霧雨魔理沙

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霧雨 魔理沙
東方Projectのキャラクター
ファイル:Kirisame Marisa - Taisei Project - 2019-07-03.webp
霧雨魔理沙のファンアート
初登場 東方封魔録 〜 the Story of Eastern Wonderland.
作者 ZUN
詳細情報
種族 人間
性別 女性
職業 魔法使い
能力 魔法を使う程度の能力
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霧雨 魔理沙(きりさめ まりさ)は、同人サークルである上海アリス幻樂団によって制作された作品群「東方Project」に登場する架空の人物。同作品群における主人公のひとりで、魔法使いの少女である[※ 1]

なお、本項目では大きく設定の変更が行なわれた上海アリス幻樂団の設立前(『怪綺談』以前(PC-98版ゲーム作品)および『秋霜玉』)と設立後(『紅魔郷』以降)に分けて解説する。

本項目で使用されている東方Project関連の略称については、東方Project#凡例を参照すること。

ゲームにおける性能

いくつかの例外はあるが、東方Projectの弾幕系シューティングゲームでは概ね以下のような性能を持つ。

  • 移動スピードが、自機の中では速いほうである。
  • ショットの攻撃力は高いが、攻撃範囲が狭い。

魔理沙が用いるスペルカードのひとつに、【恋符「マスタースパーク」】略してマスパがある。モチーフはゲーム『式神の城』の登場人物「S.Tagami」が使用するボム「N.E.P.」[※ 2]

人物(『怪綺談』以前および『秋霜玉』)

人間の魔法使い。『封魔録』4面で魅魔の手下として初登場した。『封魔録』4面の会話場面のみ「魔梨沙」と表記されている。これは、製作者のZUNが間違えた為である。そしてファンの間では、『紅魔郷』あとの「魔理沙」と区別するため、「魔梨沙」をPC-98版の作品のときの名前としている。[2]『封魔録』では髪が赤いが、『夢時空』から金髪になった。『夢時空』からは自機キャラのひとりになり、以降からは主人公のひとりという位置づけになる。一人称は「わたし」か「私」で、語尾には「…だぜ」などを付ける。従って、元々から主人公というわけではない。

ZUN公認で正式にゲスト出演している『秋霜玉』では、「霊夢がいないとつまんなくて死んでしまう位」霊夢とは仲が良いが、一方で才能だけで強い霊夢を妬むこともあるとされている[3]。9冊目の幻想郷縁起が完成するよりも4、5年前の時点で既に霊夢とは友人であったとの事なので、かなり幼い頃からの友人の様子である。

『怪綺談』以前に登場する霧雨魔理沙は、『紅魔郷』以降の霧雨魔理沙と容姿や口調に変遷はあるが、基本的には同一人物であるとされている。

魅魔を「魅魔様」と呼び、慕っている[4]が、二人の関係の詳細は明かされていない。

PC-98版ゲーム作品では『紅魔郷』以降のほとんどの作品と同様に、箒に乗って空を飛ぶ。『秋霜玉』では箒には乗らず、翼のようなもので飛んでいる。

また、他の作品同様、八卦炉を使った魔法を使用する。『夢幻泡影』『月華美刃』では、弾幕は使わず、魔力を直接攻撃手段として使っている。 『夢想封印』以降は、自機になることが増えた。

人物(『紅魔郷』以降)

魔法の森に住む人間の魔法使い。ほぼ全ての東方Project作品で主人公のうちの一人として登場している。

容姿

年齢は明らかにされていないが「少女」とされている。髪型はウェーブのかかった金髪ロングヘアーであり、左右のどちらかを三つ編みに結んでいる(妖々夢では三つ編みをしていない)。

