ぬかみそ炊き

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。2400:4051:52e0:0:198a:6c51:c5dc:4ced (会話) による 2022年7月24日 (日) 01:28個人設定で未設定ならUTC)時点の版であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

鰯のぬか炊き(いわしのぬかだき)は、福岡県北九州市(旧豊前国)の郷土料理である[1]

「鰯の糠みそ炊き」、「じんだ煮」とも呼ばれる。旧若狭国、旧丹後国の青魚の糠漬け、「へしこ」をアレンジしたものとされる[2]

概要

糠みそを煮付けのだし汁として、新鮮なキビナゴなどを炊いた料理[1]。また、こんにゃく、キヌガイなどを用いる場合もある。

  • 北九州市小倉北区にある旦過市場などでも常時売られている。その他、主に小倉地区の居酒屋、定食店、喫茶店などでも自家製のぬか炊きを看板メニューとしている店舗が見られる。同じく旧豊前国で小倉藩領であった京築地域や筑豊田川市田川郡の飲食店や店舗などでもよく提供・販売されている。一方で、旧筑前国である八幡地域などではあまり販売されていない。
  • 骨まで軟らかく煮込んであるため、カルシウム摂取も期待できる。
  • 糠みそ由来のアミノ酸有機酸がもたらす複雑な旨味の付与に加え、独特の発酵臭によるマスキング効果、乳酸によるpHの低下で青魚独特の臭みが抑えられる等の利点がある[1]。なお、同じく青魚の煮付けとして著名な梅煮(梅干し煮)も酸の働きにより同様の臭み消し効果が期待できるが、こちらはぬか炊きと異なりマスキング効果はほとんど期待できない。

脚注

  1. ^ a b c 楠 喜久枝『福岡県の郷土料理』(第1版第2刷)同文書院東京都、1984年10月15日、150-154頁。 NCID BN06140416 
  2. ^ 丹後宮津城主だった細川忠興が豊前国に転封となったのとともに伝わったとされる。