キース・サーマン

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キース・サーマン
基本情報
本名 キース・フィッツジェラルド・サーマン・ジュニア
通称 One Time(一撃)
階級 ウェルター級
身長 171cm
リーチ 175cm
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
誕生日 (1988-11-23) 1988年11月23日(35歳)
出身地 フロリダ州クリアウォーター
スタイル オーソドックス
プロボクシング戦績
総試合数 32
勝ち 30
KO勝ち 22
敗け 1
無効試合 1
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キース・サーマンKeith Thurman1988年11月23日 - )は、アメリカ合衆国プロボクサーフロリダ州クリアウォーター出身。元WBA世界ウェルター級スーパー王者。元WBC世界ウェルター級王者。

来歴[編集]

アマチュア時代[編集]

9歳でボクシングを始める。

2006年、全米選手権に出場するが準決勝で敗退[1]

2007年、全米選手権に出場するも準決勝で敗退[2]北京オリンピックの国内予選選考会に出場するもデメトリアス・アンドラーデに2度敗れ代表選出を逃した[3]

プロ時代[編集]

北京オリンピック出場を逃したサーマンはゴールデンボーイ・プロモーションズと契約を交わし、2007年11月9日にプロデビューし、初回TKO勝ち。デビューから8試合連続初回KO勝利を記録[4]

2012年11月24日、カリフォルニア州オンタリオシチズン・ビジネス・バンク ・アリーナで行われたNABO北米スーパーウェルター級王座決定戦で、元WBO世界ウェルター級王者カルロス・キンタナプエルトリコ)と対戦。初回にダウンを奪って先行し、4回2分19秒TKO勝ちを収め王座獲得に成功した[5]。その後ウェルター級に転向。

2013年3月9日、バークレイズ・センターWBOインターコンチネンタルウェルター級王者で元IBF世界ウェルター級王者ジャン・ザベックスロベニア)と対戦。12回3-0(120-108×3)の判定勝ちを収め王座獲得に成功した。

2013年7月27日、AT&TセンターWBA世界ウェルター級暫定王者ディエゴ・ガブリエル・チャベスアルゼンチン)と対戦し、10回28秒KO勝ちを収め王座獲得に成功した[6]

2013年12月14日、アラモドームでWBA世界ウェルター級6位のヘスス・ソト・カラスメキシコ)と対戦し、9回2分21秒TKO勝ちを収め初防衛に成功した[7]

2014年4月26日、スタブハブ・センター・テニスコートでWBA世界ウェルター級6位のフリオ・ディアス(メキシコ)と対戦し、ディアスが3回終了時に棄権したため2度目の防衛に成功した[8][9]

2014年12月13日、MGMグランド・ガーデン・アリーナでWBA世界ウェルター級4位のレオナルド・ブンドゥ英語版イタリア)と対戦し、12回3-0(120-107×3)の判定勝ちを収め3度目の防衛に成功した[10]

2015年1月9日、ゴールデンボーイ・プロモーションズからプロモート権を放棄され、同プロモーションから離脱した[11]

2015年1月17日、WBAはサーマンを暫定王者からレギュラー王者に認定した[12]

2015年3月7日、MGMグランド・ガーデン・アリーナでWBA世界ウェルター級4位のロバート・ゲレーロアメリカ)と対戦し、9回にダウンを奪い12回3-0(120-107、118-108、118-109)の判定勝ちを収め、4度目の防衛に成功した[13]NBCプレミア・ボクシング・チャンピオンズで放送されたこの試合は340万人が視聴した[14]。3月18日、サーマンはWBAの2015年2月度の月間優秀選手賞に選出された[15][16][17]

2015年7月11日、フロリダ州タンパUSFサン・ドームでWBA世界ウェルター級15位のルイス・コラーゾ(アメリカ)と対戦し、コラーゾが7回終了時に棄権したため5度目の防衛に成功した[18][19]。8月12日、サーマンはWBAの2015年7月度の月間MVPに選出された[20][21][22]

2015年12月、プレミア・ボクシング・チャンピオンズの2015年ファイター・オブ・イヤー(年間最優秀選手)に選ばれた[23]

