サイクロン級哨戒艇

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サイクロン級哨戒艇
USS Tempest (PC-2).jpg
基本情報
艦種 哨戒艇
運用者  アメリカ海軍
就役期間 1993年 - 現在
要目
軽荷排水量 288トン (船体延長型: 352トン)
満載排水量 334トン (船体延長型: 387トン)
全長 51.62 m (船体延長型: 54.36 m)
最大幅 7.62 m
吃水 2.44 m
主機 パクスマン バレンタ16VRP-200CMディーゼルエンジン×4基
推進器 スクリュープロペラ×4軸
出力 13,400馬力
速力 35ノット
航続距離 2,500海里 (12kt巡航時)
乗員 士官5名+下士官兵23名
+特殊部隊9名
兵装 Mk.96 25mm単装機銃×1
Mk.38 25mm単装機銃×1
M2 12.7mm機関銃×5
Mk.19 40mm自動擲弾銃×2
M240B 7.62mm機関銃×2
BGM-176B対舟艇ミサイル 4連装発射機×2
搭載艇 6メートル型複合艇×1隻
11メートル型複合艇(PC-14以降)
レーダー ・ラスカー3400C 対水上捜索用
ソナー ・ウェスマー サイドスキャン式
電子戦
対抗手段
・AN/APR-39(V)1 RWR
・Mk.52 6連装デコイ発射機×2基
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サイクロン級哨戒艇英語: Cyclone-class patrol coastal ships)は、アメリカ海軍哨戒艇の艦級[1][2]。沿岸での哨戒や捜索・阻止などの沿海域作戦を主任務とする[3]

来歴[編集]

本級はもともと、Navy SEALsが使用していたPB Mk.III哨戒艇の後継として、16隻の整備が計画されていた。1990年度計画で8隻、1991年度計画で5隻が発注され、1996年度計画で更に1隻が追加された[1][2]

設計[編集]

設計面では、イギリスヴォスパー・ソーニクロフト社がエジプト海軍向けに設計・建造したラマダン級ミサイル艇の発展型にあたる。アメリカ海軍の要求に基づき、操舵室や電子機器はケブラー製の防弾板で防護されており[1]、5番艇以降では更に強化された。また14番艇では船体を延長して船尾に舟艇の揚降装置(CCRS)を設置しており、後に2~4、7、8、11~13番艇も同様に改修された。なお2010年には、バーレーンに前進配備されていた艇で深刻な船体腐食および船体フレームの座屈が発見されたことから、全艇を対象として緊急修理が行われた[2]

減揺装置としてフィンスタビライザーを備えている。また船尾ウェッジが備えられていたほか、14番艇では、運動性の改善・航続距離の延伸のため、船尾フラップが付された。また雑音低減措置も強化された。なお本級では、水中放射雑音の低減のため、アクティブ減音装置を備えることも可能とされる[2]

主機としてパクスマン バレンタ16VRP-200CMディーゼルエンジン4基を搭載している。推進器は5翼のスクリュープロペラ4軸だが、14番艇では6翼式に変更された。沿岸での長期間の哨戒に対応するため、最低速力は3ノットとされている。また船尾の受油リグを使用して、洋上で給油を受けることができる。電源はキャタピラー3306Bディーゼルエンジンを原動機とする出力155キロワットの発電機2基が搭載された[2]

装備[編集]

サイクロン級のMk 38 25 mm機関砲。

本級は2門のM242 ブッシュマスター 25mm機銃を有する。船首側の1門は、海軍が従来より使用してきた人力操作のMk.38であるが、後部上部構造物上の1門は安定化された遠隔操作型砲塔を採用したMk.96とされている。また、多数の小型舟艇との交戦を想定して多数の小火器が搭載されている。弾薬搭載量は、25mm機銃弾と12.7mm機銃弾7.62mm機銃弾が2,000発ずつ、40mmグレネード弾が1,000発とされている[2]

また2000年には、対空兵器として、Mk.96マウント上にスティンガー近接防空ミサイルの4連装発射機を設置する試験が行われ、良好な成績を収めた。ただし普段は、スティンガーは搭載されていない[2]

搭載艇として、全長16フィート (4.9 m)の戦闘強襲偵察用舟艇2隻と6メートルの複合艇(RIB)1隻を搭載できるが、実運用上はRIBのみが搭載されていることが多い[2]

同型艦[編集]

一覧表[編集]

# 艦名 就役 退役 備考
PC-1 サイクロン
USS Cyclone
1993年 2000年 2000年2月に沿岸警備隊にリース、
2004年3月にフィリピン海軍に売却され、「マリアーノ・アルバレス」として再就役。
PC-2 テンペスト
USS Tempest
就役中 リトル・クリークを母港としている。
PC-3 ハリケーン
USS Hurricane
PC-4 モンスーン
USS Monsoon
PC-5 タイフーン
USS Typhoon
1994年 バーレーンマナーマに前進配備中。
PC-6 シロッコ
USS Sirocco
PC-7 スコール
USS Squall
リトル・クリークを母港としている。
PC-8 ゼファー
USS Zephyr
2004年から2011年まで沿岸警備隊にリースされ、WPC-8として就役していた。
パスカグーラを母港としている。
PC-9 チヌーク
USS Chinook
1995年 バーレーン・マナーマに前進配備中。
PC-10 ファイアボルト
USS Firebolt
PC-11 ホワールウィンド
USS Whirlwind
PC-12 サンダーボルト
USS Thunderbolt
リトル・クリークを母港としている。
PC-13 シャマル
USS Shamal
1996年 2004年から2011年まで沿岸警備隊にリースされ、WPC-13として就役していた。
パスカグーラを母港としている。
PC-14 トルネード
USS Tornado
2000年 2004年から2011年まで沿岸警備隊にリースされ、WPC-14として就役していた。
パスカグーラを母港としている。

運用史[編集]

現在、5隻がノーフォークリトル・クリーク両用戦基地に配備されているほか、5隻がバーレーンマナーマに前進配備されている。また、「ゼファー」「シャマル」「トルネード」の3隻はアメリカ沿岸警備隊にリースされ、またネームシップは一度沿岸警備隊にリースされたのちにフィリピン海軍に売却されて、「マリアーノ・アルバレス」として再就役した。

出典[編集]

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  1. ^ a b c Saunders 2009, p. 937.
  2. ^ a b c d e f g h Wertheim 2013, pp. 859-860.
  3. ^ アメリカ海軍 2017.

参考文献[編集]

関連項目[編集]