に再び封印された。
クリスティ
声 - 能登麻美子
「逢魔人」と呼ばれる強力な逢魔で、同じく逢魔人であるディクソンと恋人同士のように振る舞っている女。今回の事件の首謀者の一人。ディクソンが倒された後は激しい復讐心に憑りつかれ、最後の事件を起こす。対決時は逢魔「ミス・エルキュル」へと変異して襲い掛かるも、調律の所為で本来の力を出せずネオンに敗れ、大時計の中でディクソンと再会を果たし、共に再び封印された。二人とも逢魔人の中ではまだ若く、比較的力も弱い部類とされる。
法水 麟(ほうすい りん)
声 - 福山潤
本来の歴史における麟。黒上家滅亡の真の首謀者。戦時中、法水の研究者が偶然生み出した逢魔と人間のハーフの兄妹の片割れであり、その存在を標として逢魔が現世に溢れ出し、やがて世界は滅亡へと向かう。黒上家ら使い人は歴史を変える事で平和な世界を取り戻すも、法水兄妹は依然として世界に存在し続け、それだけで世界に歪みを生んでしまっていた。その為、二人は大時計に封印されるが、後に生まれた法水シグマが気まぐれで自身のオリジナルの封印を解いてしまう。自分達を封印した黒上家への復讐に燃える麟は、妹の命を犠牲に時を渡り、逢魔人等と共謀して今回の事件を起こした。尚、妹の方は病弱で、兄ほどの力は持っていなかったとされる。
最後の事件を解決したシグマの前に現れるも、ネオンのいない世界を認めなかったシグマが行った再構築に飲まれ、消滅した。エピローグでは彼のものらしき声が聞こえるが詳細は不明(用語集ではシグマが望めばそこに「彼」や「彼女」もいるとされている)。

調律者[編集]

黒衣の男 / 法水 シグマ(ほうすい しぐま)
声 - 福山潤
度々シグマの前に姿を現し、謎めいた言葉を残しつつ彼等を導く黒いコートの男。
本作のラストボスであり、その正体は調律者である法水シグマ。黒上や月弓と言った使い人達によって紡がれた平和な歴史を調律し、本来の「逢魔に滅ぼされた歴史」に戻すべく生み出された存在。ベースは法水麟。長い間、使い人達と戦い続けた為、歴史が元に戻ろうとする力の増大に伴って最強の存在となりつつある。しかし自身のオリジナルとなった法水麟によって引き起こされた歴史改変は自身の力では調律できなかった為、自分が調律できる世界に戻す為に、その役目を与えられた黒上シグマを導いていた。正体を隠していたのは、自身のオリジナルである麟との接触を避ける為と、万が一出会った際にそれによって生じる時の歪みを最小限に抑える為である。
法水麟を解き放った張本人であり、期せずして黒上家滅亡の歴史や多数の調律者が入り乱れる混乱を生み出した全ての元凶と言える。しかし調律者としての使命には極めて忠実であり、黒上シグマによる調律と言う目的を果たした後は自身の使命を完遂すべく大時計の元へ向かう。時の流れに逆らうシグマの意志を否定すべく、その有り余る力を存分に発揮する巨大形態「♭(フラット)ペンデュラム」へと変貌し、生身のシグマとネオンを一蹴する。しかし最後はシグマの操縦するオルトゴールに敗北し、平和な世界への歴史改変が為される度に新たな調律者が生み出される事を告げながらも、自身の敗北については潔く認めて消滅した。

※なおシグマを除く全ての登場人物が有名なミステリー作品の登場人物、或いは著者を名前の由来としている。

キーワード[編集]

使い人関連[編集]

