ネギ属
ネギ属 | |||||||||||||||||||||
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Allium ursinum
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分類 | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Allium L. |
ネギ属(ネギぞく、学名:Allium )はユリ目ユリ科またはアスパラガス目ネギ科に分類される属である(分類についての詳細は後述)。アリウム属、アリウム。
700種以上の大きな属である。ラテン語のalliumはニンニクの意味で、臭いの程度に差はあるものの全体に強い「ネギ臭さ」を特徴とする。ネギやタマネギのような野菜、ニンニクのような香辛料が多数あり、人類にとってなじみが深い。多くは多年生の球根植物である。
分布
北半球の温暖な地域に分布するが、南米(チリのA. juncifolium、ブラジルのA. sellovianum など)や熱帯アフリカ(A. spathaceum )に自生する例外もある。
形態
多年草。花期は通常、初夏から秋である。
草丈は5-150cmにおよぶものまでさまざまである。
葉が細長くまた花が葉のない花茎の先端に散形花序をなして傘状もしくは球状に密集する。線形、中空の円柱形、ひも形などがある。
花は散形花序であるが、多数の花が密集してできる「ねぎ坊主」と呼ばれる一つの花序が一輪の花のようになっているものが多い。花弁と雄蘂は6つある。
鱗茎(球根)の大きさも種類によって異なり、直径2-3mmの大変小さなものから直径8-10cmになるものまである。ネギ(A. fistulosum)のように鱗茎を形成しない種類もある。
繁殖・栽培
球根性のネギ属の多くは種子で増えるほか、古い球根の周りに小さな球根をつけるか側枝を延ばして子株を作る。中には花序に直接小さな鱗片(珠芽=むかご、英語ではbulb=球根に対してbulblis=小さな球根)をつけて発芽するものもある。ノビルや、ピクルスに使われるツリーオニオン(A. cepa var. proliferum)がこれにあたり、花序が重みで倒れるなどして球根がばらまかれ増殖する。
栽培種ではネギなどは種子で繁殖するが、園芸種はすべて地下茎または鱗茎を持っており、秋植え球根として扱われる。長く切花として流通していたが、近年では園芸愛好家の間で栽培が増えており、ネット販売などで球根が手に入る。
日当たりと水はけのよい土壌を好む。途中の植え替えはできないので、花壇やプランターに直接植える。植え付けの間隔は、小さなモーリーなどでは15センチメートルくらい、大きなギガンテウムなどは40センチメートルくらい必要である。球根の高さの2倍くらい土がかぶるように植える。
小型の種は花壇やプランター植えにできるが、多くは切り花用に用いられている。とくに、茎をたやすく曲げることができるローゼンバッキアヌムなどは、生け花やフラワー・アレンジメントによく使われている。
ほとんどが耐寒性で、東京・大阪付近なら露地で栽培できる。
ヨトウガ(M. brassicae )をはじめとするヤガ科(Noctuidae、夜蛾)の幼虫の食害が知られている。
ニラの花は愛らしいが、種を飛ばしてはびこると庭中がニラくさくなりやっかいな雑草となりうる[要出典]。
分類的位置づけ
形態を基にした新エングラー体系やクロンキスト体系では、ユリ目(新エングラー体系ではLiliiflorae、クロンキスト体系ではLiliales)ユリ科に分類されている。
一方、分子系統を基にしたAPG植物分類体系では、単子葉植物(Monocots)の中でユリ目の次に分枝したアスパラガス目(Asparagales、クサスギカズラ目とも訳される)のネギ科(Alliaceae)に位置づけられている。アスパラガス目内の分類は2003年の改訂版APG IIで大きな変更があったが、ネギ属の位置づけはほぼ確定である。
主な種
中央アジアを中心に、世界に約300種が確認されている。
日本の自生種
日本に自生しているものには以下のようなものがある。ただし、ノビルとニラは、自生状態で見られるものの、古い時代に渡来したものとの見方もある。
- ギョウジャニンニク A. victorialis L. subsp. plafyphyllum Hulten
- ヒメニラ A. monanthum Maxim.
- ニラ A. tuberosum Rottl.
- カンケイニラ A. togashii Hara
- イトラッキョウ A. virgunculae F.Maek. et Kitam.
- キイイトラッキョウ var. kiiense Murata
- ミヤマラッキョウ A. splendens Willden.
- ノビル A. macrostemon Bunge
- ヤマラッキョウ A. thunbergii G.Don
- アサツキ A. schoenoprasum L. var. foliosum Regel
栽培品種
大きく分けて食用に栽培されるものと園芸品種がある。
食用
代表的な栽培種に以下のようなものがある。
食用にする部位によって分類すると次のようになる。
- 鱗茎を食用にするもの:タマネギ、エシャロット、ニンニク、ラッキョウなど
- 花序にできた鱗片を食用にするもの:ツリーオニオン、ニンニク
- ニンニクも本来は花序に鱗片をつける種であったが、花を摘むなどして球根だけ大量栽培されている。
- 筒状の葉を食用にするもの:アサツキ、青ネギ(葉ネギ)、ワケギ、チャイブなど
- 扁平な葉を食用とするもの:ニラ
- 肥大化した偽茎を食用にするもの:白ネギ、リーキなど
- 花茎を食用にするもの
またこのほかにノビル、ギョウジャニンニクは山野に自生するものを採取し食用とする。
園芸品種
ギガンチウム(A. giganteum )、クリストフィ(A. cristophii )などの大型の品種は立体的な花壇を設計するのに重要である。豪華な紫色の花を咲かせる交配種がいくつか作出されているが、中でもパープルセンセーション(A. hollandicum )は人気があり、英国王立園芸協会(RHS)よりAward of Garden Meritを授与された。
ギガンテウム A. giganteum はヒマラヤ原産。「巨大な」という種名の通りの大柄な植物である。鱗茎は直径 10 センチメートル以上もあり、葉は幅 5 センチメートルくらいの剱状、草丈 80センチメートルくらいになり、5 月ごろに 5 ミリメートル位の花が千個近くも集合した直径 20 センチメートルあまりの巨大な藤色の「ねぎ坊主」を開く。
チャイブ A. schoenoprasum も花壇によく植えられる。薄紫色の花が普通だが白花種もある。
ギャラリー
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チャイブ(A. schoenoprasum )
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A. neapolitanum
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A. giganteum
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A. giganteum
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A. christophii