スレイド (バンド)
スレイド | |
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出身地 | イギリス ウェスト・ミッドランズ |
ジャンル | ハードロック、グラム・ロック |
活動期間 |
1969-1992 (スレイド) 1993-現在 (スレイドⅡ) |
レーベル | ポリドール, RCA 他 |
公式サイト | [1] |
メンバー |
デイヴ・ヒル ドン・パウエル ジョン・ベリー マール・マクナティ |
旧メンバー |
ノディ・ホルダー ジム・リー スティーヴ・ウァーリー スティーヴ・マーキン クレイグ・フェニー デイヴ・グローヴァー トレヴァー・ホリデイ |
スレイド(SLADE)は、1966年にイギリスウェスト・ミッドランズ州ウルヴァーハンプトンで結成されたロックバンドである。1970年代にはグラムロックブームの一翼を担いつつヒット・チャートを席巻し、1980年代に入っても人気を得た。現在はハード・ロックバンドとしての評価もされている。
結成メンバー
- ボーカル・ギター・ベース ノディ・ホルダー(Noddy Holder)
- ギター・ベース デイヴ・ヒル(Dave Hill)
- ベース・バイオリン・キーボード・ギター ジム・リー(Jim Lea)
- ドラムス ドン・パウエル(Don Powell)
経歴
1970年代まで
イン・ビトゥインーズ(N'Betweens)名で1966年結成。同年キム・フォウリーのプロデュースでシングルをリリースしているが、この時点では単発に終わる。
その後元アニマルズのチャス・チャンドラーに見出され、1969年アンブローズ・スレイド(Ambrose Slade)名義でファースト・アルバム『ビギニングス(Beginnings)』を発表。このアルバムはスレイドのディスコグラフィーでもファースト・アルバムとして扱われている。
ここまではビート・ロックやサイケデリック・ロックの影響下にあるサウンドを聴かせていたが、チャンドラーの指導によりイメージ改革に乗り出すこととなる。スレイドへ改名し、派手な衣装をまとい、ポップなメロディーに豪快かつタイトなリズムを合わせたサウンドを創出。ティーンエイジャーから厚い人気を得るようになり、1971年のシングル『だから君が好き(Coz I Luv You)』で英国シングルチャート1位を初めて獲得。
また、時期を同じくしてライブ・パフォーマンスに対する評価が上がり、1972年発表のライブアルバム『スレイド・アライブ(Slade Alive!)』は英国アルバムチャート2位まで上昇。すかさず発表したスタジオ盤『スレイド?(Slayed?)』は1位を獲得。以降『スレイデスト(Sladest)』『大狂乱スレイド一座(Old, New, Borrowed and Blue)』の2枚のアルバムも1位を獲得。「シングル盤」も『Coz I Luv You』の後も『恋のバックホーム(Take Me Bak 'Ome)』『クレイジー・ママ(Mama Weer All Crazee Now)』『カモン!!(Cum on Feel the Noize)』『スクィーズ・ミー、プリーズ・ミー(Skweeze Me, Pleeze Me)』『メリー・クリスマス・エヴリバディ(Merry Xmas Everybody)』と1973年までに計6枚が1位に入った。また73年の「グッバイ・ジェーン」や「ムーブ・オーバー」なども人気曲である。英国内では、Tレックスやデヴィッド・ボウイ、スウィート、スージー・クアトロなどと並ぶ人気ミュージシャンになった。
圧倒的な人気に乗りアメリカ進出も目論むが、芳しい成果は得られないまま終わる。英国でも1974年頃からチャートアクションが鈍り始め、1977年にはポリドールとの契約も切られてしまう。まもなくチャンドラーとも意見の相違から決別することとなり、スレイドのサウンドと相通ずる面があるパンク・ロック全盛の時代においては、しばらく低迷を味わうことになる。
1980年以降
1980年、パンクのブームが終わり、NWOBHMの勢いが増すと、スレイド自体も徐々に人気を取り戻し、レディング・フェスティバルでの演奏も高く評価され、再びシングルがチャート上位に顔を出すようになる。
そしてスレイドの復活を決定的にしたのは、1983年にクワイエット・ライオットが『Cum on Feel the Noize』をカヴァーして大ヒットさせたことだった。これによりオリジナルのスレイドへの注目度が上がり、『マイ・オー・マイ(My Oh My)』『ラン・ラン・アウェイ(Run Runaway)』が英国チャートトップ10入り。アメリカでも『Run Runaway』が20位に入り、同地では1970年代を超える成功を収めた。
1991年、ホルダーが体力の限界を感じ脱退したことをきっかけに、23年間の活動を終えた。この間一度もメンバー交代を行わなかった。
近年はパウエルとヒルが新メンバーを迎え、スレイド・ツー(SLADEⅡ)名義での活動を行っている。
カヴァー・ヴァージョン
『Cum on Feel the Noize』は前述のクワイエット・ライオットの他にも、オアシス、ブラン・ヴァン3000、本城未沙子等がカヴァー・ヴァージョンを発表している。なお、BEAT CRUSADERSにも同名曲があるが曲自体は全く別のものである。
