1990年ドイツ連邦議会選挙

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1990年ドイツ連邦議会選挙
Bundestagswahl 1990
ドイツ
1987年 ←
1990年12月2日 (1990-12-02)
→ 1994年

連邦議会 全662議席
投票率 77.76%[1]
  第1党 第2党
 
党首 ヘルムート・コール オスカー・ラフォンテーヌ
政党 キリスト教
民主・社会同盟
社会民主党
党首就任 1973年 (首相候補)
前回選挙 234 193
獲得議席 319 239
議席増減 増加 85 増加 46
得票数 20,358,096 15,545,366
得票率 43.8% 33.5%
得票率増減 減少 0.4% 減少 3.5%

  第3党 第4党
 
党首 オットー・グラーフ・ラムスドルフ ペトラ・ケリー
政党 自由民主党 同盟90・緑の党
党首就任 1988年 (首相候補)
前回選挙 48 44
獲得議席 79 8
議席増減 増加 31 減少 36
得票数 5,123,233 2,347,407
得票率 11.0% 5.0%
得票率増減 増加 1.9% 減少 3.3%

  第5党
 
党首 グレゴール・ギジ
政党 民主社会党
党首就任 1990年
前回選挙 新党
獲得議席 17議席
議席増減 増加 17
得票数 1,129,578
得票率 2.4%
得票率増減 増加 2.4%

党派別獲得選挙区分布図

選挙前連邦首相

ヘルムート・コール
CDU/CSU

選出連邦首相

ヘルムート・コール
CDU/CSU

1990年ドイツ連邦議会選挙(1990ねんドイツれんぽうぎかいせんきょ、ドイツ語: Bundestagswahl 1990)は、ドイツ連邦共和国下院にあたる連邦議会議員を選出するため、1990年12月に行われた選挙である。この選挙では、同年10月3日東西ドイツ統一によってドイツ連邦共和国に編入された旧東ドイツ地域でも選挙が行われた。

概要[編集]

1989年11月ベルリンの壁崩壊をきっかけに、翌1990年10月に東西両ドイツの再統一が実現したことに伴い、新たなドイツ連邦共和国の連邦議会の議員を選出するために行われた選挙である。再統一を推進したコール首相の与党である中道保守連合(ドイツキリスト教民主同盟キリスト教社会同盟自由民主党)が大勝する結果となった。

選挙データ[編集]

全体議席は、第2投票(政党への投票)の得票による比例配分で決定されるが、少数政党乱立防止のため、第2投票において有効投票の5%以上を獲得するか、または第1投票(選挙区候補者への投票)で3人以上が当選するかのいずれかの要件を満たした政党のみに比例配分される。統一直後に行われた選挙のため、本総選挙限りの特例として“5%・3議席条項”は東西ドイツ地域で別々に適用されることになった。なお選挙区議席が比例配分議席を上回った場合は、超過議席となる。

選挙活動[編集]

CSU はドイツ南西部のバイエルン州のみで活動する地域政党で、連邦議会において共同会派を構成している姉妹政党の CDU は同州では候補を擁立せず、選挙運動は行わないため、両党は競合しない。

選挙結果[編集]

