結晶 SOUL LIBERATION

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結晶 SOUL LIBERATION
Original Loveスタジオ・アルバム
リリース
録音
  • 1991年5月 (1991-05)-1992年2月 (1992-2)
  • Studio Little Bach
  • Cherry Island
  • Sound Valley
  • Freedom Studio
  • Baybridge Studio
  • Burnish Stone Studio
  • Victor Aoyama StudioV
  • Nichion Studio
ジャンル
レーベル EASTWORLD ⁄ TOSHIBA EMI
CD:TOCT-6471
CD:TOCT-10431(再発)
EASTWORLD ⁄ EMIミュージック・ジャパン
CD:TOCT-26392(standard of 90's)
プロデュース
チャート最高順位
Original Love アルバム 年表
  • 結晶 SOUL LIBERATION
  • (1992年 (1992)
『結晶 SOUL LIBERATION』収録のシングル
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結晶 -SOUL LIBERATION-』(けっしょう ソウル・リベレイション)は、1992年5月1日に発売されたORIGINAL LOVE通算2作目のスタジオ・アルバム

解説

先行シングル「月の裏で会いましょう」[注釈 1]と、「ヴィーナス」[注釈 2]の2曲を収録。このアルバムについて後年、田島貴男は「その前までライブでやってた曲じゃなくって『結晶』は、新しいバンドメンバーになった前提で全部新しく書いた曲でやったから。あのメンバー全員でやる用に良い曲っていうことで。そういう意味でサウンドがメンバーとフィットしたかなって気はするけどね」と振り返っている。

今作では作詞を田島と木原龍太郎とが半分ずつ手がけているが、田島は「詞に関しては、音が出来る前に僕の中に歌いたい題材っていうのがあって。ある意味でそれにもとづいて曲を書いたところってのがあったから、この曲は僕が詞をつけたいっていう割り振りみたいなものは、なんとなくあったんです」「普段つきあっている、僕のまわりの人たちの心の中に、変化みたいなものが起こってきた。っていうのを去年、生活しているうちに感じて、それを題材として詞を書いたんです。僕がそれを書いたこと自体、僕も変化してたっていうことなんだと思うんですけれど、例えば『心理学』っていう曲だと、セックスとかオカルトっていう方向性で書いたんです。自分の判断力として霊とか超能力とか、っていうのに頼る人が出てきた。テレビをつければそういう特集番組を年中やっているし。僕のまわりにはいたんです」と、リリース当時のインタビューで答えている。

音作りでこだわった点については「1枚目はアレンジの段階でいろんな音を入れたくなったんですが、今回はフォー・リズムにこだわりました。ベース、ドラム、コード楽器、サックスだけでアレンジしていった」「とにかくシンプルなアレンジでいきたかったから、ドラムとベースの音にはすごく気を配りました。今のサウンドシステムを使って、いかにグルーヴが感じられるドラムの音を録るかってことにはすごくこだわりました」と、答えている。

アルバムタイトルについては「愛の結晶とか、血と汗と涙の結晶、今までの音楽活動の結晶という意味でつけたんじゃ全然なくて。生きることって言ったらいいのかな? 常に変化する“何か”っていうか…、成長する結晶みたいなさ。そういう力とか、作用とか…。そういったものが今回のアルバムの根底に流れてるものとしてあって、それを象徴する言葉として『結晶』ってつけました。俺たちは成長したぞとか、そういう意味はなくて、まるで生きてるような生命力っていうこと」「ある意味で日記的なのかもしれないですね。『LOVE! LOVE! & LOVE![注釈 3]では、歌とか曲としての作り方をしてて。それが今回はもっと素直になって、純粋に歌い手が生活する上で感じた何かっていう感じですね」と、答えている。

M-2「月の裏で会いましょう (Album Version)」は、アルバム収録に際しテンポアップされ、イントロにサックスのブレイクが追加されたアルバム・ヴァージョンで収録、M-3「ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ (Album Version)」は、コンサート会場で限定販売されていたアナログ12インチ「MILLION SECRETS OF JAZZ」[注釈 4]収録のテイクに対し、ベースをシンセ・ベースからエレキ・ベースに差し替えたアルバム・ヴァージョン。

アートワーク、パッケージ

アルバムのデザインについて、信藤三雄は「“結晶”っていう文字は秋吉敏子から。彼女のアルバムで“秋吉敏子”って漢字で入ってるアルバムがあって、それがすごくカッコいいんですよ。それで筆文字で漢字で入れるってのもアリだなあって思って入れました」と答えている。ジャケットに漢字を刷り込んだのはこれが初めてだったが、「なんか毎回一つくらい新しいことを取り入れたいんですよね。まあそれが僕のモットーですかね」という[1]。バンド・メンバー全員でのショットは東芝EMIスタジオ・テラで撮影された。

