オーストラロイド

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オーストラロイドの身体的特徴をもった男性(スリランカ)

オーストラロイド: Australoid)は、人種概念の一つで、コーカソイドネグロイドモンゴロイドと並び四大人種と呼ばれる。オーストラリア大陸ニューギニアメラネシアを中心としたオセアニア州及びスンダ列島フィリピンタイスリランカムンバイを中心としたインド西南部から南部などの東南アジアから南アジアにかけての地域に分布する。

概要[編集]

ユーラシア大陸に進出した人類のうち、7 - 5万年前[1]インド南部の海岸地帯からスリランカ・スンダ列島を経由しサフール大陸(ニューギニア・オーストラリア大陸を中心とした現在のオセアニア地域。サフル大陸とも)に進出した人類の子孫と考えられている[要出典]

オーストラロイドは一見、地域ごとに人種が枝分かれする以前の、初期ホモ・サピエンスの特徴を残しているようにも見え、しばしば「原始人種」などと呼ばれることがあった[2]。しかし遺伝的には初期人類との隔たりが大きく、かつミトコンドリアDNADNA解析に基づいた分子系統樹では、西ユーラシア人(コーカソイド)から[1]あるいは東ユーラシア人(モンゴロイド)から[3]分岐したことが示されており、過酷な環境への適応によって形成された特殊な文化的なイメージと形質からそのような誤解を持たれているに過ぎない。

形質的特徴[編集]

オーストラロイドは、ネグロイドと同等程度に皮膚の色が極めて濃い。肌の色とは対照的であるが、髪の色が明色で金髪という個体がアボリジニやメラネシア人の女性や子どもによく見受けられる。なお髪の色は成長するにしたがってしだいに黒くなっていく。

かつては肌色などの外見的特徴からネグロイドに含まれていたことがあり、特にメラネシア人などは「大洋州ニグロ」とも呼ばれていたが、本来のネグロイド(サハラ砂漠以南のアフリカ先住民)とは頭髪の性質(ネグロイドは誕生時から巻きが強いが、メラネシア人は2~5歳頃からまき始める)・血液型分布などが異なり、少なくとも1960年代後半には別系統という説が強くなり、現在はアボリジニなどとともに独自のグループに入れられている[4]

遺伝子[編集]

Y染色体ハプログループの拡散と人種。青色がオーストラロイド

オーストラロイドは出アフリカ後にイラン付近からインドを通ってオーストラリアに至る「南ルート」をとった集団である。人種を特徴づけるY染色体ハプログループとしてC1b2HMSK*などが挙げられる[5]

主なオーストラロイド民族[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b 三井誠『人類進化の700万年』
  2. ^ 香原志勢「人類の進化と人種」、『原色現代科学大事典 6-人間』、代表・小川鼎三、学研、1968年、P98図。
  3. ^ 斎藤成也「遺伝子からみた東ユーラシア人」『地学雑誌』Vol,111,No.6,pp.832-839, 2002年
  4. ^ 香原志勢「人類の進化と人種」、『原色現代科学大事典 6-人間』、代表・小川鼎三、学研、1968年、P103本文。 ただし同書のP91・98の表や図ではメラネシア人を黒人に入れている。
  5. ^ 崎谷満『DNA・考古・言語の学際研究が示す新・日本列島史』(勉誠出版 2009年)

関連項目[編集]