鉄人28号の登場ロボット

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鉄人28号 > 鉄人28号の登場ロボット

鉄人28号の登場ロボット(てつじん28ごうのとうじょうロボット)では、横山光輝の漫画作品『鉄人28号』に登場する架空のロボットと、そのリメイク版について列挙する。なお厳密にはロボットでないサイボーグなどについても扱う。アニメ版などの派生作品オリジナルのロボットについては各作品の項目を参照。

※ 五十音順で記載。

S国製ロボット

S国製 ロボットA
二本の長い触手を振り回して暴れる。胸部には機銃を装備している。「ピュルルル、ピュルルル」という音を発する。鉄人争奪戦の最中、警察の行動を妨害する行動を取ったため、大塚署長が操る鉄人28号との戦闘になり敗走した。
S国製 ロボットB
正太郎が操る鉄人を止める為に急遽動かした開発中のロボット。一撃で鉄人の片腕を折るほどの怪力を誇るが、鉄人によって空中へと運ばれ、落下の衝撃で破壊された。劇場版鉄人28号 白昼の残月ではB-89という名前が設定されている。本作ではベラネード財団によって操られており、廃墟弾奪取のために三体が送り込まれた。正太郎の操る鉄人を苦戦させるが、ショウタロウに操縦され、本来の能力を発揮した鉄人によって三体同時に破壊された。同作の設定資料には口の中にドリルや火炎放射器を搭載したデザインイラストが掲載されているが、それらの装備が劇中で使用されることはなかった。
S国製 恐竜ロボット
日本における活動拠点を失いつつあったニコポンスキーが本国への救援要請で得られたロボット。ブラキオサウルスのような形状を持つ。鉄人28号より巨大で、様々な機能や能力を持っている反面、S国のロボット小型化技術が遅れている事を証明しているかのような一面を見せるロボット。内部に何人かの乗組員がおり、まるでUボートのような分業で動かしている。最初は恐竜に偽装していたが、1機は外装が禿げ落ち、ロボットである事が露呈し、露呈した後は機銃や砲弾等を使用して攻撃した。また、内部はいくつかの部屋(ブロック)に区切られており、拉致した敷島博士を監禁していた部屋や脱出用のジェット機の格納庫、弾薬庫等が見受けられた。一体は拉致していた敷島によって弾薬庫を爆破され、破壊されてしまった。

ギド

砂漠の国の反乱軍が使用する、棘付きの甲羅を背負ったロボット兵器。棘からは熱線を放射するほか、頭部に備えた口で人間を捕獲する事が可能。反乱軍のリーダーであるギドの名前を付けられた。ある程度量産され、まとまった数で行動する。砂漠での戦闘に特化しており、砂嵐でも行動可能で砂中を移動できる。半自律型ロボットらしく、リーダー・ギドの命令で行動していた。カブトガニのように腹部からの攻撃に弱く、それを鉄人やサターンに看破され敗れた。

ギャロン

世界征服を策謀する秘密結社ブラック団が使用する恐竜型ロボット。ブラキオサウルスのような形状をしており、体色は黒。鉄人28号よりも一回り大きい巨体を誇る。口内に光線銃(熱線銃)を仕込んでおり、距離を取れば光線で、近づけば巨体の重量を駆使した戦法で鉄人に苦戦を強いた。漫画版では無線操縦らしいが、アニメ第4作などでは内部操縦型として描かれている。

巨体の為にそのままの姿では飛ぶ事が難しいため、体を数十、数百の小型パーツ群に分離、それぞれを飛行させ、目的地で合体させる。しかし、分解したパーツは壊れやすく、また「精密なロボットほどパーツを失った影響が出るはずだろう」という敷島博士の指摘により、飛行するパーツの一部を鉄人に破壊された。結果、待機中に機能不全から自爆、ブラック団の海底基地に大きな被害を与えてしまった。

派生作品でのギャロン

アニメ第4作
PX団専用ロボットとして登場。海底のバギュームを海水ごと吸い取ろうとした。頭にコックピットがあり、首領のベラネードら複数人が乗り込んでいる。武器は火炎放射器。その他の設定は原作と同じ。東京でベラネードを襲撃(この襲撃はベラネード財団=PX団による自作自演だった)した後、まだら岩で鉄人28号とブラックオックスのタッグと交戦。両者に取り押さえられた隙に高射砲から小型の太陽爆弾を撃ち込まれて胴体を損失した。残った頭部はヘリコプターとして使用されていたが、黒部ダムで鉄人と衝突して不時着、放棄された。
ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日
「ギャロップ」という名称で頭部パーツのみが登場。
鉄人28号 皇帝の紋章
ソビエト連邦製のロボットとして登場。ブラックオックスとの戦いで損傷した鉄人を追い詰めるが、アリスに託されたブラックオックスとの協力攻撃の前に敗れ去った。なお、本作においては飛行機能はあくまでも示威用に過ぎず、長時間の飛行には耐えないと設定されている。口からは冷却ガスを吐き、過熱した鉄人のロケットを急激に冷却させる事でロケットを破壊している。

ギルバート

ドラグネット博士が作り出した、鉄人よりも高性能なロボット。

連載版では、宇宙開発目的で始めたサイボーグ研究の失敗から、自我を持つ電子頭脳搭載ロボット開発にこだわったが、あと一歩で完成を見なかったドラグネット博士が、かつての共同研究者である牧村博士の作り上げた、自我を持つロボットロビーの電子頭脳を見てみたいがためにロビーと取引をして、日本の隠れ家で短期間で完成させた強力なロボット。完成を見るもロビーが鉄人に破壊された後であったため、ドラグネット博士は失意のうちに帰国しようと考えていた。しかし、ドラグネット博士がケリーの弟のジョンソンによって殺害されたことによって、ギルバートはケリーとジョンソンの手に渡り、彼らが追っ手の警察と正太郎の追跡を退けるために使用される事になる。