評価

雑誌『レコード・コレクターズ』2016年7月号の特集「90年代の邦楽アルバム・ベスト100」では95位に選出。コメントで「渋谷系の流れを受け継ぐ今のシティ・ポップと呼称される音楽の源流を辿れば間違いなくこの作品にぶつかる」[2]と評された。

収録曲

  1. 心理学 PSYCHOLOGY  – (6'26")
    作詞 · 作曲:田島貴男
  2. 月の裏で会いましょう LET'S GO TO THE DARKSIDE OF THE MOON (Album Version)  – (4'54")
    作詞:木原龍太郎 ⁄ 作曲:田島貴男
  3. ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ MILLION SECRETS OF JAZZ (Album Version)  – (6'04")
    作詞 · 作曲:田島貴男
  4. スクランブル SCRAMBLE  – (4'47")
    作詞:木原龍太郎 ⁄ 作曲:田島貴男
  5. 愛のサーキット LOVE CIRCUIT  – (6'18")
    作詞 · 作曲:田島貴男
  6. フレンズ FRIENDS  – (4'45")
    作詞:木原龍太郎 ⁄ 作曲:田島貴男
  7. スキャンダル SCANDAL  – (5'54")
    作詞 · 作曲:田島貴男
  8. フェアウェル フェアウェル FAREWELL FAREWELL  – (5'41")
    作詞:木原龍太郎 ⁄ 作曲:田島貴男
  9. ヴィーナス THE VENUS  – (5'31")
    作詞:木原龍太郎 ⁄ 作曲:田島貴男
  10. セレナーデ SERENADE  – (4'41")
    作詞 · 作曲:田島貴男

クレジット

Produced by     Takao TAJIMA
Co-Produced by     Yasushi IDE
All Songs are Aranged by     ORIGINAL LOVE
Recorded and Mixed by     Yasuaki “V” SHINDOH
Recorded by     Akitsugu DOI (M-2,3,9), Masaki TAKAMURA (Onkio Haus) (M-7,8)
Assistant Engineerd by     Tomoko NOZAKI (Little Bach), Manabu SAKURAI (Cherry Island),
Masataka ITO (Sound Valley),
Minoru YASUDA, Takashi SAKANE (Freedom Studio),
Yoichi TOKUNAGA (Baybridge Studio),
Yutaka UEMATSU (Burnish Stone Studio), Katsutoshi OHURA (Nichion Studio),
Yoko OHTA, Yutaka SHIMOYAMA (Victor Aoyama Studio)
Recorded at     Studio Little Bach, Cherry Island, Sound Valley,
Freedom Studio, Baybridge Studio, Burnish Stone Studio,
Victor Aoyama Studio, Nichion Studio
Mixed at     Victor Aoyama Studio
Masterd by     Bob LUDWIG at Masterdisc (New York) (M-2,4,6,8,10)
Masao NAKAZATO (Onkio Haus) at Onkio Haus (Tokyo) (M-1,3,5,7,9)
Recorded from     May 1991 - Feb 1992
   *   
ORIGINAL LOVE are Takao TAJIMA  :  Vocals, Chorus, Acoustic Guitar & Electric Guitar
Takashi MURAYAMA  :  Electric Guitar, Electric Sitar
Ryutaro KIHARA  :  Keyboards
Nobuyuki MORI  :  Sax, Flute
Shigeo MIYATA  :  Drums
 
GUEST MUSICIANS
Tomio INOUE  :  Electric Bass
Hiroyuki HANADA  :  Electric Guitar (M-4)
Neko SAITO  :  Violin (M-10)
Yunker HANAJI  :  Percussions (M-1,2,3,4,5,6,8,10)
Mataro MISAWA  :  Percussions (M-5,6,9)
ASA-CHANG  :  Percussions (M-5)
(Appears by The Courtesy of EPIC SONY, Tokyo Ska Paradise Orchestra)
Megumi MASHIRO  :  Chorus (M-4,6)
(Appears by The Courtesy of SONY RECORDS, Trefort, Rotten Hats)
Special Thanks to     Seiji HIRAI (Brian Police), Tsuyoshi NAKATA (IRc2 Corporation),
Ritsuko HONMA (CS Artists), Nobuhiro HATA (Trefort),
Yoko UENO (ZABADAK), Shinya KOGURE (Rotten Hats), Hitoshi BABA,
Tsuyoshi TAKASHIRO, Banana Chips Love Staff,
Burning Publishers, Club Quattro, Greatest Hits, K's Work,
Hitoshi SHIMURA, Koji NARITA (Kyodo Promotion), Aba House
   *   
Exective Producers  :  Kei ISHIZAKA (TOSHIBA EMI)
Junya NAKASONE (TOSHIBA EMI)
Seizo SHIMOKOBE (TOSHIBA EMI)
Ichiro ASAZUMA (FPMP)
A&R Chief  :  Masanobu KONDO (TOSHIBA EMI)
A&R Directors  :  Nobuo UESAKA (FPMP)
Masakazu HIRATA (TOSHIBA EMI)
Heads of Promotion  :  Izumi AWANO (TOSHIBA EMI)
Kyoko KOIZUMI (TOSHIBA EMI)
Koji SHIRAKAWA (TOSHIBA EMI)
Public Relation  :  TOSHIBA EMI Domestic 1st Division 1st and 3rd Promotion Section
Sales Promotion  :  Naoyuki NISHIKAWA (TOSHIBA EMI)
Hiroshi ARAI (TOSHIBA EMI)
Teruo HOSHI (TOSHIBA EMI)
Syunichi OTOMO (TOSHIBA EMI)
   *   
Artist Management  :  Yasushi IDE (King Cobra)
   *   
Art Direction  :  Mitsuo SHINDO (Contemporary Production)
Design  :  Koichi FUJIKAWA (C.T.P), Masako SAITO (C.T.P), Satoshi NAKAMURA (C.T.P)
Photo  :  Kenji MIURA (Lightsome)
Stylist  :  Ayumi SHINO
Hair Make  :  Akemi NAKANO, Mika KANZAKI

