桑田立斎

桑田 立斎（くわた/くわだ りゅうさい、1811年8月28日（文化8年7月10日）- 1868年9月7日（明治元年7月21日））は、江戸時代末期（幕末）の蘭学者、医師である。本姓は村松氏、名は和。字は好爵。

経歴・人物

村松正親の三男として越後の新発田に生まれる。1837年（天保8年）江戸に入り坪井信道の門人となり、日習堂にて蘭学や医学を学んだ。1841年（天保12年）1月に桑田玄真の養子となり、桑田姓に改めて痘瘡の予防接種の手法を学ぶ。これによって、翌1842年（天保13年）4月に同地の深川の萬年橋付近で小児科を開院し、診察にあたった。

1849年（嘉永2年）には、当時長崎の出島に滞日していたオットー・ゴットリープ・モーニッケの牛痘の予防接種の手法を承認して、約10万人の幼児に接種する。これにより、1857年（安政4年）に蝦夷地で痘瘡が流行した際には、開発計画の1つとして深瀬洋春と共に同地を探査し、アイヌに接種することが承認された。この業績により、7,000人ものアイヌに接種を実行し、幕末の蝦夷地における医療の発達に貢献した。

また医学以外にも、幼児の栄養学や育児に関する著書を多く出版した。没後、東京都台東区にある保元寺（法源寺）に葬られた。

主な著作物

主著

• 『愛育茶譚』- 1853年（安政元年）刊行。
• 『牛痘発蒙』

その他の著書

• 『引痘要略解』

出典

• デジタル版 日本人名大辞典+Plus（講談社）『桑田立斎』- コトバンク
• 朝日日本歴史人物事典（朝日新聞出版）『桑田立斎』- コトバンク
• 日本大百科全書（小学館）『桑田立斎』- コトバンク