e • d  ドイツの旗 1990年ドイツ連邦議会総選挙 (1990年12月2日施行)
党派別獲得議席
党派別獲得議席
政党 議席数 増減 選挙区 比例区
議席数 得票数 得票率 議席数 得票数 得票率
キリスト教民主同盟 (CDU) 268 増加 83 192 17,707,574 38.3% 76 17,055,116 36.7%
社会民主党 (SPD) 239 増加 46 91 16,279,980 35.2% 148 15,545,366 33.5%
自由民主党 (FDP) 79 増加 31 1 3,595,135 7.8% 78 5,123,233 11.0%
キリスト教社会同盟 (CSU) 51 増加 2 43 3,423,904 7.4% 8 3,302,980 7.1%
民主社会党 (PDS) 17 増加 17 1 1,049,245 2.3% 16 1,129,578 2.4%
同盟90・緑の党 (B90/Gr.) (East) 8 増加 8 0 552,027 1.2% 8 559,207 1.2%
緑の党 (West) 0 減少 44 0 2,037,885 4.4% 0 1,788,200 3.8%
共和主義者 (REP) 0 ± 0 0 767,652 1.7% 0 987,269 2.1%
グレイパンサーズ (GRAUE) 0 ± 0 0 218,412 0.5% 0 385,910 0.8%
環境民主党 (ÖDP) 0 ± 0 0 243,469 0.5% 0 205,206 0.4%
国民民主党 (NPD) 0 ± 0 0 190,105 0.4% 0 145,776 0.3%
ドイツ社会連合 (DSU) 0 ± 0 0 131,747 0.3% 0 89,008 0.2%
キリスト教連合 (Liga) 0 ± 0 0 8,667 0.0% 0 39,640 0.1%
キリスト教中道 (CM) 0 ± 0 0 9,824 0.0% 0 36,466 0.1%
バイエルン党 (BP) 0 ± 0 0 10,836 0.0% 0 31,315 0.1%
女性党 (FRAUEN) 0 ± 0 0 1,433 0.0% 0 12,077 0.0%
ドイツ愛国者 (Patrioten) 0 ± 0 0 746 0.0% 0 4,687 0.0%
経済連合 (ÖKO-UNION) 0 ± 0 0 1,106 0.0% 0 4,661 0.0%
労働者民主連合 (VAA) 0 ± 0 0 704 0.0% 0 4,530 0.0%
ドイツ共産党 (KPD) 0 ± 0 - - - 0 1,630 0.0%
スパルタクス労働者党 (SpAD) 0 ± 0 0 124 0.0% 0 1,610 0.0%
ドイツ民主連盟 (DDD) 0 ± 0 0 474 0.0% 0 1,009 0.0%
社会主義労働者連盟 (BSA) 0 ± 0 0 214 0.0% 0 826 0.0%
責任ある市民 0 ± 0 0 72 0.0% 0 492 0.0%
欧州連邦党 (EFP) 0 ± 0 0 266 0.0% - - -
無所属 0 ± 0 0 43,324 0.1% - - -
総計[注釈 1] 662 増加143 328 46,274,925 100.0% 334 46,455,772 100.0%
有効票数(有効率) - - - 46,274,925 98.47% - 46,455,772 98.85%
無効票・白票数(無効率) - - - 720,990 1.53% - 540,143 1.15%
投票総数(投票率) - - - 46,995,915 77.76% - 46,995,915 77.76%
棄権者数(棄権率) - - - 13,440,645 22.24% - 13,440,645 22.24%
有権者数 - - - 60,436,560 100.0% - 60,436,560 100.0%
出典:Federal Returning Officer

CDU/CSUとFDPは急速な東西ドイツ統合を主張し、国民の支持を集めた事で、大幅に議席を増やして勝利した。一方SPDは得票率33.7%と大敗したことで、オスカー・ラフォンテーヌ党首が辞任した。また同時に行われたベルリン市議会議員選挙でもCDUが勝利した。

民主社会党は、ドイツ全体では 2.4% であったが、東ドイツ地域では 11.1% の得票を得たことで、議席を確保した。性急な東西ドイツ統一に反対の立場をとった西ドイツの緑の党は 3.8% (西ドイツ地域で 4.9%)の得票率に留まり、連邦議会における議席を失った。一方東ドイツ地域においては、市民運動勢力が結成した同盟90と東ドイツ緑の党による政党連合が東ドイツ地域で 6.2% を獲得したことで議席を確保した。

注釈[編集]

  1. ^ 超過議席は CDU/CSU の6議席

脚注[編集]

  1. ^ Voter turnout by election year”. Website of the Federal Returning Officer's Office. The Federal Returning Officer. 2014年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年11月7日閲覧。