使い人
逢魔と戦う特殊能力の持ち主の総称。その多くは血に依存し、代々受け継がれているが、その強さや種類は一定ではなく、完全に無くなったり逆に突如として目覚めたり、能力の方向性が変わる事すらもあると言う。
本編では主に音使いと札使いが該当するが、他にも水や火と言った元素を操る者、使い、絡繰り使い、言の葉、封など様々な使い人が存在し、一部は作中にも断片的に登場する。使い人の本流にあたる黒上家が統率しているが、現在では過去の戦争で散り散りになった上に血も薄まっている為に正確な人数は不明。
神と呼ばれた人々のいた時代の直血(神代の血)とも言われ、一説では黒上家は国之常立神、月弓家は月読の血筋とされるが真偽は不明。但し、用語集によると、ここで語る神とは人神であって超次元の存在ではないとの事。
音使い
使い人の一種で、音を媒介にして様々な奇跡を起こす一派。黒上家が代々得意とする。
作中ではシグマが調音査で刻印を作り出す、神降ろしで降ろした神霊を神楽(BGM)によって導く、時紡ぎで時間帯を移動する、などの力を発揮する。
札使い
神霊と契約を交わし、式札を生み出す事によって様々な奇跡を起こす使い人。月弓家が代表的。
ネオンが使用する「神降ろし」はその術の一つである。札使い自体が使い人の中でも貴重であり、既に殆ど生き残っていないとされる。
刻印
音使いであるシグマが人の会話や状況から重要な音を聞き分け、深層下に刻み込んだ情報の塊。
ゲーム上では、事件を解くための手掛かりをアイテムとして視覚化したようなものとして扱われ、これらを使って超推理を進める。「○○と××が会話をした」「○○が△△をしていた」と言った事実そのものや、見つけた証拠品などは全て刻印として入手する。
超推理
シグマの特殊能力の一つ。刻印と解き明かすべき謎の連結を繰り返すことによって、求める事象の結論を導く。
時の調律はこの超推理によって導いた結論を元に行われるが、どんな謎でも解き明かして結論を出す為、間違った推理ではとんでもない結論を出したり、シグマがそもそも推理を放棄してしまう場合も。
この結果に応じてボスである大逢魔や逢魔人の強さが変化する。また、楽章クリア時には結果がS~Dのランクで表示される。ボスと戦う前なら何度でも再推理が可能。
時の調律
音使いの能力の一つで、過去の修復を行う。
逢魔は過去に干渉し、その改変を固定させる事で歴史の再構築(過去改変)を行う。使い人はその逢魔が干渉した一部始終を調べ上げ、その推理に基いて時の調律を行う事で、逢魔が過去改変の固定に割いていた力を奪う事が出来る。その為、逢魔の干渉内容に近い調律を行う(=真相に近い推理を行う)ほど、逢魔の力を削ぐ事が出来る。
調律を行わずとも元凶の逢魔さえ倒してしまえば簡単に歴史は修正できるが、作中で事件を起こしている大逢魔や逢魔人は通常ではとても太刀打ち出来ない力を持っているとされる為、超推理による時の調律が必要となる。
調音査
音使いの能力。対象に音を奏でることで、その対象が持つ情報を刻印として入手する事ができる。情報を発する対象にのみ効果があり、主に逢魔の残した痕跡や過去の人々の強い意志、心の残滓に反応する。
後述の魂の影を調べる際の使用が基本だが、証拠を直接調べたり、真実の欠片(ヒント)を探す場合にも使用する。また、特定の物を調べると用語集の項目が追加される事がある。
魂の影
過去の人々の想いや残留思念が時の狭間に映し出されたもの。調音査を行う事でその場にその時間帯に起きた出来事を再現する「時の再演」を行う事ができる。再演では事実のみが映し出され、そこに嘘や偽装は存在しない。中には画面に表示されず、重要な場所に隠された魂の影も存在する。
神霊
札使いが感じ取る超自然的な意志や力の方向性。存在は極めて曖昧であり、草木に眠る静かな気や天空に漂う荒ぶる気、時には形を持ち、言葉を話す変わったものも存在するなど、「八百万の神々」と称されるほど無数に存在する。
ネオンはこれらを十二支に例え、12の方向に納めて具現化、式札化している。但し、今回の事件では13以上の力が存在する為、十二支に含まれない種類の式札も存在する。
神降ろし
札使いの術の一種。契約した神霊を自らの肉体と同化させ、超人的な戦闘力を得る。しかし神霊は術者自身にはコントロールが出来ない為、音使いが奏でる神楽によって制御する必要がある上、術者自身も神霊の影響で外見や性格が変化する場合がある
神霊は時を超越した存在であり、神降ろしを行う事は自分の在り方が時間軸を含めて別次元の存在となる事を意味する為、「変化した」と言う認識は本人はほぼ無い。一方、魂そのものは同一である為、思想や行動と言った根本的な本質は元のままである。
時紡ぎ
音使いの術の一つ。時の狭間に音使いの力によって時間軸という方向性を与え、他の時代への道を紡ぎ、安定させる。黒上と月弓の秘中の秘とされる技。
作中ではシグマ達は式札を使って他人の紡いだ時を繋げ直している。
莫大な神力と「あるもの」を必要とし、殆どの使い人は使う事はできない。その「あるもの」とは使い人の血と魂であり、また、狭間で失われる魂は輪廻から外れて逢魔人を生むと言われ、使い人にとっては最大のタブーとされる。
時渡り
時紡ぎで作った道を渡り、直接時間跳躍を果たす術。凄まじい神力とそれをコントロールする繊細さが必要であり、それが可能な人間は使い人の中でも数世代に1人とさえ言われる。
通常であれば過去にしか跳べないはずだが、作中ではねねが未来への時渡りを実現させ、それは調律者を一人生み出すほどの影響を時空に与えてしまった。
大時計
神代の時代より黒上の館に存在する時の封印。時計の形をしているが、それは封印が取った形態の一つに過ぎない。時の狭間への道を閉ざし、自動調律する「結界の歯車」によって逢魔が外の世界に現れる事を防いでいる。管理は姫籠家が担当している。
時の狭間はあらゆる時間に繋がり、その狭間に繋がる大時計は時を超えるタイムホールとも成り得るが、上述の通り、その代償として使い人の命を喰らう。

