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アヤメ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アヤメ属
アヤメ
垂れ下がるのが外花被片、立ち上がるのが内花被片、横に伸びるのが花弁状の花柱分枝、その下に雄蕊
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
: キジカクシ目 Asparagales
: アヤメ科 Iridaceae
: アヤメ属 Iris
学名
Iris
L. (1753) [1]
亜属
  • 本文参照

Hermodactyloides
Iris
Limniris
Nepalensis
Scorpiris
Xiphium

アヤメ属(綾目、文目、菖蒲、鳶尾 -属、アヤメぞく、Iris)はアヤメ科の一つ。ラテン語表記の Iris:アイリス,:イリス)はギリシャ神話女神イーリスに由来する。虹は、女神イーリスが天と地を往復するための架け橋。「アイリスの葉は剣、ユリは騎士の花」といわれるように、そのきりりとした容姿から、「騎士の花」とも呼ばれている[2]。「アヤメ」は漢字で『菖蒲』とも表記され、これは「ショウブ」とも読めるが、アヤメ属はキジカクシ目に分類されるのに対し、ショウブ属はショウブ目に分類される全く別の種類の植物である。

特徴

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多年草で地下に球茎または根茎がある。は剣形でふつう根生し、に跨状に互生する。は両性で、1個または多数の花を総状につける。花被片は6個で、3個の外花被片と3個の内花被片の形が異なる。外花被片は大型で先が広がり下に垂れ、種によっては外花被片の中央部にとさか状の突起があり、内花被片は小型で直立する。花柱は上部が3分枝し、花柱分枝は花弁状になる。雄蕊は3個で外花被片に対生し、花柱分枝の下につく。

世界の温帯に約100種類以上、日本では帰化種も含め10種ほどが自生している[3]

日本の花菖蒲

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「菖蒲狩り」は梅雨の風流の一つ。日本では、500年以上も前から、菖蒲を栽培していた。「江戸菖蒲」「肥後菖蒲」「伊勢菖蒲」の種類がある[2]

江戸時代、旗本の松平左金吾定朝が生涯をかけて花菖蒲の改良に取り組み、日本の花菖蒲の礎を築いた。松平左金吾定朝は、松平定信の遠縁にあたり、晩年、自ら「菖翁」と号した。花菖蒲の栽培法を著した園芸書も残しており、初め『華鏡』として出版された本は、その後『花菖培養録』と改題、何度も改訂版が出版された。現在でも原本や写本が何冊か残っており、花菖蒲愛好家のバイブルとして知られている[4]

品種

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園芸種

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薬草

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ギャラリー

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参考文献

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脚注

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  1. ^ Iris L.. Tropicos. Missouri Botanical Garden. 40031551. 2012年8月3日閲覧.
  2. ^ a b 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、134頁。 
  3. ^ いずれアヤメかカキツバタ アヤメ属[中編]”. サカタのタネ 園芸通信 (2020年5月12日). 2025年5月10日閲覧。
  4. ^ 江戸の日本は世界的な園芸大国! 独自に発展した「菖蒲(しょうぶ)」の歴史を紐解く”. 家庭画報.com (2020年5月11日). 2025年5月10日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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