キンボ・スライス

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キンボ・スライス
Kimbo Slice 1.jpg
基本情報
本名 ケヴィン・ファーガソン
(Kevin Ferguson)
通称 キンボ・スライス (Kimbo Slice)
国籍 バハマの旗 バハマ
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 (1974-02-08) 1974年2月8日
出身地 バハマの旗 バハマ
ナッソー
命日 (2016-06-06) 2016年6月6日(満42歳没)
所属 アメリカン・トップチーム
身長 188cm
体重 97kg
リーチ 196cm
階級 ヘビー級
バックボーン フリーファイトボクシング
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ケヴィン・"キンボ・スライス"・ファーガソンKevin "Kimbo Slice" Ferguson1974年2月8日 - 2016年6月6日[1])は、バハマ[2]男性総合格闘家プロボクサーストリートファイターナッソー出身。アメリカン・トップチーム所属。

フロリダ州マイアミを拠点にクラブの賭け試合などアンダーグラウンドの試合で生計を立てていたストリートファイターとして活躍、後に総合格闘技でプロデビューした。エクストリーム・クートゥアで練習を行っていたこともあり、トレーナーにバス・ルッテンらが付き、ジェームス・トンプソンらとスパーリングを行った。

来歴[編集]

元々はアメリカンフットボールのプレイヤーで、マイアミ大学にスポーツ推薦を受けるなどプロを目指していた。しかし大学リーグは一年半ほどで離れ、23歳の時に受けたマイアミ・ドルフィンズトライアウトにも合格せず、次第にスポーツからは遠ざかっていった。以降はアダルトサイトの運営などを手がけるRKネットメディア社のボディーガードを初め、職を転々とする日々を送った。

その一つであったストリートファイトで生計を立てるようになり、野試合による戦績は30勝無敗1無効試合と自称している。こうしたベアナックル・ボクシングルールの試合を興行主がYouTubeなどで宣伝を兼ねて公開し、インターネット上で知名度を獲得していく。2003年9月、警官ショーン・ギャノンと野試合を行い敗れたが、キンボはギロチンチョーク膝蹴りの反則があったとしている(ただしキンボ側も深刻な反則を度々犯していた)。

プロ転向[編集]

CFFC[編集]

2007年6月23日、話題を聞きつけた総合格闘技団体「Cage Fury Fighting Championships」(CFFC)からコンタクトを受け、元WBO世界ヘビー級チャンピオンのレイ・マーサーとの試合を行う契約を結んだ。ニュージャージー州アトランティックシティで開催された『Cage Fury Fighting Championship 5』でマーサーと対戦、1ラウンドでギロチンチョークにより勝利した。試合後のインタビューでは同じ喧嘩屋上がりのタンク・アボットと戦いたいと語り、観客として来場していたアボットも承諾して10月12日に『Cage Fury Fighting Championship 6』での対戦が決定した。

しかし、これは興行側の都合で中止となり、正式なプロデビューは宙に浮いた形になった。

EliteXC[編集]

その後、EliteXCの打診を受けて同団体に移籍、11月10日にテキサス州コーパスクリスティで行われた大会で再デビューした。当初はマイク・ボークが対戦相手に挙がったが、相手の肩の怪我のためボー・キャントレルへ変更となった。この試合でキンボは1ラウンド19秒、右肘打ちからのパウンドでギブアップ勝ちを収めた。

2008年2月16日、EliteXCで棚上げされていたタンク・アボットとの対戦が実現、開始43秒でKO勝ちした[3]

2008年5月31日、「EliteXC: Primetime」でジェームス・トンプソンと対戦。自身とEliteXC自体の興行を背負う大一番では打撃とグラウンドを織り交ぜた激しい攻防になり、体力の衰えが指摘されていたトンプソンが徐々に消耗する流れとなった。やや優勢を維持したまま、3ラウンドに数発のパンチから右フックを当てたところでレフェリーストップが入り、TKO勝ちとなった。試合後に行われた記者会見ではブレット・ロジャースと乱闘寸前の騒ぎを起こした[4]

2008年10月4日の「EliteXC: Heat」ではケン・シャムロックとの対戦が予定されていたが試合当日にシャムロックがウォーミングアップ中に目尻をカットし欠場、セス・ペトルゼリに変更となった。試合は開始早々にセスのカウンターでダウンすると、そのままパウンドを被弾し続けTKO負けとなった[5]。それまで鳴り物入りでの活躍を続けていた中、4試合(エキビジョンを含めれば5試合目)にしてプロ初黒星となった。

TUF[編集]