逢魔関連[編集]

逢魔
時と時の狭間に存在する魔物。狭間の世界より人の意志に干渉し、深層意識下から心を捻じ曲げる事(「魔が刺す」とも)で、狂気に走らせる。これによって悪意を植え付けられた人間にはその自覚は一切無く、凶行後には自分の不可解な行為に対する疑問だけが残る。時間から逸脱した存在である為、強力なものになると過去に干渉して歴史すら狂わせてしまう。
力の弱い逢魔は封印の影響も小さく、現世に現れてしまう事もある。これらを討伐する事も使い人の使命の一つである。用語集のネオンの言によると、以前ネオンの友人に憑依した事もあったとの事。
大逢魔
強力な逢魔であり、歴史を捻じ曲げるほどの強大な影響を人に与え得る存在。使い人の中でも上位能力者しか渡り合う事が出来ず、時の調律無しで倒す事は難しい。但し、強力な逢魔は時の狭間の彼方に封印されている上、力に比例して封印の影響を強く受ける為、強力であればあるほど封印は解けにくいとされる。
作中では各事件の犯人に憑依して事件を引き起こすボスモンスターとして登場。
業逢魔(カルマ)
人に干渉し過ぎた為に、その人間の負の感情や業の影響を強く受けた逢魔。
意識や思考はほぼ無く、決まったルートを徘徊したり感知した人間に近づくだけの存在だが、その力は個体差はあれど、大逢魔以上とも言われる。
作中では捜査を妨害する存在として登場。強力な上に倒しても経験値は得られないが、消滅する際に奇跡も起こす性質があり、真実の欠片を落としたり式札の力を回復させる事がある。
逢魔人
人の姿を取った上位逢魔。思考や立ち振舞も人と変わらなく見えるが、その心は世界や人(特に使い人)への激しい憎悪が渦巻いている。その力はあらゆる逢魔を凌ぎ、一人の逢魔人が解き放たれるだけで世界の在り様が変わるとされる。現在確認されている逢魔人は33人で、全て厳重に封印されている。
戦闘時にはその力を発揮する為に人の姿を捨てて逢魔形態に変異する。その姿は個体によって異なるが、中には山ほどの巨大な姿になった者も居ると言う。

その他[編集]

