ガンナック

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ガンナック
ジャンル 縦スクロールシューティングゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ
開発元 コンパイル
販売元 トンキンハウス
人数 1人
発売日 1990年10月5日
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ガンナック』(GUNNAC)は、コンパイルが開発しトンキンハウスより1990年10月5日に発売されたファミリーコンピュータ用ゲームソフト。ジャンルは縦スクロール型のシューティングゲームザナックと同じゲームエンジンを使用して製作された作品である。

概要[編集]

「ザナック」や「ガンヘッド」を開発したコンパイルの作品で、両方を足して2で割った作品とも言われる[1]。ファミコン後期の1990年に発売されたため、やや知名度は低いようである[注釈 1]。コミカルな世界観で、ストーリーも独特なものとなっている。「月の星」「火の星」「水の星」のように曜日がステージのモチーフとなっており、登場する敵キャラクターもそれらをイメージするものとなっている。ボタンを連打する必要が無く[注釈 2]難易度は優しめとされている[2]。コンフィグモードが充実しており、難易度を4段階[注釈 3]で調整できる他、敵の撃ち返しモードの有無[注釈 4]、敵の表示を「スプライト優先」または「速度優先」のどちらかに設定できる[3]。ソフトの中古価格はカセットのみでも1万円前後、箱・取扱説明書が揃ったものだと3万~4万円程度と比較的高価である[4][5][6]

ゲーム内容[編集]

あらすじ[編集]

工業製品が意思を持って動き始め、大混乱となった世界、魔導師である巫女が事態打破のため、魔法陣から戦闘機を召喚し、パイロットとして乗り込んで元凶である「ミュータント」を倒しに向かう。

武器[編集]

通常ショットは5種類あり、地上目標を破壊することで1~5の数字がついたアイテムが出現する。通常ショット、レーザー、ホーミング弾、火炎放射などの種類がある。同じ武器を取ると段階的にパワーアップしていく。

ボムはF (ファイアーボム)、B (ブリザードボム)、T (サンダーボム)、W (ウォーターボム)の4種類がある。ボムの使用中は通常ショットが最弱の状態に弱化し、ボムで敵の弾を消すことができるが、自機が無敵状態にはならないため、使いどころが難しい。通常ショットと同様に同じボムを取得するとパワーアップする。最大20個まで保有できる。

買い物[編集]

エリア中にお金を取得することができる。単位は。エリアをクリアするとコンビニのような場所で買い物ができる。武器を買える他、連射速度の強化やボムの「仕送り[注釈 5]」が可能。初回はボムを4個サービスしてくれる。

エリア[編集]

  • エリア-1「月の星」その名の通りのようなエリア。クレーターが多数ある。人参隕石のような姿の敵が出現する。中ボスは大型隕石。ボスは巨大な兎型ロボ。
  • エリア-2「火の星」溶岩が煮えたぎる高温の星。多数の火山が噴火している。マッチ箱やライターたばころうそくなど火にまつわる形の敵が出現する。中ボスは巨大マッチ箱。ボスは巨人。
  • エリア-3「水の星」一転して豊かなが広がる星。多数の戦闘艦艇が攻撃してくる他、てるてる坊主のような水にちなむ敵が出現する。ゼビウスバキュラのような敵も途中出現するが、こちらは破壊可能である。中ボスは赤い服装をした謎の女[注釈 6]。ボスは巨大タコ
  • エリア-4「木の星」森林が広がる自然豊かな星。例によって丸太や木材、どんぐりが飛んでくる他、木自体も攻撃してくる。中ボスは巨大どんぐり。ボスは巨大な人型の木。
  • エリア-5「金の星」紙幣のようなタイルで構成される変わった星。コイントロフィーが飛んでくる他、金庫貯金箱金塊が弾を飛ばして攻撃してくる。中ボスは巨大招き猫。ボスは車輪のついた金色ロボ。
  • エリア-6「土の星」遺跡のような星。様々な形のや矢じりが飛んでくる他、埴輪が多数攻撃してくる。中ボスは巨大土偶、ボスは巨大埴輪。
  • エリア-7「日の星」太陽のように燃え盛る星。横の炎の壁から炎弾が飛んでくる他、炎が伸びてくる。敵も戦闘機爆弾のような姿で往年のシューティングゲームに近い。このエリアのみ中ボスが存在しない。ボスは顔のついた三日月
  • エリア-8「日の星内部」最終エリア、機械で構成された人工太陽の内部。途中でエリア1、2、4の中ボスが再登場する。中ボスは巨大な胎児、最終ボスは巨大ミュータント。

メッセージ[編集]

本作のROMデータをバイナリエディタで除くと以下のメッセージが確認できる。原文はローマ字である[7]

1990-06-21 もうじきマスターアップ、これがFC最後の仕事になるんだろうな、たぶん。4ヵ月の期間だから、これ!というすごいところは無いけど、遊べるような出来にはなったと思うから、まあ、よしとしましょう。こんどはどこであなたと出会えるかな?

評価[編集]

インディーズゼロゲームデザイナー鈴井匡伸は本作について「大学生になって買ったゲームで一番面白かった。ボタンを押しっぱなしにしていると誰でも最後まで行けて、でも、やりごたえもあって達成感もあるゲーム」と評している[8]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ この年は2月11日にドラゴンクエストIV 導かれし者たち、4月27日にファイナルファンタジーⅢといったビッグタイトルが発売されている。
  2. ^ ボタンを押しっぱなしにすることで自動的に連打入力になる。
  3. ^ 最高難度は「ぷっつんモード」と称する。
  4. ^ 撃ち返し設定が「有」の場合、敵はやられ際に自機の位置・距離に関わらず多量の弾を放ってくるため、難易度が上がる。
  5. ^ 購入したボムを予め先のエリアに送り込むことができる。
  6. ^ 赤い帽子に、水着のようにも見える赤い服を着ており、赤い眼をしている。腕が無く、下半身も見えず、渦巻きを飛ばして攻撃してくる。

出典[編集]

  1. ^ ガンナック (FC)|ゲーム風呂”. udontaro.blog79.fc2.com. 2024年1月21日閲覧。
  2. ^ 懐かしのゲーム紹介『ガンナック』ファミコン - RETRO GAME CATALOG” (2021年10月30日). 2023年12月23日閲覧。
  3. ^ ゲームサイド編集部 編『シューティングゲームサイド Vol.2』マイクロマガジン社、2011年6月30日、136頁。 
  4. ^ 駿河屋 -ガンナック (箱説あり)(ファミリーコンピューター)”. www.suruga-ya.jp. 2024年1月21日閲覧。
  5. ^ 【楽天市場】ガンナック(テレビゲーム)の通販”. search.rakuten.co.jp. 2024年1月21日閲覧。
  6. ^ メルカリ”. jp.mercari.com. 2024年1月21日閲覧。
  7. ^ 『ゲームラボ 2023春夏』三才ブックス、2023年6月21日、43頁。 
  8. ^ 酒缶 編『ゲームコレクター・酒缶のファミ友Re:コレクション1』マイナビ出版、29頁。