Ye-8 (航空機)
- 用途:戦闘機
- 設計者: ミコヤーン・グレーヴィチ設計局
- 製造者:
- 初飛行:1962年3月5日
- 生産数:2機
- 運用状況:不採用
Ye-8(ロシア語:Е-8)は、ソ連のミコヤン設計局が試作した戦闘機である。
概要
開発の経緯
MiG-21は軽量、安価な機体として東側のベストセラー戦闘機となったが、初期のMiG-21の欠点としてレーダーの未装備があった。
レーダー搭載型の開発は1957年に始まり、後にMiG-21PFとして実用化されるが、1961年、ソ連空軍はそれとは別にもっと大型のレーダーを搭載する本格的な全天候戦闘機の開発を要求、ミコヤン設計局は胴体を再設計して空気取り入れ口を胴体下面に移し、燃料タンクをインテグラル化、Ye-6T/3でテストしたカナード[1]を採用したYe-8を製作した。
1962年3月5日に試作1号機、同6月29日に試作2号機が初飛行し、性能は良好で実用化も有望とされたが、搭載していたR-21F-300エンジンが信頼性に欠け、9月11日に1号機がエンジン故障により爆発して墜落、2号機のエンジンも不調が続き結局採用は見送られた。しかし、構成要素のうちいくつかはMiG-23などに生かされた。
西側の反応
当時西側では当機の存在を察知できなかったためNATOコードネームはない。
1988年に当機の情報が伝えられた時、西側航空誌や報道等は、当機を見てミコヤンが新型MiG-35を開発しインド空軍がテスト飛行を行っていると噂され、インド政府やミコヤン設計局が公式に噂を否認するといった出来事もあった。
スペック
- 全長:14.90 m
- 全幅:7.15 m
- 全高:--- m
- 翼面積:23.13 m²
- 空虚重量:6,800 kg
- 最大離陸重量:8,200 kg
- 発動機:R-21F-300 ターボジェットエンジン×1基
- 最大速度:2,230 km/h
- 実用上昇限度:20,000 m
脚注
- ^ このカナードは揚力増加が目的ではなく、通常時は自由に動くカナードを超音速時に水平に固定することで安定性を劣化させ、機動性を向上させる効果があった。