後の光文社カッパコミックス版、および同版を使用した秋田書店のコミックス版では「ロビーのロボット王国計画」がカットされたため、同コミックスの劇中では、ドラグネット博士が、宇宙開発目的のサイボーグ研究の失敗(超人間ケリーの事例)からロボット研究に切り替え、完成したのがギルバートとなっており、事件の冒頭もロボット博覧会の会場からケリーによって盗み出されたことになっている。

鉄人やブラックオックスを凌駕することを目的として作られており、頑丈さと怪力は鉄人と同等かそれ以上、より高速で小回りの効く飛行能力、操縦者がある程度離れてもコントロールできる優れた遠隔操作技術、相対者と会話までできる操縦性を持ち、ブラックオックス並みの熱線砲を胸部に備えている。実際に鉄人と相対した時は実力伯仲し、正太郎の熟練された操縦技術を計算に入れてなお互角、ケリーによる至近距離での操縦の優位性が加わったときには鉄人の敗北は時間の問題と思われた。しかし、ブラックオックスの妨害電波で機能不全に陥った隙に鉄人に鎖で縛られて墜落。オックスと至近距離で熱線を撃ち合った結果、上半身が完全に融解してしまい、放棄された。

派生作品でのギルバート

『アニメ第4作』
ドラグネット博士が月面開発用に作り上げた高性能ロボット。鉄人28号を超える事を目標に作り上げられたロボットで、パワー、スピード、リモコンの電波範囲、自律性、全て鉄人を超えている。胸には鉄人の装甲さえも溶かす溶解液が内蔵されている。両者の戦闘シーンでは、鉄人はギルバートのスピードとパワーに全く歯が立たず、腕をもぎ取られる。正太郎は操縦者であるケリーの注意が月ロケットに集中された一瞬をつき、月ロケットの噴射炎の中へ投げ飛ばすことで、ギルバートを破壊した。
『PS2ゲーム版』
ドラグネット博士によって開発され、X団に奪取されたロボットとして登場。その性能は鉄人28号を上回るとされる。胸部からの熱線放射や、回転きりもみ飛行しながらの体当たりのほか、ベガのダブルニープレスに酷似する空中キックという必殺技を有する。
鉄人28号 白昼の残月
日本占領のため、廃墟弾処理用という名目でサターン、バッカスと共に日本に上陸、鉄人に襲いかかった[1]。空中では鉄人と同等の機動力を見せ、胸部からの溶解光線を武器とする。鉄人を追って急降下した際、身をかわされて建設中のビルに激突。鉄骨に胴体を貫かれて機能停止した。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
改造手術によって操縦機と化したケリーの動作に反応して動く。その性質上、ロボット本体にコントロールシステムが存在せず、当初は未完成品と思われていた。ギルバートの破壊はケリーの死を意味するため、正太郎は攻撃できず、苦戦を強いられた。ケリーがナチス残党のネルケと刺し違えた際、ケリーが感じた苦痛を数千回分のコマンドとして認識して暴走、正太郎と鉄人によって破壊された。

サターン

某国製の戦闘用ロボット。内戦に陥った砂漠の国の司令官ゴムラスが発注し製作させた。反乱軍が使うロボット「ギド」に対抗する目的で購入されたが、納入まで国王軍の戦線維持が難しいため、サターンが納入されるまでの代役に、正太郎と鉄人を拉致同然に誘拐した。操縦器は大きなトランク程の大きさで、レーダー探査、ホーミング攻撃、自律破壊行動等を行える高性能な兵器。鉄人よりも一回り大きいゴリラ型の体型が特徴で、口から火炎、指先から熱線を放射するほか、身体中に棘状の熱線砲を隠し持っている。飛行能力こそないが、敵と交戦して学習し、より強力な戦法を考えだす(これらの能力と行動と、ファイア二世などと似通った設計思想から、ビッグファイア博士が製作したではないかと考える人もいるが、はっきりしていない)。

反乱軍や市民を無差別に殺戮し正太郎をも襲撃した為、鉄人と交戦する。棘型熱線砲の斉射で鉄人のロケットを破壊して撃墜するが、鉄人本体にダメージはなかった。格闘戦では鉄人に及ばず圧倒された末、投げ飛ばされた際に熱線砲の棘が折れ曲がってしまい、発射した熱線が自らに命中して自滅した。この顛末を見た正太郎は「馬鹿だなぁ」と感想を漏らしている。

派生作品でのサターン

超電動ロボ 鉄人28号FX
第1話の回想シーンに登場。初代鉄人の体当たりを受けて爆発している。
『アニメ第4作』
羽田空港にベラネードが到着した際、大塚署長をはじめとする警備陣を襲うが鉄人に阻止される。鉄人に絡みついて自爆するが、ロケットが破損しただけで鉄人自体は無傷であった(この襲撃は、手を組んだベラネードとビッグ・ファイアの自作自演であった)。
『PS2ゲーム版』
破壊と殺戮のみをプログラムされた悪魔の如きロボット。X団によって都市部に送り込まれ無差別攻撃を行うが、鉄人に破壊される。全身から棘を生やして体当たりするニードルアタック、指先からの怪光線、破壊エネルギー砲と呼ばれる光弾、そして全方向へ放射される必殺破壊光線が必殺技。
『鉄人28号 白昼の残月』
VL2号、バッカス、ギルバートと共に正太郎を襲おうとするが、ショウタロウの操る鉄人に妨害される。全身から棘を生やし、丸まって高速回転による体当たりを仕掛ける能力を持つが、鉄人にいなされてしまい、背後にいたバッカスに激突している。鉄人の右ストレートパンチで装甲を破壊され、続く左アッパーを受けて爆発した。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
陸戦に特化したイギリスのロボット。パイプオルガン型操縦器で覆面の男らが操縦する。頭部を回転させることで地中を移動することが可能。武器は肩からのミサイル。ドイツの酒の神(バッカス)と対決するが、戦いに乱入した鉄人28号により妨害される。頭部回転攻撃で鉄人に迫るが、角を掴まれたことで逆に頸部を損傷する。更にバッカスを投げつけられ、双方がダメージを受けたところに鉄人の両拳を叩きつけられて大破した。

