アリアーヌと青ひげ

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アリアーヌと青ひげ』(: Ariane et barbe-bleue)は、ポール・デュカスが1907年に完成させた3幕のオペラ。台本はシャルル・ペローが発表した散文集に収められた「青ひげ」をもとにしたモーリス・メーテルリンク独自の「青ひげ」による。

概要[編集]

メーテルランクの台本に惹きつけられたデュカスは、約7年の歳月をかけて『アリアーヌと青ひげ』を完成させた。この作品は、デュカスにとって唯一のオペラであり、20世紀フランスを代表するオペラとなっている。デュカスはこの作品について「解放を望むものは誰もいない。自由という名の荷物は重く、誰しも日常的な隷属を好むのである。それに誰にも人を助けることはできず、自分自身を救う可能性があるのみである。」と語っている。

このオペラはパリでの初演成功後すぐにウィーン(シェーンベルクなどの多くの関心を呼んだ)、フランクフルト、ミラノ、ニューヨーク他、各地で再演された。トーマス・ビーチャムは「私たちの時代における最高の叙情的オペラ」と評し、アルトゥーロ・トスカニーニは3年連続でニューヨークでの上演を行った(よほどこの作品が気に入ったのか、後にトスカニーニ自身の手で『アリアーヌと青ひげ組曲』が作成されている)。

初演[編集]

近年の主な演奏記録[編集]

2007年 9月/10月、パリ・オペラ座バスティーユ歌劇場パリ・オペラ座管弦楽団および合唱団、演出:アンヌ・ヴィーブロック、指揮:シルヴァン・カンブルラン、歌手:デボラ・ポラスキ(アリアーヌ)、ウィラード・ホワイト]](青ひげ)、ジュリア・ジュオン(乳母)、ディアナ・アクセンティ(セリゼット)、イワナ・ソボトカ(イグレーヌ)、エレーヌ・ギルメット(メリザンド)、ジャエル・アッザレッティ(ベランジェール)。[1]

2008年 7月19日、兵庫県立芸術文化センター、7月23/26日、オーチャードホール(東京)、パリ・オペラ座管弦楽団および合唱団、演出:アンヌ・ヴィーブロック、指揮:シルヴァン・カンブルラン、歌手:デボラ・ポラスキ(アリアーヌ)、ウィラード・ホワイト(青ひげ)、ジェーン・ヘンシェル(乳母)、ディアナ・アクセンティ(セリゼット)、イワナ・ソボトカ(イグレーヌ)、エレーヌ・ギルメット(メリザンド)、チュ・ユンジョン(ベランジェール)、ジュヌヴィエーヴ・モタール(アラディーヌ)。[2]

2011年6月、7月、 バルセロナリセウ大劇場管弦楽団&合唱団、演出:クラウス・グート、指揮:ステファヌ・ドゥネーヴ、歌手:ジャンヌ=ミシェル・シャルボネ(アリアーヌ)、ジョゼ・ヴァン・ダム(青ひげ)、パトリシア・バルドン(乳母)、ジェンマ・コマ=アラベール(セリゼット)、ベアトリス・ヒメネス(イグレーヌ)、エレナ・コポンス(メリザンド)、サロメ・アレール(ベランジェール)、アルバ・バルダウラ(アラディーヌ)。 [3]

2015年4月/5月、ストラスブール・ライン・ナショナル・オペラ(4月/5月)、ミュルーズ、ラ・フィラチュール劇場(5月)、ミュルーズ交響楽団およびライン・ナショナル歌劇場合唱団、演出:オリヴィエ・ピィ、指揮:ダニエレ・カレガリ、歌手:ローリー・フィリップス(アリアーヌ)、シルヴィ・ブリュネ・グリュポッソ(乳母)、マルク・バロー(青ひげ)、アリーヌ・マルタン(セリゼット)、ロシオ・ペレス(イグレーヌ)、アルノー・リシャール(メリザンド)、ガエル・アリックス(ベランジェール)、ラミア・ブーク(アラディーヌ)。[4]

楽器編成[編集]

フルート 3(うち2つはピッコロと持ち替え)、オーボエ 2、イングリッシュホルン 1、クラリネット 2、バスクラリネット 1、ファゴット 3(コントラファゴット 1)、ホルン 4、トランペット 3、トロンボーン 3、バスチューバ 1、ティンパニバスドラムシンバルトライアングルタンブリンスネアドラムチューブラーベルティンバレスグロッケンシュピールチェレスタ 1、ハープ2、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン 、ヴィオラチェロコントラバス

上演時間[編集]

1時間55分(第1幕32分、第2幕37分、第3幕46分)

登場人物[編集]

  • アリアーヌ - 青ひげ6番目の妻(メゾソプラノ
  • 乳母 - アリアーヌの乳母(コントラルト
  • 青ひげ(バリトン
  • セリゼット - 青ひげの妻(メゾソプラノ)
  • ベランジェール - 青ひげの妻(メゾソプラノ)
  • イグレーヌ - 青ひげの妻(ソプラノ
  • メリザンド - 青ひげの妻(ソプラノ)
  • アラディーヌ - 青ひげの妻(黙役)
  • 年老いた農夫(バリトン)、第2の農民(テノール)、第3の農民(バリトン)、番兵達、農民達

あらすじ[編集]

時と場所:時は未定、青ひげの城の中

第1幕[編集]