2016年1月19日、フロイド・メイウェザー・ジュニアがスーパー王座を剥奪されたため、サーマンはレギュラー王者から正規王者に認定された。

2016年3月12日、元IBF世界ウェルター級王者のショーン・ポーター(アメリカ)と対戦する予定だったが[24]、サーマンが交通事故に巻き込まれ怪我をしたため延期になった[25][26]

2016年5月19日、WBAがキース・サーマン対ショーン・ポーターの勝者は、5月28日に行われるダビッド・アバネシヤンシェーン・モズリーの勝者と団体内王座統一戦を行うよう指令した[27]

2016年6月25日、バークレイズ・センターでWBA世界ウェルター級2位のショーン・ポーターと対戦し、12回3-0(115-113×3)の判定勝ちを収め、6度目の防衛に成功した[28][29][30]。7月14日、WBAはサーマンを2016年6月度の月間MVPに選出した[31][32]。同日、WBAはサーマンに対し、暫定王者のダビッド・アバネシヤンと団体内王座統一戦の対戦交渉を同日から開始し、同年8月13日までの30日以内に対戦交渉を締結させるよう指令を出した[32][33]

2017年2月7日、WBAはサーマンをレギュラー王者からスーパー王者に認定した[34]

2017年3月4日、バークレイズ・センターでWBC世界ウェルター級王者のダニー・ガルシア(アメリカ)と対戦し、12回2-1(116-112、115-113、113-115)の判定勝ちを収め王座統一に成功、WBA王座の7度目の防衛、WBC王座の獲得に成功した[35][36][37][38]。この試合でサーマン、ガルシアそれぞれ200万ドル(2億3千万円)のファイトマネーを稼いだ[39]。3月12日、WBCは2017年3月度の月間MVPにサーマンを選出した[40][41]。3月17日、WBAはサーマンを2017年2月度の月間MVPに選出した[42][43]

2017年4月19日、石灰沈着と骨棘を取り除くために右肘の手術を受けた[44]

2018年3月31日、サーマンが左手を負傷したため、5月19日にバークレイズ・センターにて予定していた復帰戦を延期することが発表された[45][46]

2018年4月24日、WBC世界ウェルター級王座を返上した[47][48]

2019年1月26日、約2年ぶりの試合をバークレイズ・センターにてWBA世界ウェルター級10位のホセシート・ロペス英語版(アメリカ)と対戦し、12回2-0(117-109、115-111、113-113)の判定勝ちを収め8度目の防衛に成功した[49]

2019年7月20日、MGMグランド・ガーデン・アリーナにてWBA世界ウェルター級レギュラー王者マニー・パッキャオフィリピン)と団体内王座統一戦を行い、12回1-2(114-113、112-115×2)の判定負けで9度目の防衛に失敗し、プロ初黒星を喫した[50][51][52]。この試合でサーマンは250万ドル(約2億7千万円)、パッキャオは1000万ドル(約11億円)のファイトマネーを稼いだ[53]

2019年9月4日、左手の手術を受けた。数年前にサンドバッグを叩いてる時に痛めて以来ずっと調子が思わしくなく、ホセシート・ロペス戦、マニー・パッキャオ戦でも試合だけでなくキャンプの時からパンチを打つと痛みに悩まされたために手術に踏み切ったという[54]

2022年2月5日、約2年7カ月ぶりの試合をミケロブ・ウルトラ・アリーナで元WBA世界スーパーライト級王者マリオ・バリオスとWBC世界ウェルター級挑戦者決定戦を行い、エロール・スペンス・ジュニアへの挑戦権を懸けて対戦し[55]、12回3-0(118-110×2、117-111)の判定勝ちを収めた。

2024年3月30日、ネバダ州ラスベガスT-モバイル・アリーナでWBO世界スーパーウェルター級王者のティム・チューと155ポンド契約のキャッチウェイトによるノンタイトル戦を行う予定だったが、上腕二頭筋を負傷したため欠場となった[56]

人物・エピソード[編集]

獲得タイトル[編集]

ペイ・パー・ビュー売上げ[編集]

日付 イベント 売上げ テレビ局
2019年7月20日 マニー・パッキャオ vs. キース・サーマン 50万件[60] FOX
2022年2月5日 キース・サーマン vs. マリオ・バリオス N/A FOX

脚注[編集]

  1. ^ US National Championships - Colorado Springs - March 6-11th 2006”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  2. ^ US National Championships - Colorado Springs - June 2-8 2007”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  3. ^ US Olympic Trials - Houston - August 20-26 2007”. Amateur.Boxing.Strefa.pl. 2013年12月1日閲覧。
  4. ^ Keith Thurman プレミア・ボクシング・チャンピオンズ
  5. ^ ゲレロ、ベルトとの肉弾戦制す ボクシングニュース「Box-on!」 2012年11月26日
  6. ^ サーマンがチャベスをKO ベルトは最終回ストップ負け ボクシングニュース「Box-on!」 2013年7月29日
  7. ^ サーマン、サンタクルス勝つ Boxing News(ボクシングニュース) 2013年12月15日
  8. ^ サーマン、ディアスに負傷TKO勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2014年4月27日
  9. ^ Keith Thurman Cracks Diaz's Ribs For TKO in Three”. Boxing Scene.com (2014年4月27日). 2014年4月27日閲覧。
  10. ^ カーンがアレキサンダーに大差判定勝ち Boxing News(ボクシングニュース) 2014年12月14日
  11. ^ Maidana's Adviser on The Separation From Golden Boy”. BoxingScene.com (2015年1月10日). 2015年1月11日閲覧。
  12. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2015年1月17日
  13. ^ サーマンがゲレロに大差勝ち、WBAウェルター級戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年3月8日
  14. ^ PBC numbers are in; they look good”. ESPN.com (2015年3月9日). 2015年3月10日閲覧。
  15. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2015年3月18日
  16. ^ Golovkin Boxer of the month and Thurman Honorable mention WBA公式サイト 2015年3月18日
  17. ^ ラウンドアップ(海外版) コバレフ視聴件数好調 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年3月19日
  18. ^ Thurman TKO’s Collazo, Retains Title WBA公式サイト 2015年7月12日
  19. ^ サーマンがコラーソにTKO勝ち、WBAウェルター級 Boxing News(ボクシングニュース) 2015年7月12日
  20. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2015年8月12日
  21. ^ Keith Thurman Awarded WBA Boxer of the Month WBA公式サイト 2015年8月13日
  22. ^ 井上尚弥トークショー開催、村田諒太はWBA15位に Boxing News(ボクシングニュース) 2015年8月13日
  23. ^ Thurman selected as PBC fighter of the year”. ESPN.com (2015年12月22日). 2015年12月27日閲覧。
  24. ^ サーマンvsポーターついに決定 3.12コネチカット Boxing News(ボクシングニュース) 2016年1月18日
  25. ^ サーマンが交通事故、ポーター戦は延期 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年2月23日
  26. ^ Keith Thurman out of Shawn Porter bout with soreness after car wreck”. ESPN.com (2016年2月23日). 2016年2月26日閲覧。
  27. ^ WBA orders winners of Keith Thurman vs. Shawn Porter and Shane Mosley vs. David Avanesyan to fight”. Bad Left Hook (2016年5月19日). 2016年5月29日閲覧。
  28. ^ サーマンがポーター振り切る、WBAウェルター級戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年6月26日
  29. ^ Thurman Wins War Against Porter WBA公式サイト 2016年6月26日
  30. ^ Thurman edges Porter, retains WBA welterweight title in one to remember[リンク切れ] Fightnews.com 2016年6月25日
  31. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2016年7月14日
  32. ^ a b ゴロフキンvsブルック、WBAは現状不承認 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年7月16日
  33. ^ WBA Names Mandatory Challengers for Keith Thurman and Jack Culcay WBA公式サイト 2016年7月15日
  34. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2017年2月7日
