ハリー・ポッターシリーズの魔法薬一覧

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ハリー・ポッターシリーズの魔法薬一覧(ハリー・ポッターシリーズのまほうやくいちらん)では、J・K・ローリングの小説『ハリー・ポッター』シリーズに登場する魔法薬を紹介する。

魔法薬一覧

主な魔法薬

生ける屍の水薬(Draught of Living Death)
登場巻
1巻(名前のみ)、6巻
特徴
水のように澄んだ色をしている。
材料
アスフォデルの球根の粉末、煎じたニガヨモギ、刻んだカノコソウの根、催眠豆の汁、など
効果
非常に強力な眠り薬。成分が強すぎると、一生眠り続けることもある。
その他
1年生の最初の「魔法薬学」の授業で、ハリー・ポッターはこの魔法薬についてセブルス・スネイプから質問を受けた(この薬の調合は6年生で学ぶ為、スネイプはハリーが答えられないのを見越した上で質問したと思われる)。
6年生の最初の「魔法薬学」の授業で、ハリーは「半純血のプリンス蔵書」の教科書を頼りに、クラスで唯一この薬の調合に成功し、ホラス・スラグホーンから褒美として「フェリックス・フェリシス」を貰った。
煙突飛行粉/フルーパウダー(Floo Powder)
登場巻
2巻、4巻、5巻
特徴
キラキラ光る粉。
材料
不明。
効果
暖炉の炎をエメラルド色の特殊な炎に変える。魔法使いの家の暖炉はネットワーク化されており、この粉を使うことで、暖炉を介して遠く離れた場所へ移動できる。ただしネットワークは魔法省に常時監視されており、ネットワークに組み込まれていない暖炉は利用できない。
使い方
「入口」の暖炉の炎に粉を一つまみ振りかけ、緑色に変わった炎の中へ入り、望む「出口」の場所名を叫ぶだけ。ただし、出口の場所をはっきり発音しなかったり、途中でむせたりつかえたりすると、「ずれた」場所に出てしまう欠点がある。
粉を入れた炎に、体の一部(大抵は頭のみ)を入れることで、部分移動も可能。全身を入れると一方通行だが、部分移動の場合は移動部位を炎から抜くことで元の暖炉に戻れる。
その他
煙突飛行は、魔法界では一般的な移動方法のひとつ。頭のみの部分移動は、マグルの電話のようなものだが、緊急連絡時以外には使われない様子である。
ハリーは、ロンの実家からダイアゴン横丁へ新学期の買い物に行くときに初めて使ったが(第2巻)、出口の場所を叫ぶときにむせてしまい(映画版では「ダイアゴン横丁」を「ダイアゴ横丁」と言い間違えて)、夜の闇横丁の店ボージン・アンド・バークスへ出てしまった。
クィディッチ・ワールドカップを見に行くため、ウィーズリー家の面々がダーズリー家にいるハリーを迎えに来たとき(第4巻)は、ダーズリー家の暖炉が電気ストーブで塞がれていたため、アーサーフレッドとジョージ、ロンの4人が暖炉の中に詰め込まれてしまう。
ポリジュース薬(Polyjuice Potion)
登場巻
2巻、4巻、6巻、7巻
特徴
素の状態は水あめ状で黒っぽい泥のようだが、変身したい人物の一部を入れるとそれに応じて変色する。煮込みすぎたキャベツのような味(映画版『死の秘宝 PART1』ではムーディ曰く「ゴブリンの小便の様な味」らしい)で、飲むと全身が捩れて溶けるような感覚がする。中に入れた物質の人物によって色は異なるが、その色は当人の性格も反映されるようである(善人は美味しそうな色だが、悪人は汚らしい色になっている)。調合には1ヶ月かかる。
材料
クサカゲロウヒル、満月草、ニワヤナギ、二角獣の角の粉末、毒ツルヘビの皮の千切り、変身したい人物の一部
効果
飲んでから1時間、変身したい人物と全く同じ外見になる(視力、片目や片足などの損傷も再現するが、薬の効果が切れた時も元の姿への影響はない)。異性への変身も可能。ただし変身するのは肉体だけで、衣服や義手、声(映画版のみ)は再現しない。誤って動物の一部を入れたものを飲むと、中途半端に変身し元の姿に戻れなくなる。
使用者
真実薬/ベリタセラム(Veritaserum)
登場巻
4巻、5巻、6巻、7巻
特徴
無色無臭、透明。
材料
不明
効果
3滴ほど飲ませるだけで、その人物が持っている秘密を全て話させることができる一種の自白薬。とても強力な為、魔法省が所持や使用を制限している。映画版「炎のゴブレット」におけるスネイプの台詞によれば、「たった3滴で闇の帝王ですら深い闇の秘密を明かしてしまう」らしい。また、生徒への使用は禁じられている模様。
その他
4巻以降、名前は時々登場するが、実際に使われたシーンが描かれているのは4巻でバーテミウス・クラウチ・ジュニアにダンブルドアが使用した1回のみである(映画では「不死鳥の騎士団」でスネイプがチョウ・チャンに対して使用している)。また、7巻ではリータ・スキーターがバチルダ・バグショットからアルバス・ダンブルドアの少年時代の話を聞き出すに当たり、これをバチルダに使用したらしい旨が彼女の著書に書かれている。
6年生の最初の「魔法薬学」の授業では、高度な魔法薬の見本として登場した。スネイプ曰く調合には一カ月かかるという

