クサウラベニタケ

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クサウラベニタケ
Entoloma rhodopolium - Lindsey.jpg
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
亜綱 : ハラタケ亜綱 Agaricomycetidae
: ハラタケ目 Agaricales
: イッポンシメジ科 Entolomataceae
: イッポンシメジ属 Entoloma
: クサウラベニタケ rhodopolium
学名
Entoloma rhodopolium (Fr.) P. Kumm. f. rhodopolium
和名
クサウラベニタケ

クサウラベニタケ臭裏紅茸Entoloma rhodopolium (Fr.) P. Kummer f. rhodopolium)は、ハラタケ目イッポンシメジ科イッポンシメジ属イッポンシメジ亜属に属するキノコの一種である。

形態[編集]

ひだは初めは白っぽいが、じゅうぶん成熟すれば帯褐桃色となる

かさは径3〜10cmで吸水性があり、湿時には帯褐灰色で粘性を示すが、乾くと灰白色となり、絹糸状の光沢を示す。ひだはやや密で、若いときは白いが、老成するにつれ淡紅色になる。は白色で変色性を欠き、ほぼ無味、しばしば弱い粉臭を有する。は汚白色で平滑、多くは中空であるが、ときにやや充実または不明瞭な髄を有する。

胞子紋は帯褐桃色を呈し、担子器は4個の担子胞子を着ける。担子胞子はいずれの方向から見ても不規則な多角形をなし、しばしば油滴を含み、薄壁である。

生態[編集]

夏から秋にかけて広葉樹ブナ属コナラ属カンバ属シデ属、あるいはクリマテバシイなど)や、広葉樹針葉樹(マツ属・モミ属・トウヒ属など)との混淆林内の地上に孤生~群生する。

毒性[編集]

カキシメジツキヨタケと並んで最も中毒例の多い毒キノコのひとつである。食用種のウラベニホテイシメジカクミノシメジ、シメジモドキ(ハルシメジ)、ホンシメジなどとよく似ており、中毒例が多い。毒成分は、溶血性タンパクコリンムスカリンムスカリジンMuscaridine)など[1]

自己採集したきのこによる食中毒の他に、路上販売[2]や卸売り市場を経由した流通販売されたきのこでも中毒例が報告されている[3]

クサウラベニタケとウラベニホテイシメジとを正確に鑑別するには、グアヤクチンキ(グアヤク樹脂エチルアルコール溶液)及び硫酸バニリンとの反応を見るのがよい。クサウラベニタケは前者と反応して緑色に変色し、後者とは反応しない(ウラベニホテイシメジは前者とは反応せず、後者に反応して赤紫色に変色する)[4]

中毒症状[編集]

摂食後10分から数時間で症状が現れ、神経系および消化器系の食中毒を起こし、死亡例もある。

食中毒報告状況(2000~2009年)厚生労働省
発生件数 摂食者総数 患者数
2000年 9件 46人 41人
2001年 3件 11人 11人
2002年 13件 43人 42人
2003年 6件 76人 53人
2004年 18件 51人 50人
2005年 6件 21人 17人
2006年 6件 15人 15人
2007年 11件 41人 36人
2008年 6件 25人 22人
2009年 2件 13人 11人

脚注[編集]

  1. ^ クサウラベニタケ 千葉県立中央博物館
  2. ^ 江口 裕:路上販売キノコによる食中毒 食品衛生学雑誌 Vol.31 (1990) No.5 P437
  3. ^ クサウラベニタケによる食中毒 食品衛生学雑誌 Vol.40 (1999) No.5 PJ382-J383
  4. ^ 大木正行・吉川進・三浦則夫・山浦由郎、1985.キノコの呈色反応による毒キノコの理化学的鑑別法について.日本菌学会ニュース (5):31-33

参考文献[編集]

外部リンク[編集]