ダッタンソバ

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ダッタンソバ
ダッタンソバ
ダッタンソバ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: タデ目 Polygonales
: タデ科 Polygonaceae
: ソバ属 Fagopyrum
: ダッタン種 F. tataricum
学名
Fagopyrum tataricum (L.) Gaertn.
和名
ダッタンソバ、ニガソバ
英名
Tartary Buckwheat, Bitter buckwheat

ダッタンソバ韃靼蕎麦、学名:Fagopyrum tataricum)は、タデ科ソバ属一年草ソバと同属であるが、自殖性である。韃靼タタールという中央アジアの民族の漢字名。音からの直訳であるが、中国では韃靼は差別表現であり、苦蕎麦と呼ばれている[1]

分布及び生産状況

ダッタンソバを含むソバ属植物は中国甘粛省からパキスタン北部まで分布するが、ダッタンソバは四川省雲南省、東チベットの境界付近で栽培化されたと考えられる。また、ネパールやチベット、中国南部、東北部などで食用や飼料用として栽培されている。日本では機能性物質ルチン含有量が多いことが注目され、だったんそば茶等の消費量が増加し、国産需要もあり栽培面積も増加傾向にある[2]

成分及び利用

種子の成分は普通ソバとほとんど違いがみられないが、ルチン含有量はソバの約100倍で非常に多い。ルチンはフラボノイドの一種で、毛細血管強化作用を持ち、血圧低下に関係するとされる機能性成分である。しかしダッタンソバ子実にはルチン分解酵素も多く、粉への加水で急速に分解して苦み成分のケルセチンが生成する。この独特の苦みのためにニガソバとも呼ばれている。ソバ同様に実を原料にして、ルチンを豊富に含む健康食品のだったんそば茶あるいは麺類として加工、販売されている。

ルチン分解酵素が失活していないだったんそば粉から製造された乾麺、生麺ではルチンがほとんど含まれていない。麺類からルチンを摂取する場合にはルチン分解酵素を失活させただったんそば粉を用いる必要がある。

研究から加水分解により生成されたケルセチンの機能性が注目されており、ルチンよりむしろケルセチンを積極的に評価する動きがある。

国内におけるおもな生産地

脚注

  1. ^ 『ダッタン蕎麦とその機能性』(全麺協、2009年7月)
  2. ^ 『そば関係資料』((社)日本蕎麦協会編、2010年3月)

関連項目

  • ソバ- 植物としてのソバ