ニトラム/NITRAM
ニトラム/NITRAM | |
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Nitram | |
監督 | ジャスティン・カーゼル |
脚本 | ショーン・グラント |
製作 |
ニック・バッツィアス ヴァージニア・ウィットウェル ジャスティン・カーゼル ショーン・グラント |
製作総指揮 |
ニック・フォワード ポール・ウィーガンド アンソニー・ラパーリア アリス・バビッジ |
出演者 |
ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ ジュディ・デイヴィス エッシー・デイヴィス アンソニー・ラパーリア |
音楽 | ジェド・カーゼル |
撮影 | ジャーメイン・マクミッキング |
編集 | ニック・フェントン |
配給 |
マッドマン・エンターテインメント セテラ・インターナショナル |
公開 |
2021年9月30日[1] 2022年3月25日[2][3] |
上映時間 | 112分 |
製作国 | オーストラリア |
言語 | 英語 |
興行収入 |
$343,352[4] $344,826[4] |
『ニトラム/NITRAM』(原題:Nitram)は、2021年制作のオーストラリアのクライム映画。
1996年4月28日にオーストラリア・タスマニア島のポート・アーサーで起こった無差別銃乱射による大量殺人事件「ポート・アーサー事件」を犯人マーティン・ブライアントの生い立ちを絡めて描いた実録クライム映画[5]。
タイトルの「ニトラム」とは、犯人の名前「マーティン」(Martin)を逆さ読みにしたもので、小さい頃に同級生から蔑称で呼ばれていたもの。
第74回カンヌ国際映画祭で男優賞を受賞した[6][7]ほか、第54回シッチェス・カタロニア国際映画祭で監督賞と主演男優賞[8]、2021年度オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞など8部門を受賞した[9]。
あらすじ
精神障害のある若者ニトラムは、オーストラリアのポートアーサーで両親と暮らしている。彼は幼少期、花火で遊んでいて負傷し入院する。その時、地元の記者にインタビューされ、「もう花火で遊びませんか?」との質問に、「また遊ぶ」と懲りない様子を撮影されていた。
成人した彼は、未だに庭で花火を打ち上げては、隣人を動揺させ、地元の小学生に爆竹で悪戯するなど、迷惑行為をしていた。彼の父親は融資を受け、B&Bを購入して、ニトラムに経営を手伝ってもらおうと考えていた。
ある日、ニトラムは、サーフィンをする魅力的な女性と出会い話しかけるが、彼女のボーイフレンドのジェイミーが来て、あしらわれてしまう。だが、ニトラムは、ジェイミーに憧れを抱くようになる。そして、サーフボードを買おうとするが、母親は金を出さなかった。
ニトラムは、付近の住民を訪ねて回り、庭の芝刈りをして資金を得ようと試みる。そんな中、彼はヘレンという、元女優で裕福な中年女性と出会い、彼女が飼っている犬たちを散歩させて金を稼ぐようになる。二人はすぐに仲良くなり、ニトラムとドライブするようになるが、彼の危険運転に悩まされていた。しかし、彼に好意を持っているヘレンは高級車を買い与えてしまう。
ニトラムは両親との生活に苛立ちを募らせ、ヘレンの邸宅で一緒に暮らし始める。彼は、ヘレンの庭でエアライフルを使って遊び始め、彼女に本物の銃を購入したいと頼むが、彼女は怯えて拒否する。
誕生日を迎えたニトラムは、カフェテリアでヘレンを両親に紹介する。彼の母親はヘレンに、ニトラムが幼い頃、迷子になったふりをして母親を心配させ、狼狽える姿を見て悦に入っていた逸話を聞かせる。また、車を乗り回している彼が運転免許証をもっていないことも伝える。
ニトラムは、ヘレンに二人でロサンゼルスに行こうと誘い、女優だった頃を忘れられないヘレンもその気になる。空港へ向かう途中、いつものように危険運転をしたニトラムは事故を起こし、ヘレンは死んでしまう。彼は警察に嘘をつき、彼女が運転中に居眠りしていたと主張した。ニトラムはヘレンの家を相続し、彼女から50万ドル以上の大金を得て、酒に依存し始める。
