ラリー・ニーヴン

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ラリー・ニーヴン
Larry Niven
LarryNiven.jpg
誕生 Laurence van Cott Niven
1938年4月30日(77歳)
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国カリフォルニア州ロサンゼルス
職業 小説家SF作家
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ジャンル ハードSF
代表作 リングワールド
主な受賞歴 ヒューゴー賞
ネビュラ賞
ローカス賞
公式サイト Known Space: The Future Worlds of Larry Niven
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マウンテンビュー市のComputer History Museumでのラリー・ニーブン

ラリー・ニーヴン(Larry Niven)ことローレンス・ヴァン・コット・ニーヴン(Laurence van Cott Niven、1938年4月30日 - )は、アメリカ小説家SF作家。代表作は『リングワールド』(1970) で、ヒューゴー賞ローカス賞ネビュラ賞を受賞した。大胆なアイデアのハードSFを得意とし、しばしば推理小説冒険小説の要素もある。ファンタジーとしては『魔法の国が消えていく』を代表とするシリーズがあり、魔法を再生不可能な資源として描いている。

経歴[編集]

ニーヴンは石油王 Edward L. Doheny の子孫である。カリフォルニア工科大学にも通ったが、カンザス州トピカウォッシュバーン大学数学(と心理学を少し)学び1962年に卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校で数学の修士課程で1年だけ学んだ。以降ロサンゼルス近郊に住み、専業作家となった。同じくSF作家の Marilyn Joyce Wisowaty と1969年に結婚した。

作品解説[編集]

ニーヴンは非常に多くのSF短編・長編を著しているが、その最初の作品は『いちばん寒い場所』(The Coldest Place : 1964年)である。本作品の執筆当時、水星太陽による潮汐力のために自転していないと考えられていた。本作品はその「固定された」水星の夜側を舞台にしたSF短編である。しかし皮肉にも本作品が出版される数ヶ月前に、水星は自転周期 : 公転周期=2:3の尽数関係をもって自転していることが明らかになった。

代表作は『リングワールド』(Ringworld, 1970年)だと見なされている。この作品で1970年度のネビュラ賞 長編小説部門[1]、1971年のローカス賞 長篇部門ヒューゴー賞 長編小説部門[2]を受賞している。また、「中性子星」では1967年のヒューゴー賞 短編小説部門を受賞し、1972年には「無常の月」でも同賞を受賞した。1976年には「太陽系辺境空域」でヒューゴー賞 中編小説部門を受賞した。

ニーヴンは Land of the Lost やアニメ版スタートレックなど様々なSFテレビ番組の脚本を書いている。また、『アウターリミッツ』(1996)では「無常の月」がドラマ化されている。

DCコミックグリーンランタンのシリーズには科学考証面で関与しており、エントロピーとか赤方偏移といったコミックでは通常でてこない概念が登場する。

ニーヴン作品の多くは、かれが創造した「ノウンスペース(既知宇宙)」を舞台としている。このノウンスペースで人類は10を超える異星人種と太陽近辺の星々を共有統治している。なかでも「クジン人」や「ピアスンのパペッティア人」は作品中の主要キャラクターとしてしばしば登場している。『リングワールド』シリーズもノウンスペースの設定内の話である。肉体的にも精神的にも人類と全く異なる異星種族を考案する才能はニーヴンの強みの1つとされている。

また、ファンタジーにおいては、マナと呼ばれる神秘的なエネルギーを魔法の源たる有限の資源と設定して、それが枯渇しつつある古代世界を舞台にした『魔法の国が消えていく』などのシリーズを発表している。このマナの設定は、後に多くのファンタジーやゲームなどに流用されている。

《ドラコ亭夜話》シリーズの短編では、もっと奇妙な世界を様々な種族が集まるバーの主人の視点で描いている。

短編集『ガラスの短剣』に収録された表題作以外の作品は《タイムハンター・スヴィッツ》シリーズに属し、長編 Rainbow Mars(1999) も同じシリーズである。

近年は、その作品の多くをジェリー・パーネルスティーヴン・バーンズらと共作している。

また、グレッグ・ベアの長編『天空の劫火』(The Forge of God) の登場人物、ローレンス・ヴァン・コット (Lawrence Van Cott) は、ニーヴンをモデルにしている。

影響[編集]