青ひげの城の大広間

民衆が青ひげを殺そうと城に迫っている。多くの民衆は青ひげ公が5人の妻を娶り、殺してしまったと信じており、武器を手にしているが、中には女達が生きているのを見たと言っている者もいる。窓が閉められ、緊迫した合唱が聞こえなくなる。主人公アリアーヌは、青ひげの6人目の妻としてその館に連れてこられたのだった。乳母は危険だから逃げることを主張するが、アリアーヌは5人の前妻は殺されているという噂を信じておらず、彼女たちを解放しようと考え、この城の秘密を暴く決意でいる。アリアーヌは青ひげから事前に金の鍵ひとつと銀の鍵6つを預かっていたが、銀の鍵は「自由に使ってよい」と言われていたため興味を示さず、放り投げる。乳母はそれらを次々に使って扉を開けてゆく、アメジスト、サファイヤ、真珠、エメラルド、ルビー、ダイヤモンドが出てくる。アリアーヌは言い付けを破って金の鍵を開けてしまう。すると微かな歌声が聞こえてくる。アリアーヌがさらに地下室に向かって下っていくと、歌声が大きくなる。するとそこに青ひげが現れ、「言い付けを破ったな」と怒り出し、アリアーヌを戻そうとする。アリアーヌが悲鳴を上げると民衆が城に押し寄せてくる。しかし、アリアーヌは何も危害を受けていないとして民衆を城から追い返す。

第2幕[編集]

青ひげの城の地下室

青ひげにより扉が閉められ、アリアーヌと乳母は地下室に閉じ込められてしまう。アリアーヌは楽観的で青ひげはもう精神的に打撃を受けているのだから、いずれ助けに来るはずだが、自ら状況を打開する方が好ましいと考え、乳母と共にランプを手に地下室の奥へ進んでいく。すると先妻たちが蠢いていた。アリアーヌは先妻たちが生きていたことを喜び、駆け寄る。皆にここから出ることを強く勧めるが、皆はおよび腰で脱出など出来ないと考えている。それもアリアーヌは石を投げて扉の上のガラスを割ると光が差し込み、海と空が広がっているのが目の当たりになる。5人の妻は生気を取り戻し、「オルラモンドの5人の娘」を歌いながら外に出ていく。

第3幕[編集]

青ひげの城の大広間

大広間に入ると青ひげの姿は無く、衛兵たちの監視のもとアリアーヌと5人の妻たちの生活が始まる。アリアーヌは妻たちに「機会を見計らって、ここから脱出しましょう。その時に備えて美しくなっておきましょう」と言うと妻たちは宝石などで着飾り始める。すると乳母が現れ、青ひげの馬車が到着したと告げる。妻たちが塔に昇って、外の様子を見たところ、武器を持った民衆が青ひげに襲い掛かり、衛兵たちが応戦したが多勢に無勢で歯が立たず、逃げ去り、青ひげは負傷したという。間もなく、農民が青ひげを縛り付けて城内に入ってくる。そして、女たちに「あなた方の復讐のために、青ひげを捕らえました。武器はお持ちですか。復讐をお手伝いしましょうか。」と尋ねるが、アリアーヌはそれにはおよばないと答えると、農民たちを立ち去らせる。アリアーヌたちは青ひげの介抱を始め、ひとりひとり青ひげと挨拶をする。アリアーヌの番になると青ひげから遠ざかり、「さようなら」と言い立ち去ろうとする。アリアーヌは妻たちに一緒にここを出ようと誘うが一人も応じない。アリアーヌはやむなく乳母と共に立ち去って行くのであった。


録音[編集]

指揮者 管弦楽団・合唱団 配役 録音 レーベル 備考
トニー・オーバン 管弦楽団 ベルト・モンマール
グザヴィエ・デプラッツ
マリー・リュース・ベラリー
ナディーヌ・ソトゥロー 
1968 Gala 最初の全曲録音
アルミン・ジョルダン フランス放送フィルハーモニー管弦楽団
フランス放送合唱団
キャサリン・シエシンスキー
マリアナ・パウノヴァ
ガブリエル・バキエ
ハンナ・シェーア 
1983 Erato
ガリー・ベルティーニ ケルン放送交響楽団
ケルン放送合唱団
マリリン・シュミージェ
ロデリク・ケネディ
ジャクリーヌ・タイヨン
白井光子
1986 Naxos
ベルトラン・ド・ビリー ウィーン放送交響楽団
スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団
デボラ・ポラスキ
ジェーン・ヘンシェル
ユン・クヮンチュル
ルクサンドラ・ドノーセ
ステラ・グリゴリアン
2006 Brilliant Classics
レオン・ボッツタイン BBC交響楽団
BBCシンガーズ
ローリー・フィリップス
パトリシア・バルドン
ピーター・ローズ
ラウラ・ヴラサック・ノレン
アナ・ジェイムス
2007 Telarc
ステファヌ・ドゥネーヴ バルセロナリセウ大劇場管弦楽団
同合唱団
ジャンヌ=ミシェル・シャルボネ
パトリシア・バルドン
ジョゼ・ヴァン・ダム
ジェンマ・コマ=アラベール
サロメ・アレール
2011 Opus Arte 演出:クラウス・グート
DVDとしての録画

参考文献[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ http://www.memopera.fr/FicheSpect.cfm?SpeCode=A%26BB&SpeNum=10285
  2. ^ http://m.ccifj.or.jp/jp/article/n//6213/
  3. ^ http://www.mezzo.tv/nos-programmes/ariane-et-barbe-bleue-de-paul-dukas-au-liceu-de-barcelone
  4. ^ http://www.operanationaldurhin.eu/opera-2014-2015--ariane-et-barbe-bleue.html