その他の魔法薬

命の水/命の霊薬(Elixir of Life)
1巻登場。6巻でもダンブルドアが詳しい説明をしている。生命を延長する薬で、賢者の石から作られる。不滅の命を保つには定期的に永遠に飲み続けなければならない。
おできを治す薬(Potion to cure boils)
1巻登場。「魔法薬学」の授業で、ハリーたちが初めて調合した魔法薬。比較的簡単に調合できる魔法薬だが、調合に失敗した薬には逆におできを作る作用がある。
材料は干しイラクサ、砕いた蛇の牙、ゆでた角ナメクジ、山嵐の針など。
忘れ薬(Forgetfulness Potion)
1巻登場。1年生の「魔法薬学」の学年末試験で、実技試験として生徒が調合させられた魔法薬。
元気爆発薬(Pepperup Potion)
2巻登場。風邪薬だが、これを服用した場合、体温が上がって耳から煙が数時間出続ける。
マンドレイク回復薬(Mandrake Restorative Draught)
2巻登場。バジリスクによる石化状態から回復させる薬。
骨生え薬/スケレ・グロ(Skele-Gro)
2巻登場。骨を生やす薬で、飲むと喉が焼けるような味がする。
ふくれ薬(Swelling Solution)
2巻登場。水薬で、この薬に触れた部分を膨張させる効果がある。
ぺしゃんこ薬(Delflatiぬng Draught)
2巻登場。ふくれ薬の解毒薬。
髪を逆立てる薬(Hair-Raising Potion)
2巻で登場。ネズミの尻尾を調合するらしい。
愛の妙薬(Love Potion)
2巻登場。その後、4巻でも名前が登場する。効果を継続させるためには定期的に飲ませなければならない。
6巻では、世界一強力な愛の妙薬「アモルテンシア」が登場する。この薬は魅惑万能薬とも言い、薬の臭いを嗅ぐとその人が一番好きな臭いがする。
縮み薬(Shrinking Potion)
3巻登場。対象物を縮ませる効果がある緑色の水薬。作中ではネビル・ロングボトムのペット、ヒキガエルのトレバーがこの薬の力でおたまじゃくしになった。
材料は雛菊の根、萎びイチジク、死んだ芋虫、ネズミの脾臓、ヒルの汁。
脱狼薬[1](Wolfsbane Potion)
3巻登場。マーカス・ベルビィの叔父・ダモクレスが、(作中の)ごく近年に開発した。人狼が満月の夜の前の一週間、この薬を飲むと、変身した際も理性を失わずにいられる。とても苦い薬だが、砂糖を入れると効き目が無くなる。調合は難しく、一般人レベルでは不可能。
Wolfsbane(ウルフスベーン)とは「狼殺し」という意味のトリカブトの別名である。
混乱薬(Confusing Concoction)
3巻登場。魔法薬学の試験で出たが、ハリーの薬は濃くならずどうやらスネイプに0点をつけられた模様。
老け薬(Ageing Potion)
4巻登場。飲んだ者を老けさせる薬。一滴で数ヶ月ほど老けるらしい。フレッド達はこれを使って年齢線を越えようとしていた。
頭冴え薬(Wit-Sharpening Potion)
4巻登場。材料はすり潰したタマオシコガネ、刻んだ根生姜、アルマジロの胆汁。
スリーク・イージーの直毛薬(Sleekeazy's Hair Potion)
