B層

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B層(―そう)とは、広告代理店スリード」が提唱した概念。狭義には小泉内閣支持基盤の層(具体的なことは分からないが小泉総理のキャラクターや閣僚を支持する層)を意味し、広義には政策よりもイメージで投票を行うなどポピュリズム政治に吸引される層を意味する。

目次

[編集] 概要

竹中平蔵の知人が代表を務めるスリードが、2005年の小泉内閣における郵政民営化政策に関する宣伝企画の立案を内閣府から依頼された際に定義した概念である。その後、ポピュリズムに動員される国民層を揶揄する意味合いで使われるようになった。

スリードの企画案では国民を「『聖域なき構造改革』(以下「構造改革」)に肯定的か否か」を横軸、「IQ軸(EQITQを含む概念とされる)」を縦軸として分類した時に、「IQ」が比較的低くかつ構造改革に中立?肯定的な層をB層とした。主に主婦や教育レベルの低い若年層、高齢者層を指すものとされる。

資料中に使用されたIQ(知能指数)の語が物議を醸した。

[編集] 階層分類

小泉内閣当時に行われた世論調査及び国民対策、特に郵政民営化の面において、スリードが内閣府の「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略」立案を受注した。その結果、2004年12月に提出されたが、本文中に構造改革に肯定的か否かとIQ(知能指数)の分類表において、記述されていた。

スリードは国民を4層に分類し、以下のように分析した。

[編集] A層

エコノミストを始めとして、基本的に民営化の必要性は感じているが、これまで、特に道路公団民営化の結末からの類推上、結果について悲観的な観測を持っており、批判的立場を形成している。IQ(EQ・ITQ(IT普及度))が比較的高く、構造改革に肯定的。

構成
財界勝ち組企業大学教授マスメディアテレビ)、都市ホワイトカラーなど

[編集] B層

現状では郵政への満足度が高いため、道路などへの公共事業批判ほどたやすく支持は得られない。郵政民営化への支持を取り付けるために、より深いレベルでの合意形成が不可欠。IQ(知能指数)が比較的低く、構造改革に中立的ないし肯定的。

構成
主婦層、若年層、シルバー(高齢者)層、具体的なことは分からないが小泉総理のキャラクター・内閣閣僚を支持する層など

[編集] C層

構造改革抵抗守旧派。IQ(EQ・ITQ)が比較的高く、構造改革に否定的。

構成
上記以上の分析は無い。小泉流の「構造改革」に否定的なインテリ層は少なくないが、彼らの存在は意図的に黙殺されている。

[編集] D層?(命名なし)

IQ(EQ・ITQ)が比較的低く、構造改革に否定的。

構成
既に失業などの痛みにより、構造改革に恐怖を覚えている層。

[編集] PR提言

「B層に絞ってPRを展開すべし」という基本方針の下、ネガティブな表現を極力避け、「B層」に伝わりやすい新聞折込みフライヤー(チラシ、ビラ)やテレビ・ラジオの広報番組を利用し、郵政民営化の必要性を「ラーニング」させるよう提言。

また、「A層はB層に強い影響力を持つ」とされ、A層向けにWebを利用して数万人規模のイベントを開催して「ラーニング」し、間接的にB層にも影響を与えるように提言した。

「C層」は元より、現に構造改革で実害を被っている層はPRの対象外であるとして無視しており、後者については名前も付けていない。

[編集] 批判

「IQ」の語を持ち出したため、“支持層や失業者など主権者である有権者を頭が悪いと馬鹿にしている”と批判が上がった。2005年6月29日の郵政民営化特別委員会で、共産党佐々木憲昭は、スリードの企画書の概略を述べ、「竹中大臣に聞きます。これは余りにも国民を愚弄した戦略ではありませんか」と質問した[1]。竹中は「民間の企業の企画書でございますから、私はコメントをする立場にはございません。政府としては、そのような話を政府の中でしたという事実もございません」と答弁した。

スリード側はこうした批判を、企画書内で分析軸として使用した“IQ”という言葉のみが抽出された一方的な解釈であり、名誉毀損であるとした。また、分析は情報戦略において行う通常手法に基づいて行ったものであり、指摘されるような差別的な意図は全く無く、また問題となった企画書はあくまで「会議用資料であり、内容の是非は、そこで行われた弊社の説明を含めて語られるべき」と反論したうえで、「内部資料とはいえ、こうした誤解を誘発する表現を行った」ことに対して謝罪した[2]

また、このことで、一部で偽文書説が出されていたが、文書が本物であることを確認された。

[編集] その他

  • インターネット上でも、政治政策の具体面には疎く、ルックスやキャラクターを判断材料にして、自民党の政治家、タレント政治家、タレント知事などを応援する人々のことを「B層」と揶揄する事も少なくない。

[編集] 出典

  1. ^郵政民営化法案 つぎはぎだらけの「修正」は矛盾だらけ 「政府広報」疑惑 住所には、スリード社「存在せず」佐々木憲昭オフィシャルサイト、2005年6月29日。
  2. ^「郵政民営化フライヤー戦略」の内容に関する見解とお詫び』 スリード、2005年9月15日。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク