ORIGINAL LOVE (アルバム)

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ORIGINAL LOVE
ORIGINAL LOVEスタジオ・アルバム
リリース
録音
  • TEIKYO UNIV.
  • STUDIO PENTA
  • PANIC STUDIO
  • IMAGE VOX STUDIO
  • MINT SOUND STUDIO
  • STUDIO ANTIKNOCK
  • VIVID SOUND STUDIO
ジャンル
レーベル
  • JALA JALA RECORDS ⁄ VIVID SOUND
  • WONDERFUL WORLD(CD再発)
プロデュース 和田博巳
ORIGINAL LOVE アルバム 年表
-
  • ORIGINAL LOVE
  • (1988年 (1988)
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ORIGINAL LOVE』(オリジナル・ラヴ)は、1988年8月1日 (1988-08-01)に発売されたORIGINAL LOVEのメジャー・デビュー以前のスタジオ・アルバム

解説[編集]

田島貴男ピチカート・ファイヴへの加入直後にリリースされたインディーズ盤。前身である“レッド・カーテン”を含め、それまでに2枚のオムニバス・アルバム[注釈 1][注釈 2]を通じて作品を発表してきたオリジナル・ラヴにとって、単独名義のフル・アルバムとしては最初の作品。メンバーは田島のほか村山孝志(Guitar) · 小里誠(Bass) · 秋山幸広(Drums)。

このアルバムについて後年田島は「もともとは僕がピチカート・ファイヴに加入することになったせいでオリジナル・ラヴとしてのレコードが出せなくなっちゃう、と。それで記念にってことで、とりあえず作ったアルバムなんです。録音なんか楽器ごとにあちこちでやって。機材も最低だったし。デモ・テープの寄せ集めに毛が生えたようなもんですよ。オリジナル・ラヴのサウンドとしては、むしろこれ以前の時期のほうが面白かったんです。その頃のライブ・テープとかも出回っていて、そっちのほうがクオリティは高いかもしれない。このアルバム、今となってはちょっと胸の奥にしまっておきたいようなものですね、僕にとっては」[1]という。

このアルバムが制作されるに至るまで、オリジナル・ラヴはその音楽性を幾度か変化させてきたが、その経緯について田島は「そもそもレッド・カーテンを作ったきっかけっていうのは、自分の曲がたくさん出来ちゃってたから、それを発露したかったんです。具体的に“どういう音楽をやりたいんだ?”ってヴィジョンはなかったんだけど…オリジナル・ラヴもそうなんだけど…レッド・カーテンをやることによって“ポップな音楽っていうのは、どういう音楽なんだろう?”っていうことを探していきたかったっていうか、そんなことをやってた気がしますね」「だからなのか、僕たちがやってたことは、その当時からどこにも入らないような感じでしたね。当時“ネオGS”って呼ばれているバンドたちがあって、結構盛り上がってたんですよ。僕らも彼らが作ったコンピ盤[注釈 1]に参加したから、そういった人たちとのくくりで見られることも多かったけど、ネオGSをやっているっていう意識はやっぱりなかったな。ヘンなニュー・ウェーブっていうか、聴きようによっちゃあ、サイケにも聴こえるし、モノクローム・セットっちゃあモノクローム・セットとも言える、煮え切らないサウンドだったんじゃないですかね」「で、'88年にバンド名がレッド・カーテンからオリジナル・ラヴに変わるのかな? バンド名を変えるにあたって特に気持ちの変化はなかったけど、やりたい音楽は少しずつ変わってきてたんですよ。レッド・カーテンの頃はビートバンドみたいな感じが強かったけど、その頃からそうじゃない感じの音楽をやりたいと思い始めてて。ビッグバンド・ジャズとかジャイヴ・ミュージックとか。つまりポップミュージックのルーツですよね。それはロックンロールのルーツって言い換えてもいいんですけど、そのルーツを辿るっていうのは当時からやってたんです。チャック・ベリーであったり、ルイ・ジョーダンであったり。デビュー当時まで“キャブ・キャロウェイになりたい、ルイ・ジョーダンになりたい”って気持ちはずっと続いてましたね」「'85年から5〜6年間はブラック・ミュージックにどっぷりハマってた時期。ずーっとブラック・ミュージックばっかり聴いてた。その頃はソウル・ミュージックが好きになってソウルっぽい曲を書こうとするんだけど、どうやって書いたらいいかわかんなくて。まず、グルーヴっていうのをどういうふうに出していいか、さっぱりわからない。だってその前までは、パンクの圧縮されたような8ビートがビートの本質だと思ってたのに、突然それが“横揺れで…”とか“ここでタメて…”みたいなことになってるわけだからね。“2拍目をタメるのか? 3拍目をタメるのか”とか、そういうことで悩んでましたよ。それは自分にとって大きな変化でしたね」[2]と答えている。この発言を裏付けるように、A-3<TALKIN' PLANET SANDWICH>はレッド・カーテン名義で参加した『ATTACK OF... MUSHROOM PEOPLE』[注釈 1]収録のもとはアレンジが大幅に変更されている。またB-1<ORANGE MECHANIC SUICIDE>、B-3<DARLIN'>、B-4<BODY FRESHER>は後にメジャーデビュー・アルバム『LOVE! LOVE! & LOVE![注釈 3]にも収録されるが、アレンジが大きく変更されたほか、<DARLIN'>と<BODY FRESHER>は歌詞の一部が変更されている。また、B-2<X'mas NO HI>は『MINT SOUND'S CHRISTMAS ALBUM』[注釈 2]収録のものと同じ。

