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ヒメアリクイ

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ヒメアリクイ
ヒメアリクイ
ヒメアリクイ Cyclopes didactylus
保全状況評価
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
上目 : 異節上目 Xenarthra
: 有毛目 Pilosa
: アリクイ科 Myrmecophagidae
: ヒメアリクイ属 Cyclopes
: ヒメアリクイ C. didactylus
学名
Cyclopes
Gray1821
Cyclopes didactylus
(Linnaeus, 1758)
和名
ヒメアリクイ
英名
Pygmy anteater
Silky anteater

ヒメアリクイ(姫蟻食、Cyclopes didactylus)は、動物界脊索動物門哺乳綱有毛目アリクイ科(ヒメアリクイ科とする説もあり)ヒメアリクイ属に分類されるアリクイ。本種のみでヒメアリクイ属を形成する。

分布

エクアドルガイアナコスタリカコロンビアスリナムトリニダード・トバゴニカラグアパナマパラグアイブラジルフランス仏領ギアナ)、ベネズエラベリーズペルー北部、ボリビアホンジュラスメキシコ南部

形態

体長12-22cm。尾長17-24cm。体重0.16-0.28kg。アリクイ科最小種。全身は黄色、褐色、灰色等の体毛で覆われる。

吻端は突出するが他のアリクイ科の構成種に比べると短い。眼は他のアリクイ科の構成種に比べると相対的には大型。外耳は小型。前肢の5本の指には湾曲した2本の大きな爪があり、特に第2、第3指では発達する。反面第1、4、5指は退化し、外観からはわからない。種小名didactylusは「2つ指の」の意。尾は長くて腹面に体毛がなく、物に巻きつける事ができる。

代謝能力は低く、体温は33℃。

亜種

7亜種に分かれるとされる。

  • Cyclopes didactylus didactylus (Linnaeus, 1758) - 等

生態

熱帯雨林に生息する。樹上棲。群れは形成せず、単独で生活する。夜行性で、昼間は樹洞等で休む。寝る時は体を丸め、尾で全身を隠すように覆う。動きは緩怠。外敵に襲われると尾と後肢だけで木の幹や枝を掴み、前肢で頭部を隠す防御行動を行う。天敵としてはタカフクロウ等の猛禽類が挙げられる。

食性は動物食で、主にアリを食べる(1日に食べるアリの量は約8000匹)が、飼育下では昆虫類の幼虫や果実等を食べることもある。数分間の休憩を挟み数時間捕食を行う。

繁殖形態は胎生で、1回に1頭の幼獣を産む。幼獣は親が吐き戻したアリを食べて育つ。幼獣は母親の背中につかまって過ごすが、母親が採食中は樹洞等に置いていかれることもある。

人間との関係

環境による生息地の破壊等により生息数は減少している。

参考文献

  • 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、40頁。
  • 今泉吉典監修 D.W.マクドナルド編 『動物大百科6 有袋類ほか』、平凡社1986年、44、47、160頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 動物』、小学館2002年、31頁。

外部リンク