Standard of 90'sシリーズ

解説

2007年10月24日に『standard of 90's』シリーズの一つとして、24bit デジタル・リマスタリング、紙ジャケット仕様の田島貴男監修・公認盤として再発。ボーナス・トラックにM-11「月の裏で会いましょう (Single Version)」とM-12「ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ (Tajima Takao Mix)」が追加収録されたが、M-12は12インチ・シングル収録のものと同内容。また、M-9「ヴィーナス」はオリジナル盤とヴォーカル・トラックが異なり、エンディングも10秒程短い。また、オリジナルの歌詞カードのクレジットでは、ゲスト・プレイヤーの花田裕之参加曲が「スクランブル」となっていたが、「愛のサーキット」に訂正された。

2013年7月24日にはSHM-CDフォーマットにて再発された(CD:TOCT-95193)。

収録曲

  1. 心理学 PSYCHOLOGY  – (6'24")
  2. 月の裏で会いましょう LET'S GO TO THE DARKSIDE OF THE MOON (Album Version)  – (4'53")
  3. ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ MILLION SECRETS OF JAZZ (Album Version)  – (6'02")
  4. スクランブル SCRAMBLE  – (4'46")
  5. 愛のサーキット LOVE CIRCUIT  – (6'17")
  6. フレンズ FRIENDS  – (4'44")
  7. スキャンダル SCANDAL  – (5'52")
  8. フェアウェル フェアウェル FAREWELL FAREWELL  – (5'38")
  9. ヴィーナス THE VENUS  – (5'20")
  10. セレナーデ SERENADE  – (4'39")
    <BONUS TRACK>
  11. 月の裏で会いましょう LET'S GO TO THE DARKSIDE OF THE MOON (Single Version)  – (4'29")
    作詞:木原龍太郎 ⁄ 作曲:田島貴男 ⁄ 編曲:オリジナル・ラヴ
  12. ミリオン・シークレッツ・オブ・ジャズ MILLION SECRETS OF JAZZ (Tajima Takao Mix)  – 6'04"
    作詞 · 作曲:田島貴男 ⁄ Remixed by Tajima Takao

スタッフ

マスタリング監修:田島貴男
マスタリング・エンジニア:小鐵徹 (JVC マスタリングセンター)
ロゴ・デザイン:コンテムポラリー・プロダクション
 
シリーズ総合監修:太田浩 / 山崎二郎 (バァフアウト! 編集長)
 
ライナーノーツ:佐野郷子 (Do The Monkey)

脚注

注釈

  1. ^ 月の裏で会いましょう1991年11月20日発売 EASTWORLD ⁄ TOSHIBA EMI SCD:TOCT-2731
  2. ^ ヴィーナス」 1992年4月8日発売 EASTWORLD ⁄ TOSHIBA EMI SCD:TOCT-2796
  3. ^ LOVE! LOVE! & LOVE!』 1991年7月12日発売 EASTWORLD ⁄ TOSHIBA EMI 2CD:TOCT-6196/7
  4. ^ 「MILLION SECRETS OF JAZZ」 1991年12月発売 12inchEP:OL-001

出典

  1. ^ 『design by contemporary production シーティーピーピーのデザイン』 1996年8月30日発行 光琳社出版
  2. ^ 「特集 90年代の邦楽アルバム・ベスト100」『ミュージック・マガジン』第48巻第7号、株式会社ミュージック・マガジン、2016年7月1日、30-77頁、JAN 4910084790765 

外部リンク

Original Love Official Web Site
その他