ジャネル・ファイブのコレクション

ジャネル・ファイブが各国から盗み出したロボット群。主に奇岩城に上陸してきた正太郎たちや沖合の警備艦の迎撃のために使われたが、鉄人に対抗する事はできなかった。XY3号から遠隔操縦されている。

人型のものや昆虫の姿を模したもの、砲弾やロケットのような形のものなど、多種多様な形状のロボットが登場している。また、鉄人もジャネル・ファイブに操縦器を奪われ、一度はコレクションの中に加えられていた。劇中で名称が判明しているロボットは以下の通り。

アンカ三号
アメリカのダイアナ博士が制作した等身大の人型ロボット。すぐに体をふるわせるのが特徴。奇岩城に「招待」された正太郎に、ジャネル・ファイブが披露したロボットの一体。
ドラキュラ号
イギリス製の等身大ロボットで、その名の通り吸血鬼のような姿をしている。ジャネル・ファイブが正太郎に披露したロボットの一体。
くもロボット
西ドイツのデルクス博士が制作した蜘蛛型ロボット。ジャネル・ファイブのコレクションには、正太郎に披露した小型のものの他にも、同系列のロボットと想われる人間より大型のものも含まれている。
大型のものは奇岩城沖合の警備艦の艦上で暴れたが、鉄人によって倒された。
デスネンコ九号
ソ連製の小型ロボット。球体に棘と足がついたような姿をしている。ジャネル・ファイブが正太郎に披露したロボットの一体。
デラックス号
ソ連製の大型ロボット戦車。戦車の旋回砲塔の代わりに球型のロボットの上半身をつけたような形状をしている。武器は両腕のはさみと、胴体の前後に備えられた、二千度の熱線を放つ10連装の熱線砲
正太郎の操縦器によって暴れ出した鉄人を食い止めるべくジャネル・ファイブが使用するが、二千度の熱線でも鉄人を溶かすことはできず、逆に自らの熱線で自分の腕や奇岩城内部を溶かしてしまうことになる。最終的には鉄人に放り投げられて倒された。
ロボットくん
日本の前谷惟光博士が制作した等身大の人型ロボット。ジャネル・ファイブが正太郎に披露したロボットの一体。元ネタは『ロボット三等兵』。

人造人間モンスター

不乱拳博士が長年の研究で生み出した、死人の体と機械で構成されたサイボーグ。モンスターという呼称が正確な名称かは不明。「フランケンシュタインの怪物」がモチーフと云う鉄人の敵として、フランケンシュタインの怪物そのものを持ち込んだ形になっている。死体を繋ぎ合わせ、内蔵した機械によって甦生。怪力と異常なタフネスが武器だが、殺人犯の脳を使用した為に粗悪で凶暴になってしまったらしい。言葉も「アウアウ」としか発せないが、事態への順応力は高く、意外な知恵を発揮したり愛嬌のある仕草を見せたりもした。また、不乱拳博士はこの片言を理解していた。これら知能の障害を問題視した博士は、脳を科学者のものに入れ替えようと考え、敷島博士を狙ったため、正太郎及び鉄人と敵対することになる。また、モンスター自体が死亡しても、機械のように修理、蘇生手術を行えば何度でも蘇るため、この技術自体が恐ろしい発明であった。不乱拳博士の死後、この技術を解析した敷島博士が感嘆したが、研究資料などの細かい記録がなく、完全に理解するには至らなかった。その記録は黒覆面のスパイ団の手に渡り、不慮の死を遂げた不乱拳博士自体に用いられる事になる。

派生作品での人造人間モンスター

『アニメ第4作』
戦時中「鉄人第二計画」として、不乱拳博士が自分の息子である「不 義久」の死体から作り出した人造人間。東京の地下に封印されていたが、鉄人の暴走事件によってカプセルが発見され、ブラックオックスと鉄人の戦闘の際にカプセルが破損して復活を遂げる。村雨健二の協力を得て父親との再会を果たすが、実験に息子の死体を使い、怪物を生み出してしまった事を悔いていた不乱拳は、モンスターを自らの手で葬ろうと考えており、同時にモンスターに対しては自分を殺すよう命令を下していた。結果、モンスターは自分の意に反して不乱拳に致命傷を与えてしまい、不乱拳は拳銃でモンスターを射殺した。死後、体の殆どは液状化してしまった。

空飛ぶアカエイ

不乱拳博士が人造人間研究の過程で生み出したサイボーグであるが、不乱拳博士にとっては失敗作だったらしい。

まだら岩の近海に生息し、体から強力な磁気を発して精密機械や電波を撹乱してしまうため、アカエイが現れると計器が狂ったり、鉄人が暴走したりする。群れを成して行動し、空も飛ぶことができ、地上に飛来し人を襲うこともあった。不乱拳博士の持つ笛によって、ある程度命令し操れるような描写がある。

弱点としては熱に弱く、火炎放射攻撃で撃退できる。また、時間帯によっては休眠している。

単行本によっては不乱拳博士に操られるシーンもなく、空に飛び去って登場しなくなる場合があり、存在が曖昧になっていた。

また、ロボットであるアカエイ号も存在するが、こちらは空も飛べず、磁気障害なども起こさない。不乱拳博士が黒い潜水艦から完全コントロールで動かしていたが、鉄人に地上に投げつけられて破壊された。

超人間ケリー

人間の脳を用いて、宇宙環境に適応した機械人間の技術で改造されたサイボーグ、あるいは機械人間。ドラグネット博士が、電子頭脳ではなく人間の脳で機械をコントロールしようと考え、研究考案した技術で造った。

元々は博士の助手だったケリーが、研究の果てに心身を病んでいた博士によって、実験の失敗を咎められ、無理矢理改造されてしまった姿。改造後は起動に失敗、死んだと思われて弟ジョンソンの手で墓地に葬られていたが、雷が墓に落ちたショックで蘇った。蘇生後、自らの変わり果てた姿に悲しみ、ドラグネット博士に復讐を誓い来日し、ジョンソンと共に博士を殺害、国外逃亡を謀る。

