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アトモキセチン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アトモキセチン
臨床データ
胎児危険度分類
    投与経路 Oral (Capsules: 10, 18, 25, 40, and 60 mg; in some countries 80 and 100 mg are also available)
    ATCコード
    法的地位
    法的地位
    薬物動態データ
    生体利用率 63 to 94%
    タンパク結合 40%
    代謝 Hepatic, via CYP2D6
    消失半減期 5 hours
    排泄 Renal (>80%) and fecal (<17%)
    識別子
    CAS登録番号
    PubChem
    CID
    DrugBank
    ChemSpider
    KEGG
    CompTox
    Dashboard

    (EPA)
    ECHA InfoCard 100.120.306 ウィキデータを編集
    化学的および物理的データ
    化学式 C17H21NO
    分子量 255.355 g/mol
    291.820 g/mol (hydrochloride) g·mol−1
    3D model
    (JSmol)
    テンプレートを表示

    アトモキセチン英語: Atomoxetine)はノルアドレナリン再取り込み阻害剤英語版の一種である[1]。日本では商品名ストラテラ。日本での適応は注意欠陥多動性障害(ADHD)である。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律における劇薬である。

    中枢神経系の刺激薬であるメチルフェニデートとは異なり、アトモキセチンは非刺激薬とされ乱用性がない[2]世界保健機関 (WHO) のATC分類ではN06B-精神刺激薬に分類される[3]

    開発と販売

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    アメリカのイーライリリー・アンド・カンパニーにより開発された。Strattera、Tomoxetin、Attentinの商品名で販売されている。

    日本ではストラテラ (Strattera)の商品名で、日本イーライリリーが製造販売している。18歳未満の注意欠陥多動性障害(ADHD)に対して承認されていたが、2012年に成人期のADHDに対しても承認された[4]

    有効性

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    成人ADHDに対するシステマティックレビューは、偽薬に比較して小さな効果で中止率も多く、利益と危険性のバランスが悪いため使用の推奨は弱いと結論された[5]

    副作用

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    重大な副作用として、肝機能障害、黄疸、肝不全およびアナフィラキシーが報告されている。比較的多くみられる副作用には、悪心(31.5%)、食欲減退(19.9%)、傾眠(15.8%)、頭痛(15.4%)がある。このほか、腹痛、嘔吐、便秘、口渇、めまい、不眠、動悸、血圧上昇、体重減少などが報告されている。[6]

    薬物動態

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    アトモキセチンは服用後に吸収され、血液中では約98%が主としてアルブミンと結合する。主に肝臓の酵素であるCYP2D6によって代謝され、大部分は代謝された後に尿中へ排泄される。[6]

    薬理

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    アトモキセチンの注意欠如・多動症に対する正確な治療機序は明らかではないが、シナプス前のノルアドレナリントランスポーターを選択的に阻害する作用に関連すると考えられている。[7]

    ヒト型モノアミントランスポーターを発現させた細胞を用いた研究では、アトモキセチンの結合阻害定数(Ki)は、ノルアドレナリントランスポーターで5 nM、セロトニントランスポーターで77 nM、ドパミントランスポーターで1,451 nMであり、ノルアドレナリントランスポーターに対して高い選択性を示した。ラットを用いた脳内微小透析実験では、前頭前野の細胞外ノルアドレナリンおよびドパミン濃度を約3倍に増加させた一方、線条体および側坐核のドパミン濃度には明確な変化を生じさせなかった。[8]

    また、培養神経細胞およびヒト型NMDA受容体を発現させた細胞を用いた実験では、アトモキセチンはNMDA受容体を介する電流を約3 μMの半数阻害濃度(IC50)で抑制した。この阻害は電位依存性および使用依存性を示し、開口チャネル遮断作用によるものと報告された。ただし、この作用がヒトにおける治療効果に寄与するかは明らかでない。[9]

    出典

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    1. Unni JC (July 2006). “Atomoxetine”. Indian Pediatrics 43 (7): 603–6. PMID 16891679 2010年4月19日閲覧。.
    2. Upadhyaya, Himanshu P.; Desaiah, Durisala; Schuh, Kory J.; et al. (2013). “A review of the abuse potential assessment of atomoxetine: a nonstimulant medication for attention-deficit/hyperactivity disorder”. Psychopharmacology 226 (2): 189–200. doi:10.1007/s00213-013-2986-z. PMC 3579642. PMID 23397050.
    3. WHOCC - ATC/DDD Index
    4. 注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療剤「ストラテラ®」、日本で初めて、成人期のAD/HDへの適応承認 (2012年8月24日). 2014年10月31日閲覧。
    5. Cunill, Ruth; Castells, Xavier; Tobias, Aurelio; et al. (2013). “Atomoxetine for attention deficit hyperactivity disorder in the adulthood: a meta-analysis and meta-regression”. Pharmacoepidemiology and Drug Safety (9): n/a–n/a. doi:10.1002/pds.3473. PMID 23813665.
    6. 1 2 アトモキセチンカプセル 電子添文”. 医薬品医療機器総合機構. 2026年6月21日閲覧。
    7. Strattera (atomoxetine hydrochloride) prescribing information (英語). U.S. Food and Drug Administration. p. 16 (2022年). 2026年6月22日閲覧。
    8. Bymaster, FP; Katner, JS; Nelson, DL; Hemrick-Luecke, SK; Threlkeld, PG; Heiligenstein, JH; Morin, SM; Gehlert, DR; Perry, KW (November 2002). “Atomoxetine increases extracellular levels of norepinephrine and dopamine in prefrontal cortex of rat: a potential mechanism for efficacy in attention deficit/hyperactivity disorder”. Neuropsychopharmacology 27 (5): 699–711. doi:10.1016/S0893-133X(02)00346-9. PMID 12431845.
    9. Ludolph, AG; Udvardi, PT; Schaz, U; Henes, C; Adolph, O; Weigt, HU; Fegert, JM; Boeckers, TM; Föhr, KJ (May 2010). “Atomoxetine acts as an NMDA receptor blocker in clinically relevant concentrations”. British Journal of Pharmacology 160 (2): 283–291. doi:10.1111/j.1476-5381.2010.00707.x. PMC 2874851. PMID 20423340.

    関連項目

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