つわり

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つわり、または、おそ(どちらも漢字表記は「悪阻」)とは、「妊婦特有の症状」であり妊娠初期に起こる吐き気嘔吐のこと。

つわりは母体に対し、筋肉・神経系統を挙上させる(体内に胎児のための領域・スペースを作る)働きがあるため、むやみに嘔吐感を我慢する必要はない。

概要[編集]

通常は胎盤が完成する妊娠3、4カ月ほどで自然に治ることが多い。以前は妊娠高血圧症候群に分類されていたが、現在では生死にかかわる症状とは考えられていない。重症の場合は脱水症状が進み尿からケトン体が検出されるほど体力を消耗し、ウェルニッケ脳症の発症を予防するために、輸液ビタミン剤補給などによる入院治療が必要となる。治療が必要になった場合は妊娠悪阻といわれる。

原因[編集]

ホルモンの一種であるヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)が関係しているとの説[1]、妊娠で体質がアルカリ性から酸性に変わるため、など諸説あるが、医学的には立証にいたっていない。また、症状は心理的な要因にも大きく左右されるとの説もある。

症状[編集]

つわりの症状は多彩で個人差が大きいため、一般的なつわりの症状を記す。

  • 吐き気、嘔吐、唾液の増加、全身倦怠感、頭痛、眠気など。
  • 匂いに敏感になる(米飯たばこの残り香など)。
  • 食べ物の好き嫌いが変化し、食欲が減退、または増進する。
※早朝空腹時に強く出る傾向があると考えられている。このことから英語ではMorning sicknessと言う。

対策[編集]

  • 枕もとにクッキーなどをおいて低血糖を防ぐ。
  • 好物だけでもよいので水分と食事の摂取を心がける。
  • 身の回りから自分の嫌いなものを遠ざけたり、ストレスのたまらない生活を送ること。
  • 生姜が嘔気症状の改善に効果があるとの報告がある。[2][3][4][5]

医学的介入[編集]

つわりは妊娠5週頃から出現し、16週頃には軽快するのが通常である。この期間は胎児の器官形成期であるため、安易な薬物投与は胎児奇形を招く(催奇性)リスクがある(代表例として、サリドマイド)。特に吐き気止めとしてよく用いられる消化管機能改善薬メトクロプラミド(プリンペラン®)ですら、この時期の催奇形性は確認されていないが安全性は確立していない。少量、短期間投与にとどめるべきと考えられている。漢方薬が比較的安全に投与可能といわれており、よく利用されている。点滴治療では維持液にビタメジン、タチオンなどを加えることが多い。

関連項目[編集]

サリドマイド

脚注[編集]

  1. ^ hCG自体がどのような作用をしてつわりを起こすかは未だ解明されていない。
  2. ^ Obstetrics & Gynecology, 97(4), April 2001, 577-582,
  3. ^ Obstetrics & Gynecology, 103(4), April 2004, 639-645,
  4. ^ Obstetrics & Gynecology, 105(4), April 2005, 849-856,
  5. ^ Midwifery, 25(6), December 2009, 649-653