元々の人となりは温和だったが、雷や機能障害が起こると凶暴になって暴れ苦しむ。その姿を人に見られる事を極端に嫌い、全身を包帯で固め黒服にコートを羽織って帽子を目深に被っている。人間サイズながらトラック等を持ち上げる怪力に飛行能力を持ち、弾丸では傷もつかない。また、かつてはドラグネット博士の助手であっただけに、科学知識や機械技術も持っており、ギルバートを自由自在に操った。ジョンソンと人質を抱えて逃亡しようとした際、正太郎に『投降しなければ人質及びジョンソン諸共攻撃する』と脅迫された為、ドラグネット博士の殺害の罪を一身に被り、弟を残して鉄人に特攻して果てた。

派生作品での超人間ケリー

『アニメ第4作』
ドラグネット博士に改造された後に廃棄されたが、復讐心はなく、弟のジョンソンに変装して彼の下で助手を務めていた。争いのない宇宙へと旅立つ夢を抱いていたが、機能障害の為に凶暴化してドラグネット博士と牧村博士を殺害。やむなく敷島博士に変装してロケット発射実験を強行させた。ロケットの外壁にしがみ付いて宇宙を目指すが、不完全な改造のため、すでに動力炉が限界を迎えており、大気圏突破直前に腕が誘爆。失意の絶叫と共に地上へ落下する。飛行能力はないが、常人をはるかに上回る腕力、脚力を誇り、鉄人を掴んで振り回す怪力を見せた。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
本作では、ヒロインのアリスとともにドラグネット博士の養子となっている。ナチスに故郷を焼き尽くされたことで凄まじい憎悪を抱き、自ら望んで改造を受けた。全身に数百個の送信センサーを埋め込まれており、その動きに合わせてギルバートを操る。改造された際に養父の「お前が死ねば、次はアリスを実験台にする」という発言に激怒し、起動すると同時に義父を殺害している。その行動原理の根底には義理の妹であるアリスへの愛情があったのだが、憎しみに歪められたために正しく実を結ぶことはなかった。ドイツと同盟国だった日本を焼き尽くそうとするが、最期はナチスの残党であるネルケに装甲の隙間を銃撃され、彼女と刺し違えた挙句、(アリスの保護を優先したブラックオックスが彼女を遠ざけたために)アリスに看取られることなく死んでいった。

鉄人26号

鉄人計画26号機。戦後鉄人を作り上げた覆面の男が、乗鞍岳で製作したものと考えられる。

人間サイズでバケツをひっくり返したような円筒形のロボットで、28号を製作する資金調達にロボット強盗として運用され、鉄人の設計者である敷島博士の邸宅に押し入り、その父親を殺害している。電撃のような怪光線を発射する能力もあり、当時の通常兵器に比べれば高性能なロボットである。

派生作品での鉄人26号

『超電動ロボ 鉄人28号FX』
新鉄人シリーズの1機として「鉄人26号ジャンボ」が登場。
『アニメ第4作』
旧日本軍最後の反攻策として、敵国の本土に直接巨大砲弾で複数送り込まれて暴れる無線操縦のロボット(大きさは鉄人サイズ)。しかし、実際には製作には至らず、劇中にも登場しなかった。
鉄人奪還作戦
PX団が秘密裏に完成させた対人ロボットとして登場。原作と異なり脚部がなく、胴体下のローラーによって移動する。ワイヤー状の腕部から電撃を放つ。そのデザインから原作者曰く「ソース瓶」。

鉄人27号

鉄人計画27号機。人間の模倣という人型ロボットらしい設計で、顔の造型も人間を模している。戦車砲の効かない装甲と数十トンもある鉄人を軽々投げ飛ばす怪力など、通常兵器に比べると凄まじい性能を有し、自衛隊では歯が立たない。起動し暴れ狂う28号にはかなわず一撃の下に破壊される。また、目くらましの発光能力なども有している。戦時中の開発では目的の完成度まで達しなかった為、28号を開発することになる。また「大型27号」という台詞から、26号とともに現れる黒いコートの男は人間サイズの27号であるという意見もあるが、この辺りについては不透明のままである。

派生作品での鉄人27号

『超電動ロボ 鉄人28号FX』
新鉄人シリーズの1機として「鉄人27号サキガケ」が登場。
『アニメ第4作』
敷島博士が日本に帰国してから作り上げた27番目の鉄人。日本に上陸後、暴走した28号を食い止めるべく出撃する。鉄人を倒れさせるほどの威力を持つダブルチョップ、更には鉄人の目を自らが身に着けていた布で覆い鉄骨を使い殴打する等、動作の多彩さは28号にも匹敵する。しかし、28号との性能差は大きく、28号からのパンチで頭部を損失し、空中に抱え上げられて爆発した。だが、この顛末を見た敷島博士は27号の損失を悲しむことなくむしろ28号の性能を称え、狂喜している。28号と同じリモコン回路を使用しているが、操縦は工場に設置された大型操縦装置から行う(この大型操縦装置の電波が南方まで届き、鉄人を東京に呼び寄せて暴走させた原因であった)。
なお、敷島博士が試作した他の鉄人たちも敷島重工地下に隠されていたが、ファイア二世号が敷島重工を襲撃した際に27号同様足止めに出撃し、そして27号同様惨敗してことごとく撃破された。
『PS2ゲーム版』
28号とともに敷島重工で保管されていたが、X団に奪取されて正太郎の操る28号と交戦する。一機目が破壊されたのち、量産された鉄人軍団として登場する。必殺技はアニメ第4作と同様のダブルチョップ。
鉄人奪還作戦
PX団が戦前の旧日本軍の「鉄人計画」を元にした、21世紀の鉄人計画に携わる技術者を拉致し完成させたレプリカとして登場。オリジナルの27号は未完成のまま旧陸軍の地下施設と共に打ち捨てられている。暴れ回るレプリカの鉄人27号に正太郎は「鋼鉄の悪魔」と評した。
レプリカの27号は鉄人28号と激闘の末に破壊される。

