輪作
輪作(りんさく、Crop rotation)は、農業の手法の1つで、同じ土地に別の性質のいくつかの種類の農作物を何年かに1回のサイクルで作っていく方法。
特徴
栽培する作物を周期的に変えることで土壌の栄養バランスが取れ、収穫量・品質が向上する。これにより、連作での病原体・害虫などによる収穫量・品質の低下の問題を防ぐことが出来る。1サイクルは通常5年ほどだが、10年近い場合もある。
歴史
輪作については古代ローマ時代の書物に、アフリカ、アジアの文化として記されている。中世から20世紀までヨーロッパでは、ライ麦、冬の小麦、春のカラスムギ、大麦の3年周期の輪作が行われて来た。4種類の輪作はフランドルで16世紀初期に生まれ、18世紀にイギリスの政治家、Charles Townshendによって広められた。4周期輪作はイギリス農業革命に大きな意味をなした。
例[1]
- 窒素固定能力のある作物(ラッカセイ、ダイズなどマメ科作物)→吸肥力の強い作物(キャベツ、ホウレンソウなど)
- 浅根野菜(キュウリ、メロンなど)→深根野菜(ニンジン、ゴボウなど)
- 単子葉野菜(トウモロコシ、ネギなど)→双子葉野菜(スイカ、トマトなど)
具体的な作物の例
- カブ→オオムギ→クローバー→コムギ(1730年代、イギリス、ノーフォーク輪作)
- トウモロコシ→ササゲ→エンバク→ワタ(20世紀初頭、アメリカ)
- トウモロコシ→コムギ→クローバー(20世紀初頭、アメリカ)
- タバコ→コムギ→クローバー(20世紀初頭、アメリカ)
- トウモロコシ→ダイズ(1979年)
- トウモロコシ→ワタ(1979年)
出典
- ^ 木嶋利男著 『伝統農法を活かす家庭菜園の科学』 講談社ブルーバックス 2009年2月20日第1刷発行 ISBN 9784062576307