4巻登場。ハーマイオニーがパーティのために髪をなでつけるのに大量に使った薬。実はハリーの祖父フリーモント・ポッターの発明品。
安らぎの水薬(Draught of Peace)
5巻登場。OWL試験にしばしば出てくる。不安を鎮め、動揺を和らげる。成分が強すぎると飲んだ者は深い眠りに落ち、時にはそのままになる。材料は正確な量を正確な順序で大鍋に入れなければならず、混合液は初めは右回り、それから左回りに正確な回数掻き回さなければならない。最後の材料を加える前に炎の温度をきっちり定められたレベルに下げ、定められた何分かその温度を保つ。薬から軽い銀色の湯気が立ち上ったら完成。調合法の3行目は「月長石の粉を加え、右に三回攪拌し、7分間ぐつぐつ煮る。その後、バイアン草のエキスを2滴加える」
戯言薬(Babbling Beverage)
5巻登場。スネイプによると、わけの分からないことを言わせたい時にはこれを飲ませるらしい。
マートラップ触手液(Solution of strained and pickled Murtlap)
5巻登場。マートラップの触手を裏ごしして酢に漬けた溶液。アンブリッジの罰則で傷ついたハリーの手を癒やすためにハーマイオニーが用意してくれた。
強化薬(Strengthening Solution)
5巻登場。混合液を正しく調合していれば週末には熟成しているという表記があるので、調合に1週間はかかる模様。材料にサラマンダーの血液を使うらしい。
フェリックス・フェリシス(Felix Felicis)
6巻登場。別名「幸運の液体」。その名の通り幸運を呼ぶ薬で、スラグホーン曰く、朝に大さじ2杯飲むだけで最高の一日になるらしい。金色の液体で調合法は非常に複雑。作るのに6ヶ月かかる。
「魔法薬学」の授業中、ハリーは「半純血のプリンスの教科書」を参考にして「生ける屍の水薬」の調合に成功し、スラグホーンから褒美としてこの薬を貰い受けた。後にハリーはこの薬を使い、分霊箱についてスラグホーンから情報を聞き出した。
万年万能薬(Everlasting Elixir)
6巻登場。ハリーは図書室でこの薬についてノートを取っていた。
悲嘆草のエキス(Essence of Rue)
6巻登場。ロンが毒入り蜂蜜酒を飲んで倒れた時、入院してこれを一週間飲み続けなければならなくなった。
陶酔薬/陶酔感を誘う霊薬(Elixir to Induce Euphoria)
6巻登場。太陽のように輝かしい黄金色の薬で、たまに副作用(唄を歌いまくったり、人の鼻を摘んだりする)が起こるらしい。正統派ではないが、副作用は調合にハッカの葉を入れることで相殺できる。
しゃっくり咳薬(Hiccoughing Solution)
6巻登場。何か面白いものを作れというスラグホーンのお題でドラコはこれを調合したが、評価は「まあまあ」だった。
ハナハッカ・エキス(Essence of Dittany)
7巻登場。ロンが姿現しで「ばらけ」た時、ハーマイオニーが使った薬。出血中の傷口に3滴垂らすと緑がかった煙が上がり、煙が消えた時には出血は止まって数日前の傷のようになり、肉がむき出しになっていた部分に新しい皮が張ってきていた。他にも火傷、蛇の噛み傷、火脹れに塗る描写があり、安全に傷を癒やしたい時に効果的。

