堀越孝一

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
堀越 孝一
人物情報
生誕 (1933-10-23) 1933年10月23日
日本の旗 日本東京市
死没 2018年9月18日(2018-09-18)(84歳)
出身校 東京大学
学問
研究分野 歴史学(西洋史)
研究機関 学習院大学
テンプレートを表示

堀越 孝一(ほりこし こういち、1933年10月23日 - 2018年9月8日)は、日本の西洋史学者。学習院大学名誉教授瑞宝中綬章受章。

経歴[編集]

1933年、東京市滝野川区(現東京都北区)生まれ。東京都立北園高等学校を経て、1956年東京大学文学部西洋史学科を卒業。卒業後は高校非常勤講師を務めた。1959年には堀一孝の筆名で柴田翔らの同人誌『犀』に参加[1]

1960年に東京大学大学院に入学し、堀米庸三に師事した。1966年、博士課程満期退学し、茨城大学講師となった。1968年に助教授昇進。1971年から一年間、文部省在外研究員としてパリに滞在。1974年、学習院大学助教授となり、1976年より教授。2001年より人文科学研究所長。在任中には、数度にわたり滞仏・滞在した。2004年に定年退職し、名誉教授となった。2018年9月8日、胆嚢癌のため84歳で死去[2]

受賞・栄典[編集]

研究内容・業績[編集]

ヨハン・ホイジンガの学問を受け継ぎ、西洋中世を専門とするが、関心は美術、詩などの面にまで及ぶ幅広いもので、レンブラントヴィヨンについての著作もある。

著書[編集]

単著[編集]

  • ジャンヌ=ダルク――百年戦争のうずの中に』(清水書院〈センチュリーブックス〉, 1975年/清水新書, 1984年)
    • 『ジャンヌ=ダルク』(朝日新聞社朝日文庫〉, 1991年)
    • 新訂版『ジャンヌ=ダルクの百年戦争』(清水書院〈新・人と歴史〉, 2017年)
  • 『世界の歴史(8)ヨーロッパ世界の成立』(講談社, 1977年)。堀米庸三と共著表記だが実質は単著
  • 『人間の世界歴史(6) 回想のヨーロッパ中世』(三省堂, 1981年)
  • 『いま、中世の秋』(小沢書店, 1982年/中公文庫, 1987年)
  • 『遊ぶ文化――中世の持続』(小沢書店, 1982年)
  • 『日記のなかのパリ――パンと葡萄酒の中世』(TBSブリタニカサントリー博物館文庫」, 1985年)
  • 騎士道の夢・死の日常――中世の秋を読む』(人文書院, 1987年)
  • 『歴史のなかの若者たち(2) 青春のヨーロッパ中世』(三省堂, 1987年)
    • 増訂版『人間のヨーロッパ中世』(悠書館, 2012年)。「回想のヨーロッパ中世」を併せた版
  • 『中世の精神』(小沢書店, 1990年)
    • 増訂版『中世ヨーロッパの精神』(悠書館, 2019年)。「ヴィヨン遺言詩注釈」ほか、弟子の解説
  • 『画家たちの祝祭――十五世紀ネーデルラント』(小沢書店, 1990年)
  • 『軍旗はブラシュの花印』(小沢書店, 1991年)
  • 『わがヴィヨン』(小沢書店, 1995年)
    • 増訂版『放浪学生のヨーロッパ中世』(悠書館, 2018年)。「いま、中世の秋」を併せた版
  • ブルゴーニュ家――中世の秋の歴史』(講談社現代新書, 1996年)
  • 『教養としての歴史学』(講談社現代新書, 1997年)
  • 『飛ぶ鳥の静物画』(図書新聞, 2004年)
  • 『わが梁塵秘抄』(図書新聞, 2004年)
  • 『日本の中世の秋の歌『閑吟集』を読む』(悠書館(上・下), 2023年)

共著[編集]

編著[編集]

  • 『世界を創った人びと(18) レンブラント――オランダが生んだ明暗の画家』(平凡社, 1979年)
  • 『歴史を読む――堀越孝一編著歴史論集』(東洋書林, 1998年)
  • 『新書ヨーロッパ史――中世篇』(講談社現代新書, 2003年)
  • 『円卓 古稀の堀越孝一を囲む弟子たちの歴史エッセイ集』(関哲行・石渡明夫・網野公一編、東洋書林, 2006年)
  • 『騎士道百科図鑑』、コンスタンス・B・ブシャード監修(悠書館, 2011年)、訳書監修
  • 『悪の歴史 西洋編(下)』(清水書院, 2018年) 

訳書[編集]

  • ホイジンガ『中世の秋』(中公文庫(上・下), 1976年、改訂版2018年、Kindle版2021年/中公クラシックス(Ⅰ・Ⅱ), 2001年)
    • 初刊:中央公論社「世界の名著55」, 1967年、新版・中公バックス、1979年/中央公論社(単行版), 1971年。解説堀米庸三
  • ホイジンガ『朝の影のなかに――わたしたちの時代の精神の病の診断』(中央公論社, 1971年/中公文庫, 1975年)
  • チャールズ・ウイルスン『オランダ共和国』(平凡社[世界大学選書], 1971年)
  • 『形見分けの歌 ヴィヨン遺言詩注釈』(小沢書店, 1997年)
  • 『遺言の歌 ヴィヨン遺言詩注釈』(小沢書店(上中下), 1999-2000年、下巻は冬至書房[4], 2002年)
    • 改訂版 『ヴィヨン遺言詩集 形見分けの歌 遺言の歌』(悠書館, 2016年)
  • 『パリの住人の日記(1) 1405-1418』(八坂書房, 2013年)
  • 『パリの住人の日記(2) 1419-1429』(八坂書房, 2016年)
  • 『パリの住人の日記(3) 1430-1434』(八坂書房, 2019年)。最終巻

参考文献[編集]

  • 堀越孝一先生略歴 (堀越孝一先生退任記念号) 『学習院史学』2004-03

出典[編集]

  1. ^ 『新潮現代文学 柴田翔』年譜
  2. ^ 堀越孝一さん死去:朝日新聞デジタル
  3. ^ 平成25年春の叙勲 瑞宝中綬章受章者” (PDF). 内閣府. p. 18 (2013年4月29日). 2013年6月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月24日閲覧。
  4. ^ 表記は小沢書店(2000年秋に倒産したため)