デザインは作品によって変化しているが、「黒系の服」という服装は共通している。黒い服を着ているのは、汚れが目立たないから[5]。全体的には白と黒のカラーリングになっているが、稗田阿求著「幻想郷縁起」にも黒い服装に黒い帽子と書かれている[6]ように作中では黒ばかり強調されており、『紅魔郷』ではパチュリー、『妖々夢』では幽々子、『萃夢想』では妖夢と萃香、『永夜抄』では妖夢から、それぞれ「黒いの」と呼ばれている(幽々子からは「黒い魔」とも)。黒色の先がとがった帽子(魔法使いの帽子)を着用している。帽子やスカートには様々な小物を入れて隠し持っている[6]

能力

魔法を使う程度の能力である。体術は余り得意ではなく、パワーは魔法を使うことで必要以上にカバーしている。[7]

性格

ひねくれ者な上に性格が悪い[8]が、根は真っ直ぐ[9]で努力家[10]。どこへ行っても迷惑がられるが、実際に迷惑な行動も多い[9]。魔法使いなので魔法を使う妖怪と相性が良いが、それらにはあまり好かれてはいない[11]

収集癖があり物が捨てられないが、それらの一部は森近霖之助が引き取っている。幼少の頃に霖之助から受けた影響で、鉄くずなど金属を集めるようになっている[12]。他にもどこからか集めてきたグリモワール(魔導書)やマジックアイテムを多く所持しているが[10]、集めることに意義があると思っていて使っておらず、また整理が出来ない性格[12]のため、家の中はアイテムで散らかり放題になっている[6]

生業

魔法の森の中で自宅兼魔法関係の何でも屋「霧雨魔法店」を開いているが、立地が悪い上に留守がちなので全く繁盛していない[6]。『三月精 第2部』第9話で訪れた光の三妖精が、初めて店に直接訪れた客だという。このとき魔理沙は、自分が定期的に博麗神社に訪れているのは霊夢のところにやって来る妖怪退治の依頼を勝手に横取りするためだと話している。

「幻想郷縁起」では「もう一つの仕事が泥棒稼業」と書かれており[6]、魔理沙本人は「自分が死ぬまで借りていくだけだ!」として正面から堂々と物を盗んでいる[13]

家族

人間の里の大手道具屋「霧雨店」の一人娘である[6]が、魔理沙は実家から勘当された身らしく[14]、魔理沙のほうも実家には関わるのを避けていて[12]絶縁状態にある。

『香霖堂』単行本第20話には、霧雨家の人間で、霖之助から「霧雨の親父さん」と呼ばれる人物が登場している。

魔法

魔法使いである魔理沙は、光と熱を持った見た目が派手な魔法を好んで使うがそのための地道な準備や努力、研究に余念がない。魔理沙の魔法には物を破壊する程度の効果しかないが、それでも人間の使う魔法の中では最高クラスの威力がある。それ以外の魔法はほとんど使えない。人間として魔理沙ほど魔法を使いこなしている者は珍しいらしく、稗田阿求からは将来的に「種族としての魔法使い(妖怪)」になるかもしれないと注目されている[6]。『香霖堂』単行本第22話の、作中から4、5年前に行なわれた「流星祈願会」(流星雨観望会)以降、星を模した魔法を使うようになった。

魔法と関連して、以下の道具を用いている。

魔法の箒
が魔法使いの必需品であると考えており[6]、ほとんどの登場作品では飛行時に箒に乗っている。黄昏フロンティアが絵を担当する『萃夢想』『緋想天』『非想天則』では箒に乗って飛ぶのは登場時および一部のスペルカード使用時のみであり、飛翔システムを行うとき箒を用いる描写はない。比良坂真琴が絵を担当する『妖精大戦争』では、箒を用いず浮遊している描写がある。
この箒は元は普通の竹箒だったが、魔法の影響を受けて成長するようになったとされる[6]
ミニ八卦炉
魔理沙が実家を飛び出したときに、森近霖之助が魔理沙のために作ったマジックアイテム。魔力を燃料とする小さな火炉。熱量を自在にコントロールする性能の他にも、霖之助の趣味で様々な機能が付け加えられている。元は霖之助が昔使っていた魔法で暖める火炉で、後に魔理沙の希望による霖之助の改良でヒヒイロカネ製になっている[12]
『永夜抄』でのスペルカード【魔砲「ファイナルマスタースパーク」】の解説(スペルプラクティス「カードの補足」No.100)によれば、同スペルカードはミニ八卦炉に魔法をかけることで発動するようである。