  35. ^ サーマン2-1判定で王座統一、ガルシアの反撃かわす Boxing News(ボクシングニュース) 2017年3月5日
  36. ^ Thurman defeats Garcia in WBA/WBC welterweight title unification WBA公式サイト 2017年3月4日
  37. ^ Thurman defeats Garcia in WBC/WBA welterweight title unification[リンク切れ] Fightnews.com 2017年3月4日
  38. ^ THURMAN IS THE NEW WBC CHAMPION[リンク切れ] WBC公式サイト 2017年3月5日
  39. ^ Garcia and Thurman to make $2 million apiece on Saturday”. Ring (2017年3月2日). 2017年3月10日閲覧。
  40. ^ RATINGS WBC公式サイト 2017年3月12日
  41. ^ 京口紘人、久我勇作らWBCランク入り Boxing News(ボクシングニュース) 2017年3月13日
  42. ^ World Boxing Association Ranking WBA公式サイト 2017年3月17日
  43. ^ 村中優、久我勇作、野中悠樹がWBAランク入り Boxing News(ボクシングニュース) 2017年3月18日
  44. ^ KEITH THURMAN SHOOTS FOR A LATE-FEBRUARY/EARLY-MARCH 2018 RETURN”. RING (2017年10月17日). 2017年10月26日閲覧。
  45. ^ サーマンまた負傷 5月の復帰戦は延期に Boxing News(ボクシングニュース) 2018年4月3日
  46. ^ Keith Thurman injures hand; May 19 fight at Barclays Center off”. ESPN.com (2018年3月31日). 2018年4月12日閲覧。
  47. ^ Keith Thurman Explains Why He Vacated The WBC World Title BoxingScene.com 2018年4月24日
  48. ^ サーマンWBC王座返上 ワンヘン記録かけ来週V9戦 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年4月27日
  49. ^ Keith Thurman Overcomes Scare, Decisions Josesito Lopez”. BoxingScene.com (2019年1月26日). 2019年6月11日閲覧。
  50. ^ 【海外ボクシング】“レジェンド”パッキャオが勝利!無敗サーマンに2-1判定で初黒星つける ベースボール・マガジン社WEB 2019年7月21日
  51. ^ Manny Pacquiao vs. Keith Thurman Official, July 20 on PPV” (2019年5月11日). 2019年6月11日閲覧。
  52. ^ Pacquiao Drops, Bloodies, Decisions Thurman For WBA Title”. Boxing Scene.com (2019年7月21日). 2019年7月26日閲覧。
  53. ^ Manny Pacquiao vs. Keith Thurman fight purses: Prize money each fighter on main card will take home”. CBS.Sports (2019年7月21日). 2019年7月26日閲覧。
  54. ^ Keith Thurman out for remainder of 2019 after surgery on his left hand, eyes return in early 2020”. Yahoo.Sports (2019年9月21日). 2019年11月12日閲覧。
  55. ^ Thurman-Barrios Could Become WBC Eliminator, Winner Fights Spence or Ugas, Says Thurman”. Yahoo.Sports (2022年1月19日). 2022年1月22日閲覧。
  56. ^ チューはフンドラと防衛戦 サーマン負傷でアウト WBO&WBCの2冠戦に”. Boxing News(ボクシングニュース) (2024年3月20日). 2024年3月21日閲覧。
  57. ^ “最強王者”キース・サーマンの戦う理由 大の好日家…趣味は神社仏閣参拝 デイリースポーツオンライン 2017年4月10日
  58. ^ Welterweight King Keith Thurman Suffers Love TKO in Nepal”. PREMIER BOXING CHAMPIONS (2017年9月21日). 2017年10月26日閲覧。
  59. ^ Don’t sleep on injured world champion Keith Thurman during his downtime”. PREMIER BOXING CHAMPIONS (2017年7月7日). 2017年10月26日閲覧。
  60. ^ Pacquiao vs. Thurman estimated at 500,000 buys”. Boxing News 24 (2019年7月26日). 2019年7月26日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

前暫定王者
ディエゴ・ガブリエル・チャベス
WBA世界ウェルター級暫定王者
2013年7月27日 - 2015年1月17日
次暫定王者
正規認定により消滅
空位
前タイトル保持者
マルコス・マイダナ
WBA世界ウェルター級王者

2015年1月17日 - 2017年2月7日

空位
次タイトル獲得者
ダビッド・アバネシヤン
前スーパー王者
N/A
WBA世界ウェルター級スーパー王者
2017年2月7日 - 2019年7月20日
次スーパー王者
マニー・パッキャオ
前王者
ダニー・ガルシア
WBC世界ウェルター級王者

2017年3月4日 - 2018年4月25日(返上)

空位
次タイトル獲得者
ショーン・ポーター