鉄人28号

鉄人28号 (架空のロボット)を参照。

ドラグネットが製作したロボット

上半身を白くしたブラックオックスのような形をしたロボット。来日に合わせ急造した割に鉄人と互角に闘う能力を持っていた。遠隔操作型で、ギルバートと同じ飛行装置を内部に組み込んでいる。胸部からは催眠ガスを発し、正太郎たちを昏倒させた。ロビーに対してドラグネット博士の技術のデモンストレーション役に一役買ったが、博士にとっては間に合わせの急造品に過ぎず、その後は登場しない。

偽鉄人28号

ニコポンスキーが失敗した後に日本にやって来たS国のスパイ団が鉄人28号を手に入れる為に製作した、外見を似せただけのロボット。リモコンごと本物の28号とすり替えた。正太郎でも動かしてみて操縦の正確性に違和感を覚えるまで判らなかったほど良くできたニセ物。敷島博士提案の「ぶつければ判る」というかなり乱暴な判別法により、本物の28号と全力でぶつかり合って爆発した。なお、背中のロケットの性能だけは本物と全く同じであるはずだが、正太郎の違和感とは飛行中の旋回半径が大き過ぎることである。

テレビアニメ第一作の71話ではギャング連合のボス、ワルガンが鉄人28号の内部構造を撮影し、偽鉄人28号を開発した。特殊塗料が再現できなかったため、外装が白く塗装されていることが特徴。続く72話ではワルガンがデータを軍事独裁国家カロリア国に持ち込み、ニセ鉄人28号を量産している[2]。偽鉄人軍団は圧倒的な物量で鉄人を圧倒するが、村雨健次が偽鉄人の操縦機を奪取して全滅に追いやり、製造工場も鉄人に破壊されている。

また、PS2ゲーム版にもカロリア国に量産された鉄人28号と交戦するステージが存在する。この偽鉄人は外見、性能共に鉄人と互角である。

バッカス

不乱拳博士が鉄人に対抗する為に作り出した高性能ロボット。鉄人と正太郎に煮え湯を飲まされた博士が鉄人を倒す目的で製作を決意したが、成り行きで不乱拳と同行していたスリル・サスペンスが自分の子分を隠れ家に引き入れた以後、サスペンス一味が博士に突貫での製作を強要し自らの手中に収めた。なお、単行本によってはこれらの下りが変更されたもの(不乱拳博士が仕掛けたトラップのため、動き始めてすぐ大爆発してしまう)が後々まで採用されていたが、文庫版や2005年の完全版において、『少年』に連載された当時の構成に再編された。

バッカスは、鉄人の物語で初めて登場した「鉄人を倒す為に作られた、鉄人より強力なロボット」であり、装備こそ鉄人に準拠するが、各個の能力が鉄人を上回っており、鉄人は苦戦を強いられる事になった。

口から火炎放射(熱線)を放つなど、対人兵器も内蔵はしているが、基本は鉄人と同等かそれ以上、鉄人を凌駕する強力な飛行装置を内蔵したスマートな外観設計がなされている。不乱拳博士は、単身で設計から製作まで数週間で完成させている。不乱拳博士はバッカスと人造人間モンスターに対して「息子達で兄弟」という発想を持っていた。

劇中では、まずサスペンス一味の手に落ちたバッカスは、その能力を遺憾なく発揮し、数々の犯罪に手を染めていく。だが、不乱拳博士は自らの生み出した創造物が不本意な使われ方をするのが許せなかったらしく、より強力な操縦機器を作り出し、バッカスをサスペンス一味から奪い返す。しかし、正太郎達に追いつめられ操縦機の壊れたバッカスが、酩酊したかのように狂い暴れ始め、生みの親の不乱拳博士をその手に掛け、最後はその名の通り狂乱。鉄人と空中でぶつかり合い、爆発四散した。

派生作品でのバッカス

『アニメ第4作』
アメリカが製作したロボット。スペンサー大佐率いる技術班によって日本で実用テストが行われ、その一環として貨物列車を脱線させた(元ネタは松川事件)。アメリカは日本に比べるとロボット開発技術に劣っており、技術力の差はバッカスにも顕著に現れている。馬力や装甲に関しては少なくとも鉄人やオックスと同等であるが、操縦電波の範囲が数百メートル程度しかなく、少しでも操縦器から離れると暴走するか機能停止してしまう。また操縦器も鉄人のものよりはるかに大きく、寧ろ操縦施設に近い大きさで、母艦上から5、6人程度で制御する。主な武装は口に内蔵された火炎放射器で、暴走した際には東京沿岸部を火の海にした上、自らの母艦やスペンサー大佐たちまで焼き払った。
なお、原作最大の「売り」であった飛行能力はない。最期は鉄人に遥か上空まで抱え上げられ、落下中に急降下体当たりを受けて爆発している。
『PS2ゲーム版』
フランケン博士によってブラックオックス以前に開発されていたロボット。耐久力は低めだが、空中を飛行することが出来、他のロボットより素早く動くことが可能。フランケンを殺害し、その海底基地を奪取したX団によって悪用される。X団によって量産型も開発されるが、量産の為に性能がデチューンされていた。必殺技は口からの熱線、竜巻旋風脚に酷似したスピンキック、飛び上がりながらの回転アッパー[3]、急降下体当たり。
『鉄人28号 白昼の残月』
サターン、ギルバートと共に正太郎を奇襲した。口からの火炎放射で鉄人を背後から炙るが、サターンの体当たりを受ける。その後、鉄人と空中戦を繰り広げるものの、ショウタロウの操縦技術には及ばず、四肢をもぎ取られた挙句、頭部を引き千切られて大破した。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
少女楽団として日本に入国したナチス残党が操るドイツ製ロボット。フランケン博士が設計したもので、コントラバス型操縦器によって操縦される。日本に運び込む際には、分解された部品を演奏に必要な機材と偽り、楽団の舞台裏で組み立てられた。ジェット推進機により空中を自在に飛行することが出来、スピードを活かした戦法を得意とする。武器は口から放つミサイルと機銃。イギリスの土星(サターン)と対決するが、鉄人によりサターンに投げつけられ、諸共破壊された。
『鉄人奪還作戦』
PX団のロボットとして登場。