<ORANGE MECHANIC SUICIDE>は、後にベスト・アルバム変身[注釈 4]にも収録されたほか、<X'mas NO HI>は『変身』[注釈 4]と同時にリリースされたデビュー10周年記念BOX SET『変身セット』[注釈 5]同封の『変身』のボーナス・トラックとして収録された。また、<BODY FRESHER>は『変身セット』[注釈 5]同封のヒストリー・ヴィデオ『ten years after』に収録された、ライヴ映像による同曲のメドレーで、この当時の演奏がわずかながら見ることが出来る。

ジャケット裏面のメンバー・クレジットのうち、村山のアルファベット表記が誤って“TAKASHI MURATAMA”となっている。

インディーズからのリリースだったこともあってしばらく入手困難な状態が続いたが、2000年10月24日 (2000-10-24)に田島自身の事務所である“ワンダフル・ワールド”からCDにて再リリースされた。その後2011年 (2011)にリリースされたCD+DVDによる2枚組コンプリート・アーリー・デイズ盤『RED CURTAIN Original Love early days[注釈 6]に、前身である“ザ・レッド・カーテン”のライヴ音源と、ミント・サウンドのオムニバス・アルバム『ATTACK OF... MUSHROOM PEOPLE』[注釈 1]収録曲に加え、本作全曲も、田島本人によるデジタル・リマスタリングにて収録された。さらに、2021年 (2021)リリースのデビュー30周年記念ベスト・アルバムFlowers bloom, Birds tweet, Wind blows & Moon shining[注釈 7]に、「TALKIN' PLANET SANDWICH」「ORANGE MECHANIC SUICIDE」の2曲が収録された。

収録曲[編集]

side A[編集]

  1. ORIGINAL LOVE (BODY FRESHER II)
  2. CAUTION (100 SECRETS OF LOVE)*
  3. TALKIN' PLANET SANDWICH
  4. Mr.BIG ROCK

side B[編集]

  1. ORANGE MECHANIC SUICIDE
  2. X'mas NO HI*
  3. DARLIN'
  4. BODY FRESHER

クレジット[編集]

  • ORIGINAL LOVE ARE
    • TAKAO TAJIMA : YAMAKI Acoustic Guitar, Vocals
    • TAKASHI MURAYAMA : 6st-Electric Guitar, 6st & 12st W-Neck Electric Guitar
    • MAKOTO ORI : Bass, Keyborads
    • YUKIHIRO AKIYAMA : Drums, Percussions


