カピバラ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
カピバラ
Bristol.zoo.capybara.arp.jpg
動物園のカピバラ。
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 LC.svg
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネズミ目(齧歯目) Rodentia
亜目 : ヤマアラシ亜目 Hystricognathi
: カピバラ科 Hydrochoeridae
: カピバラ属 Hydrochoerus
: カピバラ H. hydrochoerus
学名
Hydrochoerus hydrochaeris
L. 1766
和名
カピバラ、オニテンジクネズミ
英名
Capybara
Hydrochoerus hydrochaeris range.png
生息域

カピバラ英語:Capybara、スペイン語:Capibara、ポルトガル語:Capivara)は、カピバラ属唯一の種。学名:Hydrochoerus hydrochaeris

現生種の齧歯類では最大の種である[1][注釈 1]南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息する。

近縁のケロドン (Kerodon) やいくつかの化石種と合わせてカピバラ科もしくはテンジクネズミ科カピバラ亜科を形成する。

呼び名

グアラニー語の「Kapiyva」(草原の主)にちなみ、それがスペイン語に転訛して「Capibara」と呼ばれるようになった。

国によって多くの呼び方がある。列挙すると、

など。

和名はオニテンジクネズミ(鬼天竺鼠)。なお、日本ではしばしばカピパラと誤記される。

特徴

体長105センチメートルから135センチメートル、体重35キログラムから65キログラムにまで成長する。性格は非常に穏やかで、人間に懐くことからペットとしても人気がある。5センチメートル以上にもなる、タワシのような硬い体毛に覆われている。泳ぎが得意で、前足後足には蜘蛛の巣状の水かきがついている。群れを成して泳ぎ、捕食動物から身を隠すために5分以上もの潜水ができる。鼻先だけを水上に出して眠ることもある。

オスは鼻の上に分泌腺(モリージョ)があり、交尾期になるとメスを惹き付けるため、これを周囲の木の葉にこすりつける。妊娠期間は150日。齧歯類の中では例外的に巣を作らず、水辺の草むらに直接仔を1匹から7匹産む。1頭のオスと複数のメスとその仔からなる10頭ほどの群れで生活し、集団で子育てを行う。乾季になると水場を求めて大移動を行ない、結果的に100頭以上の群れを形成することもある。寿命は5年から10年。草食性で、朝夕に活動し、川辺で水中の草や木の葉などを食べて過ごす。

食肉としてのカピバラ

原産地のブラジル南部、アルゼンチン北部、ウルグアイパラナ川流域一帯では、家畜食糧にするために捕獲されることが多かったが、現在[いつ?]では狩猟を禁止する国も多くなった。

日本で飼育されている場所

柚子湯に入る伊豆シャボテン公園のカピバラ

各地の動物園で飼育されている。放し飼いされているところや、餌を与えたり触れたりできるところも多い。ただし寒さに弱く、冬場は展示していない動物園もある(例:旭川市旭山動物園)。

最も個体数が多い動物園は長崎バイオパークで、年によって変わるが、約30個体以上が飼育されている。バイオパークは実質的に放し飼い状態になっており、カピバラに直接触れることができる。

温暖な地域に生息しているために暖かい場所を好み、伊豆シャボテン公園など入浴(露天風呂)させる園も多く、柚子湯に入ったり、打たせ湯を浴びる姿を見られるところもある。写真のように、入浴中は人間同様に目を閉じて気持ちよさそうにしていることが多く、人気が高い。

神崎農村公園ヨーデルの森では、お手や立っちの演技もショーの中で披露されている。

2011年9月には、埼玉県こども動物自然公園からオスのカピバラ2頭が茨城県にある水族館アクアワールド・大洗に寄贈されたことで話題になった。

2014年9月13日に北九州市の「スペースワールド」内にオープンした、国内初のカピバラと触れ合えるカフェ「カピバランド」では、「伊豆アニマルキングダム」から譲られた7頭のカピバラが飼育されている。

食害

沖縄県石垣市では、島外から持ち込まれた個体の野生化が2013年に報道された[3]。2015年にはイネ食害が発生している[4]

カピバラをモチーフとしたキャラクター

注釈 

  1. ^ 化石種としては、さらに大きい種(Phoberomys pattersoni)も存在する[2]

出典 

  1. ^ 牧田、他 (1998)
  2. ^ Sanchez-Villagra et al. (2003)"
  3. ^ カピバラ、一回り大きく成長 八重山毎日新聞 記事:2013年06月11日
  4. ^ 稲の食害 “犯人”はカピバラ 頭抱える農家・石垣市 沖縄タイムス+プラス 記事:2015年3月8日

参考文献 

  • 牧田 登之、他「カピバラ(Capybara)の内臓の解剖学記録」、『山口獣医学雑誌』第25号、山口県獣医学会、1998年12月、 41-51頁、 ISSN 038893352014年5月3日閲覧。
  • Marcelo R. Sánchez-Villagra, Orangel Aguilera, Inés Horovitz (9 2003). "The Anatomy of the World's Largest Extinct Rodent". Science 301 (5640): 1708–1710. doi:10.1126/science.1089332. 

外部リンク