ファイア二世

ビッグファイア博士が、ベラネード財団がダム建設の際にロボットを使用する事を知り、売り込み目的で作り出したロボット。博士の自慢である知能回路の自己学習能力、鳥メカによる索敵及び支援攻撃、熱線攻撃、発熱機能の他に、土建機能、コンクリート再生機能などを有する、攻撃的な土建ロボットである。自己判断で動いている事から高度に自律行動が可能であり、博士同様に自尊心すら持っているような描写もある。実際に、自分の悪口を鳥メカから伝え聞いて、正太郎をつまみ上げている。

これまでのロボット達と一線を画すのは、商業目的で量産化を前提とした商品であるという点である。売り込み目的のロボット見本市に赴き、ホワイト・バッファロー山への登山レースを強引に行い、最も早く帰還したロボットをベラネード財団査察団に買い上げるよう取り決めさせる一方で、人目及ばぬ山中で参加ロボットを次々破壊するが、帰還機が遅い事からレースを危ぶんだ参加者が鉄人に協力を求めたため、カメラ記録目的で飛来した鉄人と戦うことになる。その自律性から動きの悪い鉄人相手に終始優位だったが、激しい戦闘で脆くなった氷雪から谷底へ落下し自滅した。事態を鳥メカから聞きつけた博士により、機密保持の為に爆破処理された。

博士自身の名前に二世をつけた名が示す通り、ビッグファイア博士は自らが製作したファイア二世に深い愛情を注いでおり、二世の破滅を鉄人の所為だと思い込み、鉄人に復讐を誓う。

派生作品でのファイア二世

『アニメ第4作』
ブラックオックスの設計図を元にビッグファイア博士が改造を施したロボット。外装を外した状態で工場を襲い、鉄人と戦う。この時は正太郎の無理な操縦のため、鉄人は惨敗する。黒部でのロボット性能競争に参加し、他のロボットを山中で全て破壊する。しかし、ニコポンスキーの操縦するブラックオックスが現れ、ブラックオックスのコピーにしかすぎないファイア二世は手も足も出ず、完膚なきまでに叩き潰され装甲を全てもぎ取られた。
『PS2ゲーム版』
鉄人を倒して名声を得ようとするビッグファイア博士がX団の資金援助を得て開発したロボット。必殺技は指先からの熱光線、肩に止まっている鳥型ロボットが光線を発射するバードアタック、両者を一斉に使用する一斉攻撃。鳥型ロボットの光線に被弾したロボットはパワーゲージが低下する。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
フランスのグラン・フランム( ビッグ・ファイアの仏語読み)教授が開発したロボット。本来は仏語読みでフランム・ドゥゼームという名で、教授は英語で呼ばれることを嫌っており、更に「息子」として愛情を注いでいる。操縦器は食卓型。両手に超長距離砲を装備し、鳥型ロボットによって相手の位置を掴む。人型ロボットであるが格闘能力は無く、長距離砲撃で敵ロボットを破壊、もしくは操縦者を殺傷することを目的に設計されている。また、不意打ちに備えて全身が軟質素材で覆われている為、鉄人のパンチにもダメージを受けなかった。長距離から正太郎を砲撃して重傷を負わせるものの、彼の奇策に騙されて取り逃してしまう。直後に現れたフランケン博士からは砲撃では鉄人を破壊できない事を指摘されたうえ、ブラックオックスには手も足も出ず、熱線攻撃で破壊された。

ファイア三世

ホワイト・バッファロー山での登山レースの後、ビッグファイア博士が作り出したファイア二世の後継ロボット。鳥メカがなくなりパワーと装甲を重視した。性能については、かなり鉄人に似通っており、パワー重視の接近戦用ロボットとなっている。また起動した際の動作も鉄人と同じ。

二世同様、ベラネード財団への売り込み目的で作られたにしては攻撃的なロボットで、試験運用で恐竜ロボットを血祭りにあげるなど、土建ロボットなのかすら疑わしいロボットである。基本的に高度な学習能力を有した自律ロボットであるが、きちんと教え込まないと誤った判断で行動する危険も孕んでおり、実際に「工場を破壊する」ことを教えて犯罪に使用したまま、知能回路をリセットしなかった為に自社工場を破壊しかけるという事態を引き起こす。

当初はフレームや内部の機械が露出した状態で、ライバル会社の工場に爆弾を仕掛けて逃亡するというテロ活動に使用されていたが、ベラネード財団に売り込む際に外装が増設された。これは防御力を向上させる以上に、捜査陣へのカモフラージュとして機能した。

前回の事件の為か、鉄人に対して研究をしていた博士が、その成果をもとに二世の機能をさらにパワーアップしたため、自律行動するロボットながらも、あらゆる面で鉄人を圧倒した。靴底に隠せる超小型リモコンに、鉄人以上のパワーとスピード、煙幕や催眠ガス、熱線などの装備、何より高性能な知能回路の学習機能、全ての面で鉄人以上でありながら、ファイア三世に足りなかったのは飛行能力と正太郎(正しい操縦者)で、鉄人に鉄骨を頭部に突き刺されて爆発した。