2009年、UFCへの出場権を巡るリアリティ番組The Ultimate Fighter」シーズン10に参加して、1位指名でクイントン・"ランペイジ"・ジャクソン率いるチーム・ランペイジ入りを果たした[6]。シーズン中は同じチームで同年代のマーカス・ジョーンズがトレーニングで苦しんでいる所を励ますなどの場面も見られた。シーズン冒頭で行われたエリミネイションバウトでは1回戦でロイ・ネルソンと対戦。テイクダウンを取られ、サイドポジションで押さえ込まれたままパウンドでTKO負けを喫した[7]。この敗退によりトーナメントからは脱落したものの、シーズンには残留していた。

UFC[編集]

2009年12月5日、UFCデビュー戦となるThe Ultimate Fighter: Heavyweights Finaleでは、215ポンドのキャッチウェイトバウトでヒューストン・アレクサンダーに判定勝ちを収め、白星デビューを果たした[8]

しかし続く2010年5月8日、「UFC 113」におけるマット・ミトリオンとの対戦では終始押され続け、マウントパンチでTKO負けを喫した[9]。グラウンド技術の荒削りさが改善されないことに加え、持ち前の打撃戦でも苦戦を強いられるなど年齢による体力低下が否めない結果となった。UFC代表ダナ・ホワイトは「UFCでの試合はこれが最後だ」として契約解除を通告した[10]。これを受けてキンボは総合格闘技のリングから引退することを表明した。

UFCリリース後[編集]

UFCリリース後のインタビューでは格闘技からの引退はまだ考えておらず、今度はボクシングでのプロデビューを考えていると答え、一から出直すつもりで体を鍛え直していると語った。この構想についてロイ・ジョーンズ・ジュニアが「彼との試合は選択肢の一つだが、その前に幾つかのプロとしての試合を経験する必要がある」とコメントした。

しかし、次に発表した試合はボクシングではなく、イノキ・ゲノム・フェデレーションと試合契約を結んでプロレスへの出場を行うことであった。2011年2月5日に福岡で開催された同団体の興行で鈴川真一との試合が予定されていたが[11]、直前に拳の負傷を理由に試合はキャンセルされた[12]

ボクシング[編集]

2010年8月、キンボがボクシングに興味を持っていることが明らかとなった。ロイ・ジョーンズ・ジュニアは試合をしたいが、彼は多くの試合の経験を積むべきだと語った[13]

キンボは2011年8月13日にプロボクシングの4回戦デビューを飾り、オクラホマ州マイアミのバッファロー・ラン・カジノで、39歳のジェームズ・ウェードと戦い[14]、1ラウンド10秒でKO勝ちを収めた[15]

10月15日、キンボは再びボクシングの試合を行い、テイ・ブレッソをやはり1ラウンドKOで破った[16]。12月30日には、チャールズ・ハックマンを3-0の判定で破った[17]

キンボの次の試合は、2013年1月30日に、オーストラリアでアンソニー・ムンディンダニエル・ギールのアンダーカードとして行われた[18]。キンボは、シェーン・チリャードを2ラウンドTKOで破った[19]

Bellator[編集]

2016年2月19日、Bellator 149でDADA 5000と対戦し、パンチラッシュでTKO勝ち。試合後の薬物検査でナンドロロンの陽性反応が検出されたため、テキサス・デパートメント・オブ・ライセンシング&レギュレーショからライセンスを剥奪され、試合結果もノーコンテストに変更された[20]

2016年6月6日、心不全で死去。

2016年7月16日のBellator 158でジェームス・トンプソンと再戦予定だったが、キンボが6月6日に死亡したため中止された。

人物・エピソード[編集]

戦績[編集]

プロ総合格闘技[編集]

総合格闘技 戦績
8 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
5 3 1 1 0 0 1
2 2 0 0 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
DADA 5000 ノーコンテスト(薬物検査失格) Bellator 149: Shamrock vs. Gracie 2016年2月19日
ケン・シャムロック 1R 2:22 TKO(スタンドパンチ連打) Bellator 138: Kimbo vs. Shamrock 2015年6月19日
× マット・ミトリオン 2R 4:24 TKO(マウントパンチ) UFC 113: Machida vs. Shogun 2 2010年5月8日
ヒューストン・アレクサンダー 5分3R終了 判定3-0 The Ultimate Fighter: Heavyweights Finale 2009年12月5日
× セス・ペトルゼリ 1R 0:14 TKO(右ストレート→パウンド) EliteXC: Heat 2008年10月4日
ジェームス・トンプソン 3R 0:36 TKO(スタンドパンチ連打) EliteXC: Primetime 2008年5月31日
タンク・アボット 1R 0:43 KO(スタンドパンチ連打) EliteXC: Street Certified 2008年2月16日
ボー・キャントレル 1R 0:19 ギブアップ(右肘打ち→パウンド) EliteXC: Renegade 2007年11月10日

