献立

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モスクワ、Kammergansky PerelukのSergeyレストランでのビジネスランチメニュー

献立(こんだて)またはメニューとは、レストランなどで、食事を決める選択肢を示すための小冊子または張り紙・ボードなどである。メニューは一品料理または定食のいずれかである。

メニューはまた、より一般的な意味で、特定の地域や文化で一般的な食品の選択および食事と同義である。

歴史

中華料理店「鏞記酒家」のメニュー

メニューは、他の料理用語同様に、フランス語が語源である。ラテン語で小さく作ったものを意味するminutusに由来し、フランス語で詳細なリストや履歴書を意味するようになった。客に選択を提供した最初のメニューは小さい黒板(フランス語の「a carte」)に書かれた。これにより、メニューから選ばれる料理は「黒板に従って」を意味するアラカルト(à la carte)と呼ばれる。

中国(960年-1279年)の時代、商人層に主に提供される初期のレストランの発展に伴い、献立の起源が見つかっている。[1]

初期のレストランは現在のようなメニューを持たなかった。ターブルドート(定食)店ではシェフまたは経営者が選んだ料理が提供され、客は現在の宴会と同様に店舗がその日に提供する料理を食べるものであった。現在のメニューは18世の後半に最初に現れた。ここでは、共通に提供される料理ではなく、レストランが客の選択で注文されて作る料理の一覧から選択する。定食店は定価であったが、メニューでは選択した分の価格である。[2]

献立は、日本では平安時代の三献の議[3]から発展し、室町時代に式三献などの形式が確立した本膳料理や酒宴の内容を記録したものであった。響宴の記録の献立表は「類聚雑要抄」[4](平安時代)、「大饗記」[5](室町時代)などに記されている。

日本での献立指針

嗜好、費用、栄養、手間、技術、時間等を総合的に考えて計画することが大切である。献立の作成の手順としては、おかず主食、その他のおかず、のみものの順(おかずと主食は逆でもよい)で決めてから栄養を考えるとよいとされる。実際には、冷蔵庫の中身や予算によって左右されることも多い。 栄養に関しては食品群別摂取量の概量を目安に食品の組み合わせを考えるとよい。

厚生省(現・厚生労働省)は1985年に「食生活指針」を発表した。ただし同指針では1日に30品目以上の食品を食べるように指導していたのだが、必ず30品目となるようにすると、夕食時、余計な食品を摂りすぎてしまい、肥満睡眠障害を引き起こしうることから、”30品目以上”というのは2000年の食生活指針からはずされた。

栄養の観点からは、食品をカテゴリ(食品群)に分け、それぞれのカテゴリからバランスよく摂ることが望ましいので[6]、そのバランスの目安として、2006年に厚生労働省と農林水産省は「食事バランスガイド」を策定した[7]

メニュー表記

印刷されたメニューにみられる表記は、広告の形態として、宣伝文句がよく知られる。調理過程を頻繁に強調し、魅力的な材料で注意を引き、フランス語や他の外国語表記を追加し、料理を洗練され魅惑的に見せる。メニュー表記の目的の一部は、レストランで提供される料理には、家庭で同様の料理を調理できないような技術、設備、および魅力的な材料が必要であるという認識を、客に印象づけることがある。

特定のメニュー

脚注

  1. ^ Gernet, Jacques (1962). Daily Life in China on the Eve of the Mongol Invasion, 1250-1276. Translated by H. M. Wright. Stanford: Stanford University Press. ISBN 0-8047-0720-0. Page 133.(英語)
  2. ^ Rebecca L. Spang, The Invention of the Restaurant: Paris and Modern Gastronomic Culture (Harvard, 2000: ISBN 0-6740-0685-2)(英語)
  3. ^ 日本の飲酒文化 [[月桂冠 (企業)|]] お酒の事典
  4. ^ 行幸の演出 風俗博物館
  5. ^ 貴重書紹介 > 大饗記 慶応技術図書館
  6. ^ 『見てわかる!栄養の図解事典』p.10-18
  7. ^ 『見てわかる!栄養の図解事典』p.10-18

関連項目