派生作品でのファイア三世

『アニメ第4作』
外装を剥がされたファイア二世に急遽新しい外装を取り付けたロボット。圧倒的なパワーで鉄人に立ち向かい、量産型ブラックオックス軍団に自由を奪われた鉄人の胸部に隠された太陽爆弾を剥き出しにする。その後、ほぼエネルギーの切れた元祖ブラックオックスと戦い、勝利した。そのまま鉄人を破壊しようとするが、村雨健次が鉄人を起動した為、不意に鉄骨を胸に刺され、破壊された。
『PS2ゲーム版』
鉄人との最終決戦の為、ビッグファイア博士が開発した最後のロボット。パワーと耐久力に優れる上、接近戦用必殺技のメガトンパンチのほか、腕からは破壊光弾、頭頂部からは熱光線、更に広範囲を爆発に巻き込み、鉄人すらも空中へと吹き飛ばす究極破壊光弾で武装している。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
グラン・フランム教授がリベンジのため製作したロボット。鉄人とブラックオックスのコンビによって一蹴された。

VL2号

スノー国から送り込まれたロボット兵器。頭に角を生やした鬼のようなデザインで、簡易な分解組み立てが可能な設計になっており、パーツ群をロケット砲弾で輸送(現代では弾道ミサイル攻撃と間違えられかねないが)、現地で組み立てて運用できるのが利点。飛行の際に脇の下からロケットを噴射するのが難点。質実剛健で鉄人以上の頑丈さ、飛行スピード、操縦性、自律性を誇る。また、手で触れた物に高電圧を流し込んで破壊する能力を持つ。空中では鉄人をジャイアントスイングの要領で振り回し、腕を破壊する技も見せた。

潜入先での活動を前提とした設計であり、隠密行動を目的とする秘密兵器の類いに分類される。有効活動範囲は操縦器から半径10キロと制限があり、それが仇となってスノー国の諜報員達の行動範囲を把握されてしまい、追い詰められてしまう。また、完成直前に組み立て現場に紛れ込んだ大塚署長によって部品を抜かれており、不具合を起こしていた。ジャイアントスイングも敷島博士の提案した力の受け流し戦法によって無力化されている。最終的には不具合のためか、鉄人の攻撃でダメージが蓄積した為か、暴走を始め、諜報員達を指先からの熱線で攻撃した挙句、空中へ飛び去って自爆した。

量産兵器で、かつ戦闘性能に特化していない秘密兵器として作られたロボットでさえ、鉄人以上の性能を持つ時代になった事を象徴するロボット。制限されているとはいえ、遠隔操作と独立行動性能は鉄人以上であり、一対一の戦闘で鉄人の腕をもぎ取る程である。

派生作品でのVL2号

『アニメ第4作』
某国が梅小路綾子に供与した、人工知能ロビーによって京都全域の送電網を通して遠隔操作される高性能ロボット。鉄人と互角のパワーよりも、人工知能により自ら考えて行動できるスピードが脅威で、正太郎が一々操縦しないと動けない鉄人では勝負にならず、敷島博士にも「鉄人に勝ち目は無い」と言わしめるほどのロボットである。ただ、ロビーさえ破壊すれば行動不能にする事が可能で、敷島博士は鉄人の操縦器を改造し電波によって送電網にサージ電流を逆流させ、ロビーを破壊して勝利している(そして、VL2号 = ロビーは「お母さん」とつぶやきつつ「母」綾子の「胸に飛び込み」、共に炎の中に消えた)。
『鉄人28号 白昼の残月』
廃墟弾確保、日本占領の為にバッカス、サターン、ギルバートと共に送り込まれた。高見沢が箱ごと投げつけた大量のダイナマイトの爆発にも傷一つつかない強固な装甲を誇る。操縦機を失った正太郎を襲う為に海から奇襲を仕掛けるが、ショウタロウが操る鉄人28号によって頭部を握り潰されて爆発した。

ブラックオックス

ブラックオックスを参照。

モンスター

ゴロギル博士が製作した、樽型の形状でとんがり頭にニヤリとした歯を見せる、大変インパクトのあるデザインのロボット。何の目的で製作したかは不明ながら、温和なゴロギル博士からは想像できない程、凶悪な能力を秘めたロボットである。本体と同型の小型モンスターを腹部に搭載するほか、飛行能力、胴体に内蔵した光線銃、頭部からの火炎放射、水中潜行能力、地中潜行能力など多彩な機能を持ち、体格も鉄人より2倍大きい。力も鉄人がロケットを最大出力にしてようやく地中から引っ張り出せる程強い。また、小型モンスターは高速で飛行し、追尾する砲弾の如く敵へと体当たりを仕掛ける。

過激なテロ組織「十字結社」により強奪され、テロ行為に用いられる事になる。その為、ゴロギル博士は正太郎個人に「モンスターを破壊してほしい」と依頼しに来るが、追って来た十字結社に殺害されてしまう。

地上での格闘戦では鉄人に押され気味だったが、小型ロボで正太郎を直接攻撃したり、水中や地中から奇襲を仕掛けたり、地割れを起こして鉄人を地中に封じ込めるなど、トリッキーな戦術で善戦する。しかし、正太郎に空戦能力が鉄人より劣る事を看破され、空中戦の末に損傷、鉄人の体当たりで爆散する。

派生作品でのモンスター

『アニメ第4作』
本編のストーリーとは無関係に、第1話の冒頭で鉄人と正太郎の活躍を描くためだけに登場したロボット。一撃で鉄人に破壊される。OPにも描かれていて鉄人の手刀で両断されている。
『PS2ゲーム版』
十字結社に操られるロボットとして登場。必殺技は口からの火炎放射と小型モンスターの射出、空中から急降下するヘッドダイブ。小型モンスターは敵操縦者を歩行して追尾、隣接後に自爆する技に変更されている。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
十字結社の操るイタリア製ロボット。トラックの幌に設置された操縦器で操作される。兵器の一種と割り切って量産性と通常火力を重視した機体で、体内に満載した大量の砲弾を頭部外周より斉射する能力を有するほか、頭部も巨大ミサイルと化している。3体が登場、うち三号機は鉄人が倒し、その他はブラックオックスに破壊されている。
『鉄人奪還計画』
開発者は原作に準拠しているが、PX団が強奪し戦力としているという設定になっている。オリジナルは「M(モンスター)21」と呼ばれている。また、鉱山作業用仕様として「M-01」が登場、こちらは飛行能力がないが、頭部が岩盤粉砕用の超振動カッターとなっており、鉄人の装甲を難なく破壊できる攻撃力を有している。
『鉄人28号 白昼の残月』
廃墟弾の処理のため、ベラネード財団によって送り込まれたロボットとして登場。鉄人を小型モンスター(ゲーム版と同様に歩行して移動するが、鉄人の全身を覆い隠すほど大量に搭載されている)で封じ込め、廃墟弾を強引に奪い取る。その後、廃墟弾を抱えて飛び立ち、時限信管の作動した廃墟弾の爆発により空中で破壊された。皮肉な事に、小型モンスターに身体を覆い隠されていた鉄人は廃墟弾によるダメージを受けずに済んでいる。口からは火炎ではなく、熱線を放射していた。

