転送装置

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転送装置(てんそうそうち)とは、それ自体が移動する事なく、物体を瞬間的に遠隔地へ送り届ける架空の装置である。物質転送機など作品によって名称が違う場合もあるが、SFにしばしば登場する輸送手段の一つで、特にアメリカのSFテレビドラマ『スタートレック』シリーズのものがよく知られている。

転送の原理による分類

ビーム方式

物質を分解して転送ビームに乗せて運び、目的地で再構築するというもの。『スタートレック』における転送(transport)はこれにあたる。人員輸送用と貨物輸送用の2種類があり、人員用は量子レベルまで、貨物用は分子レベルまで分解して転送する。

宇宙大作戦』の制作開始当初、シャトルによる惑星への上陸シーンは、撮影技術上制作が困難であった。それを回避するために転送装置が導入されたという背景がある。

物語内では転送ビームにノイズが混入したなどの理由でしばしばトラブルが発生しており、レナード・マッコイのように転送を嫌う者もいる。

英語では、ビームで転送することを、動詞 beam(直訳すれば「ビームする」)で表すこともある。

使用例(下段は作品内での名称)

データ化方式

生物や物体をデジタルデータに変換し、コンピュータネットワークによって転送するもの。転送先で元の姿に戻す。「転送しやすい形式にして転送先で復元する」という点でビーム方式の派生と言える。

ワームホール方式

空間を短絡して、出発地と目的地を繋いでしまうというもの。

使用例

原理不明

送受信機の有無

転送装置を使った転送は、大きく

  1. 最低2機の装置を用意し、一方を送信機、もう一方を受信機として使用するもの
  2. 送信機だけあればよく、送信機から任意の場所へ転送するもの
  3. 受信機だけあればよく、任意の場所から受信機へ転送するもの

に分けることが出来る。

  • 『スタートレック』の転送装置は1~3のどれも可能である。なお、2と3が可能なら、転送装置の場所とは無関係に任意の場所から任意の場所へ転送することもでき、作中でもそういう使用例がある。
  • 「ワームホール方式」は傾向として1のみであることが多い(作品によっては特定の2機がペアになっており、その間でしか転送できない場合もある)。

関連項目

参考文献

ラリー・ニーヴン『テレポーテーションの理論と実際』(ハヤカワ文庫『無常の月』収録)

外部リンク