ユリノキ

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ユリノキ
ユリノキ
Liriodendron tulipifera
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : モクレン類 Magnoliids
: モクレン目 Magnoliales
: モクレン科 Magnoliaceae
亜科 : ユリノキ亜科 Liriodendroidae
: ユリノキ属 Liriodendron
: ユリノキ L. tulipifera
学名
Liriodendron tulipifera
L.
和名
ユリノキ(百合の木)、ハンテンボク(半纏木)、レンゲボク(蓮華木)、チューリップツリー
英名
American tulip tree

ユリノキ(百合の木、学名: Liriodendron tulipifera[1])は、モクレン科ユリノキ属落葉高木である。

種小名 tulipifera は「チューリップ(のような花)をつける」の意。

別名にハンテンボク(半纏木; 葉の形が半纏に似ることから)、レンゲボク(蓮華木; 花がの花を思わせることから)、チューリップツリー(同じく花がチューリップを思わせることから。種小名と同じ発想)などとも呼ぶ。

特徴

は薄くて硬く淡緑色平滑で、浅く掌状に2~4裂。Tシャツに見立てられるような特徴的な葉形で、簡単にユリノキであると知れる。黄葉が見事。

期は5~6月頃。形で、枝先に直径6cmくらいでチューリップに似た形の、付け根近くにオレンジ色の斑紋のある淡い黄緑色の花を咲かせるが、高く茂った葉の間に咲いていて目立たない。がく片は3枚。雌蕊円錐形に集合したものの周囲を、多数の雄蕊が取り囲んでいる。

果実ローソクのような形状をした集合果で、個々の果実は細長い「へら型」の翼果で、晩秋からにかけて散布される。

トラフアゲハEastern tiger swallowtailPapilio glaucus)の幼虫食草の一つ。

分布

北アメリカ中部原産。

日本へは明治時代初期に渡来した。東京国立博物館本館前庭の巨木に添えられた銘板に、次のように記されている。

明治8、9年頃渡来した30粒の種から育った一本の苗木から明治14年に現在地に植えられたといわれ、以来博物館の歴史を見守り続けている。東京国立博物館は「ユリノキの博物館」「ユリノキの館」などといわれる。

利用

生長が速く、街路樹庭木公園樹として利用される。葉に様々なタイプのが入るものや、枝が横に広がらない品種が選抜されており、造園上も重要である。

また、重要な蜜源植物で、良質の蜂蜜が得られる[2]

材としては、器具建築合板楽器ソーダパルプに利用される。

ユリノキ属

ユリノキ属学名: Liriodendron)は、モクレン科の一つ。属名 Liriodendron は、古代ギリシア語: λείριον (leirion) 「百合」 + δένδρον (dendron) 「樹」をあわせた造語和名ユリノキはこれによる。

シナユリノキLiriodendron chinense
中国長江以南やベトナムに自生する。千葉県内などで栽培例がある。
ユリノキ(Liriodendron tulipifera
北アメリカ原産。

脚注

  1. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2011年10月25日閲覧。
  2. ^ なお、もともと本種の花蜜を集めることが苦手であったセイヨウミツバチに対して、これを克服するべく品種改良が進められた結果、現在では一般的に利用されるようになっている。

参考文献

  • 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花1』高橋秀男・勝山輝男監修(改訂第3版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2003年、386-387頁。ISBN 4-635-07003-4 
  • 多田多恵子『身近な草木の実とタネハンドブック』文一総合出版、2010年、28頁。ISBN 978-4-8299-1075-7 

関連項目

外部リンク