河原万吉
河原 万吉(かわはら まんきち、1896年 - 1981年)は、日本の翻訳家、書誌学者、評論家。
福島県耶麻郡喜多方町(現喜多方市)に五十嵐六七八の次男として生まれる。会津中学校中退。1918年より二年間軍役に服したのち、栃木県の河原仁三郎の養子となる。1923年上京し、新光社を経て万有文庫刊行会に勤め、翻訳を手がける。その一方、江戸時代の書誌研究・出版を行う。1930年東洋思想学者宇多尚に師事し、日華文化交渉史、日本精神史の研究を行う。
1938年4月陸軍省嘱託として北京師範大学助教授、7月教授となるが病気のため10月辞職、帰国後は著述に専念し、戦後はオリオン社の通信添削国語科担当。
著書
- 猥談奇考 とほす 潮文閣 1928.5
- 日本十日物語 天ノ卷 潮文閣 1928.6
- 古書通 四六書院 1930 (通叢書)
- 古今いかもの通 四六書院 1930 (通叢書)
- 珍本物語 汎人社 1931
- 日本艶本解題 古書解題之内 古書解題発行所 1931
- 珍籍燭談 古書研究会 1933.6
- 古書叢話 啓文社 1936
- 稀籍考 竹酔書房 1936 (考文庫 第1輯)
- 趣味の古書通話 啓文社 1937
- 五大革新史論 霞ケ関書房 1941
- 日本の夜明け 霞ケ関書房 1942
- 国家興亡の法則 新興亜社 1943
- 吉野の皇子 日本出版社 1943
- 國旗と萬歳 起原と發達 清水書房 1943.11
- 国学の三傑 潮文閣 1944
- 那南の星-烏山高校の創設者・川俣英夫 下野人物風土記第3集 栃木県連合教育会 1970
- 稀本・艶本・珍本解題 第1-4巻 ゆまに書房 2008.4 (書誌書目シリーズ)
翻訳
- 神曲 詩集・新生 ダンテ 万有文庫 1926-1927
- 社会契約論 ルソウ 万有文庫 1927
- 青い鳥・ペレアスとメリサンド メーテルリンク 万有文庫 1927
- 戦争と平和 上巻 トルストイ 潮文閣 1927 (万有文庫)
- デカメロン・フィアンメッタ ボツカチオ 潮文閣 1927 (万有文庫)
- 人口論 マルサス 万有文庫 1927
- 意志と現識としての世界 ショーペンハワー 潮文閣 1927 (万有文庫)
- シェークスピア物語 チャールズ・ラム 万有文庫 1927
- 春のめざめ・地霊 フランク・ヴエデキント 負けた人 シユミツト・ボン 潮文閣 1927 (万有文庫)
- ボヴァリイ夫人 フローベル 万有文庫刊行会 1927
- イリアード ホオマア 万有文庫 1927
- 女の一生 モウパツサン 万有文庫 1927
- 居酒屋 エミール・ゾラ 潮文閣 1927 (万有文庫)
- 相互扶助論 クロポトキン 潮文閣 1927 (万有文庫)
- フランス革命史 トマス・カアライル 潮文閣 1927-1928 (万有文庫)
- 天界と地獄 スエデンボルグ 新生堂 1930
編纂
- 日本情痴集 室町鎌倉篇 万里閣書房 1927
- つゞれの錦 渡辺崋山 南郭社 1927 (箕居叢誌)
参考文献
- 「稀本・艶本・珍本解題」ゆまに書房 2008