魔法薬の材料一覧

第1巻に登場した材料

動物系材料

  • ドラゴンの肝
  • ドラゴンの血
  • 一角獣(ユニコーン)の角
    銀色の角。1本21ガリオン。
  • 一角獣(ユニコーン)の尾の毛
    絹糸のような輝く白く長い毛。頑丈で非常に高価。ハグリットは怪我した動物に包帯を縛るのに使っているらしい。
  • 一角獣(ユニコーン)の血
    強力な延命効果、ただし永遠に呪われる。
  • 蝙蝠の脾臓
  • 鰻の目玉
  • 黄金虫の目玉
    黒いキラキラした目玉。1さじ5クヌート。
  • ベゾアール石
    山羊の胃から取り出す石。萎びて茶色く、石というより干涸びた内臓の様な見た目。大抵の毒薬に対する解毒剤になるが、かなり手に入りにくい。
  • カサゴの脊椎の粉末
  • 砕いた蛇の牙
  • ゆでた角ナメクジ
  • 山嵐の針

植物系材料

  • アスフォデルの球根
  • ニガヨモギ
  • モンクスフード、ウルフスベーン
    どちらも同じ植物で、別名をアコナイトともいう。トリカブトのこと。
  • ハナハッカ
  • アスフォデルの球根の粉末
  • 煎じたニガヨモギ
  • カノコソウの根
  • 催眠豆の汁
    6巻でも登場。催眠豆は刻みにくく萎びている。刻むより銀のナイフの面で潰した方が多く汁が出る。
  • 干しイラクサ

第2巻に登場した材料

  • ドラゴンの糞(堆肥)
  • マンドレイク(マンドラゴラ)
    強力な回復薬、たいていの解毒剤の主成分。
  • 蛙の脳みそ
  • クサカゲロウ
  • ヒル
  • 満月草
  • ニワヤナギ
  • 二角獣の角の粉末
  • 毒ツルヘビの皮
  • ドラゴンの鼻くそ?
  • ねずみの腸?
  • クモの死骸
  • ふぐの目玉
  • ネズミの尻尾

第3巻に登場した材料

  • ワニの心臓

第4巻に登場した材料

  • ブボチューバー(腫れ草)の膿
    石油臭のする黄緑色の膿。原液は直接触ると皮膚に害が出るが、これを使ってニキビを取る薬を作れる。
  • ミノカサゴの棘
  • ベラドンナエキス
    鎮痛剤。
  • 角ヒキガエルのはらわた
  • タマオシコガネの粉末
  • 刻んだ根生姜
  • アルマジロの胆汁
  • 鰓昆布
    ネズミの尻尾を団子にしたような灰緑色のヌルヌルした昆布。食べると、首に鰓が、手足の指の間に水掻きが現れ、水中で呼吸が可能になるなど、1時間水中での活動能力が飛躍的に向上する。

第5巻に登場した材料

  • ドクシーの毒液
    ジョージがずる休みスナックボックスのために実験したいと言っていた。ドクシーに噛まれたら解毒剤を服用する必要がある。
  • 月長石の粉
  • バイアン草のエキス
  • サラマンダーの血液
    強力な治癒・回復力を持つ。
  • ざくろ液
  • トモシリソウ、ラビッジ、オオバナノコギリソウ
    脳を火照らせるのに非常に効き目があり、性急さ、向こう見ずな状態を作り出したい時や、「混乱・錯乱薬」用に多く使われる。

第6巻に登場した材料

  • ハッカの葉
  • アクロマンチュラの毒
    非常に貴重。スラグホーン曰く「半リットルで100ガリオンになるかもしれない」。

幻の動物とその生息地に登場した材料

  • アッシュワインダーの卵
    呪文で凍結して保存しないと数分以内に発火する。愛の妙薬の原料。また、丸ごと食せば熱さましとして使える。
  • ビリーウィグの針
    乾燥させたものは何種類かの魔法薬に使われ、また菓子フィフィ・フィズビーの材料になると考えられている。
  • バンディマンの分泌物
    分泌物の希釈液は掃除用魔法液に使われる。
  • エルンペントの角、尾、破裂液
    角は皮膚から金属までありとあらゆるものを貫くことができる。毒液は致死的で注入されたものは全て破裂する。すべて取引可能品目Bクラス(危険物扱い、厳重管理品目)。
  • フロバーワーム(レタス食い虫)の粘液
    魔法薬を濃くするのに使うことがある。
  • グランバンブルの糖蜜
    グランバンブルは憂鬱症を引き起こす糖蜜を作り、この糖蜜はアリホツィーの葉を食べて起こるヒステリー症状の解毒剤として使われる。
  • グラップホーンの角
    角を粉末にしたものは魔法薬によく使われるが、収集するのが難しいため極めて高価。
  • ジョバーノールの羽根
    自白用血清や記憶魔法薬に使われる。
  • ロバラグの毒
    毒液囊に蓄えられた毒を魔法薬に使うために抽出する行為は厳重に管理されている。
  • ムーンカーフの糞
    銀色の糞。魔法薬草や花壇にまくと植物が非常に早く成長し、しかも極めて丈夫に育つ。
  • リーエムの血
    飲むと限りない力が湧く。入手困難で供給がほとんどないため、市場で売られることは滅多にない。
  • ルーンスプールの卵
    鋭敏な知力を高める魔法薬を作るのに非常に価値がある。
  • ストリーラーの毒
    猛毒で、これがかかった植物はすべて萎びたり焼け焦げたりする。この毒液はホークランプを殺すことができる数少ない物質の一つ。

脚注

  1. ^ 他、「トリカブト系脱狼薬」(3巻)、「トリカブト薬」(6巻)などの訳語あり