リングワールド

ニーヴンがSFというジャンルにもたらした最大の貢献はリングワールドの考案である。これは地球の公転軌道とほぼ同じ直径の巨大な環状の構造物である。これはニーヴンがダイソン球を効率化しようと考えて生み出したもので、回転させることで擬似重力を発生することができる。回転するダイソン球の場合、回転軸と赤道付近では擬似重力に大きな違いが生じるため大気が偏ってしまうが、リングワールドであればそのような問題はないし、建設に要する資材も少なくて済む。後にリングワールドは力学的に不安定であることが指摘された。すなわち、一度リングの中心が恒星とずれてしまった場合、恒星の重力によってずれが大きくなっていく。ニーヴンはこれを逆手にとって続編『リングワールドふたたび』のプロットの要素とした。

イアン・M・バンクスはこれを発展させた Orbital というより小さな構造体を小説に登場させている。アレステア・レナルズも2008年の小説 House of Suns にリングワールド的構造体を登場させている。ビデオゲームの HALO は、その名称自体が物語に登場する巨大環状建築物を指している。

オリジナルのマジック:ザ・ギャザリングには「ネビニラルの円盤」というカードがあったが、"Nevinyrral" とは "Larry Niven" を逆に綴ったものである。これは「魔法の国が消えていく」のシリーズに登場する、周囲のマナを消費し尽くして魔法を無効化する回転する円盤がアイデアの元になっている。

政策への関与[編集]

2007年、ジェリー・パーネルを代表とするSIGMAというSF作家集団がアメリカ国土安全保障省に対して今後のテロの傾向などを予測するといった助言を行い始めた[3]。これにニーヴンも参加している。

ニーヴンはロナルド・レーガン戦略防衛構想(スターウォーズ計画)を立案する際のアドバイザーだった。このことはBBCのドキュメンタリー Pandora's Box で明かされている[4]

その他[編集]

「スーパーマンの子孫存続に関する考察」でニーヴンは、スーパーマンと人間の女性が子を持つことの困難さを現実世界の物理学の範囲でユーモラスに解説している。

ニーヴンは作品の題名に二重の意味(ダブル・ミーニング)を持たせることが多いが、日本語訳するとそれがなかなか伝わりにくいこともある。例えば短編「銀河の<核>へ」は原題が " At the Core" であり、決して "To the Core" ではない。その意味は最後の一文で判明する。『インテグラル・ツリー』には積分法の記号(インテグラル)によく似た形状の木が出てくるが、その木は同時にそこに住む生き物にとって「不可欠 (integral)」なものでもある。

ニーヴンの法則といえば日本では「タイムトラベルと過去の改竄が可能な世界では、タイムマシンは決して発明されない」というものが有名だが、「ニーヴンの法則」と名付けられたものはいくつかある。詳しくは Niven's Laws(en) を参照。

作品一覧[編集]

ノウンスペース[編集]

  • プタヴの世界 (World of Ptavvs, 1966)
  • 地球からの贈り物 (A Gift from the Earth, 1968)
  • 中性子星 (Neutron Star, 1967) - 短編集 – ヒューゴー賞の短編小説部門を受賞した「中性子星」を収録
  • The Shape of Space (1969) - 短編集 - 未訳
  • プロテクター (Protector, 1973)
  • 太陽系辺境空域 (Tales of Known Space, 1975) - 短編集
  • 不完全な死体 (The Long Arm of Gil Hamilton, 1976) - 短編集
  • パッチワーク・ガール (The Patchwork Girl, 1980)

リングワールド・シリーズ[編集]

リングワールド・コンパニオン・シリーズ[編集]

エドワード・M・ラーナーと共著

  • Fleet of Worlds (2007) - 未訳
  • Juggler of Worlds (2008) - 未訳
  • Destroyer of Worlds (2009) - 未訳
  • Betrayer of Worlds (2010) - 未訳
  • Fate of Worlds (2012) - 未訳

Man-Kzin War アンソロジー[編集]

  • Man-Kzin Wars (1988) - 未訳
  • Man-Kzin Wars II (1989)- 未訳
  • Man-Kzin Wars III (1990)- 未訳
  • Man-Kzin Wars IV (1991)- 未訳
  • Man-Kzin Wars V (1992)- 未訳
  • Man-Kzin Wars VI (1994)- 未訳
  • Man-Kzin Wars V (1995)- 未訳
  • Man-Kzin Wars VI (1998)- 未訳
  • Man-Kzin Wars VII (2002)- 未訳
  • Man-Kzin Wars VIII (2003)- 未訳
  • Man-Kzin Wars IX (2005)- 未訳
  • Man-Kzin Wars X (2009)- 未訳
  • Man-Kzin Wars XI (2012)- 未訳
  • Man-Kzin Wars XII (2013)- 未訳