時の狭間
時紡ぎによって辿り着く、時間と時間の狭間に存在する世界。本作の主な舞台。
狭間の世界は隣接する現実世界の同位元素を取り込み、再構成して疑似世界を生み出す。作中では、例えばある事件で「12の刻」への時紡ぎを行えば、該当する事件のあった日の12時の状況が疑似世界として構成される。主人公達が探索する洋館はこの原理で構成された疑似世界であり、実際の洋館ではない。時間帯の移動も前述の通り、別の時間帯の疑似世界を新たに構成し直しているのであって、主人公達自身が時間移動している訳ではない。また、時の狭間には逢魔が巣食っている為、調査中は敵との遭遇(エンカウント)が発生する。狭間そのものに時は存在せず、疑似世界も時の止まった世界のように認識できる。
調律者 / シグマ
時が歪みを戻そうとする力の具現。歴史の改変を調律し、本来の歴史に戻す為に「時」そのものが生み出すカウンター的存在であり、世界からずれた存在として「シグマ」とも呼ばれる(シグマはラテンアルファベットで「S」を示し、「S」は音楽用語で各オクターブから半音ずれる変ホを指す)。
何らかの外的要因で大きな歴史改変が生じると、その時代で最も強力な力を持つ者をベースに形を取る。歴史そのものを再構成する調律の他、使い人すら太刀打ち出来ないほどの強大な力を持つ一方、自身に与えられた使命以外の調律は行えず、また、役目を終えれば最後は消滅する。
しかし黒上シグマの場合はベースの時点から不安定な存在だった事と、記憶を失ったイレギュラーな調律者である事から、本来の使命の枷には囚われず行動している。
平行世界(ハーモニクス)
時空の混乱によって生じるパラレルワールド。調律者の使命はそれらを調律によって1つに戻す事である。ハーモニクスとは音楽用語で「倍音」を意味し、成分の集合に分解した時、理論上には無限の広がりを持つそれと世界の有り様をかけているとされる。
不確かな存在
未来への時渡りを行ったゆうを指す。平行世界での人の存在はその時間に生きているか否かではなく歴史の繋がりに存在があるか無いかだが、ゆうに関しては未来と言う不確定な時へ渡ったが為に彼個人の歴史の繋がりに不透明な空きが出来てしまう。その為、平行世界においてもゆう自身の個としての存在が不安定になっており、突如として時間の流れから存在が消えたり、また現れたりする。
本来の歴史
この世界の本来の歴史とは、法水兄妹を標として逢魔が現世に溢れると言うものである。それを使い人達が歴史改変を行う事で平和な世界を作り上げた。法水シグマはこの世界を本来の姿に戻すべく生まれたが、彼が解き放った法水麟と逢魔人が更に過去を改竄して「黒上家滅亡の歴史」を作り上げてしまう。その過程で「ねねによるゆうの未来への時渡り」が発生し、月弓シグマが誕生。更にこの黒上家滅亡を修正する調律者のベースとして、未来への時渡りで不確かな存在となったゆうが選ばれてしまった為に、記憶を失ったイレギュラーな調律者・黒上シグマが誕生してしまう。これによって幾重もの歴史改竄と、複数の調律者を抱えた混沌とした状態に陥ったのが、本作の時空である。
物語冒頭でシグマ達が暮らしていた世界は、使い人によって改変された平和な世界である(正確にはシグマがゆうの記憶を元に、自身が存在できるように更に再構成した世界)。その後の突如変貌を遂げた世界は、法水麟と逢魔人によって黒上家が滅亡させられた世界。終盤でシグマが辿り着いた世界は、調律者である法水シグマが勝利しつつある事で本来の逢魔に滅ぼされた歴史に戻りかけている世界である。最終的に法水を倒したシグマによって再び平和な世界が紡がれ、シグマとネオンも新たな命(用語集では「彼らであって彼らではない」と表されるが、シグマの方は記憶を引き継いでいる描写がある)としてその世界で生きて行く事となった。
対逢魔決戦兵器オルトゴール
シグマと法水の最終決戦の時点で存在する可能性の未来「使い人と調律者が戦い続けた世界」で開発された人型巨大ロボット。最強となりつつあった法水を倒す為に美巫女が可能性の未来へと時を紡ぎ、ゆうが自らの命を捧げる事によって召喚された。コクピットはシグマの持つタクトがキーになっており、黒上家で建造された事が伺える。
その性能は操縦者と機体に宿る心に比例し、ネオンの心が宿り、シグマが操縦する事によって単機で逢魔人を倒せるほどの力を発揮。戦闘力は正に別次元の規模であり、♭ペンデュラムとのラストバトルでは敵味方共に与えるダメージが通常時とは桁違いの数値となる。

スタッフ[編集]

テーマソング[編集]

テーマソング『Harmonia vita』
歌:平野綾
作詞:畑亜貴
作曲:斎藤真也

本作の世界観をイメージして本作のために作詞された。

楽曲[編集]

ここでは「シグマハーモニクス オリジナル・サウンドトラック」に収録された順番に掲載する。ゲーム未収録曲も含む。

トラック番号 曲名
01 もう1つの明日
02 さざなむ夢
03 時の残滓
04 黒き導き
05 流れし刻
06 狭間を流離う
07 穏やかな音色
08 近づく深淵
09 希望与えし「戌吠の神楽」
10 封印完了
11 歪んだ悪夢
12 魔を刺されし人
13 光り誘う「鐵牛の神楽」
14 神降ろし
15 浸食する闇
16 紡がれる時
17 心奮わす「窮鼠の神楽」
18 表出せしは「大蛇の神楽」
19 人の形作りし恨み
20 呼び求める三重爪
21 悠久の果て「山鯨の神楽」
22 安寧在らざる「白鳥の神楽」
23 侵攻せしめし「若駒の神楽」
24 暗夢より始まる「羊神の神楽」
25 緩り進みし「猩々の神楽」
26 天上天牙「獣王の神楽」
27 麗らかなるかな「龍神の神楽」
28 恐怖の先にある希望
29 逢魔が時に視るもの
30 其が奏でるは「魔奏曲」
31 悲涙
32 言の葉は揺すられた
33 終極へ導くは「月精の神楽」
34 転回せしめるは時の悲鳴
35 彼の者は誰時に
36 やがて訪れる時
37 Harmonia vita(SIGMA Mix) 歌:平野綾

関連商品[編集]

  • シグマハーモニクス オリジナル・サウンドトラック
  • シグマハーモニクス 公式ガイドブック
  • -SIGMANIAX- シグマハーモニクス ザ・コンプリートガイド+公式設定資料集(発行:アスキー・メディアワークス

出典[編集]

  1. ^ a b スクエニ、新要素を追加して携帯電話に最適化”. GAME Watch (2010年1月28日). 2016年11月19日閲覧。

外部リンク[編集]