また、クワイエット・ライオットは『Mama Weer All Crazee Now』もカヴァーしている。
逆に、スレイドが他のアーティスト・バンドをカヴァーした例としては、ムーディー・ブルース『Fly Me High』とBBCライブでは、『Nights In Whote Satin』、ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション『I Ain't Got No Heart』、テン・イヤーズ・アフター『Hear Me Calling』、ステッペンウルフ『ワイルドで行こう(Born To Be Wild)』、ジャニス・ジョプリン『ジャニスの祈り(Move Over)』がある。
補足
- キッスのジーン・シモンズが、スレイドからの影響を公言している[1]。
- 『Coz I Luv You』『Skweeze Me Pleeze Me』など、間違ったスペリングをタイトルに用いた曲が多いが、これは意図的なものである。読み書きが不自由な人が使う、発音通りのアルファベットを並べる表記法を採ったものである。自分らの音楽を労働者階級の音楽だといっている事と関係がある。
- 『Merry Xmas Everybody』は、現在でも英国内ではクリスマス・ソングの定番として親しまれている。時期に合わせて何度か再発され、そのたびにチャート・インするという、日本における山下達郎の「クリスマス・イブ」のような位置にある曲である。
アルバム・ディスコグラフィー
オリジナルアルバム
- ビギニングス - Beginnings(1969年)
- プレイ・イット・ラウド - Play It Loud(1970年)
- スレイド? - Slayed?(1972年)
- 大狂乱スレイド一座 - Old, New, Borrowed and Blue(1974年)
- 狂乱の炎 - Slade in Flame(1975年)
- ノーボディズ・フール - Nobody's Fools(1976年)
- 衝撃の炎 - Whatever Happened To Slade?(1977年)
- リターン・トゥ・ベース - Return to Base(1979年)
- ブリング・ザ・ハウス・ダウン - We'll Bring the House Down(1981年)
- ティル・デフ・ドゥ・アス・パート - Till Deaf Do Us Part(1982年)
- 神風シンドローム - The Amazing Kamikaze Syndrome(1983年)
- Keep Your Hands Off My Power Supply(1984年) …神風シンドロームのアメリカ盤
- ローグス・ギャラリー - Rogues Gallery(1985年)
- Crackers: The Party Album(1986年)
- ボーイズ・メイク・ビッグ・ノイズ - You Boyz Make Big Noize(1987年)
- Keep on Rockin'(1994年)…SLADEⅡ名義
- Cum On Let's Party(2002年)…SLADEⅡ名義
ライヴアルバム
- スレイド・アライブ - Slade Alive(1972年)
- スレイド・アライブVol. 2 - Slade Alive, Vol. 2(1978年)
- スレイド・オン・ステージ - Slade On Stage(1982年)
- Slade Alive! - The Live Anthology(2006年)
- Live at the BBC(2009年)
コンピレーション
- スレイデスト - Sladest(1973年)
- Slade Smashes!(1980年)
- ウォール・オブ・ヒッツ - Wall of Hits(1991年)
- Feel the Noize- Greatest Hits(1997年)
- ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・スレイド - The Very Best of Slade(2005年)
- The Slade Box - Four CD box anthology 1969-91(2006年)
- B-Sides(2007年)
- Merry Xmas Everybody: Party Hits(2009年)
日本公演
- 1974年3月
関連項目
脚注
- ^ “Kiss Founder Gene Simmons Says Band’s ‘Heart and Soul Lies in England’”. ultimateclassicrock (2011年11月9日). 2014年3月31日閲覧。‘‘Rock and Roll all Nite‘ is a direct bastard child of Slade’s ‘Mama Weer All Crazee Now.’(「『ロックンロール・オールナイト』は、スレイドの『クレイジー・ママ』の"私生児"なんだよ」)」とシモンズが述べる箇所がある。
外部リンク
http://www.slade.uk.com/ スレイド公式ウェブサイト