Man-Kzin 小説[編集]

  • Cathouse: A Novel of the Man Kzin-Wars (1990、Dean Ingと共著) - 未訳
  • The Children's Hour: A Novel of the Man-Kzin Wars (1991, ジェリー・パーネル、 S. M. スターリングと共著) - 未訳
  • Inconstant Star (1991、ポール・アンダースンと共著) - 未訳
  • A Darker Geometry (1996、 Mark O. Martin、グレゴリー・ベンフォードと共著) - 未訳
  • The Houses of the Kzinti (2002、Dean Ing、ジェリー・パーネル、 S. M. スターリングと共著) - 未訳
  • Destiny's Forge: A Man-Kzin Wars Novel (2007、 Paul Chafeと共著) - 未訳

アヴァロン・シリーズ[編集]

  • アヴァロンの闇 (The Legacy of Heorot, 1989) - ジェリー・パーネル、スティーヴン・バーンズと共著
  • アヴァロンの戦塵 (Beowulf's Children, 1995) - ジェリー・パーネル、スティーヴン・バーンズと共著
  • Destiny's Road (1997) - 未訳

その他 ジェリー・パーネルと共著[編集]

  • 悪魔のハンマー (Lucifer's Hammer, 1977)
  • 忠誠の誓い (Oath of Fealty, 1981)
  • 降伏の儀式 (Footfall, 1985)
  • Lucifer's Anvil or Samael's Forge (2013 in progress) - 未訳

インフェルノ・シリーズ

  • インフェルノ -SF地獄篇- (Inferno, 1976)
  • Escape from Hell (2009, インフェルノの続編) - 未訳

モート・シリーズ

  • 神の目の小さな塵 (The Mote in God's Eye, 1975)
  • 神の目の凱歌 (The Gripping Hand, 1994)

Golden Road Series

  • The Burning City (2000) - 未訳
  • Burning Tower (2005) - 未訳
  • Burning Mountain (2015年時点でin progress)

ドリーム・パーク シリーズ[編集]

スティーヴン・バーンズと共著

  • ドリーム・パーク (Dreampark, 1981)
  • The Barsoom Project (1989) - 未訳
  • The California Voodoo Game (1992, UK: The Voodoo Game) - 未訳
  • The Moon Maze Game (2011) - 未訳

その他 スティーブン・バーンズと共著[編集]

  • アナンシ号の降下 (The Descent of Anansi, 1982)
  • Achilles' Choice (1991) - 未訳
  • Saturn's Race (2001) - 未訳

ザ・ステート シリーズ[編集]

  • 時間外世界 (A World out of Time, 1976)
  • インテグラル・ツリー (The Integral Trees, 1984) - ローカス賞受賞[5]
  • スモークリング (The Smoke Ring, 1987)

魔法の国が消えていくシリーズ[編集]

ファンタジー

その他[編集]

短編集[編集]

  • 無常の月 (All The Myriad Ways, 1971) - 短編集、ヒューゴー賞の短編小説部門受賞「無情の月」収録
  • The Flight of the Horse (1973) - 未訳
  • Inconstant Moon (1973)- 未訳
  • A Hole in Space (1974) - 短編集、ヒューゴー賞の短編小説部門受賞「ホール・マン」収録
  • Convergent Series (1979)- 未訳
  • Niven's Laws (1984)- 未訳
  • Limits (1985)- 未訳
  • N-Space (1990)- 未訳
  • Playgrounds of the Mind (1991)- 未訳
  • Bridging the Galaxies (1993)- 未訳
  • Scatterbrain (2003)- 未訳
  • Larry Niven Short Stories Volume 1 (2003)- 未訳
  • Larry Niven Short Stories Volume 2 (2003)- 未訳
  • Larry Niven Short Stories Volume 3 (2003)- 未訳
  • The Draco Tavern (2006)- 未訳
  • Stars and Gods (2010)- 未訳
  • The Best of Larry Niven (2010)- 未訳

脚注・出典[編集]

外部リンク[編集]