ニトラムは、憧れているジェイミーと接近する。ジェイミーは、彼に女を口説くよう命じるが、踏み出せない彼に対し、いやらしく「ニトラム」と囁いて煽る。「ニトラム」を蔑称と捉えている彼は、ジェイミーに苛立ちを覚えるものの気持ちを抑える。
ニトラムの父親は、資金があるにもかかわらず、別の買い手が父親より高い金額を申し出たため、不動産屋に購入を拒否され、鬱状態になっていた。ニトラムは、ソファーで寝込んでいる父親に対し、奮起するよう𠮟責し暴力を振るう。ニトラムは、ヘレンの金で、その物件にすでに居住している老夫婦からB&Bを買い取ろうとするが、断られる。数日後、父親は自殺を図り、遺体となって近くの川で発見される。父親の葬儀に派手な格好で現れたニトラムに、母親は戸惑い帰るよう促す。
ますます孤立するニトラムは、ヘレンと行くはずだったロサンゼルスを一人で旅し、ハリウッドを観光しながらビデオカメラでその様子を撮影する。
帰国したニトラムは、スコットランドの小学校で起きた銃乱射事件に関する報道をテレビで見て触発され、無免許にもかかわらず地元の銃器店で、半自動小銃や拳銃を購入する。ニトラムは、ジェイミーに会い、手に入れた拳銃を渡すが、異変を感じた彼は受け取らなかった。ニトラムは、本物の銃を使い一人で本格的な射撃訓練を始める。
その後、ニトラムは、ヘレンが飼っていた犬たちを車に乗せ住宅街に放ち、父親が購入しようとしていたB&Bに住む老夫婦を射殺する。そして、両親とヘレンが彼の誕生日を祝ったカフェテリアに車で乗り付け、デザートを食べた後、録画ボタンを押したビデオカメラをテーブルに置いて、銃を取り出し乱射する。ニトラムの家では、この虐殺事件のニュースがテレビから流れ、彼の母親は庭で一人たばこを吸っていた。
キャスト
- ニトラム:ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ
- ニトラムの母親:ジュディ・デイヴィス
- ヘレン:エッシー・デイヴィス
- ニトラムの父親:アンソニー・ラパーリア
- ジェイミー:ショーン・キーナン
脚注
- ^ Burke, Kelly (2021年9月26日). “'I was incredibly scared of it': Justin Kurzel on making Port Arthur massacre film Nitram”. The Guardian Australia. 2021年10月3日閲覧。
- ^ “無差別銃乱射“ポートアーサー事件”はなぜ起こったのか? カンヌ受賞「ニトラム」22年3月公開”. 映画.com. (2021年12月26日) 2022年2月6日閲覧。
- ^ “オーストラリア史上最悪の犯罪者描く『ニトラム/NITRAM』3月公開へ 特報映像も”. cinemacafe.net. (2021年12月26日) 2022年2月6日閲覧。
- ^ a b Nitram - Box Office Mojo
- ^ “普通になりたかった青年はなぜオーストラリア史上最悪の銃乱射犯になったのか――「ニトラム」予告編”. 映画.com. (2022年2月7日) 2022年2月7日閲覧。
- ^ “Cannes' Palme D'Or goes to Titane”. Cineuropa. 2021年7月18日閲覧。
- ^ “Cannes Film Festival 2021: Full Winners List”. Asia Tatler. 2021年7月18日閲覧。
- ^ “SITGES 2021 WINNERS: 'LAMB', SITGES 2021 BEST FEATURE LENGHT [sic] FILMS” (2021年10月17日). 2022年2月6日閲覧。
- ^ 2021 Winners & Nominees AACTA
外部リンク
- 英語版オフィシャルサイト
- 日本版オフィシャルサイト
- 公式Twitter (@CeteraNitram) - X(旧Twitter)
- ニトラム/NITRAM - allcinema
- ニトラム/NITRAM - KINENOTE
- Nitram - オールムービー(英語)
- Nitram - IMDb(英語)