おかしな二人
おかしな二人(原題:The Odd Couple)は1965年に初めて上演されたニール・サイモンによる喜劇、ならびにこれを原作とした映画、テレビドラマ。
概要
妻と離婚したずぼらな性格のスポーツ記者、オスカー・マディソンの部屋に、彼のポーカー仲間で几帳面な性格のニュース記者、フェリックス・アンガーが「妻に逃げられた」と転がり込んできた。ニューヨークの同じ部屋に住みながら性格が180度違う2人が巻き起こす騒動を描いたコメディ。1965年にブロードウェイで上演された舞台ではオスカーをウォルター・マッソー、フェリックスをアート・カーニーが演じた。マッソーはこの作品でトニー賞 演劇主演男優賞を、また演出のマイク・ニコルズも同賞の演劇演出賞を受賞した。
その後もキャストを変えて、再上演がされている。
映画版
おかしな二人(1968年)
舞台の好評を受けて1968年に映画化。フェリックス役はジャック・レモンに変更された。
- スタッフ
- 原作・脚色:ニール・サイモン
- 監督:ジーン・サックス
- 製作:ハワード・W・コッチ
- 撮影:ロバート・ハウザー
- 音楽:ニール・ヘフティ
- キャスト
- フェリックス・アンガー:ジャック・レモン
- オスカー・マディソン:ウォルター・マッソー
- ヴィニー:ジョン・フィードラー
- マレー:ハーバート・エデルマン
- ロイ:デヴィッド・シェイナー
- スピード:ラリー・ヘインズ
- セシリー・ピジョン:モニカ・エヴァンス
- グェンドリン・ピジョン:キャロル・シェリー
おかしな二人2(1998年)
前作から30年後、依然ニューヨークに住み続けるフェリックスと、ニューヨークを離れフロリダ州サラソタで老後を過ごすオスカーだったが、フェリックスの娘ハンナとオスカーの息子ブルースがロサンゼルスで出逢い結婚することになり、二人の結婚式に出席すべく再会したフェリックスとオスカーが、結婚式までの道中でまたも騒動を巻き起こす。前作同様レモンがフェリックスを、マッソーがオスカーを演じた。
- スタッフ
- 原作・脚本:ニール・サイモン
- 監督:ハワード・ドイッチ
- 製作:ニール・サイモン、ロバート・W・コート、デヴィッド・マッデン
- 撮影:ジェイミー・アンダーソン
- 音楽:アラン・シルヴェストリ
- キャスト
役名 | 俳優 | 日本語吹替 |
---|---|---|
フェリックス・アンガー | ジャック・レモン | 金内喜久夫 |
オスカー・マディソン | ウォルター・マッソー | 永井一郎 |
ハンナ・アンガー | リサ・ウォルツ | |
ブルース・マディソン | ジョナサン・シルバーマン | 鳥畑洋人 |
テルマ | クリスティーン・バランスキー | 藤生聖子 |
ホリー | ジーン・スマート | 山像かおり |
テレビドラマ「おかしなカップル」
映画の大ヒットを受け、1970年にABCにてドラマ版が開始された。フェリックス役はトニー・ランドールが、オスカー役はブロードウェイ版でマッソーの降板後にオスカー役を演じていたジャック・クラグマンがそれぞれ演じた。テレビドラマ化に際し、フェリックスの職業がファッションカメラマンに変更されている。テーマ曲は映画版のヘフティの曲が使われた。テレビ版もヒットし、5シーズンも続く長寿作品となった。日本では1971年にフジテレビで「おかしなカップル」のタイトルで放映された。
- キャスト
派生作品・リメイク版
- 1977年には、フェリックスとオスカーをそれぞれ猫と犬に置き換えたアニメ作品「それ行け!わんニャン」(原題:The Oddball Couple)が制作され、日本でも放映された。
- 1982年には、“Barney Miller”のロン・グラスがフェリックスを、“Sanford and Son”のデモンド・ウィルソンがオスカーをそれぞれ演じたリメイク版“The New Odd Couple”がABCで放映されたが、本家ほどの人気は得られず、1シーズンで打ち切られた。
- 1983年には、翻案されたテレビドラマ「さらば女ともだち」がテレビ朝日で放送される。主演の二人は数年前から「おかしな二人」を舞台で演じていた杉浦直樹と石立鉄男で、脚本はその舞台の脚本と演出を手がけていた福田陽一郎。
- 2011年9月には、宝塚歌劇団にてバウホールで公演が予定されている。脚本・演出は石田昌也、オスカー・マディソン役を轟悠、フィリックス・アンガー役を未沙のえるが務める予定。