アマチュア総合格闘技[編集]

勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
レイ・マーサー 1R ギロチンチョーク Cage Fury Fighting Championship 5
【エキシビションマッチ】
2007年6月23日

メディア[編集]

キンボは、2008年にニコロデオンの祝日特別番組Merry Christmas, Drake & JoshのBludge役で俳優としてデビューした。2009年には、Caterpillar vs. Kimboというアンチウイルスソフトウェアの広告にも出演した[25]

タイトル メディア その他
2014年 The Expendables 3 映画
2012年 The Scorpion King 3: Rise of the Dead 映画 Zulu Kondo
2010年 Locked Down 映画 King
2010年 Circle of Pain 映画 Reg
2009年 Blood and Bone 映画 J.C.
2008年 Merry Christmas, Drake & Josh テレビ Bludge

脚注[編集]

  1. ^ “格闘家のキンボ・スライス氏死去”. 時事通信. (2016年6月7日). http://www.jiji.com/jc/article?k=2016060700639&g=spo 2016年6月7日閲覧。 
  2. ^ キンボ・スライス Tapology
  3. ^ 【EXC】キンボ、伝説の喧嘩屋タンクを完全KO! MMAPLANET 2008年2月17日
  4. ^ 【EXC】大会終了後、キンボが乱闘間近の小競り合い MMAPLANET 2008年6月1日
  5. ^ キンボ幻想終焉、カラーノは地力をみせる MMAPLANET 2008年10月5日
  6. ^ 【TUF10】第1週 注目キンボの所属チームは? MMAPLANET 2009年9月24日
  7. ^ 【TUF10】第3週 MMAファン注目の一戦はネルソンの完勝 MMAPLANET 2009年10月9日
  8. ^ 【TUF10】脱喧嘩屋=キンボ、疲労困憊のUFCデビュー MMAPLANET 2009年12月6日
  9. ^ 【UFC113】元NFLプレイヤー、路上の王キンボを撃破 MMAPLANET 2010年5月9日
  10. ^ “White: Slice "Probably" Out the UFC's Door”. sherdog.com. http://www.sherdog.com/news/news/White-Slice-Probably-Out-the-UFCs-Door-24361 2010年5月10日閲覧。 
  11. ^ 鈴川が米国ケンカ王キンボとガチンコ勝負=2.5IGF福岡 スポーツナビ 2011年1月18日
  12. ^ Kimbo Slice Pulls Out of Wrestling Debut”. 2011年2月5日閲覧。
  13. ^ Roy Jones Jr: "I might give it to Kimbo"”. Fighthype.com. 2011年5月21日閲覧。
  14. ^ Opponent Announced for ‘Kimbo Slice’ Boxing Debut”. 2011年7月16日閲覧。
  15. ^ UFC vet Kimbo Slice proves victorious in professional boxing debut”. 2012年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月14日閲覧。
  16. ^ Boxing News: Kimbo Slice Returns to the Ring October 15th”. 2013年4月2日閲覧。
  17. ^ Boxing News: Kimbo Slice wins, now 3-0 in boxing”. 2013年4月2日閲覧。
  18. ^ http://www.dailytelegraph.com.au/sport/boxing-mma/ufc-star-kimbo-slice-is-on-the-undercard-of-the-daniel-geale-anthony-mundine-fight-and-will-take-on-anyone/story-fndeeimb-1226535622733
  19. ^ http://www.heraldsun.com.au/sport/boxing-mma/kimbo-pounds-tilyard-in-wild-brawl/story-fndn16fm-1226565471803
  20. ^ Kimbo Slice-Dada 5000 Result Overturned to No Contest by Texas Commission SHERDOG 2016年5月2日
  21. ^ "Jimmy Kimmel Live! interview with Kimbo Slice". Jimmy Kimmel Live!. 2008年2月7日放送.
  22. ^ Robb, Sharon (2008年10月2日). “To family, MMA star Kimbo Slice is a hulk with heart”. Sun Sentinel. 2008年10月18日閲覧。
  23. ^ There is another side to Kimbo Slice”. TheMiamiherald.com (2008年10月2日). 2008年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年1月17日閲覧。
  24. ^ Alicia Doyle. “Outside the fight world, Ferguson is a soft-spoken father of six children - three girls and three boys -who is engaged to his long-time love, Antionette”. Venturacountystar.com. 2011年5月21日閲覧。
  25. ^ Caterpillar vs. Kimbo - An antivirus software advertisement starring Kimbo Slice.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]