通路
通路(つうろ)とは人や物の移動のために空けて(設けて)ある場所。通り道(通り路)。 一般的には自由に通行することができる通行路や道路のこと。
概要
通路自体の法的定義は存在せず、場所・利用形態によって認識が異なる場合が多い。一般的には自由に通行することができる道路や公共施設空間のことで、場所・利用形態によって認識が異なる場合が多い。
通路は、それら人や物が移動する便のために平坦で歩いて移動しやすい面をもつ場所で、それらは施設や設備に接続され交通に利用されるが、一般に「通路」と表現する場合は徒歩で短時間移動する場所という位置付けが強い。
様々な通路
屋外
通常、通路とされる場所は道路法に基づく道路としての歩車道のほか、道路法の通用を受けない「里道」または「赤道」と呼ばれる道、農道も対象となるが、通路の場合はこれら以外の通行を目的に設置存在する歩道状の場所ということになる。
車両用の通路
歩行者用の通路と対比して、もっぱら車両が通行する部分を「自動車通路」[1]、あるいはさらに限定して「バス通路」などと称することがある[2]。
建物内
建物の内部に於ける通路は廊下と呼ばれる移動のための部屋の様式があるが、通路というと屋内に限らず移動する経路全般がこのように呼ばれ、回廊やテラスのような半戸外の様式も見られ、これらは様々な機能を持つ各々の部屋を連結する。
店内
スーパーマーケットやコンビニエンスストア・ディスカウントストア・量販店(家電量販店など)では店内の通路はセルフサービス形式の顧客が利用する場であると同時に、店員が商品を補充するための経路でもある。またこれらではショッピングカートが移動する場ともなるため、商品棚の間は比較的余裕も持って空けられ、カートの対面移動や商品補充中の店員が顧客の邪魔にならないような広めの空間となっている。
駅構内
日本の多くの鉄道駅のように鉄道利用者が改札口を通る場合、改札口の外側の通路と内側の通路が区分されている。
自由通路
自由通路(じゆうつうろ)は鉄道駅の構内を横断する通路のうち、鉄道利用者に限らない歩行者(あるいは自転車)が通行する通路である。改札口を通った鉄道利用者が利用する改札内通路と対比される。道路法上の道路の場合、広場の場合、建物の一部の場合などがある[3]。跨線橋と同様に鉄道の上を行く場合、地下道として鉄道の下を行く場合、地上の通路として、高架の鉄道の下を行く場合がある。橋上駅や地下駅の一貫として改札口がついている場合も多いが、単に鉄道敷地を横切るもので改札口と接していない場合もある。
乗物内
乗物の内部では、座席と出入り口を結ぶ経路が通路である。例えば鉄道の旅客車では各車両内の座席の中央を通路が貫通し、旅客はこの通路を通って各々の座席に移動する。なおそれら乗物では、通路も乗物の内部であるため、座席が満席で利用できない場合などでは便宜的に利用者が立って乗る場所にもなるが、通勤形電車では限られる座席数から、敢えて座席を減らして通路を広めに取り、大量輸送に対応している(満員電車)。
航路
海上交通安全法においては、航路をある基準にのっとった船舶の通路としている。
航空路
航空法においては、航空路をある基準にのっとった空中の通路としている。
通路に関するあれこれ
- 結婚式におけるバージンロードは、いわゆる通路ではない。これはそこを通れる者が限られるためである。これに関しては、あるホテルで開催された結婚式でバージンロードのカーペットを横切ろうとして転倒・骨折した高齢女性がホテルを相手取って起こした裁判で、2005年11月30日に仙台地方裁判所の中丸隆裁判官は、バージンロードは余人が踏むべきではない神聖なものであり「踏まないように注意することが求められている」という判断を示し、主婦にも部分的な過失を認めている[4]。
出典
- ^ 例:大阪運輸支局構内案内図
- ^ 例:豊鉄バス・豊橋駅バスセンター・駅前のりば案内
- ^ 国土交通省・自由通路の整備及び管理に関する要綱
- ^ 「バージンロードにつまずく 式場で転倒、ホテルに過失」共同通信 2005/11/30 11:31(2009年9月30日閲覧)