  • Guest Players (Threr Heros)
    • HIROKI MIYAKOSHI : Alto saxophone & Solo
    • HIROSHI ZENPOH : Tenor Saxophone
    • HIROYUKI NISHIOKA ; Trumpet


  • Mixed by SATORU FUJII & ORIGINAL LOVE, *TAKASHI DATE


  • Very Spcial Thanks to
    • (ONLY YOU) MIKI KANEKO
    • (IMAGE VOX) TAKAO HISA
    • (WOW WOW HIPPIES) SHINYA KOGURE
    • (LA MAMA) Mr.OHMORI
    • HITOSHI BABA
    • TAKASHI DATE
    • STINKY KOMORI


  • Photograph : (front) EMANUE BOVET, (back) YASHUHIRO NAKAMORI


  • Art Wark : SATORU FUJII



  • Produced by HIROMI WADA


  • All Songs Written by T.TAJIMA

レコーディング・データ[編集]

  Dr・Rec Rec O・Dub Mix
at machine by at machine by at machine by at machine by
CAUTION §   § ● ₡
Mr.BIG ROCK € ₡
ORANGE MECHANIC SUICIDE € ₡
X'mas NO HI § § ● ₡
BODY FRESHER # # € ₡
Others € ₡
  • † : TEIKYO UNIV.
  • ¶ : STUDIO PENTA
  • § : PANIC STUDIO
  • * : IMAGE VOX STUDIO
  • ♀ : MINT SOUND STUDIO
  • # : STUDIO ANTIKNOCK
  • ∇ : VIVID SOUND STUDIO    
  • ♪ : 4tr CASSETTE
  • ♠ : TASCAM 8tr
  • ♣ : TASCAM 16tr X    
  • ♣ : TASCAM 16tr
  • ♦ : OTARI 16tr
  • ♥ : FOSTEX 16tr
  •  
  • ● : TAKSAHI DATE
  • ○ : M・ORI
  • ▽ : TOMOKI HASEGAWA    
  • ◇ : STINKY KOMORI
  • ▼ : Mr.ISHIHARA
  • € : SATORU FUJII
  • ₡ : ORIGINAL LOVE

リリース日一覧[編集]

地域 リリース日 レーベル 規格 カタログ番号 備考
日本 1988年8月1日 (1988-08-01) JALA JALA RECORDS ⁄ VIVID SOUND
LP
JL-001  
2000年10月24日 (2000-10-24) WONDERFUL WORLD
CD
WWCO-004 全曲『RED CURTAIN Original Love early days』に収録。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ a b c d 『ATTACK OF... MUSHROOM PEOPLE』 1987年4月15日 (1987-04-15)発売 MINT SOUND RECORDS LP:MSR-1004
  2. ^ a b 『MINT SOUND'S CHRISTMAS ALBUM』 1987年12月発売 MINT SOUND RECORDS LP:MSR-1008
  3. ^ LOVE! LOVE! & LOVE!』 1991年7月12日 (1991-07-12)発売 EASTWORLD ⁄ 東芝EMI 2CD:TOCT-6196/7
  4. ^ a b 変身』 1999年3月17日 (1999-03-17)発売 PONY CANYON CD:PCCA-01288
  5. ^ a b 『変身セット』 1999年3月17日 (1999-03-17)発売 PONY CANYON 2CD+VHS:PCCA-01289
  6. ^ RED CURTAIN Original Love early days』 2011年3月2日 (2011-03-02)発売 WONDERFUL WORLD RECORDS CD+DVD:WWCO-005
  7. ^ Flowers bloom, Birds tweet, Wind blows & Moon shining』 2021年12月29日 (2021-12-29)発売 WONDERFUL WORLD RECORDS / VICTOR ENTERTAINMENT / JVCKENWOOD Victor Entertainment Corp. 3CD:VICL-65634~6【通常盤】, 4CD+Blu-ray:VIZL-1982【完全生産限定盤】

出典[編集]

  1. ^ 月刊カドカワ』1994年7月号(角川書店)33ページ 1994年7月1日発行
  2. ^ 『MORE BETTER』Vol.13(ソニー・マガジンズ)65~72ページ 1999年7月5日発行

外部リンク[編集]