その他

霖之助によれば、魔法の森に生えているキノコについて魔理沙以上に詳しい人間は他に居ない[15]

ZUN著の東方Project関連書籍『The Grimoire of Marisa』は、その内容が「霧雨魔理沙が自ら書いたスペルカードの本」という設定になっている。

関連する人物

霧雨の親父さん
『香霖堂』単行本第20話に登場。人里にある大手道具屋「霧雨店」の主人で、霧雨家の人物。
森近霖之助
『香霖堂』の主人公。魔法の森の近くにある道具屋「香霖堂」の店主。かつて「霧雨店」で修業をしており、魔理沙が幼いころから面識がある。
魅魔
『封魔録』で、魔理沙の上司のような立場として登場。魔理沙からは「魅魔様」と呼ばれ、慕われている。
博麗霊夢(靈夢)
東方Projectのもうひとりの主人公。博麗神社の巫女。霖之助が見た限りでは、霊夢と魔理沙は仲が良い[16]
ゲーム本編である妖怪退治は別行動が基本。別行動の結果、お互いを「仕事の障害」として衝突したこともある。一方書籍作品では、東方鈴奈庵で霊夢と一緒に妖怪退治を行ったことや、東方茨歌仙で妖怪が出るからその危険を霊夢と一緒に促すことをしている。
アリス・マーガトロイド
魔法使いの妖怪。『永夜抄』では魔理沙のパートナーを務める。

テーマ曲

その他のメディアにおける「霧雨魔理沙」

脚注

  1. ^ 『紅魔郷』付属の「おまけ.txt」では「主人公」と明記されているが、作者のZUNは「魅力のある脇役」「サブキャラ」と語ったことがある[1]
  2. ^ 『紅魔郷』公式ページにおける【恋符「マスタースパーク」】のスクリーンショットの解説で、「分かる人だけわかるN.E.○.逆輸入です」と書かれており、『N.E.P』からの引用である事を暗に示している。

出典

  1. ^ 2004年に明治大学で行われた講演会「東方の夜明け(アフターレポート4ページ目)」。
  2. ^ 『封魔録』の体験版では、3面攻略後に魔理沙が登場するが、その時は「魔理沙」と正しく表記されている。
  3. ^ 『秋霜玉』同梱の「創曲幻想.txt」。
  4. ^ 『夢時空』同梱の「夢時空.TXT」。
  5. ^ 『地霊殿』付属の「キャラ設定.txt」。
  6. ^ a b c d e f g h i 『求聞史紀』pp.117-120「霧雨 魔理沙」。
  7. ^ 『萃夢想』
  8. ^ 『紅魔郷』付属の「おまけ.txt」。
  9. ^ a b 『萃夢想』付属の「上海アリス通信.txt」。
  10. ^ a b プレイヤーキャラ紹介 -『妖々夢』のマニュアルより”. 2020年5月17日閲覧。
  11. ^ 『地霊殿』付属のマニュアル。
  12. ^ a b c d 『香霖堂』単行本第6-7話。
  13. ^ 『文花帖(書籍)』pp.18-19。
  14. ^ 『萃夢想』咲夜ルートの3面。
  15. ^ 『香霖堂』単行本第21話。
  16. ^ 『香霖堂』単行本第1話。
  17. ^ K-1 OFFICIAL WEBSITE | NEWS:自演乙から京太郎へ、情熱のバトンタッチ!! - ウェイバックマシン(2010年3月29日アーカイブ分)
  18. ^ twitterにおけるZUNの発言(2010年3月28日)
  19. ^ pop'n music ラピストリア おしらせ 2014年4月(2015年4月27日)