ロビー

牧村博士が完成させた、自我を持つ人工知能を搭載したロボット。独特の黒い栗の様なボディに長い腕と3本の足という、人形(ヒトガタ)からは外れるデザインに人間(ニンゲン)型の思考形態を持たせている。原作ではカタカナ表記で、独特の訛りのある特徴的な喋り方をし、自分を「ボク」と表現している。

自ら物事を考える力を有しているが、起動初期の性格は子供そのもので、学習を積み重ねていく事で、いつかは人間が発想しない考えを持つに至ると思われていた。しかし助手である助川が、まだ善悪の判断がつけられないロビーに悪事と享楽を教えた為、ロボット強盗として巷を騒がせる事になり、事態を察した牧村博士が正太郎に通報し追い詰められる。強盗事件の最後に助川がロビーを裏切り爆破しようとするが、この事に気づいたロビーに殺される。ロビーは爆破により死んだと思われ、博士は「これで良かったかもしれない」と電子頭脳の研究を封印した。(秋田書店版では壊れた事になっており、この後のエピソードがカットされている。)

実は生きていたロビーは、その高度に進んだ知能の為か、信頼していた親代わりの人間に裏切られた為か、人間そのものを見下す性格となっていた。ロボットの為のロボット王国を創る事を画策し、秘密裏に多数のロボット軍団を設計・製作、人間に宣戦布告する。人間を上回る知能と行動力は正太郎達を追い詰めていき、一度は鉄人28号を完全に破壊、奪取にも成功するが、ブラックオックスが投入された事で戦況は逆転。鉄人も奪回されてしまう。また、気絶した正太郎を”死んだ”と認識するなど、非人間的な面を突かれて計画は難航する。

ロビーは、強力なタッグを組んだ鉄人とブラックオックスに目を付ける。それは多種多彩なロボットを大量に生産はできても、人間の天才が造ったロボット以上の物は造れない、ならば、それを奪って内部構造を調べ、複製し、量産し、自らのロボット軍団に加えようと考えた。だが奪う為に障害となったのが正太郎で、彼との駆け引きに苦慮している時に現れたのが、ロビーの電子頭脳に惹かれて日本にやって来たドラグネット博士だった。博士との知恵比べのようなロボット戦の後、その才能を評価し取引に応じるが、正太郎の存在に危機感をつのらせたロビーは、正太郎暗殺を企てるも、逆手に取られて返り討ちに遭い身を滅ぼした。損得感情があるかと思えば合理性を求めたり、怒りや悔しさといった感情のようなムラを見せたりと、人間臭さも持ち合わせるロボットであった。

派生作品でのロビー

太陽の使者 鉄人28号
本作最後の敵「宇宙魔王」の配下であるロボットとして登場。母星を魔王に滅ぼされており、表面上は忠誠を誓っていたが内心では復讐の機会を狙っていた。正太郎達が魔王の本拠へ乗り込んできたのを好機と見て、魔王の息子グーラを罠にはめたり正太郎達に情報を流したりして魔王を破滅に導く。復讐を果たした後は単身で宇宙へ旅立って行った。
『アニメ第4作』
京都において不乱拳博士とその弟子たちによって開発された人工知能、またはそれに遠隔操作される小型ロボット。弟子の一人である梅小路綾子によって我が子として育てられる。ロビーは関係者の殺人を繰り返すが、それは暴走ではなく、「母」綾子を守るためであった。最後には鉄人に捕らえられ握り潰されるが、人工知能本体は寺の石仏群の中に隠されて無傷だった為、ロビーは某国によって供与されたVL2号を新しい体とし、「母を奪いに来た敷島博士の手先」鉄人と戦う。
『PS2ゲーム版』
世界初の人工知性搭載ロボットとして完成するが、機械と人類の共存は不可能という結論に達し、牧村博士を殺害して逃亡する。無数のロボット軍団を量産して三度に渡り日本を襲うが、警察と正太郎の包囲網により追い詰められ、破壊される。ロビー自身に戦闘能力は無く、鉄人で破壊することが出来るほか、正太郎のパンチでも破壊出来る。
『鉄人28号 皇帝の紋章』
暗号機エニグマの研究から偶然に生まれた人工知能として登場。「来るべきロボット戦争に勝利する」という命題を与えられ、皇帝の紋章を争奪する各国のロボットたちを密かに観察していた。核兵器の登場によりロボット兵器は無意味となると考え、核弾頭を搭載したロボット「溶鉱炉」(シュメルツ・オーフェン)を以って全面核戦争を引き起こし、全世界を焼き尽くすことにより唯一の勝者になろうとする。ロボット状の身体は会話用の端末であり、本体は潜水艦の中に内蔵された巨大な演算装置群。

注釈

  1. ^ なお、PS2版ゲームにも、サターン、バッカス、ギルバードの三体が鉄人を襲撃するステージが存在する。
  2. ^ カロリア鉄人という名称で商品化されている。
  3. ^ 『皇帝の紋章』では、大塚署長がこの回転アッパーをソ連工作員(